紅の呪い師

Ryuren

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第十二話

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 記憶は、更に巡っていく。

「ばあさま。頭が悪い人が、宮中入りできる方法って、ある?」
 ある日、ふと聞いてみた。宮中についてなら、きっと兄者の家族の方がずっと詳しいのだろう。でも、なんとなく祖母に聞いてみようという気になった。
「あるものかい。女が宮中入りするとなれば、学問だけの頭の良さが必要なわけでもないんだよ。いかに気が利くかとか、裁縫ができるかとか、刺繍ができるかとか。そういうのも必要になってくるんだ」
「じゃあ、わたしにはむりだよね」
 祖母が、私の目をじっと見つめた。裁縫は、苦手ではない。むしろ得意な方なのだが、やはり頭が悪くてはいけないということなら、どっちにしろ無理だろうと私は思う。
「練。宮中入りしたいのかい、お前は」
「兄者がね、一緒に文官になろうって言うの。女が文官になれるわけないんだけど。そしたら、女官になればいいって」
「……やめておきなさい」
 祖母が、少しだけ厳しい目をした。
「なんで?」
「意味がないからだよ」
 なんの意味、と聞こうとして、やめる。祖母の目の光が、強くなったからだ。時々祖母は、こんな目で私を見つめることがあった。そういう時は、きまって体が動かなくなる。普段は温厚で心優しい祖母なのだが、ふとした瞬間に溢れ出てくる──黒い影のようなものが、私には怖かった。
「……わかった。ごめんなさい」
「今はとにかく、女らしくなることに気を使うんだね」
「女、らしく?」
「ああ。外で走り回ってばかりいないで、化粧を覚えたり、丁寧な言葉遣いを覚えたり……」
「化粧?わたしまだ、九歳だよ」
 また、祖母の目の光が強くなった。渋々、私は口を紡ぐ。祖母が何を言いたいのか、さっぱりわけがわからなかった。丁寧な言葉遣いといったって、誰に教えてもらえばいいのだろう、と思う。化粧は、近所に住んでいる宿屋のお姉さんに聞けという。宿屋のお姉さんのことは、ちょっと怖くて苦手だった。
 いつか何処かに、私をお嫁に行かせるつもりなのだろうか、と一瞬だけ考えた。



「兄者ぁ!」
  大声で、呼んだ。兄者のお屋敷は広いから、兄者本人に声が届くことはあまりない。代わりに、お屋敷の使用人さんが出てくる。
「あ、練さん。田旭様ですね。少々お待ちください」
 使用人さんは、こんな私にも丁寧に接してくれる。暮らしぶりはどう考えても使用人さんの方が華やかなのに、だ。でも、悪い気はしなかった。様付けで呼ばれる兄者が、ちょっとだけ羨ましくもある。 
 しばらくして、兄者がひとりで出てきた。目の下に、隈が張り付いている。また夜遅くまで勉強していたんだろう、と私は思う。ということは、今日も遊べなさそうな予感だ。
「……遊べる?」
「無理」
 きっぱりと、兄者は言った。だよねえ、と私は苦笑いをしてみせる。お屋敷の奥から、兄者を呼ぶ声が聞こえた。兄者は私にちらりと目をくれてから、また中に戻っていった。代わりに、兄者の母上が出てくる。
「練、ごめんね。おとといから、有名な先生がお越しになってるの。そうだ、先生に出すお菓子が余ってるから、練も食べる?」
「うん、食べる!」
  もう、兄者と遊ぶのはどうでもよくなった。母上に導かれるまま、私はうきうきとお屋敷の中に入る。長い廊下を歩いていると、嗄れた男の人の大きな声が聞こえてきた。時々それに、兄者が力なく返事をしているのがわかる。
「先生って、こわい人?」
「……まあ、厳しい人ではあるわね。でも、それなりの学識がおありなのよ、あの方は」
「兄者、かわいそう」
 部屋に入り、出されたお菓子を食べながら私は呟いた。母上は困り笑いを浮かべて、声がする方にちらりと目をやっただけだった。
「あ、そうだ。母上、ばあさまからね、あんまり外で遊ぶなって言われたの。それでお化粧したり、丁寧な言葉遣いを覚えなさいって。母上もわたしくらいのときに、そういうのを覚えたの?」
 言うと、母上は少し驚いたような顔をした。
「いいえ。さすがに九つのころは、まだ元気に走り回っていたわよ。そんなに急かさなくてもいいと思うけれど」
「だよね」
「……それで、誰かにお化粧を習ったりするの?」
「ううん、まだ。そうだ、母上が教えてよ。わたしも母上みたいにきれいになりたい」
 母上の着物の袖を掴んで、少し引っ張る。母上がそっと微笑んで、私の手を握った。
「ええ、もう少し大人になったら、ね」
「でも、ばあさまはすぐって言ってたよ」
「……」
「もしかしたらわたし、どこかにお嫁に行けって言われるのかもしれないね。だから早く、女らしくなれって……」
「練」
 母上が、囁くような声で私の言葉を遮った。 
「なに?」
「練のばあさまに、お願いしてみようか。もう少し大きくなったら、練はうちでお預かりしますって」
「おあずかり?」
「ここで暮らすのよ」
「ほんと!?」
 目を輝かせて、母上の膝に身を乗り出す。母上はやっぱり優しく微笑んで、頷きながら私の頭を撫でた。

