134 / 196
フィフスエレ帝国跡編
第134話 三人称視点・その男、化け物につき
しおりを挟む
クルトは今年成人したばかりの青年で、優れたネクロマンサーとしての才能があるとして、ルサルカ教団でも将来を嘱望されていた。
彼は聖女ナルカに憧れており、いつか彼女の隣に立って、異教徒たちとの戦いを繰り広げることを夢見ていた。
ルサルカ教団は、信者自らが前線に立つことは少ない。
奇跡の一つである、アンデッド作成術を用いて、契約した先祖たちの死体をアンデッド化し、彼らと交渉して戦場に立ってもらうのだ。
その中で、自ら前線に出るナルカの存在は目立っていた。
死の魔眼。
相手の死、そのものを見ることができる、女神ルサルカの祝福である。
これを得たナルカは、どんなアンデッドよりも強い存在となった。
殺せるのならば、神の使徒であろうと殺してしまうだろう。
強大な力を持ちながら、聖女ナルカは驕ることをしない。
弱者に優しく、そして気高く。
魔眼を眼帯で覆っていても、残る瞳の力は強く、見るものを魅了する。
戦場に立つ、それは美そのものだった。
そんな偉大な彼女の隣に立ちたい。
気高く強い、聖女ナルカの隣に立ち……いつかは、彼女にとっての特別な人になりたい。
クルトはそう考えたいた。
いたのだが……。
「なんだ……!? なんだあの男は!?」
ぬぼーっとした覇気の無い男であり、魔力も闘気も持っていないらしい。
魔法文明時代で言うならば、無能の民というやつだ。
奴隷にしかなり得ない。
ルサルカ教団では、アンデッドと人間がともに働くため、奴隷という地位がないのが幸いか。
それを狙って逃げ込んできたのかと、最初は思った。
しかし、その男、なんと偉大なるヴァンパイアとなったドミニク司祭に気に入られ、神殿で歓談などしているではないか。
あろうことか、今度は聖女ナルカを連れて法国の都へ侵入するという。
なんということをするのだ!
無能が、最高司祭や聖女をたぶらかすなんて!
「あいつは邪神が派遣した刺客に違いない……! みんな騙されているんだ……!!」
優れたネクロマンサーである自分が、何故か侵入のメンバーに選ばれず、男が連れてきた、これまた魔力も闘気もない娘がメンバーとなった。
ここにも恣意的な選択を感じる。
無能の民が集まったところで何ができるのか。
きっと彼らは失敗し、聖女ナルカだけが無事にもどってくるだろう。
クルトはそう考えていた。
ところが……。
数日後、都がやたらと騒がしくなったのである。
大きな争いが起こったらしい。
これまで何百年も、ルサルカ教団は戦い続けてきた。
だが、現状を変えることはできなかった。
それが、たった一人の無能の民である男が侵入しただけで、何が起こったというのか。
端的に言えば、全ての元凶であった技巧神が倒された。
倒したのはあの無能の男だ。
「何をどうやった!? どういうインチキを使ったんだ! いや、例えインチキができたとしても、神を倒すなど不可能……!!」
男は瞬く間に、ルサルカ教団にとっての救世主となった。
さらには、男と盟友だという邪神を名乗る罰当たりまで現れた。
この罰当たりな男を見ると、なんだか自分が狂気に陥るような感覚になっていくので、目は合わせていない。
罰当たりはあろうことか、ルサルカ様ともっと仲良くなり、あわよくば結婚したいなどと言っていた。
なんということを言うのか!
信者として許してはおけぬ!
