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10 長期休暇
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テストの結果が発表された。学年1位はローズ、2位がアラン、4位にマルク、リオネルは11位でシルヴィが20位だった。
マルクは目標達成の順位だ。これで公爵家からの家庭教師などは必要なしと判断された。
「良かったですね」
「人の心配より自分はどうなの?」
「私は再追試もないし真ん中ぐらいなので上出来ですよ」
「シルヴィは細かい間違いが多かったよ。もう少し集中すればリオネルと同じくらいにはなったのに」
アランが回答用紙を見ながらブツブツ言っているがシルヴィは耳を塞いで聞いていない。
「テストも終わったから長期休暇に入るよね!みんなは家に戻るの?」
──夏休みよね!家帰って羽伸ばしたい
テストの後は2ヶ月近く長期の休暇が入る。寮に残ることもできるが、ほとんどの生徒が家に帰る。
「私はギリギリまで残ろうかと…」
「僕も残ろうかな」
「え?残るの?」
「俺も家に帰ってもすることないしな」
リオネルも賛同している。
──みんな残るならどうしよう…
「シルヴィ、残るとかダメだよ」
シルヴィが何を考えているのかお見通しのアランが先に忠告する。
「子爵ご夫妻泣いて大変な事になるから」
「そうだけど…」
大事な娘と離れた事がなかったシルヴィの両親は休みになったら早く帰ってきなさいと何度も手紙をよこしていた。
「それなら…みんなうちに来るのは?」
「「「「 は? 」」」」
その場にいた全員が目を丸くして驚いた。
「だってリオネルは叔母上様と必ず来るしアランもほぼうちにいるし、後2人くらい増えても大丈夫よ」
シルヴィはいい考えでしょと胸を張りみんなにドヤ顔を見せる。
「先に私帰って待っているからいつでも来て!!」
「待ってシルヴィ。まだお許しももらっていないのに勝手に言ったら…」
「アラン。お父様お母様がダメって言うと思う?」
アランはリオネルと顔を合わせ、はあと大きなため息を吐いた。
「大歓迎されるだろうね…目に浮かぶよ」
「でしょ!だからマルク様もローズもいつでも来てね」
「いいのですか?私行ってみたいです」
「僕は暇だったら行くよ」
満更でもない2人は少し楽しくなっていたがアラン1人は機嫌が悪かった。
リオネルがそばにやってきてこそっとつぶやく。
「シルヴィと2人の時間が減るとはいえ顔に出過ぎ」
「そんな事は考えてないよ」
むすっとしているアランを見てリオネルは笑う。
◇◆◇
休みに入る直前、担任のラオスから用事を頼まれたローズとシルヴィは職員室入口ホールで待っていた。
職員室は中に入ると大きく学年ごとに分かれていて、入口ホールを中心に半円を描いているように丸くなっていた。
2人が待っていると2年の区域からフレデリックが出てきた。
気がついた2人は頭を下げ、そのまま通り過ぎるのを待っていたが声をかけられ顔をあげる。
「2人は休みはどうするの?」
「私は少し学園に残ります」
「その後我が家にご招待したのでゆっくりする予定です」
「シルヴィの家に?」
「はい」
「ふーん」
──さすがに田舎まで来れないでしょ。殿下いない間にリオネルと距離つめてもらわないと!!
フレデリックは首を傾げ少し考えていたがにこっと笑い
「有意義な休みになるといいね」
と手を振って外に出て行こうとして、目線がシルヴィの手元に向けられた。
「つけてないの?」
「え?」
不意に声をかけられ、手を隠す。プレゼントでもらったブレスレットはアランに取り上げられたので手元にない。まさかそれを言う訳にもいかず
「引っ掛けて切れてしまうと困るので置いてあります」
「切れたらまたあげるからつけといて」
「え?」
──なぜ?
外に出ていくフレデリックを見ながらローズはちらっとシルヴィを見た。
アランにつけるなと言われ、フレデリックにはつけろと言われ頭を抱えて悩んでいるシルヴィに
「殿下はシルヴィがお気に入りなのね」
「違うわよ…あれはペットに首輪つけているのと同じ感覚なんじゃないの?おもちゃか何かと勘違いしてるのよ。もうどうしたらいいのよ」
──それは自分の側に置いておきたいと言う殿下の願望なのでは?
