2 / 517
冴えない私の黎明編
第2話 SNSトレンド伝説
しおりを挟む
学校の授業以外の時間は寝たふりをして過ごしている……。
なぜなら、起きていても話す相手がいないからだ!
そう、私には友達がいない……!
ううっ。
こんな陰キャな私でも、冒険配信者になったらドッカンドッカン人気になると思ってました。
登録者3人だもんなあ。
昨夜は確認した。
冒険後の死んだ頭で見た時、登録者は3人。
じっと見てても全然増えないから、絶望して家に帰って、ダンジョンなんか行ってない顔をしてから寝た。
朝は、まだ登録者数が3人だったら絶望するので、怖くて見ていないのだ!
「ふふっ……冒険配信者、向いてなかったかあ……」
机に伏せながら遠い目をしていたら、すぐ前の席の陽キャどもが集まって、何かお喋りをしている。
「でさ! マジらしいんだけどアーカイブ見たらマジで!」
「マジで!? 切り抜き見せて見せて……うわーっ! マジだあ!」
「ゴボウで戦ってる! おかしーっ!!」
ゴボウで!?
私はハッとして目覚めた。
いや、ずっと寝たフリなんだけどさ!
「アワチューブでさ、同接3人しかいなかったらしんだけど」
「神じゃん! ってか、同接が増えて逆転したわけ? やべー」
「なんでこんなの見つけられたの?」
「これさ、ツブヤキッターで一瞬だけトレンド乗ってたのよ! そしたらこれがあって!」
なにぃ……!?
どこかの配信者の話か?
私以外にも、ゴボウで戦った人がいたなんて……。
ううっ、私は二番煎じだあ……。
やはり配信者としての才能がない。
引退するしか無いな……。
「マジで面白いから! 見てみ? 最初はちょーつまんないんだけど、同接増えた辺りからやべーから」
「マジ!? うわ、やべー!!」
そんなやばい配信者って誰だよ。
くそー、人気者め!
妬みのパワーで燃やしてやりたい!
「マジやばいよね、このきら星はづきって冒険配信者!」
私は一瞬、何を言われたか分からなかった。
次の瞬間、激しく反応した。
伏せたまま、机ごと飛び跳ねたね。
「うわーっ!?」
陽キャたちが驚いて振り返る。
「ちょ、大丈夫?」
なんか心配して声を掛けてくるので、私は半笑いになって顔を上げた。
「へへへ、だ、だ、大丈夫です」
私のことか!
きら星はづきって、私じゃん!
私が、トレンドに!? どういうこと!?
速攻でトイレに移動して、スマホを起動した。
怖くて見てなかったあたしのチャンネルを見ると……。
「あひーっ!?」
驚愕のあまり声が出た。
左右の個室で、「うわーっ!?」「なんやなんや!?」と叫びが聞こえる。
びっくりさせてごめんね……!!
「わた、わた、私のチャンネルの登録者が、38人もいる……!! なんで……!? こんなん、一生のうちでできた友達の数より多いじゃん……! いや、今まで生きてきて片手で数えられるくらいしか友達いないし、もう付き合いもないんだけど……!!」
アーカイブの再生数も、なんと3560回に及んでいた。
何事……!?
平常心ではいられない。
私はその後、お腹が痛いふりをして保健室に……行くような真似をして目立つことなどできず、普通に授業を最後まで受けて帰った。
ううっ、私の小心者……!!
帰宅すると、自室にもう一つのスマホがある。
これが冒険配信者、きら星はづきのスマホなのだ。
元々は兄のスマホなんだけど、あの人が冒険配信者やってたころに使ってたやつね。
あの人、元々幻想ファンタジア株式会社……通称げんふぁんの所属配信者だったんだけど、引退して今は会社員やってるのだ。
そのアプリが入ったままのスマホを私がもらって、使ってるってわけ。
「私がトレンドに……? いや、一瞬って言ってたし、もう残ってないでしょ。ハハハ」
ツブヤキッターで、きら星はづきを検索してみる。
うわーっ!
めっちゃ出てくる!
トップには、私の配信の切り抜きと見られる動画があった。
これって、最初のリスナーのたこやきさん……!?
