悪役令嬢ですが、自分のスキルの代償がきつくて泣きそうです(仮)

秋桜

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第2章〜星の記憶と手紙と決意〜

18.知りたくなかった事実(ジークフリート視点)後編

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父上の隣に座った公爵が僕を見て聞いてきた。

「殿下、私がアリシアナとの婚約を認める代わりに出した条件の3つ目を覚えてますか?」

「もちろんです、お義父様。『放置すると何をしでかすかわからないから、アリシアナのやりたい事の邪魔をしないように守る事。』ですよね?」

僕が茶化すように言うと、

「誰がお義父様…ですかっ!認めたわけじゃないわっ!…………………ごほんっ、ですが、わかってるならいい…です……。」

「父上…お気持ちはよく分かりますが王子殿下にまでそんな事を言ったのですか。」

「そうは言うがリオン、昨日やっと目が覚めたかと思ったらその日の内に陛下まで巻き込んでこの大騒ぎだ。シーナの話だと手助けの方法を間違うと国が滅ぶそうだし、仕方ないだろう。」

「ですが父上、父上が王子殿下にそれを言ったのはシアが目覚める前と把握しておりますが。」

「仕方ないだろ、初めは邸がペッシャンコから始まり、その次は領地が火の海、そのまた次は隣国と戦争だぞ!?シーナが言ったなら万が一、失敗すると!ようやく遺言が全部終わったと安心していたのにリオンにまで別の遺言していた上に今度は国が滅ぶだと!?もう勘弁してくれっ…………。」

疲れきった公爵が叫ぶ様にとんでもない事を言った。
それを聞いたリオンが遠い目をしつつものんびりした声で言った。

「あぁ、あれらは失敗していたらそんな事になっていたのですか…さすがあの母上の娘、私の妹ですね…あの時父上に、知りたいかと聞かれた時に聞いていなくて本当に良かったです。」

しみじみといった感じで話すリオン。にわかには信じ難い内容だ。
というか何だその慣れた感じは。

「「その話あとで詳しく聞かせろ、公爵(ヴィクトール)。」」

僕と父上の声が重なった。

「もう済んだことですが…かしこまりました。」

公爵が返事をし、ほっと安心した。どうやら話せない内容ではないらしい。

「であれば父上にも伝えてない私の分の遺言で今までに起こったことも伝えるべきでしょうか。正直な所やった事は大したことないので報告はしませんでしが、父上の方と被害レベルが変わらないのがゴロゴロありますが。」

「「「まだあるの(か)!?」」」

今度は父上と僕、それに公爵の叫びが重なった。
その直後、僕はある事に気づいてものすごく嫌な予感がした。
その人物は僕がその事に気がついた事に気づいた様で部屋の隅から視線を感じた。仕方なく観念して見てみるとマリアシアの専属侍女が部屋の隅で大変恐縮そうにこちらを見ていた。
シアの専属侍女でありシアの母君から後を任された人物。
今までもこれからも1であろう人物。
見た目は若く見えるが元々シアの母君の専属侍女だった人物。
そんな人に
恐る恐る聞いてみると目をそっとそらされた後に「申し訳ございません、ですがシーナ様の頃からですので慣れております。大丈夫です。」とそれだけをなにかの悟りを開いた様に優しい笑顔で言われた。

「「……………。」」

黙ってしまった父上と公爵を一瞥いちべつすると僕は一つだけ聞いた。

「失敗時の被害規模は…?」

「……………シーナ様の時は世界滅亡が最大でございました。シアお嬢様に関してですが…たとえ陛下の命令であっても1度お嬢様に確認致しませんと今ここで申し上げることは出来かねます。申し訳ございません。」

さすが事象改変系の【原始創造スキル】は規模が違うね…。

「「………………。」」

すっかり黙り込んで現実逃避を始めてしまった国王と公爵を見て、リオンはため息をひとつつき、ジークフリートは不安もあったがそれよりもこれからの少し楽しみが大きくなっていた。


だが、僕は知らない。

その事をすぐに後悔する事になる事を。

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