ものひろいの能力もらったけど魔法と恋愛に夢中です。

紫雲くろの

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中等部編

第45話 強襲

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「へー、ここが・・・」
「そうだよー」
石レンガを使って建築されていて、テウリアのギルドとは違った重厚感のある建物だ。
内部もテウリアは飲み屋に近い感じだったが、ここは静寂のある図書館のようだった。


見渡してみると声を荒げるものは居らず、皆粛々と書類やら装備のメンテをしている。

それを遮るかのように少年は走り出す。
「えへへー」

「ニコ、静かにな・・・・」

「うん。」

俺は受付に向かう。
「すいません・・・お聞きしたいことがあるのですが。」

「いらっしゃいませ。何でしょうか。」

「魔王城は何処らへんにありますか。」

受付役の女性は固まる。
周りの空気が一気に静まり返り、静寂が氷のように更に冷たくなる。
この状況やばいな・・・・。

「あのー。魔王様の討伐とか考えていらっしゃいますか??」

「お兄ちゃん。それだめだよー」

「どういうことだ??」

俺はニコの背に合わせてしゃがんで、耳を済ませる。
「ここ、魔王様のおかげで平和になったからー」

「魔王が当地してるってことか?」

「よくわからないけど。うん平和ー」

「おっけー」

受付の女性が改めて聞き直す
「あのー。大丈夫ですか??」

「あ、はい。大丈夫です。」

「で、目的としましては??」

よくわからないがとりあえず魔王に会ってみるしか無いと思ったので
適当に目的を合わせる。
「えっと魔王様にお城に招待されたのですが・・・・」

向こうから招待状(黒竜)を送りつけてきたのであながち間違っていないはず。

「えーっ、お兄ちゃん偉い人なのー!?」

その言葉を境に静寂が融け出す。
「おい、あいつ」

「まじか・・・・」

受付の女性は目を輝かせて喋りかけてくる。
「おぉそうでしたか!!ご無礼を失礼致しました。」

立て続けに女性は案内する。
「ささ、こちらの地図を・・・」

地図を見てみると北のロミウル王国よりも北のほうに行くと魔王城のようだ。
そしてアルドリアからはかなり離れている。それを一瞬で超えてきたようだ。
「えぇ、ですからここが魔王城となっております。ですが・・」

地図をニコが指さして言う。
「ロミウル王国は危ないんだよー。」

「で、ございます。」

「あぁ、それはわかっているが・・・」

「であれば、時間はかかりますが迂回路を取ると行った形で移動されては?」

「そんなことできるのか?」

「うん。はやーい、ソリがあるよー」

「そんなものが・・・・」

「でございます・・・でこちらの方は??」

「僕、お兄ちゃんの将来のお嫁さんー」

「らしいです・・・。」

「ふふっ、あらあら。」

「となると、魔王様をお待たせするわけにはいけませんのですぐさま出発したいのですが・・・」

「えぇ、素晴らしいと思います。ですが道中モンスターが出る可能性があるので用心棒をつけてみてはいかがでしょう。」

「えぇ!?お兄ちゃん・・・行っちゃうの??」

「あぁ、魔王様の用事が済んだら戻ってくるさ・・・・」

「うん!ニコまってるね!」

ということでギルドから紹介してもらった二人を載せて、
荷台を備えたソリのようなもので移動することとなった。


宿代を払った俺はソリを宿前に止めて別れの挨拶をする。

「ありがとうございました。お気をつけて」

「ありがとうございました。女将さん。じゃぁなニコ!」

「うん・・・えっとー」

なんか言いたいことがあるらしくしゃがんで聞き耳を立てる。
「お兄ちゃんもまたね・・・」

チュッ!

「!?」

それを見ていた女将が微笑む。
「あらあら、この子ったら。」

「少年にキスされるのは不思議な気分だなー」

「僕、女の子だよっ!」

「まじか・・・、ごめん・・・」

「んーなにがー?」

「いや・・・何でも無い。またな!」

「うんっ!」

「ということで・・・テムさん、アルさんよろしくお願います。」

「ういー」
「まかせろ。」

俺は少年に見送られながら街を出た。

街から1時間俺達は雪原の中にいた。
ほとんどのモンスターが魔法で一撃では倒せず、俺は苦戦していた。
「かなり強力なモンスターだな。」

用心棒二人はかなり強いのか、焦る様子はなくまったりと狩りをしているようだ。
テムはどうやら炎属性の大剣を使うようで、片手で軽々と振り回していた。
「そうですかねぇ、えい。」