クルトは激高した。
彼は影から、罰当たりと無能の男を誅するべくアンデッドを率いて襲うことにした。
まずはこの罰当たりからと、後ろから襲撃を仕掛けようとしたところで……。
全てのアンデッドが、男に向かって跪いた。
クルトは一瞬で全戦力を失った。
「どうしたんだ、アンデッドたち! あいつはルサルカ様を貶めた神敵だぞ!! 俺たちが倒さなくちゃいけないんだ!」
アンデッドたちは応えない。
彼らは何かを直感的に理解したのだ。
「みんな、まるであいつを、ルサルカ様に並ぶ神か何かみたいに……。そんな、まさか……」
クルトには理解できなかった。
そして理解できぬまま、ルサルカ教団はセブンセンス法国を旅立つことになる。
戦いは終わっても、生と死を巡る価値観は容易には分かりあえない。
だが、シクスゼクスの果ての地に、ルサルカ教団の死生観を理解してくれる民がいるという。
それは、罰当たりな男が連れてきたカエルのような者たちなのだ。
彼の地を目指し、教団は旅立った。
「なぜ我々が……? まだ騙されているんじゃないのか! それに、どうしてナルカ様が無能の男と同じ馬車に……」
クルトの中には、まだ怒りが燻っていた。
魔力も闘気も持たず、神の加護を受けているようにも見えないあの男。
罰当たりはどうも不気味だから放っておくとして、この無能の男だけはどうにかせねばならない。
可能ならばこの旅の中で……。
そう考えていた矢先、教団の馬車群は襲撃に遭った。
フィフスエレ帝国横断などという、とんでもないデタラメを行ったためである。
アンドロスコルピオという、上半身は人間、下半身が巨大なサソリという魔獣が、次々に現れて襲いかかってくる。
「くそっくそっ! なんてことだ! だから俺は反対だったんだ! よそ者の言葉に乗らず、俺たちはセブンセンスで正義の戦いを続けているべきだったんだ……! これでは、貴重なアンデッドが失われてしまう……! 何もかも、あの無能のせいだ!!」
恨みの言葉を思わず吐く。
そんな彼の頭上に、木々を飛び移りながら移動してきていたアンドロスコルピオが襲いかかった。
「キシャーッ!!」
「う、うわーっ!!」
ネクロマンサーはアンデッドを生み出し、強化し、行動させる力を持つ。
だが、己の身を守る能力に乏しい。
クルトがアンドロスコルピオに対抗する手段などなく、サソリの尾と手にした武器によって、あえなく殺されてしまう……ものと思われた。
「任せるのだ!」
駆け込んできたのは、無能の男が連れていた小柄な少女。
彼女の腕から、銀色の光が出現、刃となった。
それがアンドロスコルピオの武器と尾を切断し、さらに本体をも切り裂いた。
跳躍する少女。
彼女の背中から光る銀色の翼が生えた。
「う……美しい……!」
空を飛び回る少女。
両手から生み出した銀光の刃が、アンドロスコルピオを屠っていく。
「まるで天使だ……! そんな彼女が、どうしてあの無能と……!」
無能の男を思い出す度に、ときめきが腹立たしさに変わる。
もう呪いであった。
だがクルトの呪いは次の瞬間、晴れることとなる。
「うわーっ! 大型スコルピオだーっ!!」
馬車の前の方から悲鳴が聞こえた。
出現したのは、見上げるような巨大なスコルピオ軍団。
立ち向かうのは、なんと無能の男一人。
鎧も身につけず、無手である。
「死ぬ気か!? いや、あいつが死ぬならちょうどいい……」
クルトはほくそ笑んだ。
そんな彼の思いを裏切るように、無能の男の大活躍が始まる。
彼は首に巻いていた布を展開する。
それが刃になった。
男に従うように、ゾンビホースの一頭が寄り添った。そこに男が飛び乗る。
両手を自由にしているというのに、ゾンビホースは男の意を汲んで立ち回る。
刃が閃き、アンドロスコルピオたちが悲鳴をあげる。
通常のスコルピオでは相手にならぬと踏んだのか、巨大スコルピオが襲ってきた。
巨大スコルピオたちは、たくさんの武器を男めがけて叩きつけてくる。
全方向からの攻撃だ。
回避もできず、圧倒的質量は受け止めることすら許さないだろう。
クルトは男の死を確信した。
しかし男は死ななかった。
なぜなら。
「ね、寝転んだ!?」
戦場で男は、馬と素早く別れて仰向けに寝たのである。
大胆不敵!
彼の鼻先で、アンドロスコルピオたちの武器がぶつかり合う。
「だが、あれでは移動はできまい! 潰されて死ね!」
だが!!
移動はできるのである!
男は仰向けに寝たまま、スーッと滑るように動いた。
そして巨大スコルピオの一体を寝た姿勢のまま駆け上がると、装甲の隙間を的確に布の刃で切り裂く。
「な……なんだあの動きは!! キモい!!」
この一瞬のキモい動きの後、巨大スコルピオは全身から体液を吹き出しながら崩れ落ちた。
その時には既に、男は他のスコルピオの股の間にいた。
寝転びながら、信じられない速度で動き続けているのである。
巨大スコルピオは、股下に高速で潜られる経験などしたことがなかった。
反応が遅れる。
そこを、腹下から一直線に切り裂かれ、倒された。
続く巨大スコルピオは、地面スレスレをジグザグに迫ってくる仰向けの男にパニック状態である。
武器をでたらめに振り下ろし、仲間の通常スコルピオを潰す。
男には当たらない!