と言いかけてやめておいた。バタバタと奥からラオスが出てきて
「ごめんごめん、先にこれ教室で配ってくれる?」
とクラス人数分の書類を渡された。休暇中の過ごし方と宿題一覧が書かれた書類で、宿題の多さにシルヴィが驚いた。
「こんなにあるの?遊べないじゃない…」
「シルヴィの家で一緒にやりましょう。すぐに終わるわ」
「ローズと一緒ならなんとか頑張るわ」
教室まで戻り書類を配っているとラオスが入ってきて説明をはじめた。ある程度説明が終わると
「質問あるか?なければこれで終了だ。休み明けに元気に出てきてくれ」
すぐに帰る生徒やまだ残る生徒とバラバラになった。
シルヴィとアランはすぐに帰るのでその日中に用意をして馬車に荷物を乗せた。
「ローズ待ってるからね!マルク様も気が向いたら来てくださいね」
「またねシルヴィ」
「うん」
手をブンブンと振って馬車に乗り込みシルヴィとアランは家へ向かった。
マルクは目標達成の順位だ。これで公爵家からの家庭教師などは必要なしと判断された。
「良かったですね」
「人の心配より自分はどうなの?」
「私は再追試もないし真ん中ぐらいなので上出来ですよ」
「シルヴィは細かい間違いが多かったよ。もう少し集中すればリオネルと同じくらいにはなったのに」
アランが回答用紙を見ながらブツブツ言っているがシルヴィは耳を塞いで聞いていない。
「テストも終わったから長期休暇に入るよね!みんなは家に戻るの?」
──夏休みよね!家帰って羽伸ばしたい
テストの後は2ヶ月近く長期の休暇が入る。寮に残ることもできるが、ほとんどの生徒が家に帰る。
「私はギリギリまで残ろうかと…」
「僕も残ろうかな」
「え?残るの?」
「俺も家に帰ってもすることないしな」
リオネルも賛同している。
──みんな残るならどうしよう…
「シルヴィ、残るとかダメだよ」
シルヴィが何を考えているのかお見通しのアランが先に忠告する。
「子爵ご夫妻泣いて大変な事になるから」
「そうだけど…」
大事な娘と離れた事がなかったシルヴィの両親は休みになったら早く帰ってきなさいと何度も手紙をよこしていた。
「それなら…みんなうちに来るのは?」
「「「「 は? 」」」」
その場にいた全員が目を丸くして驚いた。
「だってリオネルは叔母上様と必ず来るしアランもほぼうちにいるし、後2人くらい増えても大丈夫よ」
シルヴィはいい考えでしょと胸を張りみんなにドヤ顔を見せる。
「先に私帰って待っているからいつでも来て!!」
「待ってシルヴィ。まだお許しももらっていないのに勝手に言ったら…」
「アラン。お父様お母様がダメって言うと思う?」
アランはリオネルと顔を合わせ、はあと大きなため息を吐いた。
「大歓迎されるだろうね…目に浮かぶよ」
「でしょ!だからマルク様もローズもいつでも来てね」
「いいのですか?私行ってみたいです」
「僕は暇だったら行くよ」
満更でもない2人は少し楽しくなっていたがアラン1人は機嫌が悪かった。
リオネルがそばにやってきてこそっとつぶやく。
「シルヴィと2人の時間が減るとはいえ顔に出過ぎ」
「そんな事は考えてないよ」
むすっとしているアランを見てリオネルは笑う。
◇◆◇
休みに入る直前、担任のラオスから用事を頼まれたローズとシルヴィは職員室入口ホールで待っていた。
職員室は中に入ると大きく学年ごとに分かれていて、入口ホールを中心に半円を描いているように丸くなっていた。
2人が待っていると2年の区域からフレデリックが出てきた。
気がついた2人は頭を下げ、そのまま通り過ぎるのを待っていたが声をかけられ顔をあげる。
「2人は休みはどうするの?」
「私は少し学園に残ります」
「その後我が家にご招待したのでゆっくりする予定です」
「シルヴィの家に?」
「はい」
「ふーん」
──さすがに田舎まで来れないでしょ。殿下いない間にリオネルと距離つめてもらわないと!!
フレデリックは首を傾げ少し考えていたがにこっと笑い
「有意義な休みになるといいね」
と手を振って外に出て行こうとして、目線がシルヴィの手元に向けられた。
「つけてないの?」
「え?」
不意に声をかけられ、手を隠す。プレゼントでもらったブレスレットはアランに取り上げられたので手元にない。まさかそれを言う訳にもいかず
「引っ掛けて切れてしまうと困るので置いてあります」
「切れたらまたあげるからつけといて」
「え?」
──なぜ?
外に出ていくフレデリックを見ながらローズはちらっとシルヴィを見た。
アランにつけるなと言われ、フレデリックにはつけろと言われ頭を抱えて悩んでいるシルヴィに
「殿下はシルヴィがお気に入りなのね」
「違うわよ