【1話完結】くりかえし

長玄坊

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いつもいつも、同じ日々をくりかえす

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毎日が、退屈な日々の繰り返し。

高校生になったら何かが変わると淡い期待をしたものの、すぐに打ち砕かれてしまった。

朝のまどろみの中で、遅刻ギリギリまで惰眠を貪りたいところではあるが、そろそろ起きなければならない。いや、起きざるを得ないというところだろうか。

隣に住む幼馴染が毎日起こしに来るからだ。

部屋の外から母と彼女が談笑する声の後、トントンと階段を上る音が聞こえてくる。もうやってきたようだ。

「おはよう~。いつになったら自分で起きれるようになるんだか。」

聞きなれた声だ。今日も一日が始まる。

朝ごはんは食べずに、顔を洗って歯を磨き、着替えたら出発だ。

「寝癖ちゃんと直してたらかっこよく見えるのに。」

髪を撫でつけながら寝癖を直してくれている。相変わらず世話焼きだ。

高校までの道のりは長いが苦ではない。彼女と話が尽きることはないからだ。

他愛のない話でも、その時間が自分にとって幸せな時間になっている。

お小言を言われても、話の中身がなくとも、何であっても大切な時間だ。

しばらく歩いて高校に近づいてくると、彼女がそわそわし始め、話していてもどこか上の空になっていく。

これもいつものことだ。

さて、高校の校門が見えてきた。

もう、この時間が終わってしまう。

終わると同時に、長い長い退屈な時間が始まる。

足取りが重くなってくるのに対し、彼女の足取りは段々と軽やかになっていく。

もう話の内容はほとんど頭に入ってないのであろう。

高校に到着した。

「じゃ、また明日ね!ちゃんと起きてよ?」

そう言い残し、彼女は違う人の元へと駆けていく。

遠くで彼女の明るい声が聞こえる。

この瞬間から彼女は、見慣れた姿とはかけ離れた飛び切り美しい姿へと変貌する。

「お似合いのカップルだよね~。」

近くで女子生徒達の話す声が耳に入る。

さらに足取りが重くなる。

これもまた、いつものことだ。

近くにいても、近くにいない。

いつもと変わらない退屈な一日は、まだ始まったばかりだ。



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