たこやきさんがあの後、切り抜き動画を作り、それがプチバズったらしかった。
道理で登録者数が38人に……。
自分のチャンネルを確認した私は、驚愕でベッドに向かって倒れ込んだ。
「あひーっ!? と、と、登録者数、112人!! えっ? えっ? 三桁……!? なんで……?」
全くわからない。
なんでだ。
いや、切り抜きがバズったからでしょ。
全然わかる。
落ち着け、落ち着け私よ……。
私がドッタンバッタンやっていたので、お母さんが覗きに来た。
そして私が挙動不審なのはいつものことなので、うんうん頷いてまた出ていった。
「ああ~っ、私、生きてていい。これは生きてていい感じだあ~」
寝転んだまま、スマホを見上げてニヤニヤする。
おっと、いけないいけない。
「次の配信予定を書き込まないとね! ゴボウでゴブリンと戦えたんだから、次は……」
きら星はづきのツブヤキッターアカウントを作って、そこでちゃんと宣伝をして……。
そう、私、SNSの表アカウントすら作ってなかったのだ!
ウォッチ用の裏垢しか無かった。
『新人冒険配信者のきら星はづきです! 面白い冒険を配信して行こうと思います! よろしくお願いします!』
「これでよしっと」
最初の挨拶を打ち込んで、うんうんと満足する私。
そんな視界の隅で、通知欄にポコン、と数字が出る。
「お?」
ポコン、ポコポコポコ……。
「お、お、おおおおおおおおっ!?」
通知が……通知が増えていく……!!
あっ、つぶやきにいいねがついた! リツブヤキもついた!? 増えてく!? 返信まで!?
あああああ、フォロワーが増える! どんどん増える!
これまでの、空虚で空っぽで壁に向かって一人でブツブツ言っているような、漆黒のツブヤキッターライフから打って変わった、とんでもない反応の数!
「あ、あ、あ、あひーっ!?」
陰キャである私には、あまりにも刺激が強すぎる……!!
『はづきちゃんはじめまして! ごぼうでもやればできるんですね! 勇気づけられました!』
『可愛い、ファンになりました』
『次はもうちょっと柔らかい野菜で挑戦して欲しい。トマトとか』
トマト……!?
トマトで、ゴブリンと……!?
「できらあ……!!」
私の次なる配信が決定したのだった。
なぜなら、起きていても話す相手がいないからだ!
そう、私には友達がいない……!
ううっ。
こんな陰キャな私でも、冒険配信者になったらドッカンドッカン人気になると思ってました。
登録者3人だもんなあ。
昨夜は確認した。
冒険後の死んだ頭で見た時、登録者は3人。
じっと見てても全然増えないから、絶望して家に帰って、ダンジョンなんか行ってない顔をしてから寝た。
朝は、まだ登録者数が3人だったら絶望するので、怖くて見ていないのだ!
「ふふっ……冒険配信者、向いてなかったかあ……」
机に伏せながら遠い目をしていたら、すぐ前の席の陽キャどもが集まって、何かお喋りをしている。
「でさ! マジらしいんだけどアーカイブ見たらマジで!」
「マジで!? 切り抜き見せて見せて……うわーっ! マジだあ!」
「ゴボウで戦ってる! おかしーっ!!」
ゴボウで!?
私はハッとして目覚めた。
いや、ずっと寝たフリなんだけどさ!
「アワチューブでさ、同接3人しかいなかったらしんだけど」
「神じゃん! ってか、同接が増えて逆転したわけ? やべー」
「なんでこんなの見つけられたの?」
「これさ、ツブヤキッターで一瞬だけトレンド乗ってたのよ! そしたらこれがあって!」
なにぃ……!?
どこかの配信者の話か?
私以外にも、ゴボウで戦った人がいたなんて……。
ううっ、私は二番煎じだあ……。
やはり配信者としての才能がない。
引退するしか無いな……。
「マジで面白いから! 見てみ? 最初はちょーつまんないんだけど、同接増えた辺りからやべーから」
「マジ!? うわ、やべー!!」
そんなやばい配信者って誰だよ。
くそー、人気者め!
妬みのパワーで燃やしてやりたい!
「マジやばいよね、このきら星はづきって冒険配信者!」
私は一瞬、何を言われたか分からなかった。
次の瞬間、激しく反応した。
伏せたまま、机ごと飛び跳ねたね。
「うわーっ!?」
陽キャたちが驚いて振り返る。
「ちょ、大丈夫?」
なんか心配して声を掛けてくるので、私は半笑いになって顔を上げた。
「へへへ、だ、だ、大丈夫です」
私のことか!
きら星はづきって、私じゃん!
私が、トレンドに!? どういうこと!?
