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第1章
私の豪運は職人を届ける。
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鍛冶の聖地テキア・・・テウリアから馬車で2日の場所に私達はいた。
街中から金属を叩く音が響き渡り、鍛冶屋の場所を示すかのように煙突から煙が上がっていた。
此処には伝説の職人が住んでいるという。
親方は、そいつしかいねえ!と言っていたが、私が思う信憑性は低い。
鍛冶屋の入り口のれんを掻き分け顔を出す。
「あのー」
「へい、らっしゃい!」
「此処に伝説の職人がいると聞いてやってきたのですが。」
「紹介はある?」
クッションが親方が書いた紹介状を見せる。
「ふーん。付いてきな!」
鍛冶場の裏の作業場を通り過ぎる。
そこにはトマトスープのように煮えたぎる溶けた金属が入っている大釜やら、
まるで花火を生み出すかのように鎚を振るうドワーフたちが居た。
彼らの目つきの怖さはテウリアの親方以上だった。
下手なことをしようものなら、殴られてトマトスープに放り込まれるだろう。
最奥の錆びきった扉を重く開けると暗い部屋に案内される。
「彼が・・・そうだよ・・・・。」
そこにはフードをかぶり、眼帯を付け、病んでそうな重篤な病(中2病)を患ったドワーフの少年がいた。
一見すると野垂れ死にそうなぐらいの人物だが、よく見るとただならぬオーラをまとっている。
少年はこちらを見つめると無愛想に呟く。
「なんか用?」
私は少年に設計図を見せる。
「これを作って欲しいんだけど。」
「いいよ。」
「即答かよ・・・・。」
やっと見つけた。これで・・・。
そのドワーフはレアちゃんを指差し呟く。
「その代わり・・・・その娘、頂戴・・・素材にする。」
は・・・??
その言葉にいきなり崖に突き落とされた気分になるも私は即答する。
「それは無理。この話は無かったことにして。」
「ご主人様、私でしたら・・・」
「絶対ダメ!」
大切な人を差し出すぐらいなら死んだほうがマシだ・・・。
それを想定していたかのようにドワーフは呟く。
「そう。なら、別の条件。」
「何?」
「龍の素材がほしいだけだから・・・・火山のドラゴンでも良い。」
絶対わざとでしょ・・・。性格悪いなこのドワーフ。
「じゃぁそっちで。」
「わかった。報酬は前払いしとくね・・・。」
「いいの?」
「できなかったら、殺すだけだから良いよ。」
は?何、このドワーフ・・・さっきから怖すぎる・・・。
「杖の素材は何使うのにゃ?」
ドワーフの少年はポケットから漆黒の鉱石を取り出す
それを見た、クッションの表情が強ばる。
「まさか、それは金喰鉱にゃ!?」
「そう、世界最強の金属。職人ドワーフが10年叩き続けてやっと小盾ができるから、金食い虫・・・。」
「は?10年叩いてやっと小盾の大きさって・・・。」
「うん、それ作るなら素材はこれしか無理・・・。」
「そんな・・・・。」
杖ぐらいの大きさなら途方もない時間がかかることになる。
私の豪運パンチで何とかなりそうな気もしなくもないが・・・。
次の瞬間、そのドワーフの少年が粘土を捏ねるように手で金喰鉱を握りつぶしてみせた。
「だけど、僕なら一時間。」
「は?」
「無茶苦茶ですね。」
「お前・・・何者にゃ・・・・。」
「僕は魔王軍四天王の一人・・・・最強の怪力・・・ムウ・・・。」
「ま、魔王軍四天王!?」
「そう。」
「大戦中ではないのですか?」
「大戦中だけど・・・休憩中。」
サボりか・・・。
3時間後、そのドワーフが工房から出てくる。
「はい。これで全部・・・。」
金属の箱に詰められた、その杖を見て私達は感動していた。
シンプルな杖ではあるが、その素材から来る漆黒の存在感は何人たりとも立ち入らせない、そんな気迫を放っていた。
「すごくね・・・・?」
「すごいですね。」
「すごいにゃ。」
「僕の自信作・・・こんな杖始めて見た・・・・。持ってみて・・・調節するから・・・」
私はその杖を持ってみる。
「お、重っ!」
「でもなんかかっこいいですよ、ご主人様・・・。私、なんかそそられちゃいます・・・。」
「いけそうにゃ?」
私は杖を持って構えてみる。
初めて持ったとは思えない密着度で自分の体の一部のように感じた。
「なんとかね・・・。」
「分かった。じゃぁ・・・カースドラゴン討伐よろしく。」
その言葉を聞いたクッションは表情が変わる。
「待つにゃ!お前・・・龍族最強格のカースドラゴンといったかにゃ?」
「そう。別の魔王軍の手下・・・・勝手に領地に入ってくるからそろそろ怒る。」
「は?これって・・・。」
「わ、私・・・・。」
レアちゃんが何かを察したようで・・・。
もしかしなくても不運発動しちゃってたりします?
