23 / 32
4章
4-4 5年ぶりの再会(4) レーアとアル
しおりを挟む
「……それで、レーア様はシスター・マドレーヌの共犯者になられたんですか?」
私は椅子に腰かけているファリンダに向けて、首を横に振った。
「いいえ、ならなかった」
「では……」
ファリンダが、私のベッドの上でごろごろしているシスター・マドレーヌを指さす。
「――なんであの方がここにいらっしゃるんですか?」
「は? 私がどこに居ようと、あなたの知ったことじゃないでしょ」
後輩で身分も下のファリンダに指をさされて苛立ったのか、シスター・マドレーヌは眉をしかめて言葉を返した。
「だって、私だけ秘密を握られているなんて公平じゃないでしょ! 弱みを握られているようで嫌なのよ! シスター・オーレリアなんかに!」
「……ずいぶんストレートに言う方ですね」
ファリンダは私に言った。
「悪い子ではないと思うんだけれどね」
私は自分に言い聞かせるように言った。
「いい? こうなったら、無理やりでもあなたとブラザー・アルバートをくっつけてやるんだから。そうすれば、あなたも否応なしに共犯者でしょ」
すごく悪そうな顔をして言ったシスター・マドレーヌ。
すると、ファリンダはその言葉にうなずき、再び私を見た。
「いいんじゃないですか。くっつけてもらえば」
「え?」
「だってレーア様は奥手だし、このままじゃ何の進展もないじゃないですか」
……忘れていた。
ファリンダも私に対してだけは、シスター・マドレーヌ並にはっきりと意見を言ってくるのだ。
「ちょっと待って。まだ、ブラザー・アルバートが私のことを好きだと言っているわけでもないんだし、無理やりくっつけるだなんて乱暴な……」
シスター・マドレーヌが鼻で笑う。
「あのねぇ、ちょっとあなたは恋愛に夢を見すぎよ。恋愛なんて豚の見合いと同じなの。とりあえず近づけてみて、反応が良ければつがいにさせればいいし、悪ければ別の雄を使って同じことをすればいいのよ。その繰り返し」
「……今のシスター・マドレーヌの発言には賛同できませんが、何にせよ、レーア様は、アルバート様ともっとちゃんとお話をされるべきだと思います」
ファリンダは言った。
ファリンダとシスター・マドレーヌは、私の反応を待ってじっと見つめた。
そんな二人に、私は溜め息を返した。
「……ごめんなさい。正直に言うと、私は怖いのよ」
『怖い?』
二人が口を揃えて、同時に首をかしげる。
「……だって、彼が私に優しくしてくれたのは、自分の兄が私に失礼なことを言ったと思っているからなのよ。彼と実際に仲良くなって、もし『私はあなたを恋愛する相手としては見られません』なんて言われたら、きっと私は立ち直れなくなってしまうと思う」
私は二人に言った。
二人は同時に眉をしかめた。そして、同時に叫んだ。
『会う前からそんなことを気にしていたら、一生前に進まないでしょうが!』
地下書庫には誰にも来ない。そのうえ、入るのには鍵が必要で、鍵を持っているのは司教様など限られた人物だけ……、密会場所としてこれ以上に適している場所はない。
『けれど、書庫に人がたくさん入ると、湿度が……』
アルバートとの密会場所としてその場所を選んだ二人に、私は地下書庫番として意見を伝えた。
『それはレーア様がなんとかしてください』
ファリンダは、そんな一言で私の意見を一蹴した。
そして、その日はやって来た。
私が地下書庫で待っているので時間が空いた時に来てほしい、という旨の伝言を、シスター・マドレーヌが恋人のブラザーを通じて、アルバートへ伝えてくれる手はずになっている。
あとは私が地下書庫で待っていれば、自然とアルバートがやって来るという手筈である。
何もしないで待つというのはいささか落ち着かなかったので、私は写本をしながらアルバートを待つことにした。
大陸歴史書全四十冊。この一ヶ月ほど、王室に献上をするために私が複本を行っていた、大陸でもたったの三組しか現存しない、貴重な歴史資料である。
私がひたすら写字に没頭していると、やがて書庫の扉がノックされた。