速攻でトイレに移動して、スマホを起動した。
怖くて見てなかったあたしのチャンネルを見ると……。
「あひーっ!?」
驚愕のあまり声が出た。
左右の個室で、「うわーっ!?」「なんやなんや!?」と叫びが聞こえる。
びっくりさせてごめんね……!!
「わた、わた、私のチャンネルの登録者が、38人もいる……!! なんで……!? こんなん、一生のうちでできた友達の数より多いじゃん……! いや、今まで生きてきて片手で数えられるくらいしか友達いないし、もう付き合いもないんだけど……!!」
アーカイブの再生数も、なんと3560回に及んでいた。
何事……!?
平常心ではいられない。
私はその後、お腹が痛いふりをして保健室に……行くような真似をして目立つことなどできず、普通に授業を最後まで受けて帰った。
ううっ、私の小心者……!!
帰宅すると、自室にもう一つのスマホがある。
これが冒険配信者、きら星はづきのスマホなのだ。
元々は兄のスマホなんだけど、あの人が冒険配信者やってたころに使ってたやつね。
あの人、元々幻想ファンタジア株式会社……通称げんふぁんの所属配信者だったんだけど、引退して今は会社員やってるのだ。
そのアプリが入ったままのスマホを私がもらって、使ってるってわけ。
「私がトレンドに……? いや、一瞬って言ってたし、もう残ってないでしょ。ハハハ」
ツブヤキッターで、きら星はづきを検索してみる。
うわーっ!
めっちゃ出てくる!
トップには、私の配信の切り抜きと見られる動画があった。
これって、最初のリスナーのたこやきさん……!?
たこやきさんがあの後、切り抜き動画を作り、それがプチバズったらしかった。
道理で登録者数が38人に……。
自分のチャンネルを確認した私は、驚愕でベッドに向かって倒れ込んだ。
「あひーっ!? と、と、登録者数、112人!! えっ? えっ? 三桁……!? なんで……?」
全くわからない。
なんでだ。
いや、切り抜きがバズったからでしょ。
全然わかる。
落ち着け、落ち着け私よ……。
私がドッタンバッタンやっていたので、お母さんが覗きに来た。
そして私が挙動不審なのはいつものことなので、うんうん頷いてまた出ていった。
「ああ~っ、私、生きてていい。これは生きてていい感じだあ~」
寝転んだまま、スマホを見上げてニヤニヤする。
おっと、いけないいけない。
「次の配信予定を書き込まないとね! ゴボウでゴブリンと戦えたんだから、次は……」
きら星はづきのツブヤキッターアカウントを作って、そこでちゃんと宣伝をして……。
そう、私、SNSの表アカウントすら作ってなかったのだ!
ウォッチ用の裏垢しか無かった。
『新人冒険配信者のきら星はづきです! 面白い冒険を配信して行こうと思います! よろしくお願いします!』
「これでよしっと」
最初の挨拶を打ち込んで、うんうんと満足する私。
そんな視界の隅で、通知欄にポコン、と数字が出る。
「お?」
ポコン、ポコポコポコ……。
「お、お、おおおおおおおおっ!?」
通知が……通知が増えていく……!!
あっ、つぶやきにいいねがついた! リツブヤキもついた!? 増えてく!? 返信まで!?
あああああ、フォロワーが増える! どんどん増える!
これまでの、空虚で空っぽで壁に向かって一人でブツブツ言っているような、漆黒のツブヤキッターライフから打って変わった、とんでもない反応の数!
「あ、あ、あ、あひーっ!?」
陰キャである私には、あまりにも刺激が強すぎる……!!
『はづきちゃんはじめまして! ごぼうでもやればできるんですね! 勇気づけられました!』
『可愛い、ファンになりました』
『次はもうちょっと柔らかい野菜で挑戦して欲しい。トマトとか』
トマト……!?
トマトで、ゴブリンと……!?
「できらあ……!!」
私の次なる配信が決定したのだった。
30
あなたにおすすめの小説
昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜
美鈴
ファンタジー
ホットランキング上位ありがとうございます😊
ストーカーの被害に遭うアイドル歌羽根天音。彼女は警察に真っ先に相談する事にしたのだが…結果を言えば解決には至っていない。途方にくれる天音。久しぶりに会った親友の美樹子に「──なんかあった?」と、聞かれてその件を伝える事に…。すると彼女から「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」と、そんな言葉とともに彼女は誰かに電話を掛け始め…
※カクヨム様にも投稿しています
※イラストはAIイラストを使用しています
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる