師弟の旅

火吹き石

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第二章

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「お……おれたちが先でいいんですか?」

 若者の一人が訊ねた。興奮に輝く目は、快感に身じろぎするダイチのうえにしっかりと結びつけられ、その手は股の膨らみを押さえていた。他の若い仲間も、同じような様子だった。

 そんな若い連中の様子を、先輩たちはにやにやと笑いながら見ていた。

「いい、いい。遠慮するな。」

 そう答えたのは、ハガネだった。笑いながら、付け加える。

「それに、おれは柔らかくなった穴がすきでなあ。」

 そう言ってから、壮年はダイチに視線を落とした。

「ほら、お前さん、連中にねだってみろ。あいつら、恥ずかしがっちまってる。」

 言われて、ダイチは若者たちに顔を向けた。みな興奮を露わにしているが、まだ踏ん切りがつかないらしい。無理もない。広間にはこの宿舎に泊まるほとんどの鉱員が集まっていた。みながみな童貞というわけでもないだろうが、こんなふうに大勢で事をなす経験はないだろうし、あっても少ないだろう。

 そもそもダイチ自身、師の他の者に抱かれたのは、この夜が初めてだった。だから、広間で裸になり、みなの情欲の視線に晒されているのは、やはり恥ずかしかった。

 だが、恥じらいよりも、性欲のほうがよほど強かった。尻がずっと疼いていて、とにかく誰かに抱かれたくてしかたがない。そして年上の連中が後からというなら、恥じらいに躊躇ちゅうちょする年若い連中に来てもらわねばならなかった。

 ダイチは若い連中に目を向けると、懇願した。

「なあっ、来てくれよ。おれのケツ、使ってくれよ。」

 そう乞いながら、股を広げ、陰嚢を持ち上げて、尻穴を晒した。恥ずかしさに、ダイチは背筋にぞくぞくとするような痺れを感じた。

 若者たちは互いに目配せすると、おずおずと机に近づいてきた。先輩たちは下がって場所を空け、手近な椅子や机に腰掛けるか、立ったまま見物を決め込んだ。

 若い連中は、まだ踏ん切りがつかないようで、仲間や先輩、それにダイチの間で目をさまよわせていた。だが、一人が意を決したようにダイチの下方に位置取り、短衣の裾をたくし上げた。そして、ダイチの腰を掴んで机の縁に引き寄せると、その両足を掴んで広げさせ、体を近づけた。ダイチは、尻の穴に肉塊が押し当てられるのを感じた。

「あっ――!」

 押し当てられた陰茎が、ぐいっとねじ込まれた。すでにウロコに使ってもらっていたこともあって、たやすく受け入れられた。それでも息苦しいような圧迫感を覚えるが、これはダイチにとって、むしろうれしいものだった。

 挿入した若者は、すぐに腰を振りはじめた。緊張しているのだろう、その表情は険しかった。だが、腰使いは荒くて力強かった。

「あっ、んっ、はっ、あっ――!」

 ダイチは甘ったるく声を上げた。突かれるたびに、体の奥から痺れが走る。快感に声を上げながら、震える体を抑えるために、机の端を掴んだ。机はぎしぎし、ぎいぎいと軋んでいた。

 ダイチが喜んで声を上げるようになると、周りの若者たちも緊張が緩んだのか、近づいてきた。一人がすぐそばに寄ると、ダイチの胸に手を伸べ、揉むように撫でた。

「すげえ、可愛いなあ……。」

 若者は少し笑みを浮かべながら、うっとりしたように言った。短身だが逞しい肉体を、味わうように撫でる。他の若者たちも集まって、愛撫を加えていった。

 若者たちは、その場に全部で十人ほどいた。鉱山では他にも若者がいるが、別の宿舎に泊まっている。十人もいれば、もちろん全員がダイチに触れられるわけではない。近づけない者らは互いに肩を組み、愛撫や口づけを交わしたり、熱り立った一物を握りながら、ダイチのことを見つめていた。

 ダイチは喘ぎ悶えながら、愛撫に身を任せた。みなの欲望に燃える視線が、肌を焼くように感じられた。それはダイチにはうれしくて、誇らしくもあった。体はしっかり鍛えてあり、体つきと力強さには自信がある。その肉体に欲情してくれるなら、うれしいことだった。

