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5.片付け
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どれほど時間が経ったのだろうか。ツカには分からなかった。呪術の明かりも、とうに消え失せていた。暗闇の中、ツカはただ喘いでいた。カゲリはずっとツカを犯し続けていた。
ツカは、汗でどろどろになった先輩に、夢中になってしがみついた。
「あーっ、あーっ、あーっ――!」
幾度目かの射精をして、ツカは鳴き声を上げた。尻をずっと使われ、慣らされて、ツカは後ろだけで達するようになっていた。その体は、自分の精液と、二人の汗で汚れきっていた。床に敷いた長衣はびちょびちょに濡れ、あたりには淫靡な匂いが漂っている。カゲリが腰を動かすたびに、泡立った精が穴から溢れ出るのを、ツカはかすかに感じた。
カゲリがツカの首に、噛み付くように口づけした。熱い精液が、ツカの体の中に注ぎ込まれる。カゲリは腰を振り続け、穴を掻き回した。しかし、程なくして、腰を振るのを止めた。カゲリはツカの上に、ぐったりと覆いかぶさった。
二人は息を弾ませていた。なお性器は固いままだったが、もはや疲労の限界だった。いくら性欲が高ぶっていても、もう、これ以上続けられないのだった。
先輩の熱い吐息が、ツカの首筋を撫でた。ツカは先輩に抱きつき、その首に口づけした。汗の塩気が、心地よかった。カゲリは顔を上げると、ツカの唇を奪い、舌を絡ませ、じっくりと濃厚な口づけをした。それから、カゲリはまた顔を落とした。
ツカは、汗と精で濡れた互いの肌の熱を心地よく感じながら、しかし虚しい気持ちを抱いていた。
許可されていないにもかかわらず精霊を呼び出し、その制御に失敗し、その影響をカゲリに被らせてしまったのだ。他の市民にまで被害が及んでいないとはいえ、この町の秘術師たちから追い出されるのは、確実だった。そして町の秘術師から追放されて、他の町で受け入れられる望みは、ほとんどなかった。せいぜい、旅の呪術師として、治療や修理の技を施して回ることができるくらいのものだろう。
だが、ツカはもう、そんなことを考えるのも億劫だった。目を閉じると、若い秘術師は眠りに落ちていった。
それから次に起きた時には、体の上に感じる温かい重みはなくなっていた。ツカは自分の体を撫でた。肌は汗と精でべとべとだった。異常な性的興奮は、もう去っていた。霊鬼の影響は、永続する類のものではなかったのだ。
目を開けると、呪術の青白い光が見えた。カゲリはもう起きていて、下着だけ身に着けていた。どうやら片付けをしているようで、霊鬼を宿していた、焼け焦げた土塊を箱に集めていた。
ツカが起きたことに気づくと、カゲリはこちらを見て、そっけなく言った。
「起きたか。手伝え。」
ツカは上体を起こしたが、しかし、座ったままぼうっとしていた。どうせ町を去るのなら、どうして手伝いなんてしなければならないのだろう。あらゆることが、もはやどうでもいいことのように思われた。ツカがこれまで続けていた生活は、もう取り戻しができないほどに壊れてしまっていた。
カゲリが舌打ちした。
「とっとと起きろ。どれだけ時間が経ったか分からん。早く片付けるぞ。師匠が帰ってきてみろ、どうなると思う。」
「どうなるかって? どうせ追い出されるんだろ。なんだっていいさ。片付けなんてどうでもいい。おれの知ったことじゃない。」
ツカは憤ってそう吐き捨てると、その場にまたごろんと横になった。ぐちゃぐちゃになった長衣は、冷えてぬるくなっていた。
カゲリはあきれたような顔をして、首をひねった。
「なんだって。どういう意味だ。」
