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49・大豆プレゼン・オブ・王室
第142話 第二王子、豆腐を食す後編
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豆腐はついに完成した。
シェフたちは流石である。
自分たちで食べてみた豆腐の具合から、殿下の好む豆腐の硬さはこれくらいであろうところまで推測し、的確に水分を抜いたのだ。
かなり絹ごし豆腐っぽい感じになった。
「ハイクオリティ……。やっぱりプロには勝てないな」
「我々はナザルからインスピレーションをもらっているんだ」「そうだ。何もないところから新しいものを持ってくる者と、あるものをブラッシュアップする者とでは得意分野が違う」「感謝感激」
「そう言ってもらうとありがたい……」
なんかこのシェフたちとも友情が芽生えつつある気がするな……。
こうして、完成した豆腐は皿に盛られ、しずしずと運ばれていった。
第二王子一家が見守る前で、切り分けられていく。
おお、ドキドキしてるな。
そしてタレはここに用意してある。
そう、久々の登場、魚醤だ!
これをゴマ油と混ぜてですね……。
「おお、真っ白で美しい食べ物に、タレを上から……? おお、いい香りだ……堪らん……」
デュオス殿下、天にも登る心地であろう。
僕が彼らの豆腐を切り分けた。
すっと通るナイフ。
「おお……なんという柔らかさか」
寒天ソムリエみたいになってる殿下は、目を輝かせた。
真っ白く上品な輝きを放つ豆腐。
ブレンドされたタレがかかった姿は琥珀色にも見える……。
「どれ……? おお、匙でほろりと崩れる。なんと儚い食べ物なのだ……。む、むむむっ」
口に含み、噛んで飲み込んでからため息を漏らした。
「これほど柔らかく、とろけてしまう食べ物があったのか……」
「これはヘルシーだわ! 最近美味しいものを食べすぎて、お腹周りが……。うん、程よいお肉は富裕さの象徴だけど、行き過ぎはねえ……? だけどこれなら、あまり太らなそう! それに淡白なお味にソースをがとっても合うわね! これ、いいわ!」
「私、これはあっさりし過ぎな気がするんだけど……。お肉と混ぜたら食べられない? あ、でもお肉だけの方が美味しいか……」
お嬢さん、なかなか鋭い。
豆腐はプレーンに食べるのもいいが、いろいろなものと合わせることで新たな美味しさを味わう事ができるのだ。
だが、今は豆腐の解説に終始するとしよう。
「これは先程の水を吸った豆を加工したものです。これはなめらかであり、大変体に良い」
「やはり!」
「そんな気がしていたわ」
大いに喜ぶ第二王子夫妻。
二人ともすっかり美食に慣れ、ちょっと違うお味に興味津々なのだろう。
「豆から作られた……いわば豆のケーキと言うか豆の寒天というか……」
「なるほど……! そんなものが!」
「そなたはこれを探していたんですね!」
ご理解いただけたようだ。
僕がどうして最近あまり来れなかったかをご理解いただけただろうか。
いや、ちょっと忘れてただけなんだけど。
「まず豆腐はこれと肉を混ぜたりなどして、新しい食べ方が可能で」
「すてき!」
お嬢さんが歓声をあげた。
若者はガッツリしたものが好きよね。
「さらに、この元となる豆を使って調味料を作ろうと考えているのです。豆を発酵させることで、未体験の味が……」
ざわつく第二王子夫妻。
豆腐から醤油、味噌なんて変化は想像もできないだろうからね。
「ですが、ご賞味いただいた通り、豆腐には大いなる可能性があります。しばらく豆腐レシピを色々考えて持ってくるので、これを食べて新しい報告を待っていただければ」
「分かった。しっかりと仕事をしていたのだなナザル。私は嬉しい」
「はははは、僕は勤勉ですから」
アルカイックスマイルを浮かべる僕なのだった。
よし!
まだまだ資金供与が続く。
美食探索に邁進できるぞ!
「ねえちょっとナザル!!」
「へい」
「お肉と合わせるお豆腐? とか言うの、用意してよね」
「お任せください……」
「すっごく楽しみにしてるからね!」
お嬢さんからも期待をかけられてしまった。
資金などはデュオス殿下からいただくわけだが、お嬢さんからの覚えがめでたくなっていれば、さらなる口利きなどもしてもらえるかも知れない。
あるいは、お嬢さんと仲の良い第一王子の息子……一見バカ王子なウノへの伝手が得られる可能性もある……。
いいぞいいぞ。
「ナザルが怪しい笑みを浮かべている」「常に怪しいんだよね」「非情に怪しいのに裏表が無いというのが凄い」「美味しいもののことしか考えていない」
ははは、僕のことをよく分かってくくれたようで実に嬉しい。
こうして僕はパトロンに納得してもらい、資金供与を続けてもらうことになったのだった。
「あっ、ご主人~!」
外でシャザクに遊んでもらっていたコゲタがこっちに気付いた。
駆け寄ってくる。
「ご主人にこにこ! いいことあったの?」
「もちろん。みんな幸せになった」
「よかったー!」
「それは良かった! 殿下もしばらく大人しくされることでしょうね。いや、以前の何に対しても無気力だった殿下と比べると、実に精力的でいいことなのだが」
「美食は人に生きがいを与えるからね!」
「うむ。それに……君を通じて、再会できた人もいたことだし」
そう言えば……。
人生、万事塞翁が馬というかなんというか。
なにかする度に何かに繋がっている気がするのだった。
シェフたちは流石である。
自分たちで食べてみた豆腐の具合から、殿下の好む豆腐の硬さはこれくらいであろうところまで推測し、的確に水分を抜いたのだ。
かなり絹ごし豆腐っぽい感じになった。
「ハイクオリティ……。やっぱりプロには勝てないな」
「我々はナザルからインスピレーションをもらっているんだ」「そうだ。何もないところから新しいものを持ってくる者と、あるものをブラッシュアップする者とでは得意分野が違う」「感謝感激」
「そう言ってもらうとありがたい……」
なんかこのシェフたちとも友情が芽生えつつある気がするな……。
こうして、完成した豆腐は皿に盛られ、しずしずと運ばれていった。
第二王子一家が見守る前で、切り分けられていく。
おお、ドキドキしてるな。
そしてタレはここに用意してある。
そう、久々の登場、魚醤だ!
