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第一章
第二十話 わたしの事を殺して
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あれから数日、今のところエレナに変化はない。
エレナのマナは完成していない、そんな事どんな文献を開いても何処にも
そんなモノはなかった。
訓練場にもかなり立派な書庫はある、が此処にあるものが全てではない。
本当なのだろうか、リュカの言葉を鵜呑みにしてしまったが、早まった結論
だったのではないだろうか。
どちらにしろ、この人を護るのは俺だ。
エレナが暴走しようが俺は只彼女を護るだけ。
しかしこうも思う。
天は完成していないマナを乳飲み子に授けるだろうか。
もっと俺が知らない事態が、今も背後で動いている気がしてならない。
そして、それをセーデルが知っていたとしたら事は思った以上に厄介だ。
俺はヒメちゃんを守り切れるのか・・・柄にもなく弱音が出てしまう。
それは全身全霊本気で守りたいと思った人が今までいなかったせい。
彼は失いたくないのだ、
彼にとって彼女は唯一の光なのだから。
先手は打ってある、奴がそれに引っかかるかどうか・・・。
訓練前、あの夜についてエレナが話しておきたい事があると言ってきた。
「アシュベル、常常思っていたのだが、アシュベルの名前は長い。」
「はぁ・・」
そんなに長いかな、気の抜けた返事でアシュベルが返事を返す。
しかし呼び出されて、最初の話題がそれとか、やはり女性の思考は理解
できない。
「アシュと呼んでも構わないか」
「ええ、どうぞ」
こちらもエレナ様をヒメちゃん呼ばわりしているのだから無論抵抗はできない。
「アシュ、先日のリュカの推理だと私のマナは未完成、という結論になる、もしも・・・」
中庭の日陰でもたれていたアシュベルは彼女の次の言葉を予測できた。
清々しほど無謀ともいえる生き方を
「もしわたしが暴走したらお前がわたしの事を殺してほしいの」
「もしわたしが暴走したらお前がわたしの事を殺して」
アシュベルの声とエレナの声が一言一句違わずはもる。
この女性は・・アシュベルが何とも形容しがたい気持ちになる。
呼び方云々の前にこちらの方が話が先だろう・・普通は。
暴走を一番恐れているのは、エレナだ。
それが未知のものだし、自身の中にあるものだから。
エレナの性格上、何より、周りを傷つけてしまう事を恐れているはず・・。
それなのに、あれから不安を口にすることは無かった、
いつも通り、そうあまりにもいつも通り。
気丈なのか、優しさなのか・・・その全てなのか。
おそらく聞いたところで、彼女は決して心の内を吐露しない。
アシュベルは一抹の寂しさを感じた。
寂しい?
護りたい、それだけでいいと思っていたが、欲深くなるものだな、
アシュベルは心の中で苦笑する。
エレナが切り出す。
「覚悟は?」
「主が望むことならば。」
アシュベルの顔の曇りを気付かない振りをしているのか、エレナは笑う。
「上々だな。」
夕刻。
エレナのマナ・・あれはどういう意味で天から授かったのだ。
選ばれた者だけが受ける恩恵。
それなら彼女は?
未完成だと言ったリュカの言葉が思い出される。
では、完成されたエレナは元のエレナなのだろうか・・・。
あの夜から考えが纏まらない、それどころか同じ所を延々と巡っている・・。
駄目だ、どうにも頭に雑念が入る。
兎に角今日の訓練が滞りなく終わったら、それを確認してから文献を
もう一度漁ろう。
訓練生が教室からぱらぱらと解散していく。
一安心てところか。
注意深くアシュベルは様子を見守る。
矢を射られて以降、襲撃に備えていつ何時敵が襲って来ても臨戦態勢がとれ
る単語よう心の準備は常にしてある。
あいつ、セーデルの立場上、早々城近くの訓練場を二度も襲撃する事は無いと
思いたいが粘着質な性格の奴の事だ、警戒してもし足りない。
「ん?」
アシュベルが見を乗り出し、素早く柄を握る。
あの訓練生ふらついてる、その後ろの生徒も足がもつれる様に倒れ込んでいる。
おかしい、アシュベルが見渡すと、外に出たとたん皆地面に倒れ込んでいる。
そればかりか教官、配置に付かせた護衛、エレナを警護にあたらせていた役人まで。
・・・来たか!
突如アシュベルの前に、床に刻まれた魔術円陣が出現した。
おぞましい事に、その中央から黒マントを深々と被った輩がまるで地面から
生えてくるように現れた。
これは魔術円陣、魔法じゃない分、効果は薄いはず、なのにこの訓練場一帯を
掌握している?
