ゴボウでモンスターを倒したら、トップ配信者になりました。

あけちともあき

文字の大きさ
431 / 517
渦巻く策謀と、いつもの私編

第432話 全力でぶつかったらヤバい!伝説

しおりを挟む
 魔王の人が、攻撃手段を触手から切り替えた。
 バックに宇宙みたいな風景が広がって、そこから隕石みたいなのがぼんぼん飛び出してくる。

『極小メテオ! あ、ちっこく凝縮してるだけで、威力は本物だから! 砕け散れー?』

 攻撃の規模が大きいな~。
 私はこれを、

 「あちょっ」カキーン! 「あちょー!」カキンカキーン! 「あちょちょー!」カキキキキーン!

 と跳ね返しまくるのだ。
 ダンジョンの中で大爆発しまくる隕石!

※『何が起こっているんだーw!!』もんじゃ『今まで見たことがない次元の戦いが行われてることだけ分かる!』『画面が忙しすぎる!!』おこのみ『密着するスーツで躍動するはづきっちのはづきっちが!』

『そんじゃあ次はこれ! 耐えられるかな~? んなわけないか! あはははは!! 溶けてなくなれー?』

 魔王の背後から降り注ぐ、雨みたいなもの。
 あ、これ可視化できるくらい凝縮された宇宙線みたいなやつかあ!
 一発当たるだけで、骨も残さずに蒸発するような攻撃。

 なので、こういう怖いのはゴボウで切り払っていきましょうねー。

「あちょあちょあちょー!」

 サクサクと切り払うと、宇宙線が霧散していく。
 で、その時にすっごいエネルギーが産まれるらしくて、私の周りに猛烈な放射線と磁力の嵐が吹き荒れる。
 Aフォンが揺さぶられてガタガタ言ってる。

※『うわーっ視点がーっ!!』『酔う、酔うw!!』『むしろこれで壊れないAフォンって本当にすげえなあ!』

 流石に激戦なので、私の宇宙服もあちこち破けたり、魔王の人の金色ドレスも大きく切り裂かれてその下の制服みたいなのが見えたりとかですね。

 こういう感じで、もう世界の終末みたいなバトルをバリバリ繰り広げていたのだけど。
 私達は無事でも、舞台の方はそうはいかない。
 あっという間にダンジョンがガタガタになって、ひび割れていく。
 あっあっあっ、と思う間に、パリーンと割れてなくなってしまった。

「あっ」

『あー』

 私も魔王の人も、ちょっと驚く。

『わっちゃー、これは予想外だったわ……。ここ、割と強度気をつけて作ったんだけどなあ……。あたしが気合い入れるとぶっ壊れると思ってたけど、はづきっちもそうなん!? ないわー!』

 彼女は攻撃を取りやめてしまった。
 背後の宇宙が消える。

「あー、ここで同じことやったら、めっちゃめちゃ被害出るもんねえ……」

『そうそう。周りぜーんぶクレーターになるよ? 日本消滅するって。それって違くね? 侵略はさ、楽しんでやるもんなのよ。力押しでゴリゴリーってのはダメ。あたしの美学っつーの?』

「わかりみ。配信もそうですし……」

※『魔王と分かり合ってる!』『はづきっちも魔王だもんなー』もんじゃ『つまりこれは、本気モードで二人がぶつかり合うと、この世界が持たなくなる……ということだろう。魔王が自ら作り上げたダンジョンすら、あっという間に消えてしまった』

『きら星はづき、勝負は預けるわ。あたしとあんたがまともにやり合うなら、宇宙以外だと無理っしょ? ここで決着つけたら、あたしは負ける気ないけど、それでもゴボウアースがダメになっちゃうじゃん。そんなもの、あたしは欲しくねーし』

 こだわりがある人だなー。

「では、今日はお開きということで……」

『そそ。いやー、お古の宇宙戦闘装備で来たけど、これやっぱ動きづらくてダメだわー。破けたからポイだね。それにあたしが直接出るとなると、顔バレしてもやりづらくなるしさー。ほいほい、そんじゃあねー』

