ものひろいの能力もらったけど魔法と恋愛に夢中です。

紫雲くろの

文字の大きさ
30 / 67
中等部編

第29話 破壊と創造 前編

しおりを挟む
テウリアから遥か北のロミウル王国ー王城内の応接間。
調達の担当者が腕時計を見ながら今か今かと約束の時間を待っていた。
そして入り口の兵士が扉を開ける。

「きましたか。」

扉の奥から城の気品さとは不釣り合いな不気味なオーラを纏った商人が歩いてくる。

「今日はお時間いただきありがとうございます。アダ殿」
「それで、今日の用事というのは?」
「例の品の紹介となります。」
「おぉ、ということは特典武器ですかな?最近市場にも出まわらないと聞きましたが。」
「はい。それも上物にございます。」
「ほう。このご時世に上物とはありがたいですな。」

商人はアタッシュケースを取り出しその上部をゆっくりと開ける。
光があたり一つの武器が現れる。

そのアサルトライフルに近いボディーは不思議な禍々しい模様をしていた。

商人はそれに手をかざしスキルを発動させる。

「アイテム鑑定スキルによると武器名 D2018 風属性の銃器にございます。威力も申し分ないかと・・・」
「おぉ、素晴らしい!芸術性と実用性・・・・特典武器の特徴ですね。」
「はい。手に入れるのに苦労しました。」
「そうでしょう。お代のほうは弾まさせていただきます。」
「ありがとうございます。アダ殿」

商談が終わる。
商品を受け取った担当官が満足気な表情をする。

「これで我が国がまた一歩リードできますね。」

そして近くにいた兵士に声をかける。

「おい、ミュレを呼び出せ。」
「はっ!」






極寒の地で転生者がもたらしたであろうイージス艦を主とした、連合艦隊が流氷を割りながらロミウル王国へ向けて進軍中だった。
よほど氷が厚いのか戦車も周辺に展開していた。


その遥か上空ーステルス戦闘機内

操縦者らしき男が乗っている二人に話しかける。
「作戦遂行地点上空です。」

白髪の少年がつぶやく。
「オッケー。こっちはいつでもいいよ。」
その声を聞いて黒髪の少年も呟いた。
「あぁ、こっちもだ。」

操縦者がボタンを押し貨物投下用ハッチを開ける。
そこから極寒の風が音を立てながら入り込む。
「では作戦開始ですね。グッドラック!」

「んじゃーねー」
「了解。」

二人は勢いよくハッチから飛び降りる。



艦長に連合艦隊の対空監視員が連絡が入る。
「上空から対人反応2、おそらく双子です!」
「なに!?ということは破壊と創造か・・・戦闘態勢に移行、撃ち落とせ!」
「はっ!」


落下しながら白髪の少年が艦隊を見つけつぶやく。
「ひゃっほー。あれが目標かな?」
「だな。」

艦隊の砲台が複数光り、ミサイルの砲台が連続で煙を上げる。
白髪の少年がニコリと笑い黒髪の少年の方を向く。

「おぉ!?まずいね、頼むよ兄さん。」
「お前が俺の兄貴だろ・・・ったく。」

呆れ顔で黒髪の少年が手をかざす。すると二人を紫のオーラが包む。

そしてオーラに飛んできた砲弾は触れたところから消滅していった。

「やっぱ、すごいなぁ弟の破壊は。僕はかなわないよ。」
「ふざけるのも大概にしろ、お前の番だぞ。」
「仕方ないなぁ・・・」

白髪の少年が手をかざす。
少年の周辺に銀色の輪が複数現れ稲妻が走る。

「うーん、時間かかるなぁ・・・」
空気が大きな振動を立てながら、銀色の輪の中心よりイージス艦が船首から徐々に生成されていく。

出現したイージス艦は重力の影響を受け徐々に加速しながら真下の艦隊に突っ込んでいく。
艦隊は火力を最大にしてそれを撃ち落とそうとするが、その質量に対してほとんど効果がなかった。

飛来するイージス艦は次々と艦隊のイージス艦の中央部に落下し、金属が悲鳴を上げながら沈む。
白髪の少年はそれを見ながら笑顔で手を降る。

「ばいばーい。」

双子は白旗のような煙を上げて沈んでいく艦隊を横目にゆっくりと氷の上に降り立つ。
しばらくして、氷に振動を伝えながら戦車の大群がこちらへと向かってくる。

それをみて白髪の少年は呆れる。
「ありゃりゃ。素直に沈んでればいいものを・・・。兄さんまた頼むよ。」
「あぁ。」

黒髪の少年は地面の氷に手を当てる。
次の瞬間二人を中心として、縦3mほどの衝撃波が水の波紋のように発生した。
それは氷を割りながら周辺を海に変えていき、戦車はそれに抗えず海へと沈んで行った。

「んじゃ、帰りますか。」
「まだ終わってないぞ油断するな。」

突然海が山のように盛り上がり潜水艦の頭が顔を出す。

「ありゃりゃ。」
「お前の番だぞ。」
「おっけー。」
一瞬少年の手が光る。

潜水艦が横になった瞬間、突然メキメキと音を立て出す。
するとイージス艦の船首が海中から潜水艦を中心から真っ二つにして出現した。

出現したイージス艦の船首から不気味な男が現れ、あたり一面の海が凍った。

白髪の少年は元気よく男に挨拶する。
「やっほー、奪取者さん。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。

しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。 しかし―― 彼が切り捨てた仲間こそが、 実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。 事実に気づいた時にはもう遅い。 道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。 “荷物持ちがいなくなった瞬間”から、 アレクスの日常は静かに崩壊していく。 短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。 そんな彼と再び肩を並べることになったのは―― 美しいのに中二が暴走する魔法使い ノー天気で鈍感な僧侶 そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。 自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。 これは、 “間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる” 再生の物語である。 《小説家になろうにも投稿しています》

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる

暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。 授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく

かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。 ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!? 俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。 第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。 「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」 信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。 賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。 様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する! 異世界ざわつき転生譚、ここに開幕! ※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。 ※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

処理中です...