 もう少し、大きくなったら。それって、いつ?時々、そう聞いた。母上は寂しそうな目をして、「まだわからないわ」と言っただけだった。



 何事もない、平凡な日々はあっという間に過ぎていくように感じる。兄者が勉強熱心な代わりに、私は裁縫に力を入れるようになった。これで少し勉強すれば、もしかしたら女官になれるかもしれない。でも、宮中入りなんてせずに兄者の家で暮らすのも悪くない、とも考えていた。兄者だって文官になったら、時々家に帰ってこればいいのだ。そしたら、寂しくなくて済む。どっちにしたって、母が裁縫が上手だったのなら、自分も少しは上達したいと思っていた。兄者より手先が器用なのが、救いだった。
 時々、兄者の母上は兄者と遊ばせてくれた。母上と使用人さんたちと、花見に行ったこともある。遊ぶ時だけ兄者が解き放たれたように元気になるのが、私には嬉しくてたまらなかった。でも、歳を重ねるにつれ、兄者と遊ぶ時間はどんどん減っていく。たまに会うと、こんなに大人っぽかったっけ、と不思議に思うこともあった。それは兄者も同じようで、よく「背が高くなったか?」と聞かれたりした。兄者も高くなったでしょと言っては、互いに不思議そうな顔を見合わせたりしていた。

三年、経った頃だっただろうか。


 祖母が、病気になった。なんの病気かは、難しくてよくわからない。ただ、その日から祖母は着物を作れなくなって、お店ももう閉めなければならなくなった。寝たきりの祖母のお世話にと、兄者の家から使用人さんがひとり連れてこられている。何が何だかわからない私は、ぼんやりと寝ている祖母の傍にいる事が多くなった。
「ばあさま……」
「……」
「わたしね、ちょっとだけ丁寧な言葉遣い覚えたよ。ちょっとだけ、だけどね……」
 祖母は、滅多に喋らなくなった。寝ているのかも起きているのかもわからないのに、私は祖母に話しかけ続けた。使用人さんによれば、寝ている時に時々うわごとを言うらしい。お金が、だとか何とか言っている……と使用人さんは怪しげな表情をしていた。お店を閉めてしまって、お金が入らないのを気に病んでいるのかもしれない。気にしなくても、そこら辺は兄者の家がなんとかしてくれているのだという。自分がお店をひとりでやっていければ、少しは祖母も気が楽になるだろうか。どっちにしたって、自分には何もできない。それがつらくて、仕方なかった。
「練」
 兄者の声が、玄関の方から聞こえた。実に久しぶりだった。私はなるべく明るい声で、それに返事をする。
「久しぶりだね。どうしたの?」
「母上が、今日は遊んでこいって」
「へえ。何して遊ぶ?」
「釣り、行かないか?」
 そっけなく、兄者は言った。兄者の背は、もう自分よりずっと高くなっていた。もう、母上の身長もとうに越しているだろう。大人びた雰囲気に少しだけ気圧されながら、私は言葉を返す。
「……川、遠いから。あんまりばあさまのところから離れたくないの」
「そうか。そうだよな」
 兄者が、しばらくの間考えるふりをする。それから、
「じゃあ、市場に買い物に行こうぜ」
 と言った。
「買い物?」
「二人だけで行ったこと、なかっただろ。な、行こう」
「お金、持ってるの?」
「持ってるさ。ほら、早く」
 兄者に、腕を掴まれた。その掌の大きさに、少し驚く。使用人さんに一言声をかけてから、半ば強引に兄者に手を引かれて行った。開封の、最も人が多い場所へ。私も普段行かない場所だから、ちょっとだけわくわくした。

「兄者。そろそろ手、離してよ」
「えっ?あ、ああ……」
 少し戸惑ったように、兄者が手を離す。私は構わずに、ずらりと並ぶお店をひとつひとつ眺めた。焼き物や饅頭、野菜。客を呼び込む声や値切りの会話が飛び交い、市場は華々しい空気に包まれていた。
「あ、かわいい!」
 小鳥がたくさん売られている店を見つけると、私はそこに向かって一目散に駆け出した。
「おい、練!」
 後ろから追いかけてくる兄者を気にも留めずに、籠の中の小鳥を覗き込む。薄茶色の小鳥は、小さな瞳を瞬きさせながら二、三度鳴いた。
「ばか、勝手にどっか行くなよ!迷子になったらどうする」
「うん……」
 惹き付けられたように、小鳥をじっと見つめる。他の籠にも、様々な種類の小鳥がいた。一羽一羽を眺めながら、私は
「かわいいね」
 と言う。
「そうか。飼いたいとか言うなよ」
 兄者は、あまりこういうのに興味が無さそうだった。しばらくの間その店に留まって、私はようやく歩き出す。歩いていると、兄者が私の手を握ってきた。
「やっぱり迷子になりそうだ、お前は。こうしていないと、すぐどこかに行ってしまうだろ」
「わたしもう、十二なんだけど」
「俺には、そうは見えないな」
 ふん、と兄者が鼻で笑ってみせる。こういう物言いには昔から慣れているから、特に腹が立ったりはしなかった。子どもっぽい、と言われている。ちょっと大人っぽくなった、兄者に。そう思うと、ちょっと変な気分に……ならなくもない、気がした。

  兄者が、とある店の前で足を止める。雑貨や髪飾りを売っている店のようだった。
「きれい……!」
「ちょっと見てみよう」
 二人で、台の上に並んだ飾りを眺める。奥から店の主人が出てきて、こう言った。
「母君に渡すと、喜ばれるぞ」
 確かに、飾りはどれも大人の女の人が喜びそうなものだった。その分、高価なものが多い。祖母に渡しても、きっともう意味はないだろう。考えて、少しだけ悲しくなる。
「母上は、こういうのたくさん持ってるからいいや。なあ練、お前何か欲しいのがあるか?」
「わたし?」
 改めて、飾りをひとつひとつ眺めてみる。どれも、私に似合わなさそうだった。そもそも、自分はたったさっき『子どもっぽい』と言われたのだ。そう言う兄者が選んでくれよ、と私は思う。
「まだお前さんには早いだろう。そうだ、これなんかどうだ」
 笑いながら、店の主人が奥の方から何かを取り出してきた。ごつごつした掌に、小さな白い欠片が二つほど乗っている。
「なに、これ?」
「貝殻だよ。珍しいだろ、この二つはもともと一つの貝だった。ほら、合わせるとぴったり重なる。それぞれ一個、持っときな」
朱色の紐と、青い石玉の付いた二つの貝殻は、確かにぴったりと重なった。
「すごい!」
「なあに、俺が戯れで作ったようなもんだから、それはただでくれてやる。もう少し大人になったら、ここに並んでるのを買うといいさ」
「いいの?」
「おうよ」
 嬉嬉として、わたしはそれを受け取る。ひとつを兄者に手渡すと、兄者はちょっとだけ頬を赤らめた。
「おじちゃん、ありがとう!」
 もう一度、手のひらの中の貝殻を見つめる。海は、湖よりもずっとずっと広いのだという。一度は兄者といつか行ってみたい、と私は思った。