 最初に入れた若者は、ほどなくして果てた。射精の余韻を楽しむ間もなく、すぐに別の若者が押しのけ、ダイチの穴を犯しはじめた。ダイチは喜んで声を上げた。

 それから、ダイチは若者たちによって、次から次へと抱かれた。若者たちは興奮に燃え上がっており、その目はぎらぎらと輝いていた。まるで飢えた者が食い物を貪るような様子だった。笑顔はなく、何か恐ろしげな雰囲気すらあった。

 恥じらいは情欲の前にいつしか消え去ったようで、いつの間にか、みな裸になっていた。上気して赤く色づいた肌には汗が浮かび、ダイチを中心として、若い熱気がむんむんと立ち込めていた。

 ずいぶんと興奮していたのか、若い連中は、それほど長くは保たなかった。ダイチの尻に得物を突き入れ、しばしの間、全力で腰を振ると、簡単に果てた。いつも精力絶倫の師によって延々と抱かれているダイチからすれば、やや物足りないところであった。だが、そこは若さが補うところだった。果てるのは早くとも、固さはすぐに衰えなかった。

 一同が一周する頃には、ダイチの尻からは精液が溢れていた。延々と突きまくられ、昼間は坑道で仕事をしていたこともあり、さすがのダイチも疲れを感じていた。だが、まだ一発しか出していない、興奮して汗だくの若者たちに囲まれると、その疲れも忘れてしまった。

「じゃあ、またおれからやるぞ。」

 最初に挿入した若者がそう言った。その顔には笑みが浮かんでいた。みんな一発ずつ出したおかげか、若者たちの間からは、さっきまでの殺気立つような雰囲気が薄れ、いくらか余裕が漂っていた。

 若い鉱員がダイチの足を掴み、広げた。それを、ダイチは止めた。

「まって……。」

 ダイチが言って足を動かし、鉱員の手から逃れた。相手は一瞬、虚を突かれたような顔をしてから、すぐにばつが悪そうにした。

「わ、悪い。疲れてるよな、そりゃあ。」

「いや、疲れてはない。おれ、まだまだできるぜ。もっとしたいくらいだ。」

 ダイチはそう言ってにやりと笑うと、一つ自分の得物を扱いてみせた。この夜、まだ一度も果ててはいないそれは、がちがちに固く、これまでの喜びに透明な汁を滴らせて、全体を濡らしていた。それほど疲れてはいなかった。

「けど、ちょっと、背中が痛い。」

 そう言ってはにかんで、ダイチは上体を起こした。ずっと机の上で横になったまま、体勢も変えることなく、ひたすら若い鉱員たちに抱かれていた。背中が痛くなるって当然だった。耐えられないわけではないが、色事の最中に不快を耐える気にはならなかった。

「部屋に行くか?」

 ウロコが声をかけてきた。他の年上の仲間とともに、ウロコは少し離れた机に集まって、若者たちの盛る様を鑑賞していた。

「いや、ここでいい。」

 ダイチは床に降りると、わざとウロコたちから見えやすいような立ち位置を取って、机に手をつき、尻を突き出した。そして肩越しに、若い鉱員たちを見た。

「なあ、続きしようぜ。」

 だが、そんなことを言う必要はなかった。先に入れようとしていた若者はすぐに近づいてきて、ダイチの腰をがっしりと掴んで引き寄せた。そして一物が穴に押し当てられると、一息に貫いた。

「っ――!」

 若者はさっそく力強く腰を振りはじめた。たん、たん、と体がぶつかり、机が軋む。ダイチは快感に甘く声を上げた。

「あっ、あっ、あーっ――!」

 貫かれる度に、体中を甘い痺れが走り、体が震えた。とくに、震えは足腰に強く現れた。体の内奥を突かれ、快感を与えられる度に、足元が揺れてしまうように感じた。

 ダイチの耳元で、相手が笑い混じりの声を囁いた。

「大丈夫か? 転んじまうんじゃないのか?」

 その声には、からかうような音色があった。それに、ダイチは笑い返した。

「ころぶっ、わけっ、ないだろっ。さっきはっ、すぐにっ、いきやがったくせにっ――!」

 ダイチが言い返すと、相手も周りも笑った。

「じゃあ、すぐに足腰立たなくさせてやるからな。」

 相手はそう言うと、いっそう力を込めて腰を振りはじめた。がつん、がつんと、まるで殴りつけるような激しさだった。

「あーっ、あっ!――はっ、ふっ、はぁっ――!」

 ダイチはさっきまでよりも、大きな声で喘いだ。

 力が強ければそれだけ気持ちいいなどというわけでは、もちろんない。だが、普段から師によって攻められる喜びを体に教え込まれていたダイチは、相手からより手荒に扱われると、それだけ興奮が高まってしまうのだった。

