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嫌われたわけじゃないらしい
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「……どうですか…ご主人様…?」
僕は少し声を震わせながらご主人様にそう聞いた。
今はご主人様に頼まれて、肩たたきをしている。ご主人様に触れられるのは嬉しいけど、肩たたきというのはしたことが無いからいまいちコツが掴めない。
「すごく気持ちいいよ。上手上手。」
「本当ですか…!よかった…」
喜んでもらえたようでほっとする。ご主人様はくるりと振り返り、僕の表情を確認してまた前を向いてしまった。
僕の顔が気になるんだろうか?…確かに僕は可愛くないけど…買ってくれたしそこは気にしていないはず…
「僕の顔…何かついてましたか…?」
「いや?何もついてないよ。祐希くんの可愛い顔見たかっただけ。」
可愛いと言われて、つい顔が赤くなる。いつも暗い顔で働いていて、可愛くないと言われ続けていたから…顔を褒められたのは初めてで少し困惑した。
「肩たたきありがとうね。祐希くん…ニコニコして、嬉しいんだね。」
僕が返答する前に、僕の顔面にご主人様の拳がめり込んだ。僕は床に転がって鼻を押さえる。たらりと生暖かいものが鼻から垂れ、驚いてご主人様を見上げると…ご主人様は笑っていた。
「ああそうだ、祐希くん…明日買い物に一緒に行こうか。」
「……あ…はい…ご一緒、します…うれしい、です…」
うまく笑えたかわからない。痛みと困惑で僕の心の中はぐちゃぐちゃだった。こんな事、あの施設でもされてない。
✱✱✱✱✱✱
「祐希さん…!?その鼻血…どうされたのです!?」
「あ…はは…ちょっと…転んじゃって…」
部屋に入ると、丁度藤さんがおやつを用意してくれていた。藤さんは僕を見るなり驚いて、鼻にハンカチを当ててくれた。
「折れてはいないようですね。…痛みますか?」
「痛い…です。ごめんなさい…」
「謝ることはありませんよ。ただ…ご主人様に殴られたのでしょう?同じ従者に隠すことはありません。私でよければお話を聞くくらいはできますよ。」
藤さんは優しかった。僕はその後顔を冷やして、重症にならずに済んだ。ご主人様が僕を叩くようになったと藤さんに相談すると、藤さんは少し考えるような素振りを見せた。
「また新しい事を…今度は死なないか……」
「…藤さん…?」
「いえ。祐希さん、危なくなったらすぐに逃げるのです。貴方の部屋の、机の隠し扉にお金を入れておきました。それを持って逃げてください。」
藤さんの怖い顔に少し怯えつつ、僕ははい…と返事をした。
僕は少し声を震わせながらご主人様にそう聞いた。
今はご主人様に頼まれて、肩たたきをしている。ご主人様に触れられるのは嬉しいけど、肩たたきというのはしたことが無いからいまいちコツが掴めない。
「すごく気持ちいいよ。上手上手。」
「本当ですか…!よかった…」
喜んでもらえたようでほっとする。ご主人様はくるりと振り返り、僕の表情を確認してまた前を向いてしまった。
僕の顔が気になるんだろうか?…確かに僕は可愛くないけど…買ってくれたしそこは気にしていないはず…
「僕の顔…何かついてましたか…?」
「いや?何もついてないよ。祐希くんの可愛い顔見たかっただけ。」
可愛いと言われて、つい顔が赤くなる。いつも暗い顔で働いていて、可愛くないと言われ続けていたから…顔を褒められたのは初めてで少し困惑した。
「肩たたきありがとうね。祐希くん…ニコニコして、嬉しいんだね。」
僕が返答する前に、僕の顔面にご主人様の拳がめり込んだ。僕は床に転がって鼻を押さえる。たらりと生暖かいものが鼻から垂れ、驚いてご主人様を見上げると…ご主人様は笑っていた。
「ああそうだ、祐希くん…明日買い物に一緒に行こうか。」
「……あ…はい…ご一緒、します…うれしい、です…」
うまく笑えたかわからない。痛みと困惑で僕の心の中はぐちゃぐちゃだった。こんな事、あの施設でもされてない。
✱✱✱✱✱✱
「祐希さん…!?その鼻血…どうされたのです!?」
「あ…はは…ちょっと…転んじゃって…」
部屋に入ると、丁度藤さんがおやつを用意してくれていた。藤さんは僕を見るなり驚いて、鼻にハンカチを当ててくれた。
「折れてはいないようですね。…痛みますか?」
「痛い…です。ごめんなさい…」
「謝ることはありませんよ。ただ…ご主人様に殴られたのでしょう?同じ従者に隠すことはありません。私でよければお話を聞くくらいはできますよ。」
藤さんは優しかった。僕はその後顔を冷やして、重症にならずに済んだ。ご主人様が僕を叩くようになったと藤さんに相談すると、藤さんは少し考えるような素振りを見せた。
「また新しい事を…今度は死なないか……」
「…藤さん…?」
「いえ。祐希さん、危なくなったらすぐに逃げるのです。貴方の部屋の、机の隠し扉にお金を入れておきました。それを持って逃げてください。」
藤さんの怖い顔に少し怯えつつ、僕ははい…と返事をした。
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