「できないなら此処で死んでもらうだけ・・・。」
ドワーフは拳を握る。
「わかった。討伐してくる。」
「あ、それと・・・そいつの居る・・・あつあつ火山は僕が管理してるから勝手に入っていい・・・。」
クソダサ火山管理してるの、お前かーい。
街中から金属を叩く音が響き渡り、鍛冶屋の場所を示すかのように煙突から煙が上がっていた。
此処には伝説の職人が住んでいるという。
親方は、そいつしかいねえ!と言っていたが、私が思う信憑性は低い。
鍛冶屋の入り口のれんを掻き分け顔を出す。
「あのー」
「へい、らっしゃい!」
「此処に伝説の職人がいると聞いてやってきたのですが。」
「紹介はある?」
クッションが親方が書いた紹介状を見せる。
「ふーん。付いてきな!」
鍛冶場の裏の作業場を通り過ぎる。
そこにはトマトスープのように煮えたぎる溶けた金属が入っている大釜やら、
まるで花火を生み出すかのように鎚を振るうドワーフたちが居た。
彼らの目つきの怖さはテウリアの親方以上だった。
下手なことをしようものなら、殴られてトマトスープに放り込まれるだろう。
最奥の錆びきった扉を重く開けると暗い部屋に案内される。
「彼が・・・そうだよ・・・・。」
そこにはフードをかぶり、眼帯を付け、病んでそうな重篤な病(中2病)を患ったドワーフの少年がいた。
一見すると野垂れ死にそうなぐらいの人物だが、よく見るとただならぬオーラをまとっている。
少年はこちらを見つめると無愛想に呟く。
「なんか用?」
私は少年に設計図を見せる。
「これを作って欲しいんだけど。」
「いいよ。」
「即答かよ・・・・。」
やっと見つけた。これで・・・。
そのドワーフはレアちゃんを指差し呟く。
「その代わり・・・・その娘、頂戴・・・素材にする。」
は・・・??
その言葉にいきなり崖に突き落とされた気分になるも私は即答する。
「それは無理。この話は無かったことにして。」
「ご主人様、私でしたら・・・」
「絶対ダメ!」
大切な人を差し出すぐらいなら死んだほうがマシだ・・・。
それを想定していたかのようにドワーフは呟く。
「そう。なら、別の条件。」
「何?」
「龍の素材がほしいだけだから・・・・火山のドラゴンでも良い。」
絶対わざとでしょ・・・。性格悪いなこのドワーフ。
「じゃぁそっちで。」
「わかった。報酬は前払いしとくね・・・。」
「いいの?」
「できなかったら、殺すだけだから良いよ。」
は?何、このドワーフ・・・さっきから怖すぎる・・・。
「杖の素材は何使うのにゃ?」
ドワーフの少年はポケットから漆黒の鉱石を取り出す
それを見た、クッションの表情が強ばる。
「まさか、それは金喰鉱にゃ!?」
「そう、世界最強の金属。職人ドワーフが10年叩き続けてやっと小盾ができるから、金食い虫・・・。」
「は?10年叩いてやっと小盾の大きさって・・・。」
「うん、それ作るなら素材はこれしか無理・・・。」
「そんな・・・・。」
杖ぐらいの大きさなら途方もない時間がかかることになる。
私の豪運パンチで何とかなりそうな気もしなくもないが・・・。
次の瞬間、そのドワーフの少年が粘土を捏ねるように手で金喰鉱を握りつぶしてみせた。
「だけど、僕なら一時間。」
「は?」
「無茶苦茶ですね。」
「お前・・・何者にゃ・・・・。」
「僕は魔王軍四天王の一人・・・・最強の怪力・・・ムウ・・・。」
「ま、魔王軍四天王!?」
「そう。」
「大戦中ではないのですか?」
「大戦中だけど・・・休憩中。」
サボりか・・・。
3時間後、そのドワーフが工房から出てくる。
「はい。これで全部・・・。」
金属の箱に詰められた、その杖を見て私達は感動していた。
シンプルな杖ではあるが、その素材から来る漆黒の存在感は何人たりとも立ち入らせない、そんな気迫を放っていた。
「すごくね・・・・?」
「すごいですね。」
「すごいにゃ。」
「僕の自信作・・・こんな杖始めて見た・・・・。持ってみて・・・調節するから・・・」
私はその杖を持ってみる。
「お、重っ!」
「でもなんかかっこいいですよ、ご主人様・・・。私、なんかそそられちゃいます・・・。」
「いけそうにゃ?」
私は杖を持って構えてみる。
初めて持ったとは思えない密着度で自分の体の一部のように感じた。
「なんとかね・・・。」
「分かった。じゃぁ・・・カースドラゴン討伐よろしく。」
その言葉を聞いたクッションは表情が変わる。
「待つにゃ!お前・・・龍族最強格のカースドラゴンといったかにゃ?」
「そう。別の魔王軍の手下・・・・勝手に領地に入ってくるからそろそろ怒る。」
「は?これって・・・。」
「わ、私・・・・。」
レアちゃんが何かを察したようで・・・。
もしかしなくても不運発動しちゃってたりします?
「できないなら此処で死んでもらうだけ・・・。」
ドワーフは拳を握る。
「わかった。討伐してくる。」
「あ、それと・・・そいつの居る・・・あつあつ火山は僕が管理してるから勝手に入っていい・・・。」
クソダサ火山管理してるの、お前かーい。
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