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第二章
第三十一話 操り人形の糸はすでにきれていた、自由を得た人形は自ら動き出す(改)
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「まだか・・」
アシュベルが一人小言を言っている。
苛立って居るようなそわそわしているような、何とも言えない表情をさっきから変えていない。
「エレナ様、なにかご不便はありませんか」
昨日の事もあってか、カミュ殿下はエレナの体調をきにする。
カミュ王子がエレナにあたたかい飲み物を手渡す、彼にとってはどんな権力を持った王ですら、彼女の力の前にはかすむのだろう。それは本来当然なことなのかもしれない、光のマナを持つ者はこの世界中の中、彼女一人なのだから、そして世界を救うカギとなるのも彼女自身、ということになるだろう。
「ご好意ありがとうございます、わたしは落ち着きました。それよりも負傷者が増え続けていますね、苦しみが伝わってくる・・・」
目の当たりにしなくても、運ばれてくる亡くなった兵士や負傷者は、彼女の五感に響いているようだ。
「大戦は続いていますから、エレナ様が気に病まれるのは分かりますが、これが現実なのです」
カミュ王子は申し訳なさそうに、だが、王子らしく毅然とした態度でエレナに語り掛ける。
「戦争は人を狂わせる、わたしはこれほど人の心が変わり、殺すことをためらっていた人が先陣を切っていく様を現実と捉えたくない、その奥底にあるのは守りたい人のために命を賭すこと、これは究極の優しさであり己の自我を壊さんとすると厳しさとが混在している。」
このままでは自我を崩壊させてしまう・・・。
いきなりばバサっとテントが開き兵士の一人があわててカミュ王子の御前にひざまずく。
「どうした!なにか戦況が変わったか」
カミュ王子は、あくまで冷静にその兵士に言葉をかける。
「伝令が、グラディス国からの使者が伝令をもってきたようです、是非上層部にその書簡をお渡ししたいとか・・・。」
やっと来たか。
アシュベルがその言葉に耳を傾ける、もし彼がまいた種ならそれはカミュ殿下のこころを大きく動かすことになるだろう。書簡といったな、アシュベルが思っている書簡であればそれがこの大戦の要になるはず、
とにかく書簡が自分の望むもので会って欲しいと、ただアシュベルはそう思う。
「使者をここ連れて参れ、」
この時代使者というものは戦乱の中でも相手の国に伝令を届ける役割があり、比較区的安全に伝令を届けることが出来た、だがその伝令の内容次第では王の怒りにふれ、その場で処刑されることもある。
カミュにはそういったことは起こらないと思いたいが、アシュベル、エレナともどもそれぞれに汗の滲む思いがぬぐえないでいる。
「ララ王女からの書簡にございます」
それはアシュベルが望んでおり、切望した書簡だった。
アシュベルが王女であるララ殿下に伝令を送りつけるなどという事はありえない、しかし、この戦争を止めるためにベネットにおくった伝令を王女であるララ様が見てくれたなら・・・それは戦況を180度変える魔法のような事態が展開されるだろう、そこにアシュベルは一筋の希望を託した。
ベネットに託した伝令は無事王女に渡ったのだ、これはいちかばちかのかけではあったが、エレナ同用ララ王女も賢い、その伝令の意を理解してくれたようだ。
アシュベルがベネットにあてた伝令にはこう書かかれていた。
「わたしアシュベルの指示に従ってもらい、王女をお守りするのが側近の役目、この戦乱が起きている時は常にお側に仕える事。王女側近である貴君より殿下へ伝えてほしい。殿下の御身をお守りするため夜会にて珍し気に見てくださった炎の色を宿した赤い目のわたくし第一近衛隊隊長であるアシュベル・オーギュストの名に誓い、城を必ず死守するよう命を賭してアルガノット国にやすらぎをもたらすということ。なおこの伝令は城を守るうえで敵国の者に見つかると各近衛隊の配備が明らかになってしまうので、王女へ伝えた後は燃やしてしまう事を命じる」
やすらぎ、それはこの伝令では死を意味するだろう、だが気付いた者はそれが真逆の者であると分かるはず、気付いてくれさえすれば。
そして、王女はそれに気づき理解してくれたようだ、セーデルに見つからないよう、ベネットの手によりこの書簡をここまで届けてくれた!
