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6.捕り手
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天幕の間に、タテガミは放置されていた。両手は前で縛られ、縄が地面に立てた杭にくくりつけられている。鎧は脱がされ、武器も当然奪われ、お気に入りの腕輪も同様だった。それどころか、服すらも剥がされていた。裸にされて、冬の夜の寒さが堪える。毛布を何枚か被せられ、小さな焚き火も与えられ、それでなんとか寒さを凌いでいた。
周りには、タテガミの他には誰もいない。タテガミは陣の奥まったところにおり、戦士たちはもっと前の、大焚き火のところに集まっている。さっきまでツノがいて、食事を一緒に取っていたのだが、それが済むとタテガミを縛り、置き去りにしてしまった。だが、ずっと一人にさせてはもらえないことを、タテガミは知っていた。
ほどなくして、ツノが戻ってきた。タテガミは、ツノの腕に嵌った、緑の釉を施した銅の腕輪を見て、歯噛みした。あれはタテガミの気に入っていた品だったのだ。ツノが得意げに身に着けているのが、気に入らなかった。
ツノは後ろに、十数名の若者を連れている。ついさっきの話からすれば、おそらくは一年者だろう。みなしきりに、興奮した顔で見交わしている。
タテガミはツノに、鋭い一瞥をくれた。
「寒い。いま冬なんだぜ。服くらい着せてくれたっていいんじゃねえか。おれの腕輪も取りやがって。」
そう言うと、ツノは笑った。すぐ近くに腰を下ろすと、乱暴に頭を撫でる。タテガミはその手を振り払おうとするが、両手を縛られていてはどうしようもない。
「どうせいまから脱ぐんだ。関係ないだろ。」
ツノはそう言って、手を毛布の中に入れた。冷たい手が肌に触れて、タテガミはびくっと身を震わせる。ツノは気にした様子もなく、肌を撫で回していく。腹を擦り、胸を撫で、その尖りを指先でくりくりと捏ねるようになぶる。甘い疼きを感じ、タテガミは熱い吐息を零した。
年少の若者たちは、身を寄せ合ってタテガミの様子を見ていた。一人が、心配そうにぽつりと呟く。
「そいつ、捕虜だろ。」
一言だけだが、若者の言わんとすることは明白だった。捕虜の虐待は、絶対に禁じられていた。それはこの儀礼的な戦でもそうだったし、本当の戦でも同じことだった。もしもこの掟がなければ、誰も捕虜になどなろうとはしないだろうし、そうなれば流血はいや増すだろう。捕虜は丁重に扱わねばならず、捕虜と身代金の交換は、いずれの側にとってもまったく正当なことで、これを破ることは許されない。
ツノは呟いた仲間に顔を向けると、笑いかけた。そしてタテガミに顔を向け、頬を撫でる。甘い感覚に、タテガミはぞくりと震えた。
「なあ、タテガミ。こいつは虐待かね。」
笑いを含んだ声で、ツノがたずねる。タテガミはそっぽを向こうとしたが、顔を掴まれ、無理やり前を向かさせられる。ツノはにやにや笑って、仲間を振り返る。
「見とけよ。」
そう言うと、タテガミの身を覆う毛布に手をかける。両手を縛られた捕虜には抵抗のしようもなく、毛布を引き剥がされる。冷たい夜気が肌に触れ、タテガミは震えた。一糸まとわぬ裸体が、焚き火の明かりに照らされる。
みなの視線が、股の間に集まるのを、タテガミは感じた。まるで焼けるような羞恥を覚えるが、しかし隠しようもない。若者の股に勃起した性器は、誰の目にも明らかだった。
多くの顔が、驚きを浮かべ、呆然としていた。だがすぐに、それらは下卑た笑みを浮かべ、興奮した顔となった。タテガミは若者たちの顔を、伏し目がちに見た。