アルは短剣使いでロモに劣らない速さでモンスターを切り付けて行った。
「やぁっ!」

「切りがないですね・・・」

テムはモンスターを真っ二つにしてから返事をする。
「そうっすか?いつもこんなかんじですけど。」

「魔王城まで後どれぐらいかかりますか?」

「あと4時間ぐらいですかねぇ・・・・」

「まじか・・・」

これは文明の利器を使わねば日が暮れそうな感じだった。
幸いタブレット端末は手持ちに予備がいくつかあったのである。
よく見ると平然としている用心棒二人は多少のダメージを受けていそうだ。
リンもアカネもいないし、しゃーないか・・・・

「あのー」

「なんすか??」
「なんだ??」

ということで俺は二人にタブレット端末を渡した。

「へー、自動で回復してくれるのはありがたいっすね。」

「助かる。」

渡してからというもの、先程よりもかなり進みが速くなったように感じた。

俺は拳を握りしめて思いを込める。
これで・・・・、魔王城まですぐのはず・・・・待ってろよナシェ・・・。

次の瞬間空から赤い光が降り注いだ。

辺りはその熱気で煙が舞い上がる。
ソリは急ブレーキで止まる。
「何!?これは!!」

「今度はなんすか??」

煙が晴れると一人の少女が立ちはだかる。
「そこのソリ止まりなさい!!」

俺はその魔法に見覚えがあった・・・・・ビームだ。
目の前に立ちはだかったのはリンだった。

「敵っすか?切っていいんすか??」
「ばか、待て、あれは人だ・・・・。」

「すいません知り合いです・・・・」

「ありゃ。」

俺はソリから身を乗り出して叫ぶ。
「リン!どいてくれ俺はナシェを助けに行きたいだけなんだ!」

「それは私も一緒です!!ですから私達と来てください!」

「断る。また攻撃するんだろ!?俺は急いでるんだ!!」

リンは悲しげな表情で呟く。
「残念です。」

次の瞬間四方八方からビームが飛んでくる。

俺達はビームの目標点となっているソリから飛び降りる。
次の瞬間ソリは炎上していた。

「だめか・・・」

「うひょー」
「倒していいのか?」

「痛めつけるぐらいで・・・・」

「りょ!」
「了解だ。」


「コウさん・・・・言ってもだめですか」
次の瞬間リンが右手を差し出すと大量の糸状のビームが発生し組み合わさっていく。
「この日のとっておきですが、仕方ないですね。」
すると糸が一本の剣として形の成した。

「いきますよっ!」

俺も聖剣を取り出し戦闘に備える。
「あぁ。」

リンはタイミングよく地面にビームを放ち白い煙を巻き上げている。

「くっ、これでは見えない!」


「えいっ」
テムは団扇のようにして大剣を振り回し白い煙を巻き上げる。
その瞬間リンがテムに切りつけようとした。

次の瞬間アルが短剣で防御する。
「油断しすぎだ。」

「アルちゃんこそやばいじゃん・・・」

「何!?」
リンの剣を防いだはずの短剣が一瞬で溶ける。

テムが呆れた顔で呟く。
「もういいって、下がって見てなよ・・・えいっ!」

テムはわざと大剣を叩きつけ白い煙を巻き上げた。
「きゃっ!」

「うーん、相手の武器のほうが上なのかなぁ・・・・」

「くっ、溶かせない・・・炎の武器か・・・・」

白い煙の中で見えないが足音や金属音は聞こえた。

煙が晴れるとボロボロの大剣を持ったテムが現れる。
「ごめんちゃい。負けちった。」
と呟くとテムはその場に座り込んだ。

「あとは・・・コウさんだけですね!」

リンが切りかかってくる。
さすが聖剣といったところか、リンの剣を相手にしても傷一つかない。

・・・にしても速い、日頃から鍛錬を積んでいたのだろう。
徐々にこちらが押し負けるのを感じた。
「そろそろ・・・終わりに・・しますね!」

「あぁ」
俺は仕方なく金具を飛ばす。

「何のこれしき!」

リンはもう片方の手でビームを板状に発生させ完全に溶かしきった。
「何!?」

「終わりですっ!」

次の瞬間リンが頭から雪に埋もれる。
「ぐふぅ!」

「マグネティックドール」
リンの後ろに砂鉄の人形が現れ、手で頭を抑えていた。
幸いにも足元が雪に埋もれていたため容易に砂鉄を展開できた。

「ふごふごー!!」

なにか言っているようだが・・・気にしないでおこう。
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