豪運少女と不運少女

紫雲くろの

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第1章

私の豪運は姉妹喧嘩を届ける。

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テウリア領ーギルド

タブレット端末の前で少女とレアちゃんは叫ぶ。
「がんばえー、プイキュア!」

大きな箱を持った男が裏口から入ってくる。
「すいませーん、配達です。」

思い出したかのようにレアちゃんは走り出す。
「あっ、忘れてました!」

「此処にサインを。」

「此処ですね。」

「どうもー。」

「確か・・・これは、ご主人様のアレですね・・・。」

少女はふらつきながらゆっくりとそれを運ぶ。
「あわわわ・・・・。」

がっしゃーん

「いててて・・・。」

「レアちゃん・・・大丈夫?」

「大丈夫です、ご主人様。」

箱から大量のスフィアブレットが散らばる。

「大丈夫?おねーちゃん。」

少女がスフィアブレットを手に取り不思議そうに見つめる。
何かを察したのかこちらに話しかけてくる。
「おねーちゃん、なにこれ??」

「えーっと。スフィア・・・」

「は?何でこんなに大量に・・・。」

「ご主人様、言っておいたほうが・・・。」

「はぁ・・・。」

私は足元の金属製の箱を開けて、銃を見せる。

「これが私の杖。」

それを見た少女の目の色が変わる。
「なにこれ・・・・ちょー格好いい!!私もほしい!!」

「えー。壊れないから杖でいいじゃん・・・」

少女は泣きながら駄々をこねだす。
「いーやーだー。ほーしーいの!!」

「はわわわわ・・・・。」

その様子を見ていた周りの目がこちらに集まる。
私は観念したように慰める。
「わかった!わかったから、泣き止んで。」

「うぅ・・・・。もっと見せて・・・・。」

「はぁ・・・。クエスト取って来て。」

「うん。おねーちゃん」
嬉しそうに少女が依頼掲示板に向かった。

私は少女が取ってきたクエストを見る。
「うーん。コボルトの群れかぁ・・。ちょっと物足りないかなぁ・・レアちゃん、他の取ってきて。」

「はい。ご主人様!!」

レアちゃんが取ってきたクエストを見る。
「うーん。ワイバーンかぁ・・。威力見せたいから他のとってくるね。」

私は取ってきたクエストを見せる。
「こ、これを受けるんですか!?」

「うん。魔物の群れが住む屋敷の破壊ってクエスト。威力的にこれがいいかなって。」

「わくわく!」


・・・


テウリア領ー辺境

レアちゃんがクエスト資料を確認しながら屋敷を指差す。
「あれが目標の屋敷ですね。」

「お姉ちゃん。屋敷向こうだよ・・・・遠くない??」

「まぁ行けるでしょ。」


私とレアちゃんは屋敷から遠く離れた丘の上で、対物ライフル型の杖を取り出しセットしていく。
その様子を少女は目を輝かせながら眺めている。

私はスフィアブレットを取り出し弾倉に詰めていく。
「いつ見てもきれいですね・・・・。」

「わー。宝石みたい!」

「まぁ今日は特別だからね・・・。よいしょっと。」

「おねーちゃん・・・その杖の名前なに?」

「名前かぁ・・・・決めてなかったなぁ。」

魔法の対物ライフルだから・・・。マジックライフル辺りだろう。

「マジックライフルかなぁ・・・。」

「ダサい!やだ。」

「えー。」

「宝石みたいだから・・・マジカルシャイニーライフルがいいの!」

レアちゃんは微笑みながらそれに同意する。
「プイキュアに出てきましたもんね・・・」

最近のプイキュアはそんなに生々しいの・・・。
「そうなの?」

「うん!」

「はぁ・・・。」

私は気を取り直して弾倉をマジカルシャイニーライフルにセットする。

手でボルトを引き、スコープから屋敷を捉えて呼吸を整える。

「ふーっ」

引き金を引いた瞬間赤い閃光が銃口から発射され、スフィアブレットが飛び出す。

次の瞬間、遠くの屋敷が閃光に包まれ爆発した。
魔導兵器までとはいかないものの、普通に杖を使うよりは強力なようだ。

「おー。やっぱりいい感じ」

「わーっ!炎属性の魔法ね!」

「あっ!!」

あっ・・・??とは??
私はレアちゃんのその反応に嫌な予感を覚えた。

「まさか・・・」

「うぅ。間違えました。」

私の隣で感動していた少女は怒り出す。
「はぁ!?何やってんのアンタ!馬鹿じゃないの!?」

「うぅ・・・。すいません・・・」

大学生が小学生に怒られるような光景が広がる。
その情け無い大学生の様子に痺れを切らしたのか、
小学生が大学生のお尻を叩き出す。

パァン!

「あうっ!ちょ、ちょっと痛いです。」

「そんなん!だから!間違うん!でしょ!!」

更にお尻を叩き続ける。
パァン!パァン!
「あうっ!あうっ!」

「ちょっとそのぐらいに・・・」

「アンタも同罪でしょ!」

「確かに・・・」

小学生に高校生と大学生が怒られる異様な空間が広がる。
何故かレアちゃんはこちらを見つめると若干嬉しそうだった。
「はぁ・・・、はぁ・・・」

次の瞬間、屋敷のあった場所から大蛇が飛び出した。
「はぁ!?」

「当たりかよ!」

「か、勘違い・・・でした・・・」

小学生は最後の一発をかました。
パァン!
「あうっ!うぅ・・・何で・・・」

「ふん!お姉ちゃん!早く倒して!」

「おっけい」

私はその大蛇をスコープに捉えて引き金を引く。
次の瞬間、青色の閃光が大蛇を包み細切れにした。

「水魔法!?ちょっと!さっきは炎だったよね!?」

「だよ。」

「どういう事よ!」

「スフィアブレットで魔法の切り替えが出来るからね。」

「はぁ!?そんなのズルじゃん!」

「そうかなぁ?一発金貨500枚だし普通でしょ。」

「はぁ!?高級杖一本分じゃない!普通じゃないわよ!」

「まぁまぁ落ち着いてください。」

「アンタは黙ってて」
少女は更にお尻を叩いた。
パァン!

「あうっ。もう!!」

それを境にレアちゃんがふくれっ面をする。
次の瞬間レアちゃんが、小学生の腰を腕で固定してお尻を叩く。
パァン!

叩かれた少女は泣き出す。
「うえーん!痛いよーっ」

「痛いのはこっちですっ!いい加減に!しなさい!」
レアちゃんは連続で叩き出す。
パァン!パァン!

「ご、ごめんなさい!お姉ちゃーん」

何だ・・・この地獄のような姉妹喧嘩は・・・。

「とりあえずクエスト完了でいいかな?」

「いいと思います。ご主人様!」

「うっ。うっ。いいんじゃない・・・」

レアちゃんはこちらの顔を笑顔で見てくる。
「私のお尻を叩いていいのはご主人様だけですからね!」

「叩かないから安心して。」

「そう・・・ですか・・・。」
何故かレアちゃんはガッカリしていた。
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