「……なんだろう、あれ」
 小さな広場に、人集りが出来ていた。二人で、その人集りの先を覗きに行く。何やらひときわ目立つ、抑揚のある声が聞えた。
「では続きまして、紅彪林による犬芸を──」
 背伸びして、ようやく何が起きているのかわかった。芸人さんだ。とてもきれいな顔をした男の人が、三匹の犬と芸をしている。その立ち振る舞いの鮮やかさに、私は思わず釘付けになった。
「……」
「三つの輪をご覧ください。私がこの輪を投げれば、中を犬たちが見事に通り抜けてみせます」
 嘘だ、できるはずがない、と思った。男の人が、赤い色の輪を投げる。すると一匹の犬が、その中をするりと綺麗に飛び抜けて行った。続けて、二つ三つ。やはり別の犬たちが、中を鮮やかに通っていく。輪が男の人の手に戻っている時には、既に犬たちは大人しく傍に座っていた。
「わあ……」
 男の人が、にこやかに笑ってこちらを向いた。どきり、と心臓が跳ねるのがわかった。心做しか、顔が熱い。興奮しているのだ、と思った。
 それから、しばらくの間芸が続いた。途中、兄者が「すごいな」だとか何とか話しかけてきたが、無視した。それだけ、男の人……彪林、と言ったかな。その人の芸に、魅入ってしまっていたのだ。芸はそれで最後のようで、男の人が一礼をすると客は少しずつ散っていった。別の男の人が、箱を持って立っている。人はそこに、思い思いの金額の銭を入れているようだった。
「俺、お金入れてくるよ……って、練!?」
 私は、あの男の人のところへ走っていった。芸を終えた男の人の周りには、何人もの女の人が集っていた。邪魔だなあ、と思いながら、私は女の人達が去っていくのを待とう、と思った。
「練、帰るぞ」
「まって、ちょっとだけ」
 言うと、兄者は戸惑ったような顔をした。男の人が、ではこれで、と言って去ろうとする。女の人達が、それに伴って名残惜しそうに男の人から離れていった。
「あ、あの!」
 私が大きな声で言うと、男の人は不思議そうな顔をして振り返った。
「ん?」
 私を見て、男の人がにっこりと笑う。また、心臓が跳ね上がった。どもりながら、私はなんとか声を出そうとした。
「とってもすごかったです。あの、いつからそんなに、その……上手に芸ができるように、なったんですか?」
 自分でも、言っていることがおかしいと思った。それでも男の人は笑顔を崩さずに、優しい声で言った。
「練習を始めたのは、十五歳の時だったかな。一年練習したら、こうして興行に出してくれるようになったよ」
「一年で、あんなに?」
「今はもう、三年目だからね。練習と興行を重ねれば重ねるほど、腕は上達していくんだ」
 足元に、三匹の犬がやってきた。両手を広げると、犬たちは遠慮がちに私の手の匂いを嗅いだ。
「かわいい」
「彪林!もう行くぞ」
「只今、高延亮殿」
 男の人が、じゃあ、と言って去ろうとする。犬を撫でていた私は、思い出したように懐の中の飴を急いで取り出した。
「これ、あげます。また、見に来てもいいですか?」
 男の人が、目を丸くして飴を見つめる。 
「──ありがとう。いつでも、どうぞ」
 飴を受け取ると、また男の人がふわりと笑った。世界でいちばん素敵な笑みだ、と思った。
 男の人が踵を返しても、私はしばらくの間その後ろ姿を見送っていた。 

「練……」
 その声で、私ははじめて兄者の存在を思い出す。兄者は不満そうに、眉間に皺を寄せていた。
「あのひと、十五歳の時から練習してたんだって。兄者と同じくらいの時から、だよ」
「俺は、芸人になんかなる気はないぞ」
 兄者の口調は、少し怒っているようだった。あまりにも待たせすぎたからだろうか、と私は思う。 帰り道、何度かあの男の人の顔が浮かんできた。彪林。思い出す度に、胸の辺りが熱くなるような気持ちになる。不思議だ、と思った。また、絶対に会いに行きたい。今度は綺麗な花なんか摘んでいったら、と考える。自分は何を考えているのだと、少しだけ恥ずかしくなった。

 日が、沈みかけている。私は手を振って、兄者と別れた。
「……?」
 自分の家の前に、何人かの大きな男の人たちが集っていた。それを見て、背筋にぞわりとしたものが這った。使用人さんが出てきて、おどおどと男の人に何かを話す。すると男の人は、使用人さんの胸ぐらを掴んで怒鳴り声をあげた。
「中に入れろ。本当かどうか確かめてやる」
「ですから、本当に病気なのですよ。信じてください」
「だから確かめる、と言っているだろう。ついでに金目のものも持っていくからな」
 危ない、と思った。私はすぐさま家の前に駆け込んで、使用人さんの胸ぐらを掴んでいる腕を手で叩いた。
「練様!?」
「公麗さんに、何するの!」
「なんだあ、このガキは……」
 男の人が手を離して、私の目をじろりと覗き込んだ。その目の鋭さに、思わず腰を落としそうになる。
「あのばばあの、孫か。こいつが」
「へえ、なかなかの器量よしだ」
「こいつを貰っていけば、金になるんじゃないのか?」
「ただちょっと、いやかなり生意気だな。叩き直してやろうぜ」
 男の人たちが、下品な笑い声をあげる。何を言っているのか、さっぱりわからなかった。使用人さんが震えながら、私を抱き抱える。
「練様だけは、どうか、お許しを……」
「うるせえ。こいつの父親が、一体どれだけの借金をしたか知ってんのか。ばばあが病気だろうが何だろうが、それはきっちり返してもらわなきゃなんねえんだ。そのツケは全部、こいつが背負うことになるがな」 
 男の人が、私を指さした。やはり、何を言っているのかわからない。使用人さんがへたり、と地面に座り込む。
「まあ、娘の顔をちらりと見られたから今日は良しとしよう。使い道を、考えておくよ」
 ぺっと唾を吐いて、男の人たちが去っていく。私はあっけに取られながら、まだへたり込んでいる使用人さんの肩をそっと揺さぶった。

 父親の、借金?

 何か、私の知らない、大変なことがある。それだけはなんとなく、理解した。
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