「どうせ、追放されるんだ。失敗したから。降霊術なんて使ったから。もう、どうだっていいだろ!」
ツカは叫んで、目を腕で覆った。これからひどい現実に向き合うことになるのだから、せめていまは、ただ眠っていたかった。
すると、カゲリは近づいてきて、後輩の横に座り込んだ。そして肩を抱いて無理やり起こすと、その顔を覗き込んだ。カゲリの目は、静かだったが、かすかに苛立ちの色が浮かんでいた。
「お前の言っていることが分からねえな。とっとと片付けるぞ。師匠が帰ってきたらどうするんだ。このことが知られたら、ひどいことになるぞ。」
ツカは、当惑した。ひどいことになる? もう、ひどいことになったのではないか。カゲリの言っていることが、ツカにはまったく分からなかった。
するとカゲリは、あっと言うように、眉を上げた。
「お前、おれがこのことを師匠に告げると思っているのか。言わんよ。秘密にしておいてやる。」
「……なんで。」
ツカは呆然と呟いた。
「なんでだよ。おれ、お前にも、ひどいことしちまったじゃないか。」
「ああ、したな。けど、誰だって失敗はするからな。おれだって、よくないことの一つや二つ、したことがあるさ。」
そう言ってから、カゲリは真剣な顔で、じっとツカの目を見つめた。
「いいか、二度とあんな愚かな真似はするなよ。分かったな。」
ツカは、ただ頷いた。すると、カゲリはにやっと笑って、後輩の肩を揺すった。
「それでよし。それから――」
と、カゲリは後輩の胸の尖りをきゅっと抓った。ツカはぴくっと体を震わせ、甘い声を上げた。カゲリはにやにや笑いながら、指先で突起をくりくりと弄んだ。
「それから、今度から抱いて欲しいときは、そう言え。いつでも可愛がってやるからな。」
ツカはまた頷きながら、先輩に肩を寄せた。カゲリはにやけながら、後輩の頬に口づけし、胸を愛撫した。それから、立ち上がった。
「さあ、片付けだ。立て。それが済んだら、飯にするか、それとも、また一発やろうぜ。」
ツカは痛む体を起こすと、先輩を手伝いにかかった。
ツカは、汗でどろどろになった先輩に、夢中になってしがみついた。
「あーっ、あーっ、あーっ――!」
幾度目かの射精をして、ツカは鳴き声を上げた。尻をずっと使われ、慣らされて、ツカは後ろだけで達するようになっていた。その体は、自分の精液と、二人の汗で汚れきっていた。床に敷いた長衣はびちょびちょに濡れ、あたりには淫靡な匂いが漂っている。カゲリが腰を動かすたびに、泡立った精が穴から溢れ出るのを、ツカはかすかに感じた。
カゲリがツカの首に、噛み付くように口づけした。熱い精液が、ツカの体の中に注ぎ込まれる。カゲリは腰を振り続け、穴を掻き回した。しかし、程なくして、腰を振るのを止めた。カゲリはツカの上に、ぐったりと覆いかぶさった。
二人は息を弾ませていた。なお性器は固いままだったが、もはや疲労の限界だった。いくら性欲が高ぶっていても、もう、これ以上続けられないのだった。
先輩の熱い吐息が、ツカの首筋を撫でた。ツカは先輩に抱きつき、その首に口づけした。汗の塩気が、心地よかった。カゲリは顔を上げると、ツカの唇を奪い、舌を絡ませ、じっくりと濃厚な口づけをした。それから、カゲリはまた顔を落とした。
ツカは、汗と精で濡れた互いの肌の熱を心地よく感じながら、しかし虚しい気持ちを抱いていた。
許可されていないにもかかわらず精霊を呼び出し、その制御に失敗し、その影響をカゲリに被らせてしまったのだ。他の市民にまで被害が及んでいないとはいえ、この町の秘術師たちから追い出されるのは、確実だった。そして町の秘術師から追放されて、他の町で受け入れられる望みは、ほとんどなかった。せいぜい、旅の呪術師として、治療や修理の技を施して回ることができるくらいのものだろう。
だが、ツカはもう、そんなことを考えるのも億劫だった。目を閉じると、若い秘術師は眠りに落ちていった。
それから次に起きた時には、体の上に感じる温かい重みはなくなっていた。ツカは自分の体を撫でた。肌は汗と精でべとべとだった。異常な性的興奮は、もう去っていた。霊鬼の影響は、永続する類のものではなかったのだ。
目を開けると、呪術の青白い光が見えた。カゲリはもう起きていて、下着だけ身に着けていた。どうやら片付けをしているようで、霊鬼を宿していた、焼け焦げた土塊を箱に集めていた。
ツカが起きたことに気づくと、カゲリはこちらを見て、そっけなく言った。
「起きたか。手伝え。」
ツカは上体を起こしたが、しかし、座ったままぼうっとしていた。どうせ町を去るのなら、どうして手伝いなんてしなければならないのだろう。あらゆることが、もはやどうでもいいことのように思われた。ツカがこれまで続けていた生活は、もう取り戻しができないほどに壊れてしまっていた。
カゲリが舌打ちした。
「とっとと起きろ。どれだけ時間が経ったか分からん。早く片付けるぞ。師匠が帰ってきてみろ、どうなると思う。」
「どうなるかって? どうせ追い出されるんだろ。なんだっていいさ。片付けなんてどうでもいい。おれの知ったことじゃない。」
ツカは憤ってそう吐き捨てると、その場にまたごろんと横になった。ぐちゃぐちゃになった長衣は、冷えてぬるくなっていた。
カゲリはあきれたような顔をして、首をひねった。
「なんだって。どういう意味だ。」
「どうせ、追放されるんだ。失敗したから。降霊術なんて使ったから。もう、どうだっていいだろ!」
ツカは叫んで、目を腕で覆った。これからひどい現実に向き合うことになるのだから、せめていまは、ただ眠っていたかった。
すると、カゲリは近づいてきて、後輩の横に座り込んだ。そして肩を抱いて無理やり起こすと、その顔を覗き込んだ。カゲリの目は、静かだったが、かすかに苛立ちの色が浮かんでいた。
「お前の言っていることが分からねえな。とっとと片付けるぞ。師匠が帰ってきたらどうするんだ。このことが知られたら、ひどいことになるぞ。」
ツカは、当惑した。ひどいことになる? もう、ひどいことになったのではないか。カゲリの言っていることが、ツカにはまったく分からなかった。
するとカゲリは、あっと言うように、眉を上げた。
「お前、おれがこのことを師匠に告げると思っているのか。言わんよ。秘密にしておいてやる。」
「……なんで。」
ツカは呆然と呟いた。
「なんでだよ。おれ、お前にも、ひどいことしちまったじゃないか。」
「ああ、したな。けど、誰だって失敗はするからな。おれだって、よくないことの一つや二つ、したことがあるさ。」
そう言ってから、カゲリは真剣な顔で、じっとツカの目を見つめた。
「いいか、二度とあんな愚かな真似はするなよ。分かったな。」
ツカは、ただ頷いた。すると、カゲリはにやっと笑って、後輩の肩を揺すった。
「それでよし。それから――」
と、カゲリは後輩の胸の尖りをきゅっと抓った。ツカはぴくっと体を震わせ、甘い声を上げた。カゲリはにやにや笑いながら、指先で突起をくりくりと弄んだ。
「それから、今度から抱いて欲しいときは、そう言え。いつでも可愛がってやるからな。」
ツカはまた頷きながら、先輩に肩を寄せた。カゲリはにやけながら、後輩の頬に口づけし、胸を愛撫した。それから、立ち上がった。
「さあ、片付けだ。立て。それが済んだら、飯にするか、それとも、また一発やろうぜ。」
ツカは痛む体を起こすと、先輩を手伝いにかかった。
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