仰向けの男は、突然寝たまま跳躍した。
布の刃が閃き、巨大スコルピオの首が飛ぶ。
男はスコルピオの背中に着地し、そこから駆け下りながら、走り寄ってきていたゾンビホースに乗った。
低速・不規則な軌道から、突然高機動な騎馬戦に移行だ。
アンドロスコルピオたちは、男の動きについていけない。
次々に刃を叩き込まれ、スコルピオは倒れていった。
その時には、ナルカも残るスコルピオを片付けている。
「まあ楽勝だったな」
「マナビ、また気持ち悪い動きに磨きがかかったな……。あれはあたいの死の魔眼でも捉えられなかったよ……。なんだい、あれ」
「尻移動だ。あと、ルサルカラバーも頑張ってくれたな! よしよし」
「ぶるる」
クルトには何も理解できなかった。
だが、一つだけ実感したことはあるのだ。
「ば……化け物……!」
無能の男あらため、尻で移動する化け物。
それはこの男、コトマエ・マナビに対する正しい認識と言えたのだった。
彼は聖女ナルカに憧れており、いつか彼女の隣に立って、異教徒たちとの戦いを繰り広げることを夢見ていた。
ルサルカ教団は、信者自らが前線に立つことは少ない。
奇跡の一つである、アンデッド作成術を用いて、契約した先祖たちの死体をアンデッド化し、彼らと交渉して戦場に立ってもらうのだ。
その中で、自ら前線に出るナルカの存在は目立っていた。
死の魔眼。
相手の死、そのものを見ることができる、女神ルサルカの祝福である。
これを得たナルカは、どんなアンデッドよりも強い存在となった。
殺せるのならば、神の使徒であろうと殺してしまうだろう。
強大な力を持ちながら、聖女ナルカは驕ることをしない。
弱者に優しく、そして気高く。
魔眼を眼帯で覆っていても、残る瞳の力は強く、見るものを魅了する。
戦場に立つ、それは美そのものだった。
そんな偉大な彼女の隣に立ちたい。
気高く強い、聖女ナルカの隣に立ち……いつかは、彼女にとっての特別な人になりたい。
クルトはそう考えたいた。
いたのだが……。
「なんだ……!? なんだあの男は!?」
ぬぼーっとした覇気の無い男であり、魔力も闘気も持っていないらしい。
魔法文明時代で言うならば、無能の民というやつだ。
奴隷にしかなり得ない。
ルサルカ教団では、アンデッドと人間がともに働くため、奴隷という地位がないのが幸いか。
それを狙って逃げ込んできたのかと、最初は思った。
しかし、その男、なんと偉大なるヴァンパイアとなったドミニク司祭に気に入られ、神殿で歓談などしているではないか。
あろうことか、今度は聖女ナルカを連れて法国の都へ侵入するという。
なんということをするのだ!
無能が、最高司祭や聖女をたぶらかすなんて!
「あいつは邪神が派遣した刺客に違いない……! みんな騙されているんだ……!!」
優れたネクロマンサーである自分が、何故か侵入のメンバーに選ばれず、男が連れてきた、これまた魔力も闘気もない娘がメンバーとなった。
ここにも恣意的な選択を感じる。
無能の民が集まったところで何ができるのか。
きっと彼らは失敗し、聖女ナルカだけが無事にもどってくるだろう。
クルトはそう考えていた。
ところが……。
数日後、都がやたらと騒がしくなったのである。
大きな争いが起こったらしい。
これまで何百年も、ルサルカ教団は戦い続けてきた。
だが、現状を変えることはできなかった。
それが、たった一人の無能の民である男が侵入しただけで、何が起こったというのか。
端的に言えば、全ての元凶であった技巧神が倒された。
倒したのはあの無能の男だ。
「何をどうやった!? どういうインチキを使ったんだ! いや、例えインチキができたとしても、神を倒すなど不可能……!!」
男は瞬く間に、ルサルカ教団にとっての救世主となった。
さらには、男と盟友だという邪神を名乗る罰当たりまで現れた。
この罰当たりな男を見ると、なんだか自分が狂気に陥るような感覚になっていくので、目は合わせていない。
罰当たりはあろうことか、ルサルカ様ともっと仲良くなり、あわよくば結婚したいなどと言っていた。
なんということを言うのか!
信者として許してはおけぬ!
クルトは激高した。
彼は影から、罰当たりと無能の男を誅するべくアンデッドを率いて襲うことにした。
まずはこの罰当たりからと、後ろから襲撃を仕掛けようとしたところで……。
全てのアンデッドが、男に向かって跪いた。
クルトは一瞬で全戦力を失った。
「どうしたんだ、アンデッドたち! あいつはルサルカ様を貶めた神敵だぞ!! 俺たちが倒さなくちゃいけないんだ!」
アンデッドたちは応えない。
彼らは何かを直感的に理解したのだ。
「みんな、まるであいつを、ルサルカ様に並ぶ神か何かみたいに……。そんな、まさか……」
クルトには理解できなかった。
そして理解できぬまま、ルサルカ教団はセブンセンス法国を旅立つことになる。
戦いは終わっても、生と死を巡る価値観は容易には分かりあえない。
だが、シクスゼクスの果ての地に、ルサルカ教団の死生観を理解してくれる民がいるという。
それは、罰当たりな男が連れてきたカエルのような者たちなのだ。
彼の地を目指し、教団は旅立った。
「なぜ我々が……? まだ騙されているんじゃないのか! それに、どうしてナルカ様が無能の男と同じ馬車に……」
クルトの中には、まだ怒りが燻っていた。
魔力も闘気も持たず、神の加護を受けているようにも見えないあの男。
罰当たりはどうも不気味だから放っておくとして、この無能の男だけはどうにかせねばならない。
可能ならばこの旅の中で……。
そう考えていた矢先、教団の馬車群は襲撃に遭った。
フィフスエレ帝国横断などという、とんでもないデタラメを行ったためである。
アンドロスコルピオという、上半身は人間、下半身が巨大なサソリという魔獣が、次々に現れて襲いかかってくる。
「くそっくそっ! なんてことだ! だから俺は反対だったんだ! よそ者の言葉に乗らず、俺たちはセブンセンスで正義の戦いを続けているべきだったんだ……! これでは、貴重なアンデッドが失われてしまう……! 何もかも、あの無能のせいだ!!」
恨みの言葉を思わず吐く。
そんな彼の頭上に、木々を飛び移りながら移動してきていたアンドロスコルピオが襲いかかった。
「キシャーッ!!」
「う、うわーっ!!」
ネクロマンサーはアンデッドを生み出し、強化し、行動させる力を持つ。
だが、己の身を守る能力に乏しい。
クルトがアンドロスコルピオに対抗する手段などなく、サソリの尾と手にした武器によって、あえなく殺されてしまう……ものと思われた。
「任せるのだ!」
駆け込んできたのは、無能の男が連れていた小柄な少女。
彼女の腕から、銀色の光が出現、刃となった。
それがアンドロスコルピオの武器と尾を切断し、さらに本体をも切り裂いた。
跳躍する少女。
彼女の背中から光る銀色の翼が生えた。
「う……美しい……!」
空を飛び回る少女。
両手から生み出した銀光の刃が、アンドロスコルピオを屠っていく。
「まるで天使だ……! そんな彼女が、どうしてあの無能と……!」
無能の男を思い出す度に、ときめきが腹立たしさに変わる。
もう呪いであった。
だがクルトの呪いは次の瞬間、晴れることとなる。
「うわーっ! 大型スコルピオだーっ!!」
馬車の前の方から悲鳴が聞こえた。
出現したのは、見上げるような巨大なスコルピオ軍団。
立ち向かうのは、なんと無能の男一人。
鎧も身につけず、無手である。
「死ぬ気か!? いや、あいつが死ぬならちょうどいい……」
クルトはほくそ笑んだ。
そんな彼の思いを裏切るように、無能の男の大活躍が始まる。
彼は首に巻いていた布を展開する。
それが刃になった。
男に従うように、ゾンビホースの一頭が寄り添った。そこに男が飛び乗る。
両手を自由にしているというのに、ゾンビホースは男の意を汲んで立ち回る。
刃が閃き、アンドロスコルピオたちが悲鳴をあげる。
通常のスコルピオでは相手にならぬと踏んだのか、巨大スコルピオが襲ってきた。
巨大スコルピオたちは、たくさんの武器を男めがけて叩きつけてくる。
全方向からの攻撃だ。
回避もできず、圧倒的質量は受け止めることすら許さないだろう。
クルトは男の死を確信した。
しかし男は死ななかった。
なぜなら。
「ね、寝転んだ!?」
戦場で男は、馬と素早く別れて仰向けに寝たのである。
大胆不敵!
