ピコーン!と技を閃く無双の旅!〜クラス転移したけど、システム的に俺だけハブられてます〜

あけちともあき

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第三部:覚醒編

93・俺、久々にまったりと旅をする

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 ここからは高山地帯を巡っていくぞ。
 サンクニージュ大陸の背骨と呼ばれる、テノマーヤ山脈と言うらしい。

 密林の出口がいきなりこの山脈の中腹だったのだが、そこに集落があった。

「おやまあ、密林から出てくる人がいるなんて。猫人以外は俺が生まれてから初めてだなあ」

 ヤギ飼いの兄ちゃんが、そんな事を言って驚いた。
 彼の名はペドロ。
 なんか赤茶色の金属光沢がある髪と肌色をしている、ハイランダーという種族らしい。

「ここからはガイドがいないと、旅をするのは難しいぜ。俺を雇いなよ」

「よし、じゃあ雇う。案内してね」

「おう! それにしてもあんたら、女の子を四人も連れて旅をしてるとは羨ましいね。……で、なんだいそこの歩く丸太みたいなやつは」

『だみあんGデス』

「う、うわあー喋ったぁー!! ……ってなんだ、中に人が入ってるんだろ?」

 現地の人にまで言われてるぞ。

『中ニ誰モイマセンヨ』

 ダミアンが頭の蓋をカパッと開いて見せたら、ペドロがまた驚いて叫んだ。
 お前の頭、パカッと開くんだなあ……。
 あのペドロの驚き方を見るに、おそらく中身は空洞だな……!?

 さて、俺達はペドロの準備が整うまで、集落で一休みすることになった。
 ハイランダー族のおばあちゃんがよぼよぼ出てきて、俺達にお茶をくれる。

「このお茶はなんですかね」

「とうもろこし茶だよ」

「ほほー。ほんのり甘い香りがするね」

 ぐびぐび飲む。
 この土地の水は、雪解け水を使っているのだそうな。
 テノマーヤ山脈の高地には、一年中雪が降っているらしく、水に困ることは無いんだとか。

「おばあちゃん、何か困ってることなーい?」

「わたしたちがなんでも解決しますよ」

 おばあちゃんに話しかけるのは、ルリアとカリナだ。
 孫みたいな年齢の二人と話すのが楽しいらしくて、おばあちゃんがしわくちゃの顔をくしゃっと笑顔にした。

「そうだねえ。困ってることはそんなにないかねえ。山巨人が道を塞いでいるのはいつもどおりだし、西の道ではがけ崩れに紛れてダムド虫がでるねえ。特別なことは起こってないねえ」

「ええー! 大変じゃーん」

「これはどうにかしなくちゃですね」

 年若い組の女子二名がやる気になっている。
 確かに、聴き逃がせないワードが出てきてたな。

「おばあちゃん、ダムド虫ってなに」

 ダグ・ダムドに似た名前だ。
 俺は尋ねてみた。

「ダムド虫は、六欲天のダグ・ダムドが作った眷属さ。岩の中に含まれている金属を食べるから、崖を崩したりする困ったモンスターなんだよ」

「害虫じゃないか。よし、ペドロに案内してもらいつつ、道すがらダムド虫と山巨人をぶっ倒すか」

「さんせーい」

 ルリアとカリナが声を合わせた。
 以前は張り合っていたが今は仲良しだなあ。

 そんな事を彼女達に聞いてみると、ルリアが真面目な顔になった。

「それはそうだよー。マキが増えたし、ロマもいるでしょ。オクノくんの競争率はめっちゃくちゃ上がってるんだから」

「わたしは将来性があるので様子見をしてましたけど、ロマは人魚で寿命が違うのでわたしも先に年を取るかも知れないと思ったんです。先手必勝ですよ」

 なるほど、焦りから、二人が共闘体勢に入ったのか。
 俺の貞操が狙われている。

『おくのサン、モテマスネ。ヨク、モゲロトカ言ワレルデショ』

「お前、それロボがサラッと口にできる内容のトークじゃないぞ!?」

「もげる?」

「何がです?」

「君達二人はそんなこと知らなくていいの。教育に悪い」

 教育に悪いワードを二人に教えたダミアンは、頭の中に荷物を詰め込む罰を与えるぞ。
 頭の蓋を開いて、ぽいぽいと旅の着替えとか水とか食料を放り込む……。

『アー! 体ガどっしりシマスー』

 本当に中身が空洞だぞ……?
 どうなってるんだこいつ?
 ああ、ちょっと縁が分厚いから、機械の部分は縁に内蔵されてるっぽいな。
 ってことは、胴体は本当に物入れなのか。

 本来なら、ここに内蔵武器を搭載するんだろうな。
 今は俺達の便利な歩くカバン代わりだ。

 アイテムボックスに入ればいいんだが、こいつが不便なことに、食料や着替えを取り出す際、俺の手がふさがってしまうという弱点がある。
 何かあった時、咄嗟に俺は動けないというわけだ。

 今後、戦闘が激化する可能性があるので、ここで俺以外でも自由に取り出せる第二のアイテムボックスみたいなものが欲しい。
 そう思っていたところなのだ。
 ダミアンG、これから大活躍だぞ。