私は椅子から立ち上がり、扉を開ける。
そこには、アルバートがいた。
「ごめんなさい。急に呼び出したりして」
私はアルバートの姿を見た瞬間、彼に謝った。
アルバートは首を振った。
「いえ、むしろ私は嬉しかったです。シスター・オーレリアが普段仕事をしている場所を見られる上、そこが貴重な本がたくさんある書庫だなんて。おかげで写字がずいぶん捗りました」
「……まさか、まだ写本の労働時間中?」
「ええ。休憩をすると言って出てきました。しかし、安心して下さい。神父様から文句を言われない程度には写しましたから」
アルバートは微笑みながら言った。
そういえば四年前、私が写本の手伝いをしていた時に、ずいぶん長いこと休憩に行くブラザーがいた。彼が労働をサボっているのではないかと、いつも私は心のなかで目くじらを立てていたが――、なるほど、こういうことだったのか。
そんなちょっとした謎の真相がわかり、私は笑った。
「どうぞ。あまり居心地の良い場所ではないですけれど」
私は地下書庫の中へとアルバートを招き入れる。
書庫の中に入ったアルバートは、その蔵書の数に目を輝かせた。
「……素晴らしい」
アルバートはゆっくりと本棚の方へと近づいた。
「シスター・オーレリア、手にとって読んでもよろしいですか?」
「どうぞ。そのための本ですから」
私は笑顔を向けて言った。
すると、アルバートは本棚から本を一冊手に取り、我を忘れてそれを読み始めた。
私にこの地下書庫を任せた神学者のサイード様は、私を『こちら側』の人間だと言ったが、彼もどうやら『こちら側』の人間らしかった。
私はアルバートが夢中で本を読む姿を眺めているうち、自然と口元がゆるんだ。
その時、アルバートはようやく、自分が一緒に部屋にいる相手をないがしろにしていることに気がつき、慌てて本を閉じた。
「あっ、申し訳ありません。シスター・オーレリア」
「構いません。ブラザー・アルバートも本が好きなのですね。手紙では一度もそんなことを言ってくれませんでした」
私は苦笑いをして見せながら言った。
「それは。女性は本を好きな男など、あまり好まないかと思いまして……」
「そんなことはないです。他の女性はどうか知りませんが、私は好きですよ。私が教会で一番尊敬しているサイード様は、寝る時以外は本を読んでいるくらいの読書家ですし……」
アルバートは手紙の内容を思い出したのか、ああ、と小さくつぶやいた。
そして、私達はそれきりお互いに黙ってしまった。
私達は四年も手紙でやり取りを続けてきた。お互いのことはたいてい何でも知っている。
けれど、私が知っているのは手紙に書かれたアルバートの語るアルバートで、アルバート自身のことは何も知らないと思った。
きっとそう思っていたのは、アルバートも同じだった。
私達はお互い、に四年の間につくりあげたお互いの幻想に恋をしていたのだ。
そう考えて、私は途端に怖くなった。
アルバートが今見ているのは、手紙の中で美化された私ではなく現実の私だ。
彼にはいったい、私がどう見えているのだろうか。
私に彼がそう見えているように、彼は私を一個の尊敬できる相手として見てくれているのだろうか。
やがて、私がしばらく口を閉じたままでいると、アルバートは私を見て言った。
「オーレリア」
彼はそう私を呼んだ。
「私は君をずっとこう呼びたかった。私の帽子を君が自ら池の中に入って取ってくれたあの日から、私は君と対等に話がしたいと思っていた。しかし、私の方が身分が下だからと、君をそう呼ぶことが出来なかった」
「……」
「……私は君をそう呼んでもいいだろうか?」
アルバートはじっと私を見つめながら尋ねた。
私はしばらく考え、答える。
「ダメです」
「えっ……?」
「私はレーアと呼ばれたい。私と親しい者は皆、そう呼んでくれるから。あなたにもそう呼ばれたい」
私は微笑みながら言った。
アルバートはうなずいた。
「レーア。では、俺のこともアルと呼んでくれ。理由は君と同じだ」
アルバートは笑った。
そんな彼の姿を見て、私も笑った。