 ダイチの声の違いに、もちろん周りも気づいたのだろう。下卑た笑いが若者たちの流れた。

「さっきまでは優しくしすぎたんだな!」

 順番を待っている一人が、笑いながら言う。すると、別の者が応じた。

「ああ。賭けてもいいぜ。胸を抓ってやったら、きっと喜ぶぞ。」

 そう言った者は、机の向こうにいたから、ダイチには手が届かない。だがその言葉に促され、ダイチのすぐ近くで待っている鉱員が、ダイチの胸に手をやった。逞しい膨らみを乱暴に揉みしだいたうえで、突起を抓った。

 その途端、ダイチはびくっと体を震わせ、背をのけぞらせた。

「あっ――! はーっ、あっ、あーっ――!」

 抓られながら尻を掘られると、それだけダイチの声が上ずり、甘ったるくなった。すると、今度はダイチを抱く若者が、荒々しく尻を犯しながら、尻を引っ叩いた。それにも、ダイチは快感の声で答えた。

「あー、すげえな、こいつ。」

 若者はダイチの尻を何度か引っ叩くと、また腰を掴んで猛然と腰を振りはじめた。すぐに、再び果てた。ダイチは注がれる体液を、喜びとともに受け取った。

 それから、若者たちは場所を代わっては、ダイチを犯した。みな一周目よりもよほど余裕であったというのに、手荒だった。荒っぽく扱ったほうが、ダイチが喜ぶのがわかったからだった。尻を引っ叩き、胸を揉みしだき、ときに頭を掴んで机に押しつけ、あるいは髪を掴んで顔を上げさせた。

 若者らの半数ほどが果てた後、ダイチは不覚にもその場に座り込んでしまった。疲れていたということもあるが、それよりも、荒々しい快感に攻め立てられて、足腰から力が抜けてしまったのだった。

 だが、興奮しきった若者たちは、このまま終わらせるつもりはないようだった。自分の番になった若者は、座り込んだダイチを土の床に押し倒すと、腰を掴んで尻を持ち上げ、乱暴に犯しはじめた。

「ふっ、はっ、あっ――あっ、はぁっ、あっ――!」

 額を土に押しつけながら、ダイチは喜びを感じていた。疲れてはいたし、足腰も弱っていた。だが、そのために行為を終わりにしたいというわけではなかった。師を相手していたら、抱きかかえられ、そのまま続きをさせられているところだろう。若者たちは知ってか知らずか、ダイチに申し分なく乱暴な快楽を与えていた。

 ある鉱員が、半ば冗談めかして、ダイチの頭を踏みつけた。さすがにひどいと思ったのか、他の鉱員たちの間に、息を呑むような気配が漂った。だが、ダイチはそれを心から喜んだ。顔を上げて、自分の頭を踏んだ履物に、自ら口づけしたほどだった。

 その瞬間、並んだ一同の顔に、恐ろしげで、いたずらっぽくもある笑みが浮かんだ。

 それから、ダイチへの扱いはさらに手荒になった。少年にも見える小柄な若者を、寄ってたかって踏みつけたり、足蹴にしたりした。どれも本気ではなく、からかってなぶっているだけではあるが、屈辱的な扱いではあるはずだった。そのうえ、履物を脱いだ足をダイチの顔に近づけては、口づけさせたり、舐めさせたりもした。その間ももちろん、絶えず尻は乱暴に犯され続けていた。

 これらの扱いを、ダイチは喜んで受け入れた。同時に、衝撃を受けてもいた。師から散々になぶり者にされ、淫らな喜びを体に教え込まれてはいたものの、まさかこんなふうに、同年代の若者たちに辱められて快感を覚えるとは思っていなかったのだ。

 だが、ダイチは自分でも知らなかった自分を知っても、それほど深くは動揺しなかった。とにかく与えられる快感を、ひたすら享受するだけだった。足蹴にされ、荒々しく犯されながら、小柄な若者はただただ喜びの声を上げていた。
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