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おまけ2
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「貴方…地味ですわ!!」
高等部にすすんだソフィアが、学園の食堂で友人のシャルル・キャンベル侯爵令嬢とお茶を飲んでいると、いきなりそう言われる。
「…私ですか?」
「そうよ!!なぜ貴方のような人が殿下の横に並びますの!!恥ずかしくないのかしら」
数日前に合同で行われた卒業式典に、2人並んで正式に婚約者として人前に出てから何かと言われる事は増えていた。しかしここまではっきりと本人目の前にして言われたのは初めてである。
彼女はブランカ・パーシー伯爵令嬢。後ろに3人ほど従えてソフィアたちの前に立つ。
「この世の人とは思えないほど美しい殿下なのよ!!本来でしたらもっと相応しい方もいらっしゃるし自分から辞退するのが正しいのではなくて?いくらなんでも貴方では…地味すぎるわ!!」
良くて!!と勢いよく1人で喋りさっさと食堂から出ていった。
「なに?今の…確かブランカさんよね?」
シャルルがブランカが出ていった方を見ながら呆れる。
──地味…
◇◆◇
学園から帰ってきて自室に籠る。鏡を見ながら
──地味…地味って
ずっと自分はエドワードに認めてもらえてない、自分はダメだと思ってきたソフィアは、相応しくないと言われてもさほどショックも受けないが…
──それなりに肌も綺麗にしてきたし、髪の毛もいつも手入れしてもらってるし…でも顔とかはどうしようもないものね…?
「ソフィア様学園で何かありましたか?」
「ダリア。私って地味なのかしら?」
ボソッと言った一言だったが、はあ?何を言ってるんですか!!誰に言われたんです!!とメイドたちが騒ぎ出したので、慌てて大丈夫よと誤魔化したけど…失敗したわ…
「ソフィア!!学園で何があった!!」
「お父様大丈夫ですわ。何もございません」
「ダリアから聞いたよ!私の愛しのソフィアに誰が何を言ったのか!学園に抗議の手紙を…」
「ですから大丈夫ですわ」
こうなるとは思っていたが、何度も言っても聞いてもらえなかった。
次の日、スタンリー伯爵筆頭に朝からメイド総出で準備をされる。
「私のソフィアが1番輝くようにしてくれ!!」
「お嬢様の可愛らしさを全面に出して誰もが振り返るように!!」
ものすごく気合いの入った出で立ちに恥ずかしくなる。
──どうしましょ…
◇◆◇
「ソフィア。今日はすごいわね」
「シャルル言わないでくださいな」
確かに皆様振り返りますわ…舞踏会に行くようなドレスですものね…と。
「ドレスを派手にしても何も変わりませんことよ。貴方本当に…それで殿下の横に立てますか?」
「ちょっとブランカさんそれは…」
「シャルル待って」
ソフィアはブランカと向き合って
「私の努力が足りないのは分かってます。エドワード様に迷惑がかからないように気をつけますわ」
「大丈夫かしら?貴方にそれができて?」
「今まで以上に努力します!」
「それならよろしいですけど…では貴方、明日の休みはお暇かしら」
「え?」
その場にいた全員がびっくりする。
「お暇ですわね。では明日我が家にいらして!」
ブランカはまた1人で喋って出て行った。
──私今招待していただいたのかしら…?
なんとも言えない顔をしてシャルルの方に振り返ると肩を少しあげて頑張ってと突き放された。
◇◆◇
「ソフィア様…私も一緒に行って大丈夫なんでしょうか」
「ブランカさんから一緒にってお誘いいただいてるから…それに近くにいてくれると私が安心するわ」
「かしこまりました」
馬車がパーシー伯爵家前につく。緊張して降りるとパーシー家の執事が待っていてすぐに案内してくれた。
「ようこそ」
「招待ありがとうございます。ブランカさん」
上から下まで見られ、ふーとため息をつかれる。
「あなたがソフィアさん付のメイドかしら?」
「はっ…はい!」
ダリアがガチガチに緊張しながら答えると
「これがダメなのよ!!」
「「 !! 」」
「スタンリー家のメイドは可愛いを際だたせるのは得意みたいですけど、それではあの美しい殿下と並んだ時に合わないでしょ!!」
ブランカが持っていた扇をパチンと閉じるとズラっとメイドが並ぶ。
「やってあげて」
ニヤリと笑うブランカが見えた。
ものすごい速さでドレスを脱がされ、別のドレスを着せられ、髪型、メイクも全てやり直しお茶を飲んで待っていたブランカの前に立った時にはソフィアはかなり疲れていた。
「少しは見れるようになりましたわね」
「ブランカ…さん?あの…」
ドレスも今まで着てた色より少し濃いめで、デザインも身体のラインを少し強調した物。メイクもポイントを濃くして、いつものソフィアよりかなり大人っぽく仕上がっている。無理してる感じはなくソフィアによく似合っていた。ダリアはずっと何かを書いてブツブツ言っている。
「それでもやはり貴方が殿下の横に立つには物足りませんが…」
「私美しい人を見るのが好きですの。アイザック様とリザベル様なんて本当に理想ですの。貴方ももう少し…」
「あの…ブランカさんは私がお嫌いなのかと…」
キョトンとした顔でブランカが見てくる。
「そんな事一言でも言いましたかしら?何もせず殿下の横にいるのが我慢できないと言っただけですわ」
「でも、私が助言した次の日には少しは変える努力はされてましたし、殿下に相応しくなるように今後も努力されるんでしょ」
「でしたら私最大限手伝ってさしあげてよ。ソフィア」
ブランカのようにはっきり物言う人が近くにいなかった為、ソフィアは驚かされてばっかりだが
「よろしくお願いいたしますわ。ブランカ」
その後もブランカは喋り続け、ソフィアも楽しく過ごした。
その後学園では、可愛いをおすシャルルと大人っぽく綺麗にを勧めるブランカの間でソフィアが困ったように笑う事が多くなった。
月1のお茶会にて、ブランカプロデュースで出かけたソフィアを見て、エドワードが卒倒しかけたのはまた別の話である。
高等部にすすんだソフィアが、学園の食堂で友人のシャルル・キャンベル侯爵令嬢とお茶を飲んでいると、いきなりそう言われる。
「…私ですか?」
「そうよ!!なぜ貴方のような人が殿下の横に並びますの!!恥ずかしくないのかしら」
数日前に合同で行われた卒業式典に、2人並んで正式に婚約者として人前に出てから何かと言われる事は増えていた。しかしここまではっきりと本人目の前にして言われたのは初めてである。
彼女はブランカ・パーシー伯爵令嬢。後ろに3人ほど従えてソフィアたちの前に立つ。
「この世の人とは思えないほど美しい殿下なのよ!!本来でしたらもっと相応しい方もいらっしゃるし自分から辞退するのが正しいのではなくて?いくらなんでも貴方では…地味すぎるわ!!」
良くて!!と勢いよく1人で喋りさっさと食堂から出ていった。
「なに?今の…確かブランカさんよね?」
シャルルがブランカが出ていった方を見ながら呆れる。
──地味…
◇◆◇
学園から帰ってきて自室に籠る。鏡を見ながら
──地味…地味って
ずっと自分はエドワードに認めてもらえてない、自分はダメだと思ってきたソフィアは、相応しくないと言われてもさほどショックも受けないが…
──それなりに肌も綺麗にしてきたし、髪の毛もいつも手入れしてもらってるし…でも顔とかはどうしようもないものね…?
