28 / 337
10・サトウキビ畑を見に行こう
第28話 サトウキビ畑と農業体験
しおりを挟む
お目当てのサトウキビ畑の場所を、そのへんの農夫の人に聞く。
聞いただけだと悪いので、彼のとれたて野菜を一個買った。
キャベツに似た葉野菜だ。
名前も似てたような。
これはギルドに戻ったらかき揚げにして食べよう。
かき揚げにソースを掛けてパンに載せるのもいいな……。
新たな野望を胸に秘め、キャベツ風葉野菜はリュックに放り込んだ。
パンパンになってる。
葉野菜一個持ち歩くものじゃないな。
そしてとうとうサトウキビ畑に到着だ。
この世界、キャベツやレタスと言った葉野菜が存在しないのに、じゃがいもとサトウキビが存在しているのだ。
不思議……。
青々と茂る背の高いサトウキビ。
空には、この遺跡が映し出す幻の太陽が照り輝いている。
それを受けて、サトウキビはぐんぐんと育ち、どんどん甘くなっていくのだ。
「壮観だ……」
畑の入口に立って、この光景を見つめている。
そう言えば、このすぐ近くにドロテアさんが眠っていた休眠ポッドみたいなものがあるんだったっけ。
もう通過してしまったか……?
「おう、兄ちゃん観光かい? 第一階層には畑しかねえってのに物好きだねえ」
新たな農夫の人が通りかかった。
ずっと遺跡の中で暮らしているのだろうが、幻の太陽の日差しでこんがりと日焼けした人だ。
ま、僕もごま油色の美しい肌の色をしているけどね!
「ええ、実は知り合いにここのことを教えてもらって、初めて遺跡に潜ったんですよ。いやあ……凄いですねえ、サトウキビ。こんなにたくさん、青々と実って」
「だろう? この遺跡はさ、上にある街の人達の活気を魔力にして吸い取ってるんだ。で、それが巡り巡って作物の栄養になる。作物は収穫されて、街の連中に元気を与える。みんなこう、巡ってるのよ。巡って」
農夫の人が、ぐるぐるとろくろを回すような手つきをする。
なるほどなあ。
人の活気が作物を育て、作物の供給が人に活気を与える。
完璧な循環なのだ。
「そうなんですねえ。あ、なんか収穫とかするなら手伝っていいですか? 実は畑仕事とか全くやったことなくて」
「観光なのに手伝うのかい! 物好きだねえほんと!」
ということで、農夫の人に無理を言って手伝わせてもらうことになった。
鎌で一本一本切断していくのかと思ったが……。
「そんなもん、幾ら時間があっても足りないよ! これよ、これを使うのよ」
農夫の人が連れてきたのは、牛だ。
そして牛が引いているのは、横に何本も鎌が突き出した機械。
「遺跡で発掘された道具でね。どうもこの遺跡が遺跡じゃなかった時代にも、第一階層は野菜を育ててたって言うじゃないか。で、これがこういう作物を刈り取るための道具で、なんと魔力を使ってないんだ」
「へえー! そいつは凄い!」
僕は感心してみせたが、むしろこの世界の一般的な魔法より、こういう機械仕掛けの道具の方が馴染みが深い。
これはきっと、魔力を余すこと無く作物に伝え、刈り取りは可能な限り魔力を使わないで行うために作られたのだ。
農夫の人にやり方を教わり、僕は牛の鼻にくっついたロープを引っ張った。
「ぶもー」
牛がのんびりついてくる。
引っ張られた機械は、横についた鎌をジャカジャカと動かす。
この距離を農夫の人がいい塩梅に弄り……。
おおっ、歩くだけでサトウキビ畑が刈り取られていく。
こりゃあ楽しい。
「刈り取り器の横に回るなよー! 大怪我じゃ済まないからな」
「了解でーす」
牛を引っ張りながら、この畑の端まで歩く。
この機械、ターンするのが難しいな。
「回らねえんだ。こいつはゆっくりと畑を取り囲むようにぐるっと巡って動いて、だんだん内側に入っていくの」
