ピコーン!と技を閃く無双の旅!〜クラス転移したけど、システム的に俺だけハブられてます〜

あけちともあき

文字の大きさ
77 / 181
第二部:彷徨編

77・俺、潜水艦と遭遇する

 たとえ異世界に来たとしても、未成年なので飲酒はしない方針の俺。
 最近では伸び盛りの筋肉の働きに悪いので、お酒は飲まないという方向に変えている。

 だが、たくさん飲み食いすれば出るものは出るのだ。
 トコトコと桟橋まで行って、小便をすることにした。

 海に向かって気分良く出すものを出していると、どうも足元が明るい。

「なんだなんだ」

 じっと、俺の小便が落ちる辺りを見ていると、丸くて明るいものがいくつもあるではないか。

 ははーん、この辺り、浅瀬になってなくていきなり断崖絶壁みたいになってるんだな。
 海底までかなりの距離があると見た。
 だから、あんなピカピカ光るものがたくさん水の中にいられるのだ。

「いや、待て俺よ。あれはもしや、噂に聞く潜水艦では」

 俺はハッとした。

 ここで俺の頭上に選択肢が生まれる。

1・みんなを呼びに行こう。すぐに潜水艦が現れるなんて由々しき事態だ。対策を考えねば!
2・ヒャッハー! 待ってやがれ潜水艦! 俺は飛び込むぜえーっ!

「ヒャッハー! 待ってやがれ潜水艦! 俺は飛び込むぜえーっ!」

 俺はカッとなって水中にダイブした。
 さっきまで用を足していたところだが、きっと潮の流れで希釈していることだろう。

 すると、俺に続いて水に飛び込む者がいる。
 誰だと思ったらロマだった。

「がぼがぼごぼ」

 俺が話しかけると、人魚は呆れた顔をした。

「水の中で息もできないのによくやるねえ。でも、あんた、あたいがいてラッキーだよ。そういうところ、あんたは凄くツイてるのかもね。水の呪法……!」

 彼女は呟くと、俺に近寄ってきた。
 むむっ!
 顔が近いぞ。

 そして彼女の唇が俺の唇を塞ぐ。

 アッー!
 ファストキスーっ!

 と思ったら、何かを押し込まれた。

「これは何かね」

 質問を口にしてみたら、水中なのに喋れるし息ができることに気付く。

「これはあたいの作った人魚の泡。こいつを口に含んでいれば、水の中で喋ることも息をすることもできるのさ。ちなみにあたいら人魚独自の呪法で、口移しじゃないと使えないの。人間は口づけを特別視するんだって? ノーカンノーカン。これは口づけじゃないから」

「なるほどノーカン」

 俺は納得した。
 そんなことより、潜水艦である。
 水中をごぼごぼ泳いでいくのだが、思うように進まない。

「人間の体では限界があるな」

「手を引っ張ってあげようか?」

「それもいいんだが、自分でなんとかできるようになっておきたい! よし、幻術でなんとかしよう。火幻術!」

 俺が足元に火の幻術を生み出すと、そいつは一時的に実体化して水を高速で熱した。
 なにか起こるかと言うと、爆発ですな。

 とんでもない爆発が起こって、俺はそいつにぶっ飛ばされて潜水艦まで一直線。
 水の抵抗が凄いぞ!

「ブロッキングだ!!」

 水の抵抗をブロッキングして、そのまま潜水艦まで一直線。

「はあーっ!? あんた無茶し過ぎだよ!? こんなことするやつ初めて見た!」

 ロマも爆発に押されながら、唖然とした目を俺に向ける。
 なに、潜水艦まで到着したんだ。
 結果オーライなのだ。

「まあいいや。なんかあんたには何を言っても無駄な気がする。気をつけなよ。センスイカンは近づいたやつを無差別に攻撃してくるんだ! ほら来た!」

 潜水艦は全身に光る窓みたいなのをくっつけた、未来の乗り物みたいな姿だった。
 そいつの光る窓が開いて、エビっぽいのが飛び出してくる。

 エビメカかな?

「エビビーッ」

 機械的な音声で丁寧にエビって言った。
 仮称エビメカとする!

「よし、くらえラリアット!」

 俺は大きく腕を振る。
 だが、これは水中を自在に動くエビに避けられてしまった。
 なんということだ、水の抵抗で攻撃が思うように放てない。
 
 こういう時に必要なのは……。

「エビエビーッ!!」

 エビたちが俺達めがけて殺到してくる。

「やばいよ!!」

 ロマが叫ぶので、俺は彼女をひっつかんで後ろに隠した。
 ということで、エビメカが俺へと集中攻撃なのだ。

 水中で使える技が必要だ。
 今すぐ!

 ピコーン!

 来たっ!

『サブミッション』

 ふわっとした技が来たな。
 範囲が広すぎない……?

 だが、俺はエビメカの一尾を受け止めると同時に、その頭を小脇に抱え込んでいた。

「サブミッション・フロントネックチョーク!」

「エビーッ!」

 腕力でもりもりとエビメカの頭を締め付けると、そこがバキッと音を立てて壊れた。
 エビ味噌を垂れ流しながら沈んでいくエビメカ。

「エビエビー!」

 今度は飛び込んできたやつを掴みつつ、太ももでそいつを挟んでエビ反りに折り曲げる!

「サブミッション・水中・逆エビ固め!」

「エビーッ!!」

 エビの胴体がスポンと抜けた。
 こいつ、エビメカだと思ってたらメカの下には白い身があるではないか!
 身の部分がすっぽり抜けたので、俺はちょっと摘んで食べてみた

 甘くて美味しい。

「戦いながら敵を食ってる……!? とんだ豪傑だね……! でも嫌いじゃないよ! あたいもあんたを支援するから!」

 ロマが水の呪法を使うと、俺の回りに泡が生まれた。
 そして、俺の体にかかる水の抵抗を軽減してくれるようだ。
 これはありがたい。

 そして俺は、並み居るエビ軍団を次々にサブミッションで仕留めていく。

「サブミッション・一本足4の字固め!」

「エビーッ!」

「サブミッション・水中キャメルクラッチ!」

「エビーッ!!」

「サブミッション・カナディアンバックブリーカー!」

「エビビーッ!!」

 どんどんエビが減り、白くて甘い身が水中をプカプカ浮かぶようになっていく。
 モンスターを素手で倒す俺が、その全力を関節技に叩き込むのだ。
 エビメカごときに耐えられるものではないのだ。

 そして今回身につけたサブミッション、関節技っぽいのが敵に合わせてランダムに発動するということが分かった。
 使い勝手は悪くないが、地上なら打撃技や投げ技の方が強いだろう。

 こういう限定環境向けの技だな。

 やがて、多くのエビを減らされた敵は、少しずつ俺と距離を取るようになった。
 逃げるかな?

「エビーッ!!」

 捨て台詞みたいなのを吐いたぞ。
 そして一斉に、俺に尻尾を向けて遠ざかっていく。

 気がつくと、潜水艦も遠ざかるところだった。

「……勝った」

「大したもんだよ……。人間が水中であれだけ戦えるなんてねえ。確かに腕力に自信があるなら、水の中でも使える掴み技は有効だねえ」

 ロマが感心している。

「あっ、でも潜水艦逃げたじゃん!!」

「そうさね。でも、あいつが逃げるなんてよっぽどだよ。今回はあたいが追っ手をつけてるから安心しな。いつもなら、エビどもにやられて追っ手をつける余裕もないのさ」

「追っ手とは」

「人魚は魚も操れるってことさね」

 なるほど、便利だ。
 まさしく、水の中は人魚の世界なんだなあ。

 さて、酒を飲む連中にとって、エビ肉は最高の酒の肴に違いない。
 拾って行ってやるとしよう。

 俺は水中を漂うエビの肉を回収することにした。
 それをやりながら、ステータスをチェックする。


名前:多摩川 奥野

技P  :880/1256
術P  :313/393
HP:1147/1312
アイテムボックス →
※カールの剣
※祭具・ローリィポーリィ
※戦士の銃

✩体術         →
・ジャイアントスイング・ドロップキック・フライングメイヤー
・バックスピンキック・ドラゴンスクリュー・シャイニングウィザード
・フライングクロスチョップ・サンダーファイヤーパワーボム・エアプレーンスピン
・ブロッキング・ラリアット・ブレーンバスター
・エルボードロップ・アクティブ土下座・スライディングキック
・ナイアガラドライバー・パリィ・ワイドカバー
・ドラゴンスープレックス・フランケンシュタイナー・ムーンサルトプレス
・サブミッション

★幻の呪法
◯幻炎術◯幻獣術◯雷幻術
◯幻影魅了術◯幻氷術◯水幻術
◯幻影戦士術
★陣形・陣形技      →
・マリーナスタンス3
・マリーナスタンス5
・デュエル

 ……ふと思ったんだが。
 マリーナスタンスを水中で使ったらどうなるんだ?
 実は意外と、これがあれば水中でもそれなりに戦えるかも知れない。

 今度試してみることにしよう。
感想 92

あなたにおすすめの小説

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

神々に見捨てられし者、自力で最強へ

九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。 「天職なし。最高じゃないか」 しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。 天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~

明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!! 『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。  無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。  破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。 「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」 【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位