今までの常識で対応していたら足を救われかねない。
「ヒメちゃん、リュカ、カリーナ、そこに居るか!?」
三人の影がアシュベルの後ろに並び立つ。
「三人ともいるよー!」
エレナの声が聞こえ安堵するアシュベル。
「ここの殆どが意識を失っている、今動けるのはお前らだけだ!」
自分を含めこの三人には前もって魔抵抗を上げる薬草を継続的に飲ましていた。
勿論本人たちには了解は取ってある。
これは魔術魔法どちらにも効くとされている薬草だ。
リュカ、カリーナともに戦闘は初めてだが、訓練生とはいえ彼らの実力は
アシュベル本人が認める程のものを有している。
勿論エレナに関しては言うまでもない。
しかし、セーデルの狙いはエレナだ、それを考慮するとなるべく彼女を
前線に出したくない。
黒マントの男は剣を抜き、何か呪文のような聞いたことの無い言語をを呟いた。
剣は呼応するように陰湿な闇を纏い、その者の命じるままこちらを切り抜けていく。
その動きはまるで肢体を上から糸で操られているように思える程人間味がない。
4人は飛散しながら攻撃を繰り出す。
カリーナが剣を地面に突き立て叫ぶ。
「大地よ、加護を!」
その切れ目から巨大な岩が幾つも盛り上がり黒マントの男を封じ込める。
女性ながら力強い一撃。
ここは一気に片をつける!
アシュベルは剣を天にかざし魔力を注ぎ込む。
リュカは抜いた刀を敵がいるであろう場所に振りぬいた。
リュカの氷が黒マントの居るべき場所で氷河のように辺り一面を凍らせる。
それでも。
ズズ・・という鈍い轟音と共に、巨石と氷河が揺らぎ、
二人の目の前で爆風と共に四方に砕け散った。
「これだけですかぁ・・?」
黒マントの顔は見えない、けれども紫色の唇は異様な程吊り上がり、人間の
それとは思えない。
その時。
「炎よ、我に従い滅殺せよ!」
満を持してアシュベルの魔力を溜めた炎が空を抉る様に渦を巻き黒マント
に直撃した。
無情に焼きつくす業火の海、これは流石に生きてはいないだろう。
そう全員が確信したとき、ゆらり、と火の中から人影が動いた。
それを見て愕然とするアシュベル。
まだ、立っていられるのか、生きているのか・・。
こんな魔法は見たことがない。
魔術円陣が出てる時点で魔法ではないのだが。
しかし。
魔術と呼ぶにはあまりにもそれとかけ離れた力が働いている。
あれは一体何なんだ、得体が知れない、人か妖魔か、それ以外の者か・・・
歴戦のアシュベルですら今自分が何と向かい合っているのか、分からなかった。
エレナのマナは完成していない、そんな事どんな文献を開いても何処にも
そんなモノはなかった。
訓練場にもかなり立派な書庫はある、が此処にあるものが全てではない。
本当なのだろうか、リュカの言葉を鵜呑みにしてしまったが、早まった結論
だったのではないだろうか。
どちらにしろ、この人を護るのは俺だ。
エレナが暴走しようが俺は只彼女を護るだけ。
しかしこうも思う。
天は完成していないマナを乳飲み子に授けるだろうか。
もっと俺が知らない事態が、今も背後で動いている気がしてならない。
そして、それをセーデルが知っていたとしたら事は思った以上に厄介だ。
俺はヒメちゃんを守り切れるのか・・・柄にもなく弱音が出てしまう。
それは全身全霊本気で守りたいと思った人が今までいなかったせい。
彼は失いたくないのだ、
彼にとって彼女は唯一の光なのだから。
先手は打ってある、奴がそれに引っかかるかどうか・・・。
訓練前、あの夜についてエレナが話しておきたい事があると言ってきた。
「アシュベル、常常思っていたのだが、アシュベルの名前は長い。」
「はぁ・・」
そんなに長いかな、気の抜けた返事でアシュベルが返事を返す。
しかし呼び出されて、最初の話題がそれとか、やはり女性の思考は理解
できない。
「アシュと呼んでも構わないか」
「ええ、どうぞ」
こちらもエレナ様をヒメちゃん呼ばわりしているのだから無論抵抗はできない。
「アシュ、先日のリュカの推理だと私のマナは未完成、という結論になる、もしも・・・」
中庭の日陰でもたれていたアシュベルは彼女の次の言葉を予測できた。
清々しほど無謀ともいえる生き方を
「もしわたしが暴走したらお前がわたしの事を殺してほしいの」
「もしわたしが暴走したらお前がわたしの事を殺して」
アシュベルの声とエレナの声が一言一句違わずはもる。
この女性は・・アシュベルが何とも形容しがたい気持ちになる。
呼び方云々の前にこちらの方が話が先だろう・・普通は。
暴走を一番恐れているのは、エレナだ。
それが未知のものだし、自身の中にあるものだから。
エレナの性格上、何より、周りを傷つけてしまう事を恐れているはず・・。
それなのに、あれから不安を口にすることは無かった、
いつも通り、そうあまりにもいつも通り。
気丈なのか、優しさなのか・・・その全てなのか。
おそらく聞いたところで、彼女は決して心の内を吐露しない。
アシュベルは一抹の寂しさを感じた。
寂しい?
護りたい、それだけでいいと思っていたが、欲深くなるものだな、
アシュベルは心の中で苦笑する。
エレナが切り出す。
「覚悟は?」
「主が望むことならば。」
アシュベルの顔の曇りを気付かない振りをしているのか、エレナは笑う。
「上々だな。」
夕刻。
エレナのマナ・・あれはどういう意味で天から授かったのだ。
選ばれた者だけが受ける恩恵。
それなら彼女は?
未完成だと言ったリュカの言葉が思い出される。
では、完成されたエレナは元のエレナなのだろうか・・・。
あの夜から考えが纏まらない、それどころか同じ所を延々と巡っている・・。
駄目だ、どうにも頭に雑念が入る。
兎に角今日の訓練が滞りなく終わったら、それを確認してから文献を
もう一度漁ろう。
訓練生が教室からぱらぱらと解散していく。
一安心てところか。
注意深くアシュベルは様子を見守る。
矢を射られて以降、襲撃に備えていつ何時敵が襲って来ても臨戦態勢がとれ
る単語よう心の準備は常にしてある。
あいつ、セーデルの立場上、早々城近くの訓練場を二度も襲撃する事は無いと
思いたいが粘着質な性格の奴の事だ、警戒してもし足りない。
「ん?」
アシュベルが見を乗り出し、素早く柄を握る。
あの訓練生ふらついてる、その後ろの生徒も足がもつれる様に倒れ込んでいる。
おかしい、アシュベルが見渡すと、外に出たとたん皆地面に倒れ込んでいる。
そればかりか教官、配置に付かせた護衛、エレナを警護にあたらせていた役人まで。
・・・来たか!
突如アシュベルの前に、床に刻まれた魔術円陣が出現した。
おぞましい事に、その中央から黒マントを深々と被った輩がまるで地面から
生えてくるように現れた。
これは魔術円陣、魔法じゃない分、効果は薄いはず、なのにこの訓練場一帯を
掌握している?
今までの常識で対応していたら足を救われかねない。
「ヒメちゃん、リュカ、カリーナ、そこに居るか!?」
三人の影がアシュベルの後ろに並び立つ。
「三人ともいるよー!」
エレナの声が聞こえ安堵するアシュベル。
「ここの殆どが意識を失っている、今動けるのはお前らだけだ!」
自分を含めこの三人には前もって魔抵抗を上げる薬草を継続的に飲ましていた。
勿論本人たちには了解は取ってある。
これは魔術魔法どちらにも効くとされている薬草だ。
リュカ、カリーナともに戦闘は初めてだが、訓練生とはいえ彼らの実力は
アシュベル本人が認める程のものを有している。
勿論エレナに関しては言うまでもない。
しかし、セーデルの狙いはエレナだ、それを考慮するとなるべく彼女を
前線に出したくない。
黒マントの男は剣を抜き、何か呪文のような聞いたことの無い言語をを呟いた。
剣は呼応するように陰湿な闇を纏い、その者の命じるままこちらを切り抜けていく。
その動きはまるで肢体を上から糸で操られているように思える程人間味がない。
4人は飛散しながら攻撃を繰り出す。
カリーナが剣を地面に突き立て叫ぶ。
「大地よ、加護を!」
その切れ目から巨大な岩が幾つも盛り上がり黒マントの男を封じ込める。
女性ながら力強い一撃。
ここは一気に片をつける!
アシュベルは剣を天にかざし魔力を注ぎ込む。
リュカは抜いた刀を敵がいるであろう場所に振りぬいた。
リュカの氷が黒マントの居るべき場所で氷河のように辺り一面を凍らせる。
それでも。
ズズ・・という鈍い轟音と共に、巨石と氷河が揺らぎ、
二人の目の前で爆風と共に四方に砕け散った。
「これだけですかぁ・・?」
黒マントの顔は見えない、けれども紫色の唇は異様な程吊り上がり、人間の
それとは思えない。
その時。
「炎よ、我に従い滅殺せよ!」
満を持してアシュベルの魔力を溜めた炎が空を抉る様に渦を巻き黒マント
に直撃した。
無情に焼きつくす業火の海、これは流石に生きてはいないだろう。
そう全員が確信したとき、ゆらり、と火の中から人影が動いた。
それを見て愕然とするアシュベル。
まだ、立っていられるのか、生きているのか・・。
こんな魔法は見たことがない。
魔術円陣が出てる時点で魔法ではないのだが。
しかし。
魔術と呼ぶにはあまりにもそれとかけ離れた力が働いている。
あれは一体何なんだ、得体が知れない、人か妖魔か、それ以外の者か・・・
歴戦のアシュベルですら今自分が何と向かい合っているのか、分からなかった。
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