恩に着る、捕われたの姫君、必ずセーデルから解放して差し上げねばならない。
王女はベネットから隠密に渡された伝令が誰からのものか、まず確かめた、それがセーデルのものではないことを念入りに確かめなければならなかった。ララ王女はセーデルが自分の名をかざし、彼女の本意ではないことをしている事をここ数年はっきりと認識できるようになっていた。
だが、彼のこの国においての力は侮れない、ララ王女が誰かに助けを求めようものなら、その者は暗殺されてしまうだろう、だからこそ、機会をうかがって彼から逃れる方法を模索していた。
そんな時アシュベルという近衛隊隊長から届けられた伝令は彼女にとって好機とも捉えられるもので、セーデルの策略でないことを確認するため、便箋、封筒、筆跡、それを確認して初めて内容に目を通る。
夜会でのアシュベルの行動はセーデルを翻弄させているように見え、セーデル自身もアシュベルと距離をとりたがっているように見えた。
そんな彼から送られたものだとしたらかなり信ぴょう性のある者に思える、そして彼の赤い瞳にかけた文脈はなんなく王女につたわり、暖炉の前でその伝令を火にかざしてみると、文字がうきあがっていた。
そしてそこには貿易の再開と隣国への救済措置を取るべきだと書かれていた。
セーデルの位置を把握すると、ララ王女は、貿易再開の許可と物資の調達を行い荷馬車にて届ける事を、王家の紋章を使いベネットに手渡すことに成功した。
この王家の紋章は意味深い、領土間戦争には国は口を出せないが、国同士となればやはり王族が取り仕切ることになる、これはララ王女殿下の初めてのセーデルへの反逆、と言ってもいい。
操り人形だとばかり思っていた王女は、知識を吸収し政治の勉強を怠らずセーデルという人間を
長い間観察してきた。
操り人形の糸が切れたのは、自我の芽生えと共に両親の暗殺に疑惑を持ったからだ、その経緯は克明に記されているもののどこか不自然な程賊の痕跡が残っている、それなのにその賊は今も行方不明のまま。
王と王妃が殺されたというのに、賊も捕らえられぬほど城の警備はたやすいものではない、ましてや金品も奪わずに逃げとは御粗末すぎるのではないだろうか。
操り人形は、見えない糸でセーデルを騙しながら、いつかくるチャンスを窺っていたのだ。
アシュベル・オーギュスト、彼は自身の危険をかえりみずこの伝令を届けた。
これがどれほどの効力になるかはララ王女には理解できないが、大戦を止めるわずかな手立てとなるなら
危険を冒しセーデルの目をすり抜けてでもララ王女自身の意思を表明すべきだと感じた。
アシュベルは書簡に見入るカミュに諭すようにいう。
「カミュ殿下、これは我が国最高の地位にいらっしゃるララ王女殿下からの重要な書簡です、これをお読みになればこの大戦の意義がはなくなりアルガノット国との和平の道を探ることが出来るはずです、どうかよくお考えになってください」
アシュベルが一人小言を言っている。
苛立って居るようなそわそわしているような、何とも言えない表情をさっきから変えていない。
「エレナ様、なにかご不便はありませんか」
昨日の事もあってか、カミュ殿下はエレナの体調をきにする。
カミュ王子がエレナにあたたかい飲み物を手渡す、彼にとってはどんな権力を持った王ですら、彼女の力の前にはかすむのだろう。それは本来当然なことなのかもしれない、光のマナを持つ者はこの世界中の中、彼女一人なのだから、そして世界を救うカギとなるのも彼女自身、ということになるだろう。
「ご好意ありがとうございます、わたしは落ち着きました。それよりも負傷者が増え続けていますね、苦しみが伝わってくる・・・」
目の当たりにしなくても、運ばれてくる亡くなった兵士や負傷者は、彼女の五感に響いているようだ。
「大戦は続いていますから、エレナ様が気に病まれるのは分かりますが、これが現実なのです」
カミュ王子は申し訳なさそうに、だが、王子らしく毅然とした態度でエレナに語り掛ける。
「戦争は人を狂わせる、わたしはこれほど人の心が変わり、殺すことをためらっていた人が先陣を切っていく様を現実と捉えたくない、その奥底にあるのは守りたい人のために命を賭すこと、これは究極の優しさであり己の自我を壊さんとすると厳しさとが混在している。」
このままでは自我を崩壊させてしまう・・・。
いきなりばバサっとテントが開き兵士の一人があわててカミュ王子の御前にひざまずく。
「どうした!なにか戦況が変わったか」
カミュ王子は、あくまで冷静にその兵士に言葉をかける。
「伝令が、グラディス国からの使者が伝令をもってきたようです、是非上層部にその書簡をお渡ししたいとか・・・。」
やっと来たか。
アシュベルがその言葉に耳を傾ける、もし彼がまいた種ならそれはカミュ殿下のこころを大きく動かすことになるだろう。書簡といったな、アシュベルが思っている書簡であればそれがこの大戦の要になるはず、
とにかく書簡が自分の望むもので会って欲しいと、ただアシュベルはそう思う。