その日から、アルバートはたまにふらっと地下書庫に本を読みにやって来て、私と話をするようになった。
私達の話題はいつも、歴史や政治の話ばかりだ。
シスター・マドレーヌ達のような恋人らしいことは何もしなかった。
けれど、それでもいいと私は思った。
私達はお互いを知っているようでいて何も知らない。
これから長い時間を一緒に過ごして、自分達の関係がどうあるべきなのかを見つけていけばいい。
私とアルバートは二人で話し合い、そう決めたのだった。
私は椅子に腰かけているファリンダに向けて、首を横に振った。
「いいえ、ならなかった」
「では……」
ファリンダが、私のベッドの上でごろごろしているシスター・マドレーヌを指さす。
「――なんであの方がここにいらっしゃるんですか?」
「は? 私がどこに居ようと、あなたの知ったことじゃないでしょ」
後輩で身分も下のファリンダに指をさされて苛立ったのか、シスター・マドレーヌは眉をしかめて言葉を返した。
「だって、私だけ秘密を握られているなんて公平じゃないでしょ! 弱みを握られているようで嫌なのよ! シスター・オーレリアなんかに!」
「……ずいぶんストレートに言う方ですね」
ファリンダは私に言った。
「悪い子ではないと思うんだけれどね」
私は自分に言い聞かせるように言った。
「いい? こうなったら、無理やりでもあなたとブラザー・アルバートをくっつけてやるんだから。そうすれば、あなたも否応なしに共犯者でしょ」
すごく悪そうな顔をして言ったシスター・マドレーヌ。
すると、ファリンダはその言葉にうなずき、再び私を見た。
「いいんじゃないですか。くっつけてもらえば」
「え?」
「だってレーア様は奥手だし、このままじゃ何の進展もないじゃないですか」
……忘れていた。
ファリンダも私に対してだけは、シスター・マドレーヌ並にはっきりと意見を言ってくるのだ。
「ちょっと待って。まだ、ブラザー・アルバートが私のことを好きだと言っているわけでもないんだし、無理やりくっつけるだなんて乱暴な……」
シスター・マドレーヌが鼻で笑う。
「あのねぇ、ちょっとあなたは恋愛に夢を見すぎよ。恋愛なんて豚の見合いと同じなの。とりあえず近づけてみて、反応が良ければつがいにさせればいいし、悪ければ別の雄を使って同じことをすればいいのよ。その繰り返し」
「……今のシスター・マドレーヌの発言には賛同できませんが、何にせよ、レーア様は、アルバート様ともっとちゃんとお話をされるべきだと思います」
ファリンダは言った。
ファリンダとシスター・マドレーヌは、私の反応を待ってじっと見つめた。
そんな二人に、私は溜め息を返した。
「……ごめんなさい。正直に言うと、私は怖いのよ」
『怖い?』
二人が口を揃えて、同時に首をかしげる。
「……だって、彼が私に優しくしてくれたのは、自分の兄が私に失礼なことを言ったと思っているからなのよ。彼と実際に仲良くなって、もし『私はあなたを恋愛する相手としては見られません』なんて言われたら、きっと私は立ち直れなくなってしまうと思う」
私は二人に言った。
二人は同時に眉をしかめた。そして、同時に叫んだ。
『会う前からそんなことを気にしていたら、一生前に進まないでしょうが!』
地下書庫には誰にも来ない。そのうえ、入るのには鍵が必要で、鍵を持っているのは司教様など限られた人物だけ……、密会場所としてこれ以上に適している場所はない。
『けれど、書庫に人がたくさん入ると、湿度が……』
アルバートとの密会場所としてその場所を選んだ二人に、私は地下書庫番として意見を伝えた。
『それはレーア様がなんとかしてください』
ファリンダは、そんな一言で私の意見を一蹴した。
そして、その日はやって来た。
私が地下書庫で待っているので時間が空いた時に来てほしい、という旨の伝言を、シスター・マドレーヌが恋人のブラザーを通じて、アルバートへ伝えてくれる手はずになっている。
あとは私が地下書庫で待っていれば、自然とアルバートがやって来るという手筈である。
何もしないで待つというのはいささか落ち着かなかったので、私は写本をしながらアルバートを待つことにした。
大陸歴史書全四十冊。この一ヶ月ほど、王室に献上をするために私が複本を行っていた、大陸でもたったの三組しか現存しない、貴重な歴史資料である。
私がひたすら写字に没頭していると、やがて書庫の扉がノックされた。
私は椅子から立ち上がり、扉を開ける。
そこには、アルバートがいた。
「ごめんなさい。急に呼び出したりして」
私はアルバートの姿を見た瞬間、彼に謝った。
アルバートは首を振った。
「いえ、むしろ私は嬉しかったです。シスター・オーレリアが普段仕事をしている場所を見られる上、そこが貴重な本がたくさんある書庫だなんて。おかげで写字がずいぶん捗りました」
「……まさか、まだ写本の労働時間中?」
「ええ。休憩をすると言って出てきました。しかし、安心して下さい。神父様から文句を言われない程度には写しましたから」
アルバートは微笑みながら言った。
そういえば四年前、私が写本の手伝いをしていた時に、ずいぶん長いこと休憩に行くブラザーがいた。彼が労働をサボっているのではないかと、いつも私は心のなかで目くじらを立てていたが――、なるほど、こういうことだったのか。
そんなちょっとした謎の真相がわかり、私は笑った。
「どうぞ。あまり居心地の良い場所ではないですけれど」
私は地下書庫の中へとアルバートを招き入れる。
書庫の中に入ったアルバートは、その蔵書の数に目を輝かせた。
「……素晴らしい」
アルバートはゆっくりと本棚の方へと近づいた。
「シスター・オーレリア、手にとって読んでもよろしいですか?」
「どうぞ。そのための本ですから」
私は笑顔を向けて言った。
すると、アルバートは本棚から本を一冊手に取り、我を忘れてそれを読み始めた。
私にこの地下書庫を任せた神学者のサイード様は、私を『こちら側』の人間だと言ったが、彼もどうやら『こちら側』の人間らしかった。
私はアルバートが夢中で本を読む姿を眺めているうち、自然と口元がゆるんだ。
その時、アルバートはようやく、自分が一緒に部屋にいる相手をないがしろにしていることに気がつき、慌てて本を閉じた。
「あっ、申し訳ありません。シスター・オーレリア」
「構いません。ブラザー・アルバートも本が好きなのですね。手紙では一度もそんなことを言ってくれませんでした」
私は苦笑いをして見せながら言った。
「それは。女性は本を好きな男など、あまり好まないかと思いまして……」
「そんなことはないです。他の女性はどうか知りませんが、私は好きですよ。私が教会で一番尊敬しているサイード様は、寝る時以外は本を読んでいるくらいの読書家ですし……」
アルバートは手紙の内容を思い出したのか、ああ、と小さくつぶやいた。
そして、私達はそれきりお互いに黙ってしまった。
私達は四年も手紙でやり取りを続けてきた。お互いのことはたいてい何でも知っている。
けれど、私が知っているのは手紙に書かれたアルバートの語るアルバートで、アルバート自身のことは何も知らないと思った。
きっとそう思っていたのは、アルバートも同じだった。
私達はお互い、に四年の間につくりあげたお互いの幻想に恋をしていたのだ。
そう考えて、私は途端に怖くなった。
アルバートが今見ているのは、手紙の中で美化された私ではなく現実の私だ。
彼にはいったい、私がどう見えているのだろうか。
私に彼がそう見えているように、彼は私を一個の尊敬できる相手として見てくれているのだろうか。
やがて、私がしばらく口を閉じたままでいると、アルバートは私を見て言った。
「オーレリア」
彼はそう私を呼んだ。
「私は君をずっとこう呼びたかった。私の帽子を君が自ら池の中に入って取ってくれたあの日から、私は君と対等に話がしたいと思っていた。しかし、私の方が身分が下だからと、君をそう呼ぶことが出来なかった」
「……」
「……私は君をそう呼んでもいいだろうか?」
アルバートはじっと私を見つめながら尋ねた。
私はしばらく考え、答える。
「ダメです」
