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中等部編

第30話 破壊と創造 後編

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「さっさとやるぞ。」
「おっけー。」

白髪の少年は手持ちから何かを取り出した。
それは特典武器のD2018だった。

「これが最近手に入ったってやつだね。」
「使えるのか?」
「多分ね」

少年は手をかざす。すると目の前に銀の輪が出現し大量のD2018が現れた。
「んーとりあえず発射ー」

出現した武器は意思を持っているかのように目標の方に向き発泡を開始した。
一瞬にしてイージス艦の船首が蜂の巣になり反対側が見える、それはショットガンを連射したかのようだった。

「結構楽しいね、これ。」

男は弾丸の嵐を残像が見えるスピードで器用に回避しながら、二人に近づきオーラに手を伸ばす。
「ダメっぽいね。人間辞めたような動きしてるし、回避系かなぁー?」

するとオーラに触れた男の手が消滅しだすがオーラを抜けると新たに手が生成される。
呆れながら白髪の少年がつぶやく。

「ほんっと君たち・・・不老不死が好きだねぇ・・・。ある意味すごいよぉ。」
「感心してる場合か。複数持ちって事は奪われるってことだぞ。」
「はいはい。」

次の瞬間オーラ内部の男の手に禍々しい剣が現れる。
男がニヤリと笑いつぶやく。

「奪われて死ね。」

白髪の少年が手をかざそうとする。

「遅い!ダーティーソード!」

次の瞬間刃が光り、二人の首が宙に舞う。

糸が切れたように二人の体がその場に倒れる。

そして男の視界にメッセージが移る。

---スキル 創造を取得しました。---
---スキル 破壊を取得しました。---

男が高笑いをして叫ぶ。
「ハハハッ。殺害と奪取完了!」

早速、男は奪ったスキルの能力を確認する。

創造・・・見たことがある物質を生成する

「名前と効果が一致しないが・・・便利だな。」

そう呟いた瞬間、男の後ろから声が聞こえた。

「でしょー?こんな使い方もできるからねー。」
「なっ・・・」
男が振り向こうとした瞬間、男の頭が漆黒の箱に覆われる。

ゴトッ!

鈍い音と共に漆黒の箱と男の体が分離する。


少年は手をかざす。
すると目の前に死んだはずの黒髪の少年が出現する。

「破壊よろしくー」
「あぁ。」

黒髪の少年が漆黒の箱に触れると、一瞬で消滅した。
「任務完了だね。」
「あぁ俺達も消えるか。」

そしてオーラに触れて少年達は塵になって消えた。


ロミウル王国ー王城内
豪華な装飾のされた椅子に二人の少年が座っていた。
「ってことで苦労したんですよー。」
「苦労したのは俺達のコピーだろ。」
「作戦の立案が苦労したってことだよ お に い ち ゃ ん」
「ったく、俺の身長が2cm大きいからってそう呼ぶなよ兄貴。」
「いいじゃん。」

二人の少年の前で真面目そうな男が話す。

「二人共ご苦労でした。ですが奪取者が使用したと思われる武器ダーティーソードや一部の武器が未だに発見できておりません。」
「もしかしてそういうスキルもあるのかなぁー」
「かもしれないな、用心しておこう。」

白髪の少年が手を差し出す。
すると手にダーティーソードが出現する。
「はい、アダちゃん。」

少年はその真面目そうな男にその剣を渡す。
「ありがとうございます、ミュレ様。オリジナルはこちらで捜索いたします。」
「よろしくねー」
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