ツノは笑って、タテガミの股のものを掴み、ぐにぐにと握って弄んだ。タテガミは自分の捕り手を睨みつつ、いやでも感じる甘い疼きに、小さく溜め息をついた。
「ほら、こいつに遠慮する必要はないぞ。こいつは、とんでもねえ淫乱だからなあ。なあ、そうだろ、タテガミ。――それからもう一つ、おれが捕虜になった時には、こいつも他のやつらと一緒になって、おれのことを犯したんだ。だからな、お前たちが遠慮することなんてねえぞ。」
ツノが言ったことは、いずれも本当のことだった。タテガミはこれまで何度か捕まったことがあったが、そのたびに、赤枝の戦士たちに喜んで回されたものだった。そして他方、ツノが捕まった時には、仲間とともにツノを弄んだ――最も、タテガミは尻を犯してはおらず、竿を頂いたのだったが、それは細かな違いだった。他の赤枝の戦士が捕らえられた時にも、タテガミは何度か楽しんだことがあった。
少なからぬ若者は、捕まったら勝者に自らを与える。戦のせいでみな気分が昂ぶっており、平時よりもはるかに欲望が強くなる。まして自分で捕らえた者に、支配欲の混じった性欲を燃やすのも珍しくない。捕虜もまた、自分を征服した捕り手たちの情欲に触れると、同じように興奮してしまうこともままあるのだった。
ツノはやおら立ち上がった。タテガミの目の高さに、ツノの腰がある。ツノは、他の若者らと同じく、膝丈くらいの短衣の上から、金属片を縫い付けた胴着を重ねている。それら二枚の衣の腰あたりに、明らかな膨らみがある。タテガミは自分の捕り手を見上げた。ツノは口元に笑みを浮かべていた。
「どうすればいいか、分かるだろ。」
ツノはただそう言う。タテガミは喉の渇きを覚えながらも、皮肉っぽく唇を歪めた。
「さあ、分かんねえな。」
とぼけたタテガミに、ツノは自分の短衣と胴衣の裾をめくって見せる。腰布の中に、固く膨らんだ陰茎が、窮屈そうにしていた。以前見たときと変わらぬ、逞しい巨根だった。一日の戦の後のこと、水浴びもしていないだろうそこは、離れていても汗の匂いがむっと漂ってきた。
タテガミの息は、自分でも知らぬ間に荒くなっていた。鉄牙族の若者は、相手方の若者たちを横目で見た。少年組から上がったばかりの一年者の若者たちは、興奮に目を輝かせ、捕虜を見つめている。おそらくは、みな色事に手を出したことはなく、ただ先輩たちの話でも聞いただけだろう。あっても同じ年頃の少年と、こわごわと互いに触れ合う程度のことのはずだ。
タテガミは、再びツノを見上げた。ツノは、興奮に息を荒げながら、こちらを見下ろしている。相手の股から漂ってくる匂いに、タテガミは飢え渇きを覚えていた。もう、我慢ができなくなった。
ツノのたくし上げた裾に、タテガミは顔を近づけた。縛られた両手で、汗染みた褌を解く。窮屈な布切れから飛び出た一物は、黒々として大きく、立派なものだった。汗と先走りに濡れて光り、淫らな匂いを放っている。
タテガミは、もはや年少の若者たちに見られていることを意識しなかった。口を半ば開きながら、自分の捕り手の股に顔を寄せると、舌を出して一舐めする。刺すように強烈な酸と塩、そして得も言われぬ生臭い匂いを感じる。
一度その味を感じてしまうと、もうちっとも歯止めが効かなくなった。タテガミは喜んで熱い肉塊に口づけを繰り返し、何度も舐め上げた。それから、縛られた不自由な手で、包皮を引き下ろした。露わになった先端は、いっそう強い匂いを放っており、タテガミの口に唾液が溢れた。
タテガミは大きく口を開くと、堅い肉の槍にしゃぶりついた。半ばまでを口内に収め、吸い付きながら、頭を小さく前後に動かす。溢れ出てくる辛くて生臭い汁を、恍惚として飲み込んでいった。
ツノは溜め息をつきながら、タテガミの頭を、労うように撫でた。笑いを含んだ声で言う。
「素直でいい子だ。可愛いなあ。――ああ、寒いだろ。」
そう言ってちょっと身を屈めると、ツノは落ちていた毛布を拾って、タテガミの肩にかけた。
タテガミは差し出された巨根から口を離すことなくしゃぶりながら、縛られた手で不器用に毛布を胸元に手繰り寄せた。実際、ひどい寒さだった。しかし目の前にある陰茎を欲して、寒さにもめげずにひたすら口で奉仕した。
ツノはタテガミの髪を指で荒っぽく梳きながら、周りの後輩たちに言った。
「おい、もっと近くに寄れ。こいつを温めてやれ。」
タテガミは上目遣いにツノを見た。少しは気遣ってくれているようだ。横目で周りを見れば、先輩の言うところに従って、年少の若者たちが寄ってきた。数人が、落ちている毛布を拾ってタテガミの体にかけてくれた。みな肩が触れ合うほどに身を寄せている。毛布に包まれ、十数の若者に囲まれての人熱れを感じると、タテガミも寒さがそれほど気にならなくなった。
しばらくの間、ツノはタテガミに奉仕するに任せていた。どうやら歯を食いしばっているようで、声はあまり漏らさない――勝者として、喘ぎまくるのは矜持が許さないのかもしれない。それでも、その息は荒く、ときおり甘い鼻声を零した。先端を舌先で舐め回してやると、タテガミの頭に置いた手に力が籠もり、すがるように髪を掴んだ。
やがて、ツノは捕虜の頭を軽く押した。タテガミは顔を離して、捕り手の様子を窺う。ツノはタテガミのすぐそばで腰を降ろし、また頭に手を置き、自分の股座に引き寄せる。タテガミは少しも抵抗せず、喜んで主人の股に顔を埋めた。
それから、ツノは指に唾をつけ、タテガミの股に手を伸ばした。尻の割れ目に手を這わせ、指を入れ、穴の周りを揉みほぐすように撫でる。異物を咥えることに慣れたタテガミの穴は、すぐに甘い疼きを感じさせた。タテガミが自ら股を広げると、ツノは指を差し込んだ。
「ん……んっ……。」
タテガミは小さく鼻声を上げながらも、熱心に口淫を続ける。尻を刺激されると、早く太いもので貫いて欲しくてたまらなくなる。ひたすら汗臭い肉塊を口で味わい、磨き上げながら、それが後ろの穴にねじ込まれることに期待し、胸を高鳴らせた。
ツノは何度か尻から指を抜いては、また唾をつけた。そうして穴に指を入れ、抜き差しし、押し広げ、じっくりと解した。やがて最後に指を引き抜くと、タテガミの身にかけられた掛け布で拭った。そして虜の頬を掴んで股から引き離すと、肩を押して仰向けに倒した。
タテガミは、自分を見下ろす屈強な捕り手を、恍惚として見上げた。視線を絡ませながら、従順に自ら股を開く。ツノは舌なめずりをして、後輩たちを一瞥した。
「さあ、よく見とけよ。一発やったら、お前らにもやらせてやるからな。」
年少の若者たちは、目を興奮と期待に輝かせた。互いの肩を抱きながら、身を乗り出して食い入るように虜を見つめる。焼け付くような視線に、タテガミはぞくぞくと震えた。
ツノが、タテガミの足の間に身を入れ、その腰を掴んで浮かせた。そして自分の屹立する、大きな得物を慣らした穴に押し当てると、ぐっと力を入れた。
「うっ、あっ……。」
タテガミは喘いだ。太いものが、肉を掻き分けて侵入してくる。自分を抱く大柄な若者を、とろんとした目で見上げる。相手は自分の戦利品を前にして興奮し、爛々と輝いていた。