「えっ……?」
「私はレーアと呼ばれたい。私と親しい者は皆、そう呼んでくれるから。あなたにもそう呼ばれたい」
私は微笑みながら言った。
アルバートはうなずいた。
「レーア。では、俺のこともアルと呼んでくれ。理由は君と同じだ」
アルバートは笑った。
そんな彼の姿を見て、私も笑った。
その日から、アルバートはたまにふらっと地下書庫に本を読みにやって来て、私と話をするようになった。
私達の話題はいつも、歴史や政治の話ばかりだ。
シスター・マドレーヌ達のような恋人らしいことは何もしなかった。
けれど、それでもいいと私は思った。
私達はお互いを知っているようでいて何も知らない。
これから長い時間を一緒に過ごして、自分達の関係がどうあるべきなのかを見つけていけばいい。
私とアルバートは二人で話し合い、そう決めたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全16話+後日談5話⭐︎
王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。
……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。
追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。
無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」
騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!
婚約破棄されたので、前世の知識で無双しますね?
ほーみ
恋愛
「……よって、君との婚約は破棄させてもらう!」
華やかな舞踏会の最中、婚約者である王太子アルベルト様が高らかに宣言した。
目の前には、涙ぐみながら私を見つめる金髪碧眼の美しい令嬢。確か侯爵家の三女、リリア・フォン・クラウゼルだったかしら。
──あら、デジャヴ?
「……なるほど」
私は私で幸せになりますので
あんど もあ
ファンタジー
子爵家令嬢オーレリーの両親は、六歳年下の可憐で病弱なクラリスにかかりっきりだった。
ある日、クラリスが「オーレリーが池に落ちる夢を見た」と予言をした。
それから三年。今日オーレリーは、クラリスの予言に従い、北の果ての領地に住む伯爵令息と結婚する。
最後にオーレリーが皆に告げた真実とは。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
【完結】悪役令嬢ですが、断罪した側が先に壊れました
あめとおと
恋愛
三日後、私は断罪される。
そう理解したうえで、悪役令嬢アリアンナは今日も王国のために働いていた。
平民出身のヒロインの「善意」、
王太子の「優しさ」、
そしてそれらが生み出す無数の歪み。
感情論で壊されていく現実を、誰にも知られず修正してきたのは――“悪役”と呼ばれる彼女だった。
やがて訪れる断罪。婚約破棄。国外追放。
それでも彼女は泣かず、縋らず、弁明もしない。
なぜなら、間違っていたつもりは一度もないから。
これは、
「断罪される側」が最後まで正しかった物語。
そして、悪役令嬢が舞台を降りた“その後”に始まる、静かで確かな人生の物語。
冷遇妃ライフを満喫するはずが、皇帝陛下の溺愛ルートに捕まりました!?
由香
恋愛
冷遇妃として後宮の片隅で静かに暮らすはずだった翠鈴。
皇帝に呼ばれない日々は、むしろ自由で快適——そう思っていたのに。
ある夜、突然現れた皇帝に顎を掴まれ、深く口づけられる。
「誰が、お前を愛していないと言った」
守るための“冷遇”だったと明かされ、逃げ道を塞がれ、甘く囲われ、何度も唇を奪われて——。
これは冷遇妃のはずだった少女が、気づけば皇帝の唯一へと捕獲されてしまう甘く濃密な溺愛物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる