豪運少女と不運少女

紫雲くろの

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第1章

私の豪運は祝杯を届ける。

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私は周辺の触腕の攻撃を避けながら、当ギルドの最高魔法責任者(CMO)の実践射撃に付き合っていた。
「よっと・・・。ロリ!そこっ!」

「リロだ!全く!」
少女は手慣れた様子で触腕に魔法を次々と叩き込む。

「ご主人様、ロモさん遅いですね・・・。」

「確かに・・・。」

私の脳裏にクッションの声が響く。
(苦しい・・・・、助け・・・・。)

「クッション!?」

私は手をかざす。
2つの金属製のケースを持ったクッションがぐったりとした様子で出現した。

「げほっ・・・。げほっ・・・・。」

「大丈夫!?」
「大丈夫ですか?」

「なんで・・・分かったにゃ・・・。」

「なんか頭の中で声がしたんだけど・・・。良かった。」

「テレパシーってやつかにゃ・・・。」

これもビーストテイマーの力だろうか・・・。
「そうかも・・・。」

「まぁ良いにゃ。早くやっつけるにゃ。」
2つのケースを勢い良く差し出す。

「ありがと!」
「えぇまかせなさい!」

私とロリは同時にケースを開け、息があったように準備していく。
少女にトパーズのようなスフィアブリットを見せつける。
「雷属性で同時に、海中のやつを叩くよ。」

「うん!おねーちゃん!」

スフィアブリットを装填しボルトを同時に勢い良く引いた。

私とロリは目で合図をした後に、それぞれ反対方向を目指し走り出した。
それを防ぐように周辺に居た触腕が次々と襲ってくる。
「結構多いね・・・。ロリ相手の様子をよく見て!」

「うん!これしき!!」

少女は軽々と触腕を避けていくが、その数の多さと銃の重さで足元がふらつき始める。
「わわわっ!!しまっ・・・。」

少女を襲おうとした、触腕に対して次々と魔法が打ち込まれる。
「お姉さんとして援護しますよ!!」

「ありがとう、レアおねーちゃん!」

船の側面へとたどり着くと海中に向かって銃を向けた。

「リロ!!行くよ!!」

「うん!」

爆音とともに海中に閃光が叩き込まれ、一帯が凄まじい黄色の光に包まれた。
光が収まると、船体全体が大きく揺れる。
「あわわわ。」

「んにゃ~っ!」


揺れが収まると勢い良く冒険者たちを襲っていた触腕が、
ぐったりその場に倒れ込んだ。
「お?やったっぽい?」

「やったー!!」

私達が喜んでいると、周りの冒険者たちも歓声を上げる。
「わーっ!!」
「おーっ!」

ある冒険者が騒ぎ出す。

「おい、あれを見ろ!」

その声が指し示す船首の方にはこの貨物船と同じサイズのクラーケンがぐったりと浮いていた。
次々と甲板の方方から歓声が湧き出す。

「でっか・・・。」

「ふええ、大きいですね。」

ロリがぐったりと座り込む。
「やった・・・。」

「やるにゃね・・・。」

しばらくして私はロリとハイタッチを交わす。
「やったね。」

ロリが私にひっついてくる。
「うん。おねーちゃん大好き!!」

「ずるいです!!私も!!」

「まぁ何とかなったにゃ。」

この海域の悪魔と称されていたクラーケンを倒した私達は船内で討伐記念バーティーを開いていた。
「こほん。テウリア領主としてここは・・・。
クラーケンの討伐を祝しまして乾杯にゃ!!」

一斉に歓声が上がる。
「わーっ!」

予め用意していたであろう料理に加えて、討伐したクラーケンを用いた料理が大量に並ぶ。
中央の大きなテーブルに並ぶは、イカ焼き、たこ焼き、シーフード焼きそばなど
イカ料理のオンパレードであった。

「う、うめーっ!!!」
「おいしいですね。」
「まずまずね!」

クッションは料理を頬張る私達を尻目に淡々と司会をこなす。

「であるからして・・・」

パンッ!!

そんなお祝いムード一色の会場に終わりを告げるように銃声が響いた。
「は?」

司会を務めていたクッションが額から血を流しながら
ゆっくりと仰向けに倒れる。
「クッション!」

「今度は何なの!」

「ロ、ロモさんが・・・!」


次の瞬間会場の照明が切れる。
次々とパニックになった人が大声を上げならがら暴れだし、
それを遮るかのように銃声が鳴り始めた。

「何!?」

私はこういった出来事を経験済みであった。
無論それに対する対象方法もアミさんから学んでいた。


私は冷静に、レアちゃんとリロを目の前の、
シーツの掛けられた机の中へと引きずりこんだ。
「ご主人様!」

「何すんのよ!」

「静かにして、多分盗賊の襲撃だから。」

涙目のロリはパニックのようで机から出ようとする。
「で、でもロモが・・・・助けに行かないと!」

少女の手を握る。
「殺されるからダメ・・・。ロモなら大丈夫。」

手をかざした。
「召喚されない!?」

少女は手を振りほどく様に暴れだし始めた。
「ほら、ダメじゃない。離して!!私が行かないと!!」

「リロさん、ダメですよ・・・。」

「おねーちゃんも離して!!」

パニック状態の少女を引き止めるにはさらなる衝撃を与える必要があった。

私は拳に力を込める・・・・止む終えない・・・。


少女の手を強く引き体をこちらに寄せると、顔を近づけた。
「な・・・!?」

私とロリの唇が触れ合う。
「んっ・・・。」

「ご、ご主人様!?はわわわわ・・・。」

「んー!!んー!!」
少女は暴れだす。

私はその抵抗を抑えながらキスを続けた。
「んっ・・・。」

キスが終わると少女はうっとりとした顔でこちらを見つめてきた。
「んぅ・・・・。お・・おねーちゃん・・・」

少女の頭を撫でる。
「いい子だから・・ね・・。」

観念したように、体をこちらに預けてくる。
「うん・・・。」

「う、羨ましい・・・。」
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