「ソフィア様学園で何かありましたか?」
「ダリア。私って地味なのかしら?」
ボソッと言った一言だったが、はあ?何を言ってるんですか!!誰に言われたんです!!とメイドたちが騒ぎ出したので、慌てて大丈夫よと誤魔化したけど…失敗したわ…
「ソフィア!!学園で何があった!!」
「お父様大丈夫ですわ。何もございません」
「ダリアから聞いたよ!私の愛しのソフィアに誰が何を言ったのか!学園に抗議の手紙を…」
「ですから大丈夫ですわ」
こうなるとは思っていたが、何度も言っても聞いてもらえなかった。
次の日、スタンリー伯爵筆頭に朝からメイド総出で準備をされる。
「私のソフィアが1番輝くようにしてくれ!!」
「お嬢様の可愛らしさを全面に出して誰もが振り返るように!!」
ものすごく気合いの入った出で立ちに恥ずかしくなる。
──どうしましょ…
◇◆◇
「ソフィア。今日はすごいわね」
「シャルル言わないでくださいな」
確かに皆様振り返りますわ…舞踏会に行くようなドレスですものね…と。
「ドレスを派手にしても何も変わりませんことよ。貴方本当に…それで殿下の横に立てますか?」
「ちょっとブランカさんそれは…」
「シャルル待って」
ソフィアはブランカと向き合って
「私の努力が足りないのは分かってます。エドワード様に迷惑がかからないように気をつけますわ」
「大丈夫かしら?貴方にそれができて?」
「今まで以上に努力します!」
「それならよろしいですけど…では貴方、明日の休みはお暇かしら」
「え?」
その場にいた全員がびっくりする。
「お暇ですわね。では明日我が家にいらして!」
ブランカはまた1人で喋って出て行った。
──私今招待していただいたのかしら…?
なんとも言えない顔をしてシャルルの方に振り返ると肩を少しあげて頑張ってと突き放された。
◇◆◇
「ソフィア様…私も一緒に行って大丈夫なんでしょうか」
「ブランカさんから一緒にってお誘いいただいてるから…それに近くにいてくれると私が安心するわ」
「かしこまりました」
馬車がパーシー伯爵家前につく。緊張して降りるとパーシー家の執事が待っていてすぐに案内してくれた。
「ようこそ」
「招待ありがとうございます。ブランカさん」
上から下まで見られ、ふーとため息をつかれる。
「あなたがソフィアさん付のメイドかしら?」
「はっ…はい!」
ダリアがガチガチに緊張しながら答えると
「これがダメなのよ!!」
「「 !! 」」
「スタンリー家のメイドは可愛いを際だたせるのは得意みたいですけど、それではあの美しい殿下と並んだ時に合わないでしょ!!」
ブランカが持っていた扇をパチンと閉じるとズラっとメイドが並ぶ。
「やってあげて」
ニヤリと笑うブランカが見えた。
ものすごい速さでドレスを脱がされ、別のドレスを着せられ、髪型、メイクも全てやり直しお茶を飲んで待っていたブランカの前に立った時にはソフィアはかなり疲れていた。
「少しは見れるようになりましたわね」
「ブランカ…さん?あの…」
ドレスも今まで着てた色より少し濃いめで、デザインも身体のラインを少し強調した物。メイクもポイントを濃くして、いつものソフィアよりかなり大人っぽく仕上がっている。無理してる感じはなくソフィアによく似合っていた。ダリアはずっと何かを書いてブツブツ言っている。
「それでもやはり貴方が殿下の横に立つには物足りませんが…」
「私美しい人を見るのが好きですの。アイザック様とリザベル様なんて本当に理想ですの。貴方ももう少し…」
「あの…ブランカさんは私がお嫌いなのかと…」
キョトンとした顔でブランカが見てくる。
「そんな事一言でも言いましたかしら?何もせず殿下の横にいるのが我慢できないと言っただけですわ」
「でも、私が助言した次の日には少しは変える努力はされてましたし、殿下に相応しくなるように今後も努力されるんでしょ」
「でしたら私最大限手伝ってさしあげてよ。ソフィア」
ブランカのようにはっきり物言う人が近くにいなかった為、ソフィアは驚かされてばっかりだが
「よろしくお願いいたしますわ。ブランカ」
その後もブランカは喋り続け、ソフィアも楽しく過ごした。
その後学園では、可愛いをおすシャルルと大人っぽく綺麗にを勧めるブランカの間でソフィアが困ったように笑う事が多くなった。
月1のお茶会にて、ブランカプロデュースで出かけたソフィアを見て、エドワードが卒倒しかけたのはまた別の話である。
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