これをゴマ油と混ぜてですね……。
「おお、真っ白で美しい食べ物に、タレを上から……? おお、いい香りだ……堪らん……」
デュオス殿下、天にも登る心地であろう。
僕が彼らの豆腐を切り分けた。
すっと通るナイフ。
「おお……なんという柔らかさか」
寒天ソムリエみたいになってる殿下は、目を輝かせた。
真っ白く上品な輝きを放つ豆腐。
ブレンドされたタレがかかった姿は琥珀色にも見える……。
「どれ……? おお、匙でほろりと崩れる。なんと儚い食べ物なのだ……。む、むむむっ」
口に含み、噛んで飲み込んでからため息を漏らした。
「これほど柔らかく、とろけてしまう食べ物があったのか……」
「これはヘルシーだわ! 最近美味しいものを食べすぎて、お腹周りが……。うん、程よいお肉は富裕さの象徴だけど、行き過ぎはねえ……? だけどこれなら、あまり太らなそう! それに淡白なお味にソースをがとっても合うわね! これ、いいわ!」
「私、これはあっさりし過ぎな気がするんだけど……。お肉と混ぜたら食べられない? あ、でもお肉だけの方が美味しいか……」
お嬢さん、なかなか鋭い。
豆腐はプレーンに食べるのもいいが、いろいろなものと合わせることで新たな美味しさを味わう事ができるのだ。
だが、今は豆腐の解説に終始するとしよう。
「これは先程の水を吸った豆を加工したものです。これはなめらかであり、大変体に良い」
「やはり!」
「そんな気がしていたわ」
大いに喜ぶ第二王子夫妻。
二人ともすっかり美食に慣れ、ちょっと違うお味に興味津々なのだろう。
「豆から作られた……いわば豆のケーキと言うか豆の寒天というか……」
「なるほど……! そんなものが!」
「そなたはこれを探していたんですね!」
ご理解いただけたようだ。
僕がどうして最近あまり来れなかったかをご理解いただけただろうか。
いや、ちょっと忘れてただけなんだけど。
「まず豆腐はこれと肉を混ぜたりなどして、新しい食べ方が可能で」
「すてき!」
お嬢さんが歓声をあげた。
若者はガッツリしたものが好きよね。
「さらに、この元となる豆を使って調味料を作ろうと考えているのです。豆を発酵させることで、未体験の味が……」
ざわつく第二王子夫妻。
豆腐から醤油、味噌なんて変化は想像もできないだろうからね。
「ですが、ご賞味いただいた通り、豆腐には大いなる可能性があります。しばらく豆腐レシピを色々考えて持ってくるので、これを食べて新しい報告を待っていただければ」
「分かった。しっかりと仕事をしていたのだなナザル。私は嬉しい」
「はははは、僕は勤勉ですから」
アルカイックスマイルを浮かべる僕なのだった。
よし!
まだまだ資金供与が続く。
美食探索に邁進できるぞ!
「ねえちょっとナザル!!」
「へい」
「お肉と合わせるお豆腐? とか言うの、用意してよね」
「お任せください……」
「すっごく楽しみにしてるからね!」
お嬢さんからも期待をかけられてしまった。
資金などはデュオス殿下からいただくわけだが、お嬢さんからの覚えがめでたくなっていれば、さらなる口利きなどもしてもらえるかも知れない。
あるいは、お嬢さんと仲の良い第一王子の息子……一見バカ王子なウノへの伝手が得られる可能性もある……。
いいぞいいぞ。
「ナザルが怪しい笑みを浮かべている」「常に怪しいんだよね」「非情に怪しいのに裏表が無いというのが凄い」「美味しいもののことしか考えていない」
ははは、僕のことをよく分かってくくれたようで実に嬉しい。
こうして僕はパトロンに納得してもらい、資金供与を続けてもらうことになったのだった。
「あっ、ご主人~!」
外でシャザクに遊んでもらっていたコゲタがこっちに気付いた。
駆け寄ってくる。
「ご主人にこにこ! いいことあったの?」
「もちろん。みんな幸せになった」
「よかったー!」
「それは良かった! 殿下もしばらく大人しくされることでしょうね。いや、以前の何に対しても無気力だった殿下と比べると、実に精力的でいいことなのだが」
「美食は人に生きがいを与えるからね!」
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