「おつかれさまでーす」

 私と魔王は別れたのだった。
 うーん、フランクな人だった。
 陽の香りを感じるのでなかなか恐ろしい敵かも知れない。

 ダンジョンは消え、タンカーはボロボロになっていた。
 私と魔王の戦いの余波が残ってるっぽい?
 あっあっあっ、私の足元から崩れてく~。

「ベルっちー」

『ほいほい! 分かれなくて良かったねー。分かれてたら負けてたよー』

「ねー」

 私と私の何気ない会話で、なんかコメント欄がざわついてる。

※『そんなギリギリの勝負だったってコト……!?』『イヤッ、イヤッ』『魔王だろ? 今までの全部の黒幕みたいなのが出てきて、そいつが今のはづきっちを押してるくらい強いってこと!?』もんじゃ『ありうる……。そして本人が出てくれば何もかもがすぐに終わっていたレベル。しかしそうしなかったということは……。段取りを重んじるタイプなのか……?』『黒幕によくいるタイプ~』おこのみ『はづきっちとベルっちが入れ替わるとこれはこれでけしからん格好でいいですぞー』

「いやいや、私だから安心ってわけじゃないですからねー。私もほら、段取りをちゃんとやって、最近だと溜めて溜めて溜めてドーン! と盛り上がるタイミングでやってるんで!」

 同接もだけど、リスナーさんの盛り上がりでも強さが変わるっぽいんだよね。
 今まではたまたま、クライマックスで私登場! みたいな感じだったけど、それが積み重なって私=デウス・エクス・マキナ!みたいになってる感じはあります。

 でまあ、魔王はそういうのを素でひっくり返してくるくらい強いというわけでしょう。
 ベルっちと合体してる私+ゴボウで、今の魔王相手にギリギリ拮抗!

 じゃあ倒しますね……というビジョンは今のところ湧いてこないかなー。

 だが!
 そういう不安そうなことを言うのは配信者失格です!

「タンカーは壊れちゃってもOKだったそうなんで、これで今回のお仕事は完遂です! 攻略時間45分でしたねー。クライマックス魔王戦が3分半だったんで」

※『速い速い速いw』『相変わらずの爆速だな……』『しかもラスボスとやり合って痛み分けまで入ってこの時間だからな』『はづきっちの配信は日常生活にサクッと挟み込める』

 うんうん、ご好評をいただいております。
 ストっと港に着地した私の後ろで、タンカーは朽ち果ててどんどん沈んでいってしまった。
 この後、回収作業を行うみたいです。

 ダンジョン伝いに私と魔王の戦いの余波を受けるだけでああなっちゃうんだなあ。
 これは地上だと無理ですわ。

 また宇宙かあ……。
 でも、あっちは当分やる気がないみたいだし。

 どうしたもんか、どうしたもんか。

「えー、ではですね、しばらくツブヤキックスのコメントを公開するんで、皆さん私のところに今後どうしようっていうアイデアをどしどし寄せてください! はづきとお前らの緊急作戦会議、開始しまーす!!」

しおりを挟む
感想 189

あなたにおすすめの小説

マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜

美鈴
ファンタジー
ホットランキング上位ありがとうございます😊  ストーカーの被害に遭うアイドル歌羽根天音。彼女は警察に真っ先に相談する事にしたのだが…結果を言えば解決には至っていない。途方にくれる天音。久しぶりに会った親友の美樹子に「──なんかあった?」と、聞かれてその件を伝える事に…。すると彼女から「なんでもっと早く言ってくれなかったの!?」と、そんな言葉とともに彼女は誰かに電話を掛け始め… ※カクヨム様にも投稿しています ※イラストはAIイラストを使用しています

昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件

マサタカ
青春
 俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。 あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。   そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。 「久しぶりですね、兄さん」 義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。  ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。 「矯正します」 「それがなにか関係あります? 今のあなたと」  冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。    今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人? ノベルアッププラスでも公開。

俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨
ファンタジー
普通の高校生として生きていく。その為の手段は問わない。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました

御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。 でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ! これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について

おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。 なんと、彼女は学園のマドンナだった……! こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。 彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。 そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。 そして助けられた少女もまた……。 二人の青春、そして成長物語をご覧ください。 ※中盤から甘々にご注意を。 ※性描写ありは保険です。 他サイトにも掲載しております。

処理中です...