すぐに根本まで捩じ込むと、ツノは引き抜き、そしてまた捩じ込んだ。ゆっくりと腰を動かし、タテガミの中を掻き混ぜていく。しかしそれほど時間も経たぬうちに、ツノの腰使いは激しさを増し、その虜は甘い声で鳴きはじめた。
「あっ――はっ――んっ――あっ――!」
「お前、本当に可愛いな。いつもたくさん咥えて喜んでるんだろ。」
ツノは悶えるタテガミを見下ろして、笑った。
「よかったな。いまからちびどもの初槍も喰えるぜ。うれしいだろ、こんだけたくさん、初めての連中の相手ができるんだ。」
タテガミは、居並ぶ若者たちを見上げた。みな息が荒く、物欲しそうな目で捕虜を見ている。まだ若者組に入って数日、色事の経験のある者はほとんどいないだろう。初々しくて熱い視線が肌を這い回る感触に、タテガミは喜びを覚えた。
ツノが身を屈めた。捕虜に覆いかぶさり、唇を奪い、荒々しく貪る。タテガミは口を開き、相手を受け入れた。唇を喰まれ、舌を吸われ、絡ませ合う。もちろんその間にも、乱暴な腰使いは留まらない。タテガミは悦楽に悶えながら、甘い鼻声を上げた。
「んっ、ふっ、んっ――ふっ、んーっ――!」
長い口づけが終わり、やがて唇を離す頃には、タテガミは息を切らし、目に涙を浮かべていた。その上、胸が切ない。腕が戒められ、相手を抱きしめたいのに、それができない。肌を重ねたいのに、相手が固い鎧を着ていて、それができない。タテガミは半泣きになりながら、自分の捕り手に懇願した。
「手、解いて!」
ツノは驚いたように腰を止め、すぐに苦笑を浮かべた。
「お前、自分が捕虜だって分かってるか。」
「知らねえよ。手ぇ、解けよ。早く。おれにも、触らせてくれよう。」
涙声で言うと、ツノは苦笑いしながら、しばらく逡巡する素振りを見せた。それから、一度腰を引くと、捕虜の戒めを解こうとした。しかし意外と複雑な結び方をしているようで、手間取る。ほどなくして腰帯から短刀を抜き放つと、細い縄を切って捨てた。
手が自由になるや、タテガミはツノの首を掻き抱いた。
「裸になって。肌に触れたい。」
そう懇願しながら、服の上から体を撫でる。手に、金属の小札が冷たく固い。ツノは呆れたように溜め息をついたが、その顔には笑みが浮かんでいる。
「仕方ねえ甘えん坊だ。」
ツノはタテガミから身を離すと、腰帯を解き、防具も短衣も脱ぎ捨てた。それから後輩たちを見回した。
「お前らも脱いでやれ。身を寄せ合ったら、寒くねえだろ。」
年若い後輩たちは顔を見合わせた。だが一人が脱ぎはじめると、他の者も続いた。みな裸になり、ただ外套だけ肩に巻き、温みを求めてこれまでよりもいっそう密に詰める。真ん中に寝転んだタテガミからは、まるで人の身でできた天幕のよう、若者たちの体から匂いと熱が漂っていた。
ツノが再び、タテガミに性器を入れた。そして身を屈め、虜の唇を奪う。タテガミもまた、喜びながら岩のように大きな体に腕を回し、ぎゅっとしがみついた。
「んっ、ふっ、ん、んっ――!」
ツノが腰を動かしはじめる。たんっ、たんっ、たんっ、と小気味よい音が上がる。それに合わせて、タテガミの体中を痺れるような快感が駆け巡り、自然と甘い声が上がった。
しばらくして、ツノは体を起こす。虜の足を両腕で広げ、がつがつと突きまくる。快感に身悶えし、思わず、タテガミは手近な若者に手を伸ばした。片手で一人の膝を、もう一方の手で、地面についていた手を掴む。触れられたほうは少し驚いた顔をしたが、すぐにタテガミの手に自分の手を重ね、ぎゅっと指を絡めた。タテガミは、その感触をうれしく感じた。
やがて、ツノの限界が近づいてきた。顔を真っ赤にし、乱暴に体を叩きつけ、タテガミを繰り返し貫く。口からはひっきりなしに乱れた息が吐き出されている。ほどなくして、ツノは声にならぬ声を上げながら、果てた。タテガミは体に注がれる熱い体液を感じ、恍惚を覚えた。
周りには、タテガミの他には誰もいない。タテガミは陣の奥まったところにおり、戦士たちはもっと前の、大焚き火のところに集まっている。さっきまでツノがいて、食事を一緒に取っていたのだが、それが済むとタテガミを縛り、置き去りにしてしまった。だが、ずっと一人にさせてはもらえないことを、タテガミは知っていた。
ほどなくして、ツノが戻ってきた。タテガミは、ツノの腕に嵌った、緑の釉を施した銅の腕輪を見て、歯噛みした。あれはタテガミの気に入っていた品だったのだ。ツノが得意げに身に着けているのが、気に入らなかった。
ツノは後ろに、十数名の若者を連れている。ついさっきの話からすれば、おそらくは一年者だろう。みなしきりに、興奮した顔で見交わしている。
タテガミはツノに、鋭い一瞥をくれた。
「寒い。いま冬なんだぜ。服くらい着せてくれたっていいんじゃねえか。おれの腕輪も取りやがって。」
そう言うと、ツノは笑った。すぐ近くに腰を下ろすと、乱暴に頭を撫でる。タテガミはその手を振り払おうとするが、両手を縛られていてはどうしようもない。
「どうせいまから脱ぐんだ。関係ないだろ。」
ツノはそう言って、手を毛布の中に入れた。冷たい手が肌に触れて、タテガミはびくっと身を震わせる。ツノは気にした様子もなく、肌を撫で回していく。腹を擦り、胸を撫で、その尖りを指先でくりくりと捏ねるようになぶる。甘い疼きを感じ、タテガミは熱い吐息を零した。
年少の若者たちは、身を寄せ合ってタテガミの様子を見ていた。一人が、心配そうにぽつりと呟く。
「そいつ、捕虜だろ。」
一言だけだが、若者の言わんとすることは明白だった。捕虜の虐待は、絶対に禁じられていた。それはこの儀礼的な戦でもそうだったし、本当の戦でも同じことだった。もしもこの掟がなければ、誰も捕虜になどなろうとはしないだろうし、そうなれば流血はいや増すだろう。捕虜は丁重に扱わねばならず、捕虜と身代金の交換は、いずれの側にとってもまったく正当なことで、これを破ることは許されない。
ツノは呟いた仲間に顔を向けると、笑いかけた。そしてタテガミに顔を向け、頬を撫でる。甘い感覚に、タテガミはぞくりと震えた。
「なあ、タテガミ。こいつは虐待かね。」
笑いを含んだ声で、ツノがたずねる。タテガミはそっぽを向こうとしたが、顔を掴まれ、無理やり前を向かさせられる。ツノはにやにや笑って、仲間を振り返る。
「見とけよ。」
そう言うと、タテガミの身を覆う毛布に手をかける。両手を縛られた捕虜には抵抗のしようもなく、毛布を引き剥がされる。冷たい夜気が肌に触れ、タテガミは震えた。一糸まとわぬ裸体が、焚き火の明かりに照らされる。
みなの視線が、股の間に集まるのを、タテガミは感じた。まるで焼けるような羞恥を覚えるが、しかし隠しようもない。若者の股に勃起した性器は、誰の目にも明らかだった。
多くの顔が、驚きを浮かべ、呆然としていた。だがすぐに、それらは下卑た笑みを浮かべ、興奮した顔となった。タテガミは若者たちの顔を、伏し目がちに見た。
ツノは笑って、タテガミの股のものを掴み、ぐにぐにと握って弄んだ。タテガミは自分の捕り手を睨みつつ、いやでも感じる甘い疼きに、小さく溜め息をついた。
「ほら、こいつに遠慮する必要はないぞ。こいつは、とんでもねえ淫乱だからなあ。なあ、そうだろ、タテガミ。――それからもう一つ、おれが捕虜になった時には、こいつも他のやつらと一緒になって、おれのことを犯したんだ。だからな、お前たちが遠慮することなんてねえぞ。」
ツノが言ったことは、いずれも本当のことだった。タテガミはこれまで何度か捕まったことがあったが、そのたびに、赤枝の戦士たちに喜んで回されたものだった。そして他方、ツノが捕まった時には、仲間とともにツノを弄んだ――最も、タテガミは尻を犯してはおらず、竿を頂いたのだったが、それは細かな違いだった。他の赤枝の戦士が捕らえられた時にも、タテガミは何度か楽しんだことがあった。
少なからぬ若者は、捕まったら勝者に自らを与える。戦のせいでみな気分が昂ぶっており、平時よりもはるかに欲望が強くなる。まして自分で捕らえた者に、支配欲の混じった性欲を燃やすのも珍しくない。捕虜もまた、自分を征服した捕り手たちの情欲に触れると、同じように興奮してしまうこともままあるのだった。
ツノはやおら立ち上がった。タテガミの目の高さに、ツノの腰がある。ツノは、他の若者らと同じく、膝丈くらいの短衣の上から、金属片を縫い付けた胴着を重ねている。それら二枚の衣の腰あたりに、明らかな膨らみがある。タテガミは自分の捕り手を見上げた。ツノは口元に笑みを浮かべていた。
「どうすればいいか、分かるだろ。」
ツノはただそう言う。タテガミは喉の渇きを覚えながらも、皮肉っぽく唇を歪めた。
「さあ、分かんねえな。」
とぼけたタテガミに、ツノは自分の短衣と胴衣の裾をめくって見せる。腰布の中に、固く膨らんだ陰茎が、窮屈そうにしていた。以前見たときと変わらぬ、逞しい巨根だった。一日の戦の後のこと、水浴びもしていないだろうそこは、離れていても汗の匂いがむっと漂ってきた。
タテガミの息は、自分でも知らぬ間に荒くなっていた。鉄牙族の若者は、相手方の若者たちを横目で見た。少年組から上がったばかりの一年者の若者たちは、興奮に目を輝かせ、捕虜を見つめている。おそらくは、みな色事に手を出したことはなく、ただ先輩たちの話でも聞いただけだろう。あっても同じ年頃の少年と、こわごわと互いに触れ合う程度のことのはずだ。
タテガミは、再びツノを見上げた。ツノは、興奮に息を荒げながら、こちらを見下ろしている。相手の股から漂ってくる匂いに、タテガミは飢え渇きを覚えていた。もう、我慢ができなくなった。
ツノのたくし上げた裾に、タテガミは顔を近づけた。縛られた両手で、汗染みた褌を解く。窮屈な布切れから飛び出た一物は、黒々として大きく、立派なものだった。汗と先走りに濡れて光り、淫らな匂いを放っている。
タテガミは、もはや年少の若者たちに見られていることを意識しなかった。口を半ば開きながら、自分の捕り手の股に顔を寄せると、舌を出して一舐めする。刺すように強烈な酸と塩、そして得も言われぬ生臭い匂いを感じる。
一度その味を感じてしまうと、もうちっとも歯止めが効かなくなった。タテガミは喜んで熱い肉塊に口づけを繰り返し、何度も舐め上げた。それから、縛られた不自由な手で、包皮を引き下ろした。露わになった先端は、いっそう強い匂いを放っており、タテガミの口に唾液が溢れた。
タテガミは大きく口を開くと、堅い肉の槍にしゃぶりついた。半ばまでを口内に収め、吸い付きながら、頭を小さく前後に動かす。溢れ出てくる辛くて生臭い汁を、恍惚として飲み込んでいった。
ツノは溜め息をつきながら、タテガミの頭を、労うように撫でた。笑いを含んだ声で言う。
「素直でいい子だ。可愛いなあ。――ああ、寒いだろ。」
そう言ってちょっと身を屈めると、ツノは落ちていた毛布を拾って、タテガミの肩にかけた。
タテガミは差し出された巨根から口を離すことなくしゃぶりながら、縛られた手で不器用に毛布を胸元に手繰り寄せた。実際、ひどい寒さだった。しかし目の前にある陰茎を欲して、寒さにもめげずにひたすら口で奉仕した。
ツノはタテガミの髪を指で荒っぽく梳きながら、周りの後輩たちに言った。
「おい、もっと近くに寄れ。こいつを温めてやれ。」
タテガミは上目遣いにツノを見た。少しは気遣ってくれているようだ。横目で周りを見れば、先輩の言うところに従って、年少の若者たちが寄ってきた。数人が、落ちている毛布を拾ってタテガミの体にかけてくれた。みな肩が触れ合うほどに身を寄せている。毛布に包まれ、十数の若者に囲まれての人熱れを感じると、タテガミも寒さがそれほど気にならなくなった。
しばらくの間、ツノはタテガミに奉仕するに任せていた。どうやら歯を食いしばっているようで、声はあまり漏らさない――勝者として、喘ぎまくるのは矜持が許さないのかもしれない。それでも、その息は荒く、ときおり甘い鼻声を零した。先端を舌先で舐め回してやると、タテガミの頭に置いた手に力が籠もり、すがるように髪を掴んだ。
やがて、ツノは捕虜の頭を軽く押した。タテガミは顔を離して、捕り手の様子を窺う。ツノはタテガミのすぐそばで腰を降ろし、また頭に手を置き、自分の股座に引き寄せる。タテガミは少しも抵抗せず、喜んで主人の股に顔を埋めた。
それから、ツノは指に唾をつけ、タテガミの股に手を伸ばした。尻の割れ目に手を這わせ、指を入れ、穴の周りを揉みほぐすように撫でる。異物を咥えることに慣れたタテガミの穴は、すぐに甘い疼きを感じさせた。タテガミが自ら股を広げると、ツノは指を差し込んだ。
「ん……んっ……。」
タテガミは小さく鼻声を上げながらも、熱心に口淫を続ける。尻を刺激されると、早く太いもので貫いて欲しくてたまらなくなる。ひたすら汗臭い肉塊を口で味わい、磨き上げながら、それが後ろの穴にねじ込まれることに期待し、胸を高鳴らせた。
ツノは何度か尻から指を抜いては、また唾をつけた。そうして穴に指を入れ、抜き差しし、押し広げ、じっくりと解した。やがて最後に指を引き抜くと、タテガミの身にかけられた掛け布で拭った。そして虜の頬を掴んで股から引き離すと、肩を押して仰向けに倒した。
タテガミは、自分を見下ろす屈強な捕り手を、恍惚として見上げた。視線を絡ませながら、従順に自ら股を開く。ツノは舌なめずりをして、後輩たちを一瞥した。
「さあ、よく見とけよ。一発やったら、お前らにもやらせてやるからな。」
年少の若者たちは、目を興奮と期待に輝かせた。互いの肩を抱きながら、身を乗り出して食い入るように虜を見つめる。焼け付くような視線に、タテガミはぞくぞくと震えた。
ツノが、タテガミの足の間に身を入れ、その腰を掴んで浮かせた。そして自分の屹立する、大きな得物を慣らした穴に押し当てると、ぐっと力を入れた。
「うっ、あっ……。」
タテガミは喘いだ。太いものが、肉を掻き分けて侵入してくる。自分を抱く大柄な若者を、とろんとした目で見上げる。相手は自分の戦利品を前にして興奮し、爛々と輝いていた。
すぐに根本まで捩じ込むと、ツノは引き抜き、そしてまた捩じ込んだ。ゆっくりと腰を動かし、タテガミの中を掻き混ぜていく。しかしそれほど時間も経たぬうちに、ツノの腰使いは激しさを増し、その虜は甘い声で鳴きはじめた。
「あっ――はっ――んっ――あっ――!」
「お前、本当に可愛いな。いつもたくさん咥えて喜んでるんだろ。」
ツノは悶えるタテガミを見下ろして、笑った。
「よかったな。いまからちびどもの初槍も喰えるぜ。うれしいだろ、こんだけたくさん、初めての連中の相手ができるんだ。」
タテガミは、居並ぶ若者たちを見上げた。みな息が荒く、物欲しそうな目で捕虜を見ている。まだ若者組に入って数日、色事の経験のある者はほとんどいないだろう。初々しくて熱い視線が肌を這い回る感触に、タテガミは喜びを覚えた。
ツノが身を屈めた。捕虜に覆いかぶさり、唇を奪い、荒々しく貪る。タテガミは口を開き、相手を受け入れた。唇を喰まれ、舌を吸われ、絡ませ合う。もちろんその間にも、乱暴な腰使いは留まらない。タテガミは悦楽に悶えながら、甘い鼻声を上げた。
「んっ、ふっ、んっ――ふっ、んーっ――!」
長い口づけが終わり、やがて唇を離す頃には、タテガミは息を切らし、目に涙を浮かべていた。その上、胸が切ない。腕が戒められ、相手を抱きしめたいのに、それができない。肌を重ねたいのに、相手が固い鎧を着ていて、それができない。タテガミは半泣きになりながら、自分の捕り手に懇願した。
「手、解いて!」
ツノは驚いたように腰を止め、すぐに苦笑を浮かべた。
「お前、自分が捕虜だって分かってるか。」
「知らねえよ。手ぇ、解けよ。早く。おれにも、触らせてくれよう。」
涙声で言うと、ツノは苦笑いしながら、しばらく逡巡する素振りを見せた。それから、一度腰を引くと、捕虜の戒めを解こうとした。しかし意外と複雑な結び方をしているようで、手間取る。ほどなくして腰帯から短刀を抜き放つと、細い縄を切って捨てた。
手が自由になるや、タテガミはツノの首を掻き抱いた。
「裸になって。肌に触れたい。」
そう懇願しながら、服の上から体を撫でる。手に、金属の小札が冷たく固い。ツノは呆れたように溜め息をついたが、その顔には笑みが浮かんでいる。
「仕方ねえ甘えん坊だ。」
ツノはタテガミから身を離すと、腰帯を解き、防具も短衣も脱ぎ捨てた。それから後輩たちを見回した。
「お前らも脱いでやれ。身を寄せ合ったら、寒くねえだろ。」
年若い後輩たちは顔を見合わせた。だが一人が脱ぎはじめると、他の者も続いた。みな裸になり、ただ外套だけ肩に巻き、温みを求めてこれまでよりもいっそう密に詰める。真ん中に寝転んだタテガミからは、まるで人の身でできた天幕のよう、若者たちの体から匂いと熱が漂っていた。
ツノが再び、タテガミに性器を入れた。そして身を屈め、虜の唇を奪う。タテガミもまた、喜びながら岩のように大きな体に腕を回し、ぎゅっとしがみついた。
「んっ、ふっ、ん、んっ――!」
ツノが腰を動かしはじめる。たんっ、たんっ、たんっ、と小気味よい音が上がる。それに合わせて、タテガミの体中を痺れるような快感が駆け巡り、自然と甘い声が上がった。
しばらくして、ツノは体を起こす。虜の足を両腕で広げ、がつがつと突きまくる。快感に身悶えし、思わず、タテガミは手近な若者に手を伸ばした。片手で一人の膝を、もう一方の手で、地面についていた手を掴む。触れられたほうは少し驚いた顔をしたが、すぐにタテガミの手に自分の手を重ね、ぎゅっと指を絡めた。タテガミは、その感触をうれしく感じた。
やがて、ツノの限界が近づいてきた。顔を真っ赤にし、乱暴に体を叩きつけ、タテガミを繰り返し貫く。口からはひっきりなしに乱れた息が吐き出されている。ほどなくして、ツノは声にならぬ声を上げながら、果てた。タテガミは体に注がれる熱い体液を感じ、恍惚を覚えた。
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鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
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