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序章
始まりの朝 ~この世界について~
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私は生まれてから7年間、とある島で暮らしていた。この頃の記憶はなかった。あの時までは・・・。
あの時、君たちと出会った瞬間から私の運命の歯車は動き始めたんだ・・・。
二年前の春
「ひさちゃん、ひさちゃん!起きて!早く逃げなきゃ。」
燃えている。家具や天井、壁。私の周り以外すべてが。恐い、熱い、苦しい、息ができない・・・。その時、二人の男の子が私に手を指しのべた。その手は、小さくて震えていたのに大きく強く見えた。私はその手をとろうとして、気を失ってしまった。
アラームの音がする。何だろ、懐かしくて、大好きな人たちの夢を見ていた。そんな気がする。あまり思い出せない。思い出そうとすると、頭がズキズキと痛む。昔からそうだ。夕姫はアラームを止めてゆっくり起き上がった。
「頭痛い・・・。」
時刻は7時30分。高校生の生活リズムとしてはよい方である。窓のカーテンを開けると、外では犬の散歩をしている女性とランニングをしている男性、テニスラケットを持ち朝練に行くと思われる女の子が歩いていた。いつも通りの朝である。
ひさきは制服に着替え、顔を洗い、髪を横一本に束ねて、荷物の準備をし、一階にあるリビングに向かった。ひさきの家は2階建ての一軒家であり、自室は2階の端にある。東南側にあるので、朝から日の光が入ってくる。寝起きの悪いひさきにとっては最適な部屋である。
「おはよう。朝ごはんできてるよ。」
この女性の名はアゲハ。ひさきの母親の姉である。ひさきの両親は、ひさきが6歳の時に亡くなっている。その際に、引き取り手がいなかったひさきを引き取ってくれたのがアゲハである。ピンクや赤など派手な洋服を好み、明るく優しく、おまけに美人である。見た目とは反し、家事は完ぺきにできる。アゲハは魔法道具を創る会社の若手社長で、29歳だ。
ここで、この物語の世界の説明をしよう。ここは、886年。魔法が存在する世界である。しかし、すべての人間に、魔法が使えるということではない。体内に魔力を保有できる器を持った種族のみが使えるのだ。その種族の名は、プエマと呼ばれている。現在のプエマは総人口のうち約2割ほどである。プエマは生まれつきというものではなく、成人してから突然魔法に目覚める例も少なくない。ひさきとアゲハは生まれつきこの種族だ。しかし、近年道具に魔力を付加させて魔力を持たないものにも魔法の使用が可能になった。それを開発しているのが、アゲハの会社である。
また、魔法を専門に学ぶ学校があり、ひさきはそこで日々学んでいる。陵桜学園。(りょうおう)魔法学部と付加学部があり、夕姫が行っているのは体内に魔力を持っているものだけがいける魔法学部だ。付加学部は、魔力を付加させた道具を使った勉強ができる。まだこの世界について教えなければならないことがたくさんあるが、長くて眠くなってはいけない。今はこの辺にしておこう。
「おはよう、アゲハさん。いつもありがとう。」
『どういたしまして。今日から新学期ね。転校生とか来るんじゃない?』
ひさきは焼き立てのトーストに、バターを塗りながら話をした。
「そういえばこの前、葵からそんな話を聞いたような・・・。」
キッチンから淹れたてのコーヒーを持ってきたアゲハはあきれたように言う。
『相変わらず葵はそういう情報、手にいれるの速いな。』
(アゲハさんも負けてないと思うけどな)
そんなこと思いながら、ひさきは急いで朝ご飯を食べ終えた。アゲハの手作り弁当をカバンに入れ、玄関に向かう。そのあとを、アゲハが追いスーパーのチラシを渡してきた。
『ひさき。毎度悪いんだけど今日も会社に泊まりになりそうなんだ。また葵に泊まってもらうように頼んでくれる?私からもメールしてみるけどさ。』
季節が春になると、アゲハの会社の魔法道具は飛ぶように売れ、忙しくなる。だから、毎年この時期になるとアゲハはあまり家に帰ってこなくなる。その代わり私が、寂しくないように葵が泊まりに来てくれるんだよね。
「わかった。葵に頼んでみるね。」
『あと、今日スーパーの特売日だからこれてきとうに買っといて。お肉でも買って、今日はしゃぶしゃぶにでもして。』
「やった!葵も喜ぶよ。」
『気よつけて。頑張ってね。』
「アゲハさんも。行ってきます。」
『行ってらっしゃい。』
(クラス分け、どうなってるかな?また、葵と同じがいいんだけど。)
『ひさき。おはよ!』
「葵、おはよう」
校門を通り過ぎ、入り口前の掲示板の前で、長い髪の毛をポニーテールにまとめた女の子が、ひさきにむかって手を振っていた。
葵は、さっきもはなしに出ていたけど私の大親友。噂好きのミーハーなんだけど、優しくて明るいから男女問わず人気者で友達が多いいの。私の自慢の友達なんだ。
『聞いて!私たち同じクラス!』
「本当!よかったー。葵と別れたらどうしようかと思った。」
ひさきはほっと胸をなでおろした。
『それより、注目すべきは転校生でしょ。どんな子か楽しみだな。』
ひさきと葵は、話しながら教室に向かった。
「葵ならすぐ仲良くなれるよ。」
『だといいな。お、この教室だ。』
3階の階段上がって、左側の1番端っこ。非常用出口に1番近いところだった。2-℮。これが、私たちの学ぶ場所だ。葵が教室の扉を開けた。
?「あれ、葵じゃん!同じクラスなの!やったー。」
?「本当だ、葵だ‼」
クラスの子の大半は、どうやら葵の友達らしい。20人くらいが葵のところに集まって、うれしそうに話しはじめた。
『なんだ、知ってる人ばっかで安心した。みんなよろしくね。』
葵はクラスメイトと楽し気に話していた。ひさきは、自分の席を確認し座った。
ひさきは小さいころから、記憶喪失だったこともあって人と話すことが苦手だった。だから、友達もおらず、アゲハも仕事が忙しくて、いつも公園で一人で遊んでいた。家が近所だった葵が、話しかけてくれてからずっと一緒にいるようになった。だから、葵には感謝しているし誰とでも仲良くなれる力に尊敬している。少し、やきもちを焼いていしまう時もあるけどね。
ひさきは今朝、アゲハからもらったスーパーの広告を出して、買うものをチェックしていた。
「えっと、しゃぶしゃぶだから、お肉と白菜と白滝と・・・、あと、ポン酢もなかったかもな・・・。」
『え!ひさきの家、今日しゃぶしゃぶなの⁉』
葵が、しゃべりながら前の席に座った。どうやら、クラスの子たちとの会話が終わったらしい。ちなみに、葵はひさきの席の前である。
「うん。今日は、特売日だからね。そうだ葵、今日から何日か泊まりにこれる?アゲハさん、仕事でしばらく帰れなくなるんだけど・・・。」
『あっ、もうそんな時期か。もちろん、可愛いひさき一人じゃ心配だもんね。しゃぶしゃぶ楽しみだなぁ。』
「ありがとう。でも、それが目当てでしょ。」
『ばれたか・・・・。』
葵は、いたずらっ子のように笑った。ひさきはあきれながら、広告をカバンの中にしまった。
さて、今回はここまで。次回は、いよいよ運命の少年とのご対面です。ここまで、読んで下さりありがとうございます。次回をお楽しみに❕
あの時、君たちと出会った瞬間から私の運命の歯車は動き始めたんだ・・・。
二年前の春
「ひさちゃん、ひさちゃん!起きて!早く逃げなきゃ。」
燃えている。家具や天井、壁。私の周り以外すべてが。恐い、熱い、苦しい、息ができない・・・。その時、二人の男の子が私に手を指しのべた。その手は、小さくて震えていたのに大きく強く見えた。私はその手をとろうとして、気を失ってしまった。
アラームの音がする。何だろ、懐かしくて、大好きな人たちの夢を見ていた。そんな気がする。あまり思い出せない。思い出そうとすると、頭がズキズキと痛む。昔からそうだ。夕姫はアラームを止めてゆっくり起き上がった。
「頭痛い・・・。」
時刻は7時30分。高校生の生活リズムとしてはよい方である。窓のカーテンを開けると、外では犬の散歩をしている女性とランニングをしている男性、テニスラケットを持ち朝練に行くと思われる女の子が歩いていた。いつも通りの朝である。
ひさきは制服に着替え、顔を洗い、髪を横一本に束ねて、荷物の準備をし、一階にあるリビングに向かった。ひさきの家は2階建ての一軒家であり、自室は2階の端にある。東南側にあるので、朝から日の光が入ってくる。寝起きの悪いひさきにとっては最適な部屋である。
「おはよう。朝ごはんできてるよ。」
この女性の名はアゲハ。ひさきの母親の姉である。ひさきの両親は、ひさきが6歳の時に亡くなっている。その際に、引き取り手がいなかったひさきを引き取ってくれたのがアゲハである。ピンクや赤など派手な洋服を好み、明るく優しく、おまけに美人である。見た目とは反し、家事は完ぺきにできる。アゲハは魔法道具を創る会社の若手社長で、29歳だ。
ここで、この物語の世界の説明をしよう。ここは、886年。魔法が存在する世界である。しかし、すべての人間に、魔法が使えるということではない。体内に魔力を保有できる器を持った種族のみが使えるのだ。その種族の名は、プエマと呼ばれている。現在のプエマは総人口のうち約2割ほどである。プエマは生まれつきというものではなく、成人してから突然魔法に目覚める例も少なくない。ひさきとアゲハは生まれつきこの種族だ。しかし、近年道具に魔力を付加させて魔力を持たないものにも魔法の使用が可能になった。それを開発しているのが、アゲハの会社である。