「ああ、四角い螺旋を描くように!」
外側から内側に向けて刈り込んでいくのだ。
牛が回ってくるまでの間に、刈り取られたサトウキビは農夫の家族の人たちがわーっとやって来て、脇に除けていく。
万一、刈り取られた作物の上で牛がフンなんかしたら目も当てられないからだ。
半分人力、半分牛力+機械。
少々大変だが、牧歌的で大変よろしい。
「兄ちゃん、筋がいいなあ! どうだ? うちの下の娘と結婚して畑をやんねえか?」
「ははあ、僕もちょっとサトウキビ畑に魅力を感じてきたところです。ですけど今のところ奥さんをもらう気はなくて」
「ああそうなのかい、残念だ。ま、下の娘はまだ5つだけどよ」
がっはっは、と農夫の人が笑った。
そりゃああまりにも若すぎる。
こうして僕はサトウキビの収穫を手伝った。
このあと、砂糖の精製作業なんかがあるらしい。
こちらの区画の畑は、彼ら農夫の一家というか一族が取り仕切ってる。
他にも数か所サトウキビ畑と野菜畑があり、遺跡第一階層はアーランという大きな都市をまさしく支えているのだった。
「いや、堪能しました。ありがとうございます」
「おう! またいつでも来なよ! って言っても、よそもんは入場で金を取られるんだもんな。おいそれとやってこれねえよなあ」
金を取ることは大事だと思う。
何せ、作物の種を盗む泥棒が入り込めなくなる。
タダだと、良からぬ輩がどんどんやってくることになるしね。
お土産にサトウキビを一房もらった。
皮を剥いた茎を噛みしめると甘い。
だけどほんのりとってレベルだ。
「これを煮詰めて、濃厚な砂糖にするんだなあ……」
この世界の砂糖は白くはない。
琥珀色だ。
国王のもとには真っ白な砂糖が出るというが……。
僕はこの色付きの砂糖が好きだな。
雑味がある感じが、料理や菓子に使うといい塩梅で映える。
ただ……お茶に入れると雑味の主張が強い。
僕はお茶はプレーン派だ……。
こうして、第一階層観光を終えた。
後で聞いたのだが、ドロテアさんのいた休眠ポッドは既に運び出され、魔法使いたちの学院というところに保管されているのだとか。
今度はそっちを見に行きたいものだ。
「さて、第一階層で得た知見を安楽椅子冒険者殿に自慢しに行くとしようかな。ついでにかき揚げをマスターに提案したい……」
休日一日目はこうして過ぎていくのだった。
聞いただけだと悪いので、彼のとれたて野菜を一個買った。
キャベツに似た葉野菜だ。
名前も似てたような。
これはギルドに戻ったらかき揚げにして食べよう。
かき揚げにソースを掛けてパンに載せるのもいいな……。
新たな野望を胸に秘め、キャベツ風葉野菜はリュックに放り込んだ。
パンパンになってる。
葉野菜一個持ち歩くものじゃないな。
そしてとうとうサトウキビ畑に到着だ。
この世界、キャベツやレタスと言った葉野菜が存在しないのに、じゃがいもとサトウキビが存在しているのだ。
不思議……。
青々と茂る背の高いサトウキビ。
空には、この遺跡が映し出す幻の太陽が照り輝いている。
それを受けて、サトウキビはぐんぐんと育ち、どんどん甘くなっていくのだ。
「壮観だ……」
畑の入口に立って、この光景を見つめている。
そう言えば、このすぐ近くにドロテアさんが眠っていた休眠ポッドみたいなものがあるんだったっけ。
もう通過してしまったか……?
「おう、兄ちゃん観光かい? 第一階層には畑しかねえってのに物好きだねえ」
新たな農夫の人が通りかかった。
ずっと遺跡の中で暮らしているのだろうが、幻の太陽の日差しでこんがりと日焼けした人だ。
ま、僕もごま油色の美しい肌の色をしているけどね!
