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セブンセンス法国編
第124話 イナズマ・プロポーズ・黒幕is誰
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『イナズマ!』
『ウグワーッ!?』
おっと、背後ではオクタゴンがイナズマレッグラリアートを叩き込み、戦神が障壁と塀を破壊しながら倒れていく。
大騒ぎだ。
イナズマレッグラリアートとは、かつてあった技で、レッグラリアートを放つ時にイナズマ!と叫ぶのだ。
日本のプロレスラーの技だが、後に格闘ゲームがそれを真似した……。
多分、年代的にオクタゴンはオリジナルの技を知っていたのだろう。
うわーっと沸くアビサルワンズたち。
いつの間にかたくさん出てきてるな!
そして戦神の信者たちが悲鳴をあげている。
「アリスティア! オレのところに来い! あんたがいるべき場所はこっちだ!」
背後の大混乱には構わず、二人の世界を構築するガガンとアリスティア!!
両手を広げたガガンの前で、アリスティアは逡巡した。
神々大決戦が視界に入ってるだろうに、ハートが強いなー。
「できません……! わたくしは、光輝神の聖女として選ばれた者。例え資格を失っても、その役目を果たさねばなりませんから……!!」
悲壮な決意を秘めて、アリスティアが叫ぶのだ。
ヒロインみたいだな。
「な? あいつめんどくさいだろ? 自分で勝手に何もかも抱え込んでパンクするんだよ。昔からだよ」
ナルカがアリスティアを指さしてため息をつく。
幼なじみだもんなー。
横合いから光輝神の信者たちが襲いかかってきたので、ナルカが魔眼を光らせてナイフを何本か投げた。
信者たちが「ウグワーッ!!」と言いながらぶっ倒れる。
ナルカの一撃はなんであろうと、通常の相手には一撃必殺なのだ。
「うう……!!」
おっと、ガガンが言葉を紡げないでいる。
そうだよなあ。
あいつ、アリスティアの外見と佇まいから好きになったけど、今はアリスティアの中身も含めて好きだろ。
否定はできないもんな。
だが!
だがしかしである!
「マスター! 蛮神バルガイヤーから直接通話の依頼があります!」
「なんだって! ヘルプ機能ってそういうの取り次げるんだ……」
視界に出現したヘルプ機能のウインドウに、なんと受話器型のアイコンがついている。
ポチッと押すと、音声アイコンが出現した。
『わしがあまねく太陽の恵みと猛威を司る蛮神、バルガイヤーである!!』
豪快な声が戦場に響き渡った。
おお、神様の意志が直接降臨。
ルサルカ、知識神に続いて三柱目である。
ガガンが、信仰する神の降臨に、直立不動になった。
アリスティアも驚き、目を見開く。
「そんな……。太陽の光輝は、光輝神アクシスが司るもののはずです……! そもそもアクシス経典にはバルガイヤーという神の記述がされていません……」
『わしがあまねく太陽の恵みと猛威を司る蛮神、バルガイヤーである!! あと、光輝神アクシスはわしが法と正しき行いを司る時のハンドルネームである!! 元はバルガイヤーがハンドルネームだったが、長く凍土の大地で過ごすうちに信者数が逆転してメインとサブも入れ替わったのである!!』
な、な、なんだってー!!
今、さらっととんでもない事実がぶちまけられたな!
「つまりバルガイヤー、あんたがアクシスだったの?」
『わしがあまねく太陽の恵みと猛威を司る蛮神、バルガイヤーにして法と正しき行いと太陽の苛烈さを司る光輝神、アクシスである!!』
神が他の神の名を僭称するなんてのは、悪神でもないと考えられない。
ということで、これは本当だろう。
とういうかいちいち名乗るな。
さて。
必死に抵抗し、己を律しようとしていたアリスティアだが。
その理由とモチベーションが全部消えた。
彼女はしょんぼりして、その場に体育座りしてしまった。
「そんなあ。わたくしは一体どうすればいいのですかあ」
「オレとあんたは信じる神が一緒だったってことだよ!!」
そこにダイレクトに切り込むガガン!
