奴隷を使った実験録。

まぐろ

文字の大きさ
21 / 50

ぬいぐるみと僕

しおりを挟む
『祐希くんもここの仲間入りだね。僕達と一緒に遊ぼうよ。』

僕がご主人様に無視を続けられて心がぼろぼろになっていた時。そのぬいぐるみは話しかけてきた。
きっと僕はおかしくなり始めているんだ。そう思って最初の方は無視していた。でも、日に日に喋るぬいぐるみが増えていく。ぬいぐるみ達は僕の心を読んでくるから、口を動かさなくても会話できた。

『祐希くんは可愛いね。僕達と違ってさらさらで綺麗な髪の毛もあるし。ああでも、身体がふわふわはしてないね。僕達は頭も身体も綿が詰まってるからふわふわだよ。』

そんな話を何回も繰り返して、ご主人様が僕を無視するのが当然だという認識になってきたとき、ぬいぐるみ達は僕にぬいぐるみにならないかと誘ってきた。友達と一緒になりたい、そう思って僕は承諾して、ご飯を一切食べず、なるべくじっとしているようになった。

『そうだよ。うまいうまい。もう少ししたら本当に動かなくなれるよ。人間は動かなくなると固くなるけど、祐希くんならきっと大丈夫だね。』

このあたりから記憶が飛んでいる。ただ何も考えず、ぬいぐるみが言うことだけを聞きながら天井を見つめていた。たまにご主人様が僕の事を見てニコニコしていた気がするけど、記憶が曖昧になっている。
このまま死ぬのかぁ、とぼんやり考えていたらご主人様がやっと話しかけてきた。でも、その後は覚えていない。

✱✱✱✱✱✱

「…という感じなんですけど…」

「なるほど…それではやはり祐希さんは今のままご主人様の所に行くのは危険ですね…ご主人様に会うときは、もとに戻る前の演技をしてください。」

「は…はい…わかりました…」

僕はぬいぐるみを抱きしめる力を強めた。元に戻してもらったはいいけど、この状態でご主人様と話すのが危険なら僕にはどうしようもない。僕が正気でいられたら可愛がってくれるというのは嘘だったんだろうか…それともご主人様の言う正気は今の僕じゃなくて…考えただけで悲しくなる。

「藤…?」

その時、ガチャリと部屋のドアが開いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【短編集】こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

月弥総合病院

僕君・御月様
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

守り守られ

ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師 患者 瀬咲朔 腸疾患・排泄障害・下肢不自由 看護師 ベテラン山添さん 準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん 木島 尚久 真幌の恋人同棲中

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

処理中です...