「使者をここ連れて参れ、」
この時代使者というものは戦乱の中でも相手の国に伝令を届ける役割があり、比較区的安全に伝令を届けることが出来た、だがその伝令の内容次第では王の怒りにふれ、その場で処刑されることもある。
カミュにはそういったことは起こらないと思いたいが、アシュベル、エレナともどもそれぞれに汗の滲む思いがぬぐえないでいる。
「ララ王女からの書簡にございます」
それはアシュベルが望んでおり、切望した書簡だった。
アシュベルが王女であるララ殿下に伝令を送りつけるなどという事はありえない、しかし、この戦争を止めるためにベネットにおくった伝令を王女であるララ様が見てくれたなら・・・それは戦況を180度変える魔法のような事態が展開されるだろう、そこにアシュベルは一筋の希望を託した。
ベネットに託した伝令は無事王女に渡ったのだ、これはいちかばちかのかけではあったが、エレナ同用ララ王女も賢い、その伝令の意を理解してくれたようだ。
アシュベルがベネットにあてた伝令にはこう書かかれていた。
「わたしアシュベルの指示に従ってもらい、王女をお守りするのが側近の役目、この戦乱が起きている時は常にお側に仕える事。王女側近である貴君より殿下へ伝えてほしい。殿下の御身をお守りするため夜会にて珍し気に見てくださった炎の色を宿した赤い目のわたくし第一近衛隊隊長であるアシュベル・オーギュストの名に誓い、城を必ず死守するよう命を賭してアルガノット国にやすらぎをもたらすということ。なおこの伝令は城を守るうえで敵国の者に見つかると各近衛隊の配備が明らかになってしまうので、王女へ伝えた後は燃やしてしまう事を命じる」
やすらぎ、それはこの伝令では死を意味するだろう、だが気付いた者はそれが真逆の者であると分かるはず、気付いてくれさえすれば。
そして、王女はそれに気づき理解してくれたようだ、セーデルに見つからないよう、ベネットの手によりこの書簡をここまで届けてくれた!
恩に着る、捕われたの姫君、必ずセーデルから解放して差し上げねばならない。
王女はベネットから隠密に渡された伝令が誰からのものか、まず確かめた、それがセーデルのものではないことを念入りに確かめなければならなかった。ララ王女はセーデルが自分の名をかざし、彼女の本意ではないことをしている事をここ数年はっきりと認識できるようになっていた。
だが、彼のこの国においての力は侮れない、ララ王女が誰かに助けを求めようものなら、その者は暗殺されてしまうだろう、だからこそ、機会をうかがって彼から逃れる方法を模索していた。
そんな時アシュベルという近衛隊隊長から届けられた伝令は彼女にとって好機とも捉えられるもので、セーデルの策略でないことを確認するため、便箋、封筒、筆跡、それを確認して初めて内容に目を通る。
夜会でのアシュベルの行動はセーデルを翻弄させているように見え、セーデル自身もアシュベルと距離をとりたがっているように見えた。
そんな彼から送られたものだとしたらかなり信ぴょう性のある者に思える、そして彼の赤い瞳にかけた文脈はなんなく王女につたわり、暖炉の前でその伝令を火にかざしてみると、文字がうきあがっていた。
そしてそこには貿易の再開と隣国への救済措置を取るべきだと書かれていた。
セーデルの位置を把握すると、ララ王女は、貿易再開の許可と物資の調達を行い荷馬車にて届ける事を、王家の紋章を使いベネットに手渡すことに成功した。
この王家の紋章は意味深い、領土間戦争には国は口を出せないが、国同士となればやはり王族が取り仕切ることになる、これはララ王女殿下の初めてのセーデルへの反逆、と言ってもいい。
操り人形だとばかり思っていた王女は、知識を吸収し政治の勉強を怠らずセーデルという人間を
長い間観察してきた。
操り人形の糸が切れたのは、自我の芽生えと共に両親の暗殺に疑惑を持ったからだ、その経緯は克明に記されているもののどこか不自然な程賊の痕跡が残っている、それなのにその賊は今も行方不明のまま。
王と王妃が殺されたというのに、賊も捕らえられぬほど城の警備はたやすいものではない、ましてや金品も奪わずに逃げとは御粗末すぎるのではないだろうか。
操り人形は、見えない糸でセーデルを騙しながら、いつかくるチャンスを窺っていたのだ。
アシュベル・オーギュスト、彼は自身の危険をかえりみずこの伝令を届けた。
これがどれほどの効力になるかはララ王女には理解できないが、大戦を止めるわずかな手立てとなるなら
危険を冒しセーデルの目をすり抜けてでもララ王女自身の意思を表明すべきだと感じた。
アシュベルは書簡に見入るカミュに諭すようにいう。
「カミュ殿下、これは我が国最高の地位にいらっしゃるララ王女殿下からの重要な書簡です、これをお読みになればこの大戦の意義がはなくなりアルガノット国との和平の道を探ることが出来るはずです、どうかよくお考えになってください」
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