そうだな、障壁が全部消えたな!
「蛮神は、清らかとかそういう概念はない! 人は生きる上で他の命を殺すし、己が生きる場所を守るために血を流す! だが、仲間と友を裏切らないでいればそれは聖なる行いだ! 何も光輝神と変わらない! 聖女であるあんただって、男と契り、子を産んでいいんだ!!」
「いいぞガガン」
グッと拳を握る俺である。
あいつ、本当に輝いているな。
主人公みたいだ。
隣でルミイとアカネルもうんうん頷く。
ナルカはボソッと、「これで内戦が片付くなら、あたいもそろそろ身を固めないといけないかもねえ」とか言っている。
うちにおいで!!
「アリスティア! オレの……オレの子を産んで欲しい!!」
うおーっ、ダイレクトプロポーズ!!
この、何の飾りもなく、他にどう解釈のしようもない一言に、アリスティアは凄い衝撃を受けたようである。
ぴょこんと立ち上がり、直立不動になっている。
「は、は、はい!? で、でもわたくしはその、汚れた身で……聖女としての資格……もにゃもにゃ」
「バルガイヤーの下でそんな概念は無い!! オレはあんたが好きだ! あんたが欲しい! アリスティアー!! オレと結婚してくれーっ!!」
もう、プロポーズ以外の解釈が成立しない訴えである。
返答はイエスかノーしかない。
そしてこういうのに全く耐性が無いし、さっきの問答でガガンへの好感度メーターが上がってたらしいアリスティア。
「あっ、はい!」
返事をしたのである。
『わしがあまねく太陽の恵みと猛威を司る蛮神、バルガイヤー……』『あなた! いい加減しつこいわよ! 月の女神にして慈愛神、リサルナが二人を祝福しましょう。二つの太陽の使徒がここで出会い、結ばれたのです! わーっ、拍手ー』
すると、どこに隠れていたのか、慈愛神の信者たちがワーッとやって来て、ガガンとアリスティアを囲んで拍手する。
「おめでとうございます!」「おめでとう!」「おめでとうさん!」「めでたいなあ!」
おめでとうコールだ。
というか、月の女神も凄い爆弾発言したな。
慈愛神と同一神だったの……?
そう言えば、慈愛神リサルナの名前の中にルナってある!
さて、この場に光輝神と慈愛神に祝福されたカップルが生まれてしまった。
もう戦闘どころではない。
戦神はさっきのイナズマレッグラリアートでKOされているし、もはやこの場で戦う理由など何も無かった。
なし崩し的に、この大混戦は終わった。
輪の中心に、ガガンとアリスティアがいる。
オクタゴンは多数の戦神信者を狂気に陥れた後、アビサルワンズを連れて建物の中に引っ込んだ。
いると話がややこしくなるもんな。
「あっ、ちょっと待って。ルサルカ様がオクタゴン様にお礼を言いたいらしいから。あたい、ちょっと行ってくる」
ナルカがオクタゴンの方に走っていった。
聖女も大変である。
こうして、目の前の新米カップルが、人々から祝福されて照れている光景に戻るわけだ。
なにせ、神の前でプロポーズしてこれを受諾したのだ。
既に完全に夫婦である。
めでたいなーと思っていたら、聖女アリスティアが俺の方に走ってきた。
「あの、あなた! アクシスとリサルナの言葉を届けてくださった、不思議なあなた!」
「あっはい」
「わたくしにしか、アクシスの声が聞こえなかった理由がわかりました。神は遠くの地におられたのですね。新たな信徒を抱えて導いておられたのです。では……法皇や神官戦士たちが聞いた声は何者の声だったのでしょうか。この内戦、裏でわたくしの知らない神が糸を引いています……!!」
シクスゼクスだけではない。
内戦の本当の黒幕は一体何者なのであろうか。
『ウグワーッ!?』
おっと、背後ではオクタゴンがイナズマレッグラリアートを叩き込み、戦神が障壁と塀を破壊しながら倒れていく。
大騒ぎだ。
イナズマレッグラリアートとは、かつてあった技で、レッグラリアートを放つ時にイナズマ!と叫ぶのだ。
日本のプロレスラーの技だが、後に格闘ゲームがそれを真似した……。
多分、年代的にオクタゴンはオリジナルの技を知っていたのだろう。
うわーっと沸くアビサルワンズたち。
いつの間にかたくさん出てきてるな!
そして戦神の信者たちが悲鳴をあげている。
「アリスティア! オレのところに来い! あんたがいるべき場所はこっちだ!」
背後の大混乱には構わず、二人の世界を構築するガガンとアリスティア!!
両手を広げたガガンの前で、アリスティアは逡巡した。
神々大決戦が視界に入ってるだろうに、ハートが強いなー。
「できません……! わたくしは、光輝神の聖女として選ばれた者。例え資格を失っても、その役目を果たさねばなりませんから……!!」
悲壮な決意を秘めて、アリスティアが叫ぶのだ。
ヒロインみたいだな。
「な? あいつめんどくさいだろ? 自分で勝手に何もかも抱え込んでパンクするんだよ。昔からだよ」
ナルカがアリスティアを指さしてため息をつく。
幼なじみだもんなー。
横合いから光輝神の信者たちが襲いかかってきたので、ナルカが魔眼を光らせてナイフを何本か投げた。
信者たちが「ウグワーッ!!」と言いながらぶっ倒れる。
ナルカの一撃はなんであろうと、通常の相手には一撃必殺なのだ。
「うう……!!」
おっと、ガガンが言葉を紡げないでいる。
そうだよなあ。
あいつ、アリスティアの外見と佇まいから好きになったけど、今はアリスティアの中身も含めて好きだろ。
否定はできないもんな。
だが!
だがしかしである!
「マスター! 蛮神バルガイヤーから直接通話の依頼があります!」
「なんだって! ヘルプ機能ってそういうの取り次げるんだ……」
視界に出現したヘルプ機能のウインドウに、なんと受話器型のアイコンがついている。
ポチッと押すと、音声アイコンが出現した。
『わしがあまねく太陽の恵みと猛威を司る蛮神、バルガイヤーである!!』
豪快な声が戦場に響き渡った。
おお、神様の意志が直接降臨。
ルサルカ、知識神に続いて三柱目である。
ガガンが、信仰する神の降臨に、直立不動になった。
アリスティアも驚き、目を見開く。
「そんな……。太陽の光輝は、光輝神アクシスが司るもののはずです……! そもそもアクシス経典にはバルガイヤーという神の記述がされていません……」
『わしがあまねく太陽の恵みと猛威を司る蛮神、バルガイヤーである!! あと、光輝神アクシスはわしが法と正しき行いを司る時のハンドルネームである!! 元はバルガイヤーがハンドルネームだったが、長く凍土の大地で過ごすうちに信者数が逆転してメインとサブも入れ替わったのである!!』
な、な、なんだってー!!
今、さらっととんでもない事実がぶちまけられたな!
「つまりバルガイヤー、あんたがアクシスだったの?」
『わしがあまねく太陽の恵みと猛威を司る蛮神、バルガイヤーにして法と正しき行いと太陽の苛烈さを司る光輝神、アクシスである!!』
神が他の神の名を僭称するなんてのは、悪神でもないと考えられない。
ということで、これは本当だろう。
とういうかいちいち名乗るな。
さて。
必死に抵抗し、己を律しようとしていたアリスティアだが。
その理由とモチベーションが全部消えた。
彼女はしょんぼりして、その場に体育座りしてしまった。
「そんなあ。わたくしは一体どうすればいいのですかあ」
「オレとあんたは信じる神が一緒だったってことだよ!!」
そこにダイレクトに切り込むガガン!