また、魔法を専門に学ぶ学校があり、ひさきはそこで日々学んでいる。陵桜学園。(りょうおう)魔法学部と付加学部があり、夕姫が行っているのは体内に魔力を持っているものだけがいける魔法学部だ。付加学部は、魔力を付加させた道具を使った勉強ができる。まだこの世界について教えなければならないことがたくさんあるが、長くて眠くなってはいけない。今はこの辺にしておこう。
「おはよう、アゲハさん。いつもありがとう。」
『どういたしまして。今日から新学期ね。転校生とか来るんじゃない?』
ひさきは焼き立てのトーストに、バターを塗りながら話をした。
「そういえばこの前、葵からそんな話を聞いたような・・・。」
キッチンから淹れたてのコーヒーを持ってきたアゲハはあきれたように言う。
『相変わらず葵はそういう情報、手にいれるの速いな。』
(アゲハさんも負けてないと思うけどな)
そんなこと思いながら、ひさきは急いで朝ご飯を食べ終えた。アゲハの手作り弁当をカバンに入れ、玄関に向かう。そのあとを、アゲハが追いスーパーのチラシを渡してきた。
『ひさき。毎度悪いんだけど今日も会社に泊まりになりそうなんだ。また葵に泊まってもらうように頼んでくれる?私からもメールしてみるけどさ。』
季節が春になると、アゲハの会社の魔法道具は飛ぶように売れ、忙しくなる。だから、毎年この時期になるとアゲハはあまり家に帰ってこなくなる。その代わり私が、寂しくないように葵が泊まりに来てくれるんだよね。
「わかった。葵に頼んでみるね。」
『あと、今日スーパーの特売日だからこれてきとうに買っといて。お肉でも買って、今日はしゃぶしゃぶにでもして。』
「やった!葵も喜ぶよ。」
『気よつけて。頑張ってね。』
「アゲハさんも。行ってきます。」
『行ってらっしゃい。』
(クラス分け、どうなってるかな?また、葵と同じがいいんだけど。)
『ひさき。おはよ!』
「葵、おはよう」
校門を通り過ぎ、入り口前の掲示板の前で、長い髪の毛をポニーテールにまとめた女の子が、ひさきにむかって手を振っていた。
葵は、さっきもはなしに出ていたけど私の大親友。噂好きのミーハーなんだけど、優しくて明るいから男女問わず人気者で友達が多いいの。私の自慢の友達なんだ。
『聞いて!私たち同じクラス!』
「本当!よかったー。葵と別れたらどうしようかと思った。」
ひさきはほっと胸をなでおろした。
『それより、注目すべきは転校生でしょ。どんな子か楽しみだな。』
ひさきと葵は、話しながら教室に向かった。
「葵ならすぐ仲良くなれるよ。」
『だといいな。お、この教室だ。』
3階の階段上がって、左側の1番端っこ。非常用出口に1番近いところだった。2-℮。これが、私たちの学ぶ場所だ。葵が教室の扉を開けた。
?「あれ、葵じゃん!同じクラスなの!やったー。」
?「本当だ、葵だ‼」
クラスの子の大半は、どうやら葵の友達らしい。20人くらいが葵のところに集まって、うれしそうに話しはじめた。
『なんだ、知ってる人ばっかで安心した。みんなよろしくね。』
葵はクラスメイトと楽し気に話していた。ひさきは、自分の席を確認し座った。
ひさきは小さいころから、記憶喪失だったこともあって人と話すことが苦手だった。だから、友達もおらず、アゲハも仕事が忙しくて、いつも公園で一人で遊んでいた。家が近所だった葵が、話しかけてくれてからずっと一緒にいるようになった。だから、葵には感謝しているし誰とでも仲良くなれる力に尊敬している。少し、やきもちを焼いていしまう時もあるけどね。
ひさきは今朝、アゲハからもらったスーパーの広告を出して、買うものをチェックしていた。
「えっと、しゃぶしゃぶだから、お肉と白菜と白滝と・・・、あと、ポン酢もなかったかもな・・・。」
『え!ひさきの家、今日しゃぶしゃぶなの⁉』
葵が、しゃべりながら前の席に座った。どうやら、クラスの子たちとの会話が終わったらしい。ちなみに、葵はひさきの席の前である。
「うん。今日は、特売日だからね。そうだ葵、今日から何日か泊まりにこれる?アゲハさん、仕事でしばらく帰れなくなるんだけど・・・。」
『あっ、もうそんな時期か。もちろん、可愛いひさき一人じゃ心配だもんね。しゃぶしゃぶ楽しみだなぁ。』
「ありがとう。でも、それが目当てでしょ。」
『ばれたか・・・・。』
葵は、いたずらっ子のように笑った。ひさきはあきれながら、広告をカバンの中にしまった。
さて、今回はここまで。次回は、いよいよ運命の少年とのご対面です。ここまで、読んで下さりありがとうございます。次回をお楽しみに❕
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