たとえ空がくずれおちても

狼子 由

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第二章 だけど、それでも

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 その後も一日、それとなく梨菜りなの様子を観察した結果、私はひとつの結論に達した。
 ――梨菜は、坂詰さかつめさん達にいじめられている。

 それも、あからさまにならないような、軽い――だけど、陰湿なやり方で。

 暴力はない。だけど、梨菜の近くでひそひそ悪口を言ったりはしている。
 それに、国弘くにひろさんの席が前で、梨菜の後ろには誰もいないのをいいことに、授業中のプリントをわざと回さずにいたり。
 そんなときに当てられて困っている梨菜を見て、くすくす笑ったり。

 見ているだけでもすごく嫌な気持ちになった。
 こんなことされたら、梨菜だって嫌だろうって。

 だけど、だからと言って――ねえ、梨菜。
 それって、梨菜が私にやっていたこととそんなに変わらないじゃない。


●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●


 帰り道を、一人で歩きながら考える。
 梨菜に、手を差し伸べるべきか否か。

 もちろん、私が梨菜を助けられるかどうかなんて、分からない。やってみないと。
 だけどそれ以前に、そもそも私は梨菜を助けるべきなんだろうか。助けたいと思ってるんだろうか。

 私を無視したのも、仕事の申し送りをしなかったのも、梨菜だった。
 自分がやられて嫌だったことを、私にしたの?
 私なら傷ついてもいいと思ったの?

 ――そんな人に、手を差し伸べる意味はあるの?

 今いじめられているのは私じゃないのに、ひどく打ちのめされた思いだった。
 重い足を引きずって、家に戻った。
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