そうだな、障壁が全部消えたな!
「蛮神は、清らかとかそういう概念はない! 人は生きる上で他の命を殺すし、己が生きる場所を守るために血を流す! だが、仲間と友を裏切らないでいればそれは聖なる行いだ! 何も光輝神と変わらない! 聖女であるあんただって、男と契り、子を産んでいいんだ!!」
「いいぞガガン」
グッと拳を握る俺である。
あいつ、本当に輝いているな。
主人公みたいだ。
隣でルミイとアカネルもうんうん頷く。
ナルカはボソッと、「これで内戦が片付くなら、あたいもそろそろ身を固めないといけないかもねえ」とか言っている。
うちにおいで!!
「アリスティア! オレの……オレの子を産んで欲しい!!」
うおーっ、ダイレクトプロポーズ!!
この、何の飾りもなく、他にどう解釈のしようもない一言に、アリスティアは凄い衝撃を受けたようである。
ぴょこんと立ち上がり、直立不動になっている。
「は、は、はい!? で、でもわたくしはその、汚れた身で……聖女としての資格……もにゃもにゃ」
「バルガイヤーの下でそんな概念は無い!! オレはあんたが好きだ! あんたが欲しい! アリスティアー!! オレと結婚してくれーっ!!」
もう、プロポーズ以外の解釈が成立しない訴えである。
返答はイエスかノーしかない。
そしてこういうのに全く耐性が無いし、さっきの問答でガガンへの好感度メーターが上がってたらしいアリスティア。
「あっ、はい!」
返事をしたのである。
『わしがあまねく太陽の恵みと猛威を司る蛮神、バルガイヤー……』『あなた! いい加減しつこいわよ! 月の女神にして慈愛神、リサルナが二人を祝福しましょう。二つの太陽の使徒がここで出会い、結ばれたのです! わーっ、拍手ー』
すると、どこに隠れていたのか、慈愛神の信者たちがワーッとやって来て、ガガンとアリスティアを囲んで拍手する。
「おめでとうございます!」「おめでとう!」「おめでとうさん!」「めでたいなあ!」
おめでとうコールだ。
というか、月の女神も凄い爆弾発言したな。
慈愛神と同一神だったの……?
そう言えば、慈愛神リサルナの名前の中にルナってある!
さて、この場に光輝神と慈愛神に祝福されたカップルが生まれてしまった。
もう戦闘どころではない。
戦神はさっきのイナズマレッグラリアートでKOされているし、もはやこの場で戦う理由など何も無かった。
なし崩し的に、この大混戦は終わった。
輪の中心に、ガガンとアリスティアがいる。
オクタゴンは多数の戦神信者を狂気に陥れた後、アビサルワンズを連れて建物の中に引っ込んだ。
いると話がややこしくなるもんな。
「あっ、ちょっと待って。ルサルカ様がオクタゴン様にお礼を言いたいらしいから。あたい、ちょっと行ってくる」
ナルカがオクタゴンの方に走っていった。
聖女も大変である。
こうして、目の前の新米カップルが、人々から祝福されて照れている光景に戻るわけだ。
なにせ、神の前でプロポーズしてこれを受諾したのだ。
既に完全に夫婦である。
めでたいなーと思っていたら、聖女アリスティアが俺の方に走ってきた。
「あの、あなた! アクシスとリサルナの言葉を届けてくださった、不思議なあなた!」
「あっはい」
「わたくしにしか、アクシスの声が聞こえなかった理由がわかりました。神は遠くの地におられたのですね。新たな信徒を抱えて導いておられたのです。では……法皇や神官戦士たちが聞いた声は何者の声だったのでしょうか。この内戦、裏でわたくしの知らない神が糸を引いています……!!」
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