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第1章 (強制連行という名の)帰還
7. 不安と恐怖
しおりを挟むお久しぶりです。突然ですが3話ほど続けて投下します。
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1週間前、クリスティーナが城に連れてこられてすぐ。
僕は自分と契約している精霊に結界を張っている精霊達の許しを得てもらい誰にも秘密で部屋に入れてもらっていた。
「ティーナ…。」
自分の目の前のベッドで寝ているクリスティーナの存在が信じられなくて、元々婚約者だったし手ぐらいなら握っても彼女は許してくれるだろうと手を握ろうとしたことがあった。
だがその時は僕もクリスティーナに触れる事は出来なかった。
騎士団長からの報告は聞いていたので触れないからといって驚くことは無かったものの、彼女に触れることが出来ないという事実を突きつけられて、再会の喜びや触れる事の出来ないもどかしさ、あの事件で彼女を守れなかった己への怒り等の色々な感情が次々に押し寄せてきた。
泣くつもりなど無かったのに、涙が零れ頬をつたって落ちる。
その日から毎日、こっそりクリスティーナの部屋に来ていた。
仕事が忙しく1回の時間こそ僅かだったが暇さえあれば部屋に行って、握れないとわかっている彼女の手に自分の手をやり、不安に押しつぶされそうな日々を過ごした。そうせずにはいられなかった。
精霊の森で倒れて以降1度も目覚めないクリスティーナ。
そもそも彼女は1度死んでいる。
そんな彼女がもう一度目覚める保証などどこにもなかったし、目覚めた所で以前のように自分に笑いかけてくれるかも分からない。
もしかしたら、自分の事を恨んでいる可能性もゼロではない。彼女はそんな人では無いと信じようとする気持ちと同じだけ悪い考えも頭をよぎり、いっその事ずっとここに居てくれるなら目覚めない方がいいんじゃないかと我ながら馬鹿な考えが出て来だした頃、彼女は目を覚ました。
クリスティーナが目覚めた事を1番最初に知ったのはおそらく精霊に教えて貰った僕だ。
「クリスティーナに言われて精霊達が部屋の結界を解いている」と契約精霊に聞いた僕は執務室を飛び出し彼女の部屋に向かった。
途中で僕の護衛兼側近で彼女の兄でもあるファウストはもちろん、その彼に付いてここ1週間ほど毎日城に来ていたクリスティーナの元専属侍女アンネ、他にも過去に彼女に救われた事のある者達に出くわし一緒に行くはめになった。
大所帯になってしまった為部屋に入るのに精霊達をもう一度説得する羽目になったが精霊達が入室を許してくれてほんとに良かった。
彼女はベッドから上半身だけを起こし無言でこちらをじっとみていた。
最後のルヴァインが来て部屋の扉が閉められるまで、こっちが何を言おうと無言を貫き一言も喋らなかった彼女が最初に我々に言った言葉は拒絶の言葉だった。
以前とは違う魔法を使い、笑わなくなった彼女に名前を聞かれた時、周囲に人が居たのでギリギリ冷静でいられたが居なければどうなっていたか分からない。
始めはぞろぞろと増えてしまった人を邪魔にしか思ってなかったがある意味居てくれたお陰で彼女に格好の悪い姿を見られずに済んだとも言えるのでそこだけは感謝した。
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お読み下さりありがとうございます。
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