彼の鼻先で、アンドロスコルピオたちの武器がぶつかり合う。
「だが、あれでは移動はできまい! 潰されて死ね!」
だが!!
移動はできるのである!
男は仰向けに寝たまま、スーッと滑るように動いた。
そして巨大スコルピオの一体を寝た姿勢のまま駆け上がると、装甲の隙間を的確に布の刃で切り裂く。
「な……なんだあの動きは!! キモい!!」
この一瞬のキモい動きの後、巨大スコルピオは全身から体液を吹き出しながら崩れ落ちた。
その時には既に、男は他のスコルピオの股の間にいた。
寝転びながら、信じられない速度で動き続けているのである。
巨大スコルピオは、股下に高速で潜られる経験などしたことがなかった。
反応が遅れる。
そこを、腹下から一直線に切り裂かれ、倒された。
続く巨大スコルピオは、地面スレスレをジグザグに迫ってくる仰向けの男にパニック状態である。
武器をでたらめに振り下ろし、仲間の通常スコルピオを潰す。
男には当たらない!
仰向けの男は、突然寝たまま跳躍した。
布の刃が閃き、巨大スコルピオの首が飛ぶ。
男はスコルピオの背中に着地し、そこから駆け下りながら、走り寄ってきていたゾンビホースに乗った。
低速・不規則な軌道から、突然高機動な騎馬戦に移行だ。
アンドロスコルピオたちは、男の動きについていけない。
次々に刃を叩き込まれ、スコルピオは倒れていった。
その時には、ナルカも残るスコルピオを片付けている。
「まあ楽勝だったな」
「マナビ、また気持ち悪い動きに磨きがかかったな……。あれはあたいの死の魔眼でも捉えられなかったよ……。なんだい、あれ」
「尻移動だ。あと、ルサルカラバーも頑張ってくれたな! よしよし」
「ぶるる」
クルトには何も理解できなかった。
だが、一つだけ実感したことはあるのだ。
「ば……化け物……!」
無能の男あらため、尻で移動する化け物。
それはこの男、コトマエ・マナビに対する正しい認識と言えたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
ボンクラ王子の側近を任されました
里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」
王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。
人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。
そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。
義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。
王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?
鍵の王~才能を奪うスキルを持って生まれた僕は才能を与える王族の王子だったので、裏から国を支配しようと思います~
真心糸
ファンタジー
【あらすじ】
ジュナリュシア・キーブレスは、キーブレス王国の第十七王子として生を受けた。
キーブレス王国は、スキル至上主義を掲げており、高ランクのスキルを持つ者が権力を持ち、低ランクの者はゴミのように虐げられる国だった。そして、ジュナの一族であるキーブレス王家は、魔法などのスキルを他人に授与することができる特殊能力者の一族で、ジュナも同様の能力が発現することが期待された。
しかし、スキル鑑定式の日、ジュナが鑑定士に言い渡された能力は《スキル無し》。これと同じ日に第五王女ピアーチェスに言い渡された能力は《Eランクのギフトキー》。
つまり、スキル至上主義のキーブレス王国では、死刑宣告にも等しい鑑定結果であった。他の王子たちは、Cランク以上のギフトキーを所持していることもあり、ジュナとピアーチェスはひどい差別を受けることになる。
お互いに近い境遇ということもあり、身を寄せ合うようになる2人。すぐに仲良くなった2人だったが、ある日、別の兄弟から命を狙われる事件が起き、窮地に立たされたジュナは、隠された能力《他人からスキルを奪う能力》が覚醒する。
この事件をきっかけに、ジュナは考えを改めた。この国で自分と姉が生きていくには、クズな王族たちからスキルを奪って裏から国を支配するしかない、と。
これは、スキル至上主義の王国で、自分たちが生き延びるために闇組織を結成し、裏から王国を支配していく物語。
【他サイトでの掲載状況】
本作は、カクヨム様、小説家になろう様、ノベルアップ+様でも掲載しています。
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる