アイドルと家族になるまで

岩崎翔也

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第二話

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 俺は扉を開けて再婚との顔合わせ場所へと入る。俺としては、父親と仲良くすることは難しくはないと思うが問題は子供だ。しかもそいつが女だとどう接すれば良いのか分からないぞ。頼む、男であってくれ。そう切に願いながら、部屋の中にいる人を見た。そこには、テレビにも出ていそうほどの美少女とその父親であろう男がいた。



「岡崎恭介です。よろしくお願いします」



 俺は緊張しながら一礼して室内に足を踏み入れた。母親も足を踏み入れるがそこには緊張の色は全く見えなかった。母親に指定された席に腰を沈め、美少女の正面に座る。母親も座ったことで男が口を開いた。



「晶子さん達も来たことだし自己紹介をしようかな。僕の名前は内田優也、娘の名前は優花だよ」



 優也さんに紹介された女の子が口を開く。



「内田優花です。これからよろしくお願いします」



 俺は一気に混乱した。あの一度聞いたら忘れないようなバラード曲の声音、その名前そしてその容姿。これはまるで――



「歌手でアイドルをやってます」



 友人の話に出てきた内田優花そのものではないか。

 母親は俺の混乱を他所に優香に向けて自己紹介を始めた。



「岡崎晶子よ、宜しくね優花ちゃん」

「俺の名前は岡崎恭介です。宜しくお願いします、優也さんに……」



 女の子の名前をなんといえばい良いのか分からなくなった俺はわずかに言い淀んだ。普通にいくと下の名前だろう。一応家族になるんだし。だがこの十六年間女の子の名前を呼んだことが無い俺はそう呼んで良いのかわからない。

  そんな俺の心情を察したのだろうか内田優花がため息混じりに言葉を放った。



「優花で良いわ。名字で呼ぶのもなんかおかしいでしょう」

「それじゃあ……宜しく、優花。俺のことも恭介で」

「宜しくね、恭介くん。優香もそんなにツンケンしない」

「はいはい。宜しく、恭介」



 自己紹介も互いに済み、食事を取り始める。その起こる会話はほとんどが母親と優也さんによるもので、俺と優花は二人に振られたものに返事をするだけだった。

 食事も終わり会話もひと段落した後その場で解散となった。俺はその言葉を聞いてほっと一息ついた。これであの内田優花と離れられる。俺自身よく彼女のことを知っているわけでは無い。だがその容姿を見るだけで緊張してしまうのだ。住んでいる場所が違うと言っても過言でないその可愛さ。大きく開かれた眼にそれを強調するかのような小さく高過ぎない鼻。日に当たったらその光が反射するであろうほどに黒く艶のある髪。と挙げたらキリのない程だ。



「あ、恭介に優花ちゃん新しい家を買ったからそっちに行ってね。恭介、今家の位置情報を送ったから。優也さんと少し外にいるから仲良くなっておいてね」



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