「ええ、実は知り合いにここのことを教えてもらって、初めて遺跡に潜ったんですよ。いやあ……凄いですねえ、サトウキビ。こんなにたくさん、青々と実って」
「だろう? この遺跡はさ、上にある街の人達の活気を魔力にして吸い取ってるんだ。で、それが巡り巡って作物の栄養になる。作物は収穫されて、街の連中に元気を与える。みんなこう、巡ってるのよ。巡って」
農夫の人が、ぐるぐるとろくろを回すような手つきをする。
なるほどなあ。
人の活気が作物を育て、作物の供給が人に活気を与える。
完璧な循環なのだ。
「そうなんですねえ。あ、なんか収穫とかするなら手伝っていいですか? 実は畑仕事とか全くやったことなくて」
「観光なのに手伝うのかい! 物好きだねえほんと!」
ということで、農夫の人に無理を言って手伝わせてもらうことになった。
鎌で一本一本切断していくのかと思ったが……。
「そんなもん、幾ら時間があっても足りないよ! これよ、これを使うのよ」
農夫の人が連れてきたのは、牛だ。
そして牛が引いているのは、横に何本も鎌が突き出した機械。
「遺跡で発掘された道具でね。どうもこの遺跡が遺跡じゃなかった時代にも、第一階層は野菜を育ててたって言うじゃないか。で、これがこういう作物を刈り取るための道具で、なんと魔力を使ってないんだ」
「へえー! そいつは凄い!」
僕は感心してみせたが、むしろこの世界の一般的な魔法より、こういう機械仕掛けの道具の方が馴染みが深い。
これはきっと、魔力を余すこと無く作物に伝え、刈り取りは可能な限り魔力を使わないで行うために作られたのだ。
農夫の人にやり方を教わり、僕は牛の鼻にくっついたロープを引っ張った。
「ぶもー」
牛がのんびりついてくる。
引っ張られた機械は、横についた鎌をジャカジャカと動かす。
この距離を農夫の人がいい塩梅に弄り……。
おおっ、歩くだけでサトウキビ畑が刈り取られていく。
こりゃあ楽しい。
「刈り取り器の横に回るなよー! 大怪我じゃ済まないからな」
「了解でーす」
牛を引っ張りながら、この畑の端まで歩く。
この機械、ターンするのが難しいな。
「回らねえんだ。こいつはゆっくりと畑を取り囲むようにぐるっと巡って動いて、だんだん内側に入っていくの」
「ああ、四角い螺旋を描くように!」
外側から内側に向けて刈り込んでいくのだ。
牛が回ってくるまでの間に、刈り取られたサトウキビは農夫の家族の人たちがわーっとやって来て、脇に除けていく。
万一、刈り取られた作物の上で牛がフンなんかしたら目も当てられないからだ。
半分人力、半分牛力+機械。
少々大変だが、牧歌的で大変よろしい。
「兄ちゃん、筋がいいなあ! どうだ? うちの下の娘と結婚して畑をやんねえか?」
「ははあ、僕もちょっとサトウキビ畑に魅力を感じてきたところです。ですけど今のところ奥さんをもらう気はなくて」
「ああそうなのかい、残念だ。ま、下の娘はまだ5つだけどよ」
がっはっは、と農夫の人が笑った。
そりゃああまりにも若すぎる。
こうして僕はサトウキビの収穫を手伝った。
このあと、砂糖の精製作業なんかがあるらしい。
こちらの区画の畑は、彼ら農夫の一家というか一族が取り仕切ってる。
他にも数か所サトウキビ畑と野菜畑があり、遺跡第一階層はアーランという大きな都市をまさしく支えているのだった。
「いや、堪能しました。ありがとうございます」
「おう! またいつでも来なよ! って言っても、よそもんは入場で金を取られるんだもんな。おいそれとやってこれねえよなあ」
金を取ることは大事だと思う。
何せ、作物の種を盗む泥棒が入り込めなくなる。
タダだと、良からぬ輩がどんどんやってくることになるしね。
お土産にサトウキビを一房もらった。
皮を剥いた茎を噛みしめると甘い。
だけどほんのりとってレベルだ。
「これを煮詰めて、濃厚な砂糖にするんだなあ……」
この世界の砂糖は白くはない。
琥珀色だ。
国王のもとには真っ白な砂糖が出るというが……。
僕はこの色付きの砂糖が好きだな。
雑味がある感じが、料理や菓子に使うといい塩梅で映える。
ただ……お茶に入れると雑味の主張が強い。
僕はお茶はプレーン派だ……。
こうして、第一階層観光を終えた。
後で聞いたのだが、ドロテアさんのいた休眠ポッドは既に運び出され、魔法使いたちの学院というところに保管されているのだとか。
今度はそっちを見に行きたいものだ。
「さて、第一階層で得た知見を安楽椅子冒険者殿に自慢しに行くとしようかな。ついでにかき揚げをマスターに提案したい……」
休日一日目はこうして過ぎていくのだった。
43
あなたにおすすめの小説
素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。
名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。
異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。
Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。
現世で惨めなサラリーマンをしていた……
そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。
その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。
それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。
目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて……
現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に……
特殊な能力が当然のように存在するその世界で……
自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。
俺は俺の出来ること……
彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。
だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。
※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※
※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます
内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」
――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。
カクヨムにて先行連載中です!
(https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)
異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。
残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。
一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。
そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。
そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。
異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。
やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。
さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。
そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。
最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる