モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!

あけちともあき

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第四部:オケアノス海の冒険 7

第151話 ソラフネ山遺跡 その3

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『%$%&#$!”#$$$』

「なんて言ってるんだ」

『向こうの言語にゃ』

「おい、俺の分かるように話してくれないか?」

『……アジャストします』

 お、通じた。

『入船許可証を所持、確認。遺伝子走査……終了。敵性生命体一体確認』

 あ、ドレのことを言ってる?

「ドレはいいんだ。仲間だ」

『精神操作……形跡なし。クァールの在船を許可』

 この光る玉、話が分かるな。
 恐らく、これ自体が意思を持つ魔法装置なんだろう。

 ドレ同様、別の世界からこちらにやって来た存在なのだ。

「外で起きている、神話返りという現象があるんだが、あれは君の仕業か」

『神話返り。データベースにそのような単語はありません。意味について音声入力をお願いします』

「ふむ。つまりね、本来なら無害であった動物が、何らかの力を与えられて巨大化、危険なモンスターになってしまう現象のことだ。なぜか、俺達が知っている既存のモンスターに寄せた姿になるが」

『情報共有。照合。ミュータントメイカーによる結果と判断』

「ミュータントメイカー? なんだい、それは」

「リーダー、よくこんな訳わからねえやつとやり取りしてるなあ。ぶった切った方が早くないか?」

「これを壊してしまったら、神話返りが解決しないかもしれないですわよ!」

「意味のわからないやつですねえ……。でも、言ってることは分かりますねえ。間違いなくこいつがやってますねえ」

『質問が錯綜。優先順位を』

「みんな、光る玉が混乱してるのでちょっと静かに頼む……!」

 仲間たちは口をつぐんだ。
 だが、クルミは何かいいたそうに、口をもぐもぐさせている。

「どうしたんだい、クルミ」

「あのですねー。クルミはずーっと思ってたですよ。もしかしておっきくなったモンスター、食べるところ増やすようにしてたのかなーって。ヒドラは美味しそうな匂いしてたですからねー」

「ええ……。そんなまさか」

『はい、その通りです』

 光る玉の言葉に、クルミとドレを除く俺達は、揃って目を剥いた。

『入船許可証を持つ人間がやって来た際、当艦の前で、指示をしました。当艦に、その指示を実行する機能が搭載されていたため、迅速に実行いたしました』

「……その機能というのは?」

『ゴドー星系外惑星において、食糧難に至った際、現地生物を遺伝子改良、可食部を増強する処置です。なお、生殖機能が失われるため、ミュータント化した生物がその土地の遺伝子を汚染する心配はありません』

「なるほど、つまりあれは、このソラフネ山に乗ってやって来た人々が、食料が足りなくなった際、現地の生き物を食べられるように、そして太らせるようにして難を凌がせるための機能だったわけか!」

「マジかあー」

 呆然とするアルディ。

「あれは食べられませんわよねえ……」

「もしかしてこの山に住んでた人って、ああいうゲテモノ食べる人だったりしますね……?」

『散々な言われようにゃ。多分この船に乗ってた連中も、あんなの食べたくないに決まってるにゃ』

「ともかく、背に腹はかえられぬって機能だったわけだね。これはクルミ、大正解だ。凄いぞ」

「えへへ! クルミ、すごいですか!」

 本当に凄い。
 戦った相手の傾向や、戦闘後の敵の状態から真実にたどり着いてしまうんだから。

「センセエが、色々勉強するのは大事だってゆうの教えてくれたですよ。なので、クルミは頑張ってたです!」

「その頑張りが実ったね! 偉い。それで、光る玉」

『アレクシアとお呼び下さい』

 名前あったんだ。

「アレクシア。みんな、そのミュータントというのに困らされているんだ。止めることは可能かな」

『食糧問題は解決していたのですか』

「ああ、それは恐らく、食料の問題ではなくて、この山から出ている、食料を作る機械からね、美味しくないのが出てくるだろう」

『合成食料です。カロリー、栄養素ともに必要基準を満たしています』

「あれがあまりにも不味いから、そういう事を言ったんだと思うな……」

『存じ上げています。そのためのミュータントメイカーです』

 分かっててやったのか!

「いや、あのね。別の食料は麓から仕入れられるから、もうストップして欲しいんだ。君の心遣いはありがたかった。感謝する。もう十分だ」

『ミュータントメイカーの停止をご要望ですね。了解いたしました』

 光る玉が明滅する。

『終了しました。これにて、ミュータントは自壊します』

「それは何より。一般の生物をモンスターにしてしまう装置だそうだけど、人間には通じないんだね」

『はい。ゴドー星系人と90%まで近い遺伝子を持つ対象には作用しません』

 なるほど。
 つまり、ゼロ族のクルミも、イカから派生したマーメイドも、みんなモンスターよりは人間に近いってことなのか。
 そりゃあ、交配できるくらいだもんなあ。
 近いんだろうなあ。

 じーっとクルミを見ていたら、彼女はニコニコした。
 俺も笑顔になる。

「ああ、それと気になったのですけれど!」

 最後にアリサが声を上げた。

「わたくし達のこと、確認もしないでホイホイと言う事を聞きましたわよね、あなた!」

『はい』

「例えばこれが、世界を滅ぼせ! なんて言うような悪人だったらどうするのですの? その辺りの判別、穴だらけじゃありませんこと?」

『あなた方を排除すべく、当艦は動きました。ですが、あなた方はそれを乗り越えています。ゴドー星系は既に存在しません。当艦に帰る場所はありません。当艦の存在意義は、存在し続けることです。そのために、いう事を聞いて破壊を免れるよう行動しました』

「あ、命乞い……なるほどね」

 俺は納得した。
 なんとも人間らしい考えをしたやつじゃないか。

「分かったよ、アレクシア。だけどどうにか、悪そうなのは見分けるように努力してくれないか? まあ、山頂の集落の人々は大丈夫だと思うけど」

『了解しました』

「じゃあね、アレクシア」

『さようなら。宇宙怪獣を従える者』

 なんだそれ。
 最後に妙な呼び方をされ、俺達はこの、妙な光る玉と別れたのだった。
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