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【12】体育祭種目決め

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学園祭を無事終えて、今度は次の行事、『  体育祭  』に向けて種目決めを行っていた。


ウチのクラスから選出した体育祭実行委員は、
・元彼似の杉浦
・ボスギャルクロミ

この2人組。
この2人が前に出て、主体となって決めていた。


出たい種目に手をあげて、どんどん決まって行く中、私は幾ら手を上げても何故かスルーされてしまう。

ちょ!なんで~(´ºωº`)!?
オイ!
クロミ~~~!!
100%わざとスルーしてるでしょ​───!!!



とうとう残りの競技は、リレーと二人三脚障害物競争のみに……。


どっちもやりたくな​────い!!!


特に、リレーなんて運痴の私が出たら全校生徒の笑い者!!

避けたい!避けたい!
絶対に避けたい!!


全力で障害物競争に手を挙げたが、見事にクロミにいないもののようにスルーされた。


「じゃあ、女子のリレーは
小野と鈴木るあで決定でー。」


クロミが半笑いしながら私を見ると、黒板に私の名前を書き出した。


えっ……
マジ言ってる!?


ザワザワ………。

教室内で皆ヒソヒソ話。



「(え、小野さんはわかるけど…
るあちゃんて足速かった…?)」

「(あんまりじゃなかった……?)」

「(リレー走れるのかな………?)」


ヒソヒソ話が耳に入ってくる。


全然速くない!!
尋常ならざる遅さ!!!
リレーなんて無理無理無理!!!


青ざめた私はガタッと立ち上がった。


「私、リレーなんて走れない!!」

クロミは私を睨みながら


「は?もう決まった事だし。
今更変えられない。」


ウソでしょ!?
軽くイジメだよね!?これ!!


黒板に書かれた自分の名前を見て
真っ青になった。


「あ!私、リレー出たい!!
るあちゃん、交換しない?」


1番後ろの席から、ギャル軍団の一人が手を挙げ、私にトレードを持ちかけてきてくれた。


「はぁ?余計な事すんなよ、やっぴ!」

クロミがギロリと睨む。

「私、中学の時陸上部だったんだよね~!
結構走るの自信あるんだ~♪」


ギャル軍団の中の一人、『やっぴ』ちゃんと呼ばれるこの子は、明るくて皆の人気者。

早川くんや蒼太くんとも親しく話せるコミュ力の高さを持ち、そして、私と違い性格が良く皆と分け隔てなく話す為、女子にも大人気。


「るあちゃん、障害物めっちゃやりたそうだったよね?
交換してくれない?」

「えっ!ウン!!本当にいいの!?
あ、ありがとう!やっぴちゃん!!」

「私、障害物よりリレーの方が良かったからるあちゃんこそ、代わってくれてありがとね!」


な~~んて良い子なんだ!
この子はぁ!!!
神だ!!女神!!
私がクロミにハメられて
困ってるの見て、交換してくれたんだ!!絶対!!

やっぴちゃんだってきっとリレーなんて出たくないはずなのに…!


やっぴちゃんの優しさに惚れてしまいそうになった////

ギャル軍団にも良い子がいるんだ!


………というか、このクラスの天敵はクロミだけ!!
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