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異世界、始めてみました。
魔女の祝福
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「さぁ、まずは最初に貴女への祝福から始めましょう」
「祝福?」
所謂、ラノベとかでいうギフトやスキルとかそういったものだろうか?
そう思っていると、コノハさんは花鉢から薔薇を一輪摘んで私に渡した。
「貴女はこの薔薇が五輪に見えるそうだから、五つの祝福を授けるわ。
私の世界で楽しく生きるためのスパイスだと思って、ぜひ受け取って」
渡された薔薇には棘がなく、花の香りで満たされる。
摘み取るなんて勿体無いと思ったけれど、切り花としても楽しめそうな品種ね。
あぁ、もちろんこれが魔法の薔薇じゃなければだけど。
「まずは最初に、私の世界で困らないように言語理解の祝福を」
コノハさんがそう言うと、薔薇の花弁が途端に散り、青い小さな光となって私の身体に吸い込まれていった。
驚いてコノハさんを見ると、彼女はまた次の薔薇を摘み、私に持たせる。
「次に、私の世界で使える魔力の才能を」
花はまた散り、今度は桃色の光となって私の身体に吸い込まれた。
「魔法の才能は、あくまで才能だから。貴女が努力すればするほど、貴女の才能は開花されるわ。でも、怠けたら勿論、それなりでしかならないから気をつけて」
つまりは、最初からチートではないということかしら。
そして、また一輪、私は薔薇を手渡される。
「次に、私の世界で健やかに過ごせる健康と体力を」
今度は黄色の光が、私の中に入る。
そして、四輪目の花がすぐに渡された。
「そして、貴女に聡明さを」
「なんだか、眠れる森の美女みたい」
思わずそう言うと、コノハさんは真面目な顔で呪いはかけないわと、言った。
ついに、五輪目の花が摘み取られて、私に渡される。
いつの間にか私の周りには、先ほど散っていった薔薇の光がキラキラと輝いて、少しだけ眩しい。
「最後に、貴女に、世良 咲耶に素晴らしい幸運を」
コノハさんに言われた薔薇は、虹色の光を放ちながら、散ることなく私の手元に残った。
不思議に思って見ていると、どうやらコノハさんにとっても意外だったらしく、驚いたように此方をみていた。
「どうやら、薔薇も貴女が好きみたいね」
「どういうこと?」
訳も分からず、手元の薔薇を見ていると、生き物の感触から段々と固い物に変化しているのを感じて慌ててコノハさんに向き直った。
「どうやら、貴女に身につけて欲しいそうよ」
そう、彼女が言い終わる頃には、美しい白い薔薇は、美しさはそのままで小さなペンダントに変わっていた。
「貴女がそれを身につけなくても、祝福は受けてるから幸運はそのままだけど、出来ればつけてあげて。
魔法の薔薇は、まさしく魔法よ。貴女にとって悪いことはないから。
さて、次は」
「え、まだあるの?」
祝福は五つじゃないのかと問うと、コノハさんは不思議な顔をして首を傾げた。
「だって、それだけじゃ生きていけないでしょ?」
確かに。
「さぁ、さぁ!次は家と、それと身体も用意しないと!」
「か、身体?」
「さっきも言ったけど、時間の流れが違うからね。
貴女が向こうで感じた時の流れを、このままこの世界には向けられないから、新しい身体を用意するわ」
まだまだ準備はたくさんある!
そう言ってコノハさんは楽しそうに腕を捲ったけど、私はただただ嫌な予感に頭を抱えていた。
「祝福?」
所謂、ラノベとかでいうギフトやスキルとかそういったものだろうか?
そう思っていると、コノハさんは花鉢から薔薇を一輪摘んで私に渡した。
「貴女はこの薔薇が五輪に見えるそうだから、五つの祝福を授けるわ。
私の世界で楽しく生きるためのスパイスだと思って、ぜひ受け取って」
渡された薔薇には棘がなく、花の香りで満たされる。
摘み取るなんて勿体無いと思ったけれど、切り花としても楽しめそうな品種ね。
あぁ、もちろんこれが魔法の薔薇じゃなければだけど。
「まずは最初に、私の世界で困らないように言語理解の祝福を」
コノハさんがそう言うと、薔薇の花弁が途端に散り、青い小さな光となって私の身体に吸い込まれていった。
驚いてコノハさんを見ると、彼女はまた次の薔薇を摘み、私に持たせる。
「次に、私の世界で使える魔力の才能を」
花はまた散り、今度は桃色の光となって私の身体に吸い込まれた。
「魔法の才能は、あくまで才能だから。貴女が努力すればするほど、貴女の才能は開花されるわ。でも、怠けたら勿論、それなりでしかならないから気をつけて」
つまりは、最初からチートではないということかしら。
そして、また一輪、私は薔薇を手渡される。
「次に、私の世界で健やかに過ごせる健康と体力を」
今度は黄色の光が、私の中に入る。
そして、四輪目の花がすぐに渡された。
「そして、貴女に聡明さを」
「なんだか、眠れる森の美女みたい」
思わずそう言うと、コノハさんは真面目な顔で呪いはかけないわと、言った。
ついに、五輪目の花が摘み取られて、私に渡される。
いつの間にか私の周りには、先ほど散っていった薔薇の光がキラキラと輝いて、少しだけ眩しい。
「最後に、貴女に、世良 咲耶に素晴らしい幸運を」
コノハさんに言われた薔薇は、虹色の光を放ちながら、散ることなく私の手元に残った。
不思議に思って見ていると、どうやらコノハさんにとっても意外だったらしく、驚いたように此方をみていた。
「どうやら、薔薇も貴女が好きみたいね」
「どういうこと?」
訳も分からず、手元の薔薇を見ていると、生き物の感触から段々と固い物に変化しているのを感じて慌ててコノハさんに向き直った。
「どうやら、貴女に身につけて欲しいそうよ」
そう、彼女が言い終わる頃には、美しい白い薔薇は、美しさはそのままで小さなペンダントに変わっていた。
「貴女がそれを身につけなくても、祝福は受けてるから幸運はそのままだけど、出来ればつけてあげて。
魔法の薔薇は、まさしく魔法よ。貴女にとって悪いことはないから。
さて、次は」
「え、まだあるの?」
祝福は五つじゃないのかと問うと、コノハさんは不思議な顔をして首を傾げた。
「だって、それだけじゃ生きていけないでしょ?」
確かに。
「さぁ、さぁ!次は家と、それと身体も用意しないと!」
「か、身体?」
「さっきも言ったけど、時間の流れが違うからね。
貴女が向こうで感じた時の流れを、このままこの世界には向けられないから、新しい身体を用意するわ」
まだまだ準備はたくさんある!
そう言ってコノハさんは楽しそうに腕を捲ったけど、私はただただ嫌な予感に頭を抱えていた。
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