ユニークアイテムな女子(絶対的替えの効かない、唯一無二の彼女)「ゆにかの」

masuta

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第1章:広がりの章 〜運命の出会い〜

25 いざ京都へ

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冬の朝日が部屋に差し込んでも、二人は固く手を繋いだまま、深い眠りの中にいた。 
入り口で立ち往生していたのは千佳だ。SNSに動きがなく、朝食の準備も整っている。

本来ならプライベートを尊重すべきだが、時間は無情にも過ぎていく。
意を決してノックをしたが、返事はない。

「失礼いたします――」 千佳が覚悟を決めて扉を開けると、そこには昨夜の愛の深さを物語るように、全裸のまま眠る二人の姿があった。

「香織様、嘉位様。起きてくださいませ」 何度も声をかけ、ようやく八時二十分。
リモート授業の開始が迫ったその時、香織がようやく目をこすりながら体を起こした。
 「……ん、嘉位、おはよう。……あれ、私どうして裸なのかしら。……はっ! 千佳さん!?」 視線の先に冷静に立つ千佳を認め、香織の顔が一瞬で沸騰した。

「香織様、おはようございます。学校のリモート授業はよろしいのですか?」
「きゃあ! 嘉位、起きて! 遅刻しちゃう!」 慌てて揺り起こされた嘉位は、寝ぼけたまま「香織、おはよう……」と彼女の胸に手を伸ばす始末。
「嘉位! 今はそうじゃないの! 千佳さんが見てるわよー!」

嘉位が飛び起きたのは、スマートフォンの時計が八時三十分を指した瞬間だった。
「やばい! 千佳さん、ごめん、そしてありがとう!」 二人は大慌てで「見えるところだけ」制服を羽織り、髪を整えてパソコンを起動した。



   ***



千佳が満足げな笑みを浮かべて退出した後、画面の中では凛々しい制服姿の二人が並んでいた。
しかし、カメラに映らない机の下では、二人ともまだ一糸纏わぬまま……。 
無事にホームルームを終え、接続を切った瞬間、二人は顔を見合わせて爆笑した。

「香織、ちょっと立ってみて。……うわ、制服って下を履いてないと、ものすごくエッチに見えるんだな」
「嘉位! 何を言ってるの……。でも、確かに……姿見で見ると、なんだか変な気分ね」

鏡に並んで映る自分たちの姿に、香織は顔を赤くしながらも、新しい自分を見つけたような不思議な高揚感に包まれていた。
今日はこれから京都なんだから、変なこと考えないで着替えてごはんにしましょう!」
嘉位は「京都に着いてからのお楽しみだね」と、いたずらっぽく笑って着替えを済ませた。


旅の準備。香織がクローゼットから出してきた特大のスーツケースに、嘉位が目を丸くする。
「香織、二泊三日だよ? 一週間分はあるんじゃないか」
「えっ、変ですか? あれもこれも必要かと思って……」

「着替えは最小限でいいよ。向こうでも買えるしね」 嘉位のアドバイスで荷物をまとめ直し、香織は大人びたコートを羽織って鏡の前に立った。


「嘉位、どうかしら?」
「……うん、すごく綺麗だ。お姉さんになったみたいだね」

「ありがとう、嘉位」

嘉位は千佳に連絡を入れ、車の手配と明日のルートの確認を済ませた。
「エスカレーションは済んでいるね? よろしく頼むよ」 若き副社長の顔に戻った嘉位に導かれ、二人は千佳の見送りを受けて車に乗り込んだ。

東京駅は、冬休み前の混雑で熱気に満ちていた。
「ホームに行く前に、新幹線の楽しみを買い込もうか。香織、僕が何を買うか分かる?」
「ふふ、もちろん。……『まい泉』のカツサンドでしょ?」 「大正解! さすがだね」

カツサンドとお菓子、飲み物を買い込み、二人は新幹線ホームへ。 
ごった返す人混みを抜け、嘉位が導いたのは車両の中ほど。

「あれ、ここだけ急に静かだわ……」 香織が驚くのも無理はなかった。

嘉位が予約していたのは、広く静かなグリーン車の特等席。
「さあ、窓際へどうぞ。京都までは二時間ちょっとのデートだよ」

滑り出した新幹線の窓から、東京の街並みが遠ざかっていく。
隣り合う二人の手は、シートの下で再び固く結ばれた。


目指すは、冬の京都。 二人にとって初めての、そして忘れられない旅が今、始まった。
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