 さて、もうしばらくペドロの準備がかかりそうだ。
 彼の相棒であるヤギが食事タイムだからだ。
 食事タイムは大事なので、俺達はのんびり待つぞ。

 その間に、久々に仲間達のステータスでもチェックしてみようじゃないか。

 まず、俺。

名前:多摩川 奥野

技P  :1388/1388
術P  :403/403
HP:1454/1454
アイテムボックス →
※カールの剣
※祭具・ローリィポーリィ
※戦士の銃

✩体術         →
・ジャイアントスイング・ドロップキック・フライングメイヤー
・バックスピンキック・ドラゴンスクリュー・シャイニングウィザード
・フライングクロスチョップ・サンダーファイヤーパワーボム・エアプレーンスピン
・ブロッキング・ラリアット・ブレーンバスター
・エルボードロップ・アクティブ土下座・スライディングキック
・ナイアガラドライバー・パリィ・ワイドカバー
・ドラゴンスープレックス・フランケンシュタイナー・ムーンサルトプレス
・サブミッション・クロスカウンター
(剣の技にマルチウェイを追加)

★幻の呪法
◯幻炎術◯幻獣術◯雷幻術
◯幻影魅了術◯幻氷術◯水幻術
◯幻影戦士術
★陣形・陣形技      →
・マリーナスタンス3
・マリーナスタンス5
・デュエル


 ここ最近、そこまで強い相手と戦ってないので強さはそこそこだ。
 平和だなー。


名前:イクサ
レベル:72
職業:剣王

力   :184
身の守り:114
素早さ :303
賢さ  :  3
運の良さ:149

HP632
MP110

剣55レベル
体術46レベル

才能:剣技
✩体術
・カウンター
✩剣・オリジン
・飛翔斬・真空斬・裂空斬
・円月斬・十六夜・望月
・月影の太刀・乱■■月花
☆剣・ノーマル
・ディフレクト・ベアクラッシュ・マルチウェイ


 イクサは相変わらず強いのだが、こいつの場合能力値以上の実力を発揮してるな。
 剣レベルの高さもあるんだろう。
 マルチウェイをイクサに継承しておいたが、使いこなせるだろうか。

 あとは変化は無いよな。
 変化は……。
 ん?
 なんかマスキングされてる技が増えてる。なんだこれ。


名前:ラムハ
レベル:50/■88
職業:記憶を失った女/黒曜の女■

力   :39/■2■76
身の守り:48/■369■
素早さ :90/■75■■
賢さ  :220/4■1■8
運の良さ: 3/1■1

HP251/6■6■6■
MP370/■6666■

闇の呪法35レベル
✩杖
・スペルエンハンス・パワーエンハンス・アンチマジック
・スピードマジック
★闇の呪法
◯闇の炎◯闇の障壁◯闇の衝撃
◯闇の支配◯闇の呪縛◯闇の魔槍
◯闇の結界◯闇の雨

 闇の雨ってのが増えてるね!
 マスキング、ちょっと外れて来てない……?


名前:ルリア
レベル:48
職業:槍使い

力   :92
身の守り:93
素早さ :116
賢さ  :15
運の良さ:1470

HP295
MP14

槍31レベル
体術4レベル
✩体術
・バックスピンキック
✩槍
・足払い・二段突き・風車
・スウィング・エイミング・無双三段(フェイズ2)

 久々に見たらめちゃくちゃ強くなってるじゃないか……!!
 割と、オルカやグルムルたちに迫る勢いだぞ。
 そして運がついに四桁ですか……。そうですか……。


名前:カリナ
レベル:49
職業:弓使い

力   :84
身の守り:115
素早さ :197
賢さ  :40
運の良さ:33

HP316
MP65

弓40レベル
短剣3レベル
✩弓
・影縫い・サイドワインダー・アローレイン
・連ね射ち・バードハンティング・ビーストスレイヤー

 強くなってる……!
 あと、ビーストスレイヤーってのが派生してるな。
 バードハンティング絡みかな?

 ルリアとカリナで、割とかなり戦線を任せられるようになってきたぞ。


名前:アミラ
レベル:45
職業:双属性の呪法師

力   :39
身の守り:37
素早さ :103
賢さ  :170
運の良さ:31

HP214
MP238

鞭5レベル
水の呪法29レベル
土の呪法10レベル
✩鞭
・スラッシュバイパー・二連打ち・グランドバイパー
・カウンターウィップ
★水の呪法
◯癒やしの水◯毒消しの水◯力の水
◯アクアバイパー◯コールレイン◯ウォーターバリア
★土の呪法
◯ダイヤモンドスピア◯ダイヤモンドアーマー◯ダイヤモンドウェポン
★水、土複合
◯ペトラブレス


 成長度ではちょっと水を開けられているが、アミラは補助方面で強くなってるな。
 それにいつの間にか土の呪法を身に着けている……!
 なんだ、この複合呪法って。

 あ、ダミアンのステータスは割愛な。
 何も変わってないからな!
 こいつは古代文明の遺跡を見つける度に、発掘した武器を取り付けてみてステータスを変えて遊ぶのだ。
 カスタム要素があって楽しいぞ。

 そうこうしていたら、ヤギがお腹いっぱいになったようだ。
 さて、それじゃあそろそろ出発するか。


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