異世界で始めるポイ活冒険生活 ~実績解除で人生ボーナス中!~

あけちともあき

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ポイ活、人生を切り開く編

第10話 ポイ活向きの仕事につきました! +1000pt

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 入国の日。
 今日、移民許可をもらって入国できるのは、俺とマキナの二人だけ。
 移民希望者はその半分くらいが脱落するそうだし、採集を希望した人間は7割くらい死ぬらしい。

 こわあ!
 よく俺生き残ったな。
 いや、マキナと出会って、二日で終えたからだな。

「ドキドキしますね、ミアン」

 俺の目線を別の意味で受け取ったらしく、彼女が囁いてくる。

「あっ、う、うん! そうだな!」

 すぐに、ケスタイン王国の移民担当官みたいな女性がやって来た。
 ピンク色の髪で、耳が尖っている。

「移民認定おめでとうございます。私は王国の移民担当の騎士、デリアです」

 俺と同じくらいの背丈な彼女は、切れ長な目で俺とマキナを交互に見た。

「……たった二日で採集を終えた、前代未聞の移民希望者と聞いていましたが……なるほど、人竜族ならば納得しました」

「あっ、違います。それはこっち。ミアンの方」

 マキナが俺を指さしたので、デリアは目を見開いた。
 ジロッと俺を見て、

「えっ? この男が? こんな冴えない、手ぶらで、魔法を使える気配もなく、鍛えているようにも見えない男が……? ありえない……」

 おっ、失礼なことをブツブツ言ってるなー!?
 だが、全ては真実なので何も言い返すことはありません。

「人間というのは、見た目だけではないのですね。私はミアンにそれを教えてもらいました」

 デリアが、マジかよ……という顔になる。
 この女騎士、顔に出すぎだろ。

「コホン。まあいいでしょう。お二人は本日から、移民として過ごす権利が得られます。移民は毎月、1000ポイントの貢献ポイントを国に収める必要があります。これが滞った時点で国外追放されます」

 うおーっ、厳しいー!!

「そのために、仕事についていただく必要があります。ですがご安心を。外で稼ぐ貢献ポイントと、国内で稼ぐ貢献ポイントはレートが違います。具体的には10倍違います」

「な、なんだってー!?」

 つまり、外で必死に一日掛けて5pt労働で稼ぐのが、国内なら50pt稼げるってことじゃないか!!
 ケスタイン王国、なんてアコギな事をしているんだ。
 いや、無限に移民を入れられるわけでは無いから、ふるいにかける必要があるのだろう。
 理論は理解できる。

「ですから、一般的な労働をしておられれば貢献ポイントを収めた上で、最低限の生活はできることを保証しましょう」

 あくまで最低限の生活なのね。

「さて、ここまではマニュアルだ。ここからは私個人としてのおすすめを話させてもらおう」

 おっと、デリアの口調が変わった。
 彼女はじっとマキナを見ながら、

「今、ケスタイン王国は冒険者を求めている。この物騒な世の中だ。我ら騎士団以外に、様々な雑用をこなす者が必要になる。それが冒険者だ。我が国に所属する冒険者なら、幾らいてもいいからな。人竜族であり、恵まれた体格を持つお前には、ぜひ冒険者になってもらいたい。言っておくがこれはお願いではない。ほぼ強制だ」

 マキナがちょっとムッとするのが分かった。

「失礼な方ですね……! ミアン、どうしましょう? 私は別に嫌ではないのですけれど、それでもこの方の言い方が……」

「うん、まあ気持ちは分かる。あのー、デリアさん。冒険者はいろいろな種類の仕事をするところですか? えーとつまり、国の中や外、たくさんの人に会ったり猛獣に遭遇したり」

「無論だ。仕事内容の多様さでは他の追随を許さん」

 ということは!
 ポイントを得る機会が物凄く多いということである!!
 決定!

「じゃあ俺は冒険者になります」

「なにっ!? お前がか!?」

 目を剥いて驚くデリアなのだった。
 そんなにびっくりしなくていいだろ!?

「すぐ死ぬぞ……。そんなヒョロヒョロの体格で、身のこなしも素人丸出しで……」

「いいえ! ミアンは凄いんです!! 私が保証します! ミアンが冒険者になるなら、私も冒険者になります!!」

「むうーっ!!」

 デリアが唸った。
 そして苦虫を噛み潰した顔で口を開いた。

「ま、まあいいだろう。私から冒険者ギルドに口利きしておいてやる。今日より、お前たち二人は冒険者だ。ケスタイン王国のため、仕事に励むがいい。ついてこい」

 歩き出すデリアなのだ。

『ウグワーッ! 大人しく説明を聞きました! 実績・模範的移民の第一歩解除! 200pt獲得!』

「んもー! 嫌な人ですねー!」

 マキナがぷりぷり怒っている。
 デリアには聞こえているらしく、彼女の尖った耳がピクピクしている。

「まあまあ。騎士ということは国家公務員みたいなものだし、治安維持も仕事のうちだからどうしてもああいう態度になりがちなところはあるからね」

 生前の警察を思い出す。
 職務質問も態度的にはあんな感じだったなあ。
 俺、不審者みたいな態度だったもんなあ。
 外出の度に捕まって職務質問されたもんだ。

 やっぱりデリアは聞き耳を立ててたらしく、ピクピクしている。

「特に騎士とかストレスも凄いだろうし、それで当たりが悪くなるんだと思うので仕方ないところはある……」

 おっ、耳のピクピクが穏やかになった。
 フォローされて気分が落ち着いたらしい。

「ここだ。私だ! デリアだ! 入るぞ!」

 西部劇風の酒場みたいな建物があるな。
 入口をくぐるとまんま酒場になっていて、奥にカウンター。

 受付のお姉さんがいる。

「お疲れ様です、デリアさん。まあ! 今回の移民の方は、二名も冒険者に!?」
 
 緑色の髪をしていて、髪のあちこちから葉っぱが生えている女性だ。
 デリアといい、この受付嬢といい、ただの人間の女性が出てこないな、この世界?

「ああ。私の仕事は済ませたからな。二人を登録してやってくれ。何かあれば私に連絡するように。そいつらの担当は私だからな」

 それだけ告げると、デリアは去っていったのだった。

「ではお二人とも。ここにお名前を書いて下さい。ああ、文字が書けなければ魔力インクを指に付けて、拇印でも結構ですから……」

「はーい」

 俺は日本語で、指定された用紙に名前を書いたのだった。

『ウグワーッ! ポイ活向きの仕事につきました! 実績・初めての就職解除! +1000pt』

◎現在のポイント:9106pt
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