夜遊び

火吹き石

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5.夜は続く

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 気がついて最初に感じたのは、口の中にある精液の味と匂いだった。それから、尻の穴の熱感、四肢の痛み、ぐちょぐちょに濡れた敷き布の感触が続いた。目を開けると、そこは飯屋の奥の一室のようだった。室内の光は消えており、ただ店のほうから、光とともに人の気配が漂ってきていた。

 いつから寝ていたのか、ツツミは覚えていなかった。代わる代わるツツミを抱いた戦士たちは、どうやらもう部屋にはいないようだった。大量の精を飲まされ、穴に注がれ、あるいは体にかけられ、快感を体に叩き込まれ、いつのまにやら疲れ切って、眠ってしまったようだった。

 ふと思い出して、ツツミは呻き声を上げながら、体を横に向けた。

 すぐそばに、ヒウチイシが寝ていた。友人は四つん這いのまま、寝床に突っ伏している。手を伸ばし、肩に触れてみると、なんの体液か、ぬるぬるとしていた。

 ツツミが触れると、ヒウチイシは目を開けた。そして目が合うと、弱々しく、しかし幸せそうに微笑んだ。

「ミィ、大丈夫か。」

 ヒウチイシはたずねた。目覚めて真っ先に自分のことを気遣ってくれたことに、ツツミはなんだか温かいものを感じた。

「大丈夫。体がちょっと痛むけど。ヒィは平気かい。」

「おれもおんなじだよ。」

 ヒウチイシは快活に笑った。さっきまでの淫らなすがたが嘘のようで、まるで少年時代のヒウチイシのようだった。ツツミも一緒になって笑った。

 どちらともなく身を寄せると、二人は抱き合った。唇を触れ合わせ、頬を擦り合わせる。お互い体は汗と精でどろどろに汚れ、淫らな匂いを放っていた。だがそれを気にもせず、二人は肌を重ね、夢中で唇を貪った。

 ようやく唇を離すと、ツツミはヒウチイシの肩を押して仰向けにし、覆いかぶさり、首筋に口づけした。肌は刺すような汗の塩気を感じさせた。

 ヒウチイシはくすくす笑いながら、ツツミの背に腕を回して抱き締めた。

「もうしたくなったのかよ、ミィ。」

 ツツミは顔を上げた。

「もう無理。けど、もっとこうしてたい。」

「おれも。――ツツミ、可愛い。」

「お前も、可愛い、ヒウチイシ。」

 そうして、二人はまた口づけした。だがすぐに口を離すと、ツツミはヒウチイシの筋肉質な胸にしゃぶりついた。塩辛くて酸っぱい味が、たまらなくうまかった。舌でぺろぺろと舐め回し、強く吸い付くと、ヒウチイシは甘い声で鳴いた。

「もうっ――んっ――元気なのかよ。またっ――あっ――入れたいのか?」

「入れられたい。入れて欲しい。」

 ツツミが言うと、ヒウチイシは艶めかしく笑った。

「さっきは倒れちまったくせに……もう元気になったんだな。ちょっと待ってろよ。すぐまた回してもらえるからさ。」

 ヒウチイシの言葉に、ツツミは目をぱちくりとした。すると、ヒウチイシは、少し困ったように首を傾げた。

「覚えてないのかい。さっき――」

 とヒウチイシが言いかけて、小部屋の垂れ布が開き、光が差し込んできた。ツツミがそちらを振り返ると、キリサメと他の戦士たちがいた。キリサメの手には灯明壺があった。

 キリサメは、寝台の上で抱き合う二人の若者に目を止めると、笑った。

「これは、これは。すっかり張り切ってくれてるなあ。」

 キリサメは部屋に入ると、明かりを机に置いた。戦士たちも続いて入って来ると、服を脱いでいった。部屋はまた、すっかり裸体で埋め尽くされた。

 誰かが、張り切った声で言った。

「さあ、二周目といくか。」

 手が伸びてきて、ツツミをヒウチイシから引き剥がすと、二人は並んで寝かされた。最初の二人が若者らに近づくと、股を広げさせ、緩みに緩んだとろとろの穴を晒させた。別の戦士らは寝台の近くに寄ってきて、二人の口元に陰茎を近づけるか、それとも自分で軽く扱くかした。

 ツツミはヒウチイシに顔を向けた。友人はいやらしく笑った。その顔は、昔を思わせる陽気な少年のそれから、淫乱な若者のそれに戻っていた。

 二人は手を繋ぐと、前に向き直った。後ろの穴に陰茎が押し当てられ、まさに貫こうとして、ぐっと力を入れたところだった。

 淫らな夜は、まだまだ終わりそうになかった。
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