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【14】体育祭①

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体育祭。私の出る種目は、綱引きと二人三脚障害物競争。


体育祭前、蒼太くんに「一緒に二人三脚練習しよう♡」
って言われたけどクロミさんの目もあるし、「嫌!!」と私が頑なに拒否していたので練習なしのぶっつけ本番で挑む。


てか、当日にならないと、二人三脚組む相手分からなかったし。


取り敢えず、ビリじゃなければ
いいや!!
……という消極的な姿勢で列に並ぶ。



各色クラス別に、男女がペアになる様、背の順に並んで行く。
身長170cm(自称)の蒼太くんは
女子の平均より少し高めな161cmの私よりも少し前の方だった。

ありゃw
残念だったね(´ー∀ー`)



私のペアはと言うと、


「よろしく!るあちゃん。
絶対1位取ろ!」



う…ウソでしょ…… ( ºΔº ;):!?


スッと隣に並んだ体操着姿も様になる彼は、早川くんだったのでした!!!!



「えっ!?早川くん障害物競走だったっけ!?」

「いや、俺、種目決めの時保健室行ってて杉浦に勝手に障害物にされたんだよねw
サボるお前が悪いとか言われて。」

「そうだったんだw
そういえばいなかったよね。
障害物なんてやりたくないよね。」

「うーん。やりたくなかったけど、でも、そうでもなくなったかなw」



!?
…………その意味とは////!?



てか、早川くんと二人三脚~~!!!?
ヤッバい!!
急に心臓がバクバクいってる!!
どうしよう!?
プチパニックだよ!!!
え、このイケメンと脚繋ぐの!?
マジ言ってる!?
無理でしょ​─────!!

ファンに刺されないかな!?
私の命大丈夫!?w



「ねぇ!!早川くん!
交換してくれないかな!?」

前の方から蒼太くんが
早川くんへ交渉してきた。


ええ!?
ちょ……!
空気読んで下さい!!
………いや……でも、
蒼太くんの方が緊張しなくて 
逆にいいかもな……。



しかし、脚を結ぶ為の布が配られ
列に戻るように注意を受ける蒼太くん。


それを見て、
クスッw と笑う早川くん。



「俺が結ぶね。」


配られた布を手に取り、
早川くんは私の右脚と自分の左脚をギュッと固く結んだ。

途中で取れてしまわない様に固く結んだ二人の脚。


「キツくない?大丈夫?」

「ウン。平気。」


右肩と左肩が触れる。
先程から動悸が止まりません。



「脚元 気にしないで、前向いて走ろ。
歩幅合わせるから、声かけしよう。」


うわー!
早川くん本気モードなんですけどッ!
これはドキドキしてる場合じゃない!
脚引っ張らないようにしなきゃ。



設置された障害物を見てみると、
最初にネットの網くぐり、

(途中は明確には覚えていないが
確かカラーコーンの障害物だった気が…)

ラストは小麦粉の中に顔を突っ込み、手を使わずに飴を探し当てる、飴食い。


マジか……!飴食いかよ………!
鉄板のパン食い競走じゃないんだ……!?
パン食いも嫌だけど……!
飴は顔真っ白になるからもっと嫌~~!!
最悪!!!


気になる男子の前でバ●殿みたいに
顔面真っ白……
下手すりゃ髪も粉だらけになるのは嫌ぁ ─────!!!


「最悪だ…最悪だ…最悪だ…」


ブツブツと独り言を言っていると

「最悪?
俺じゃなくて蒼太が良かった?」


脚を一つに結んだ早川くんが、首をかしげて覗き込む。


いやいやいや!
違います!!早川くんが良いです!


「いや!そうじゃなくて!
飴食い競争が最悪だなって…。」


パン!!

そんなやり取りをしている所で
競技が待ったナシに始まった。
前走者が走り出す。


うわ!どうしよう。

オロオロしていると


「大丈夫。俺に任せて。」


そう言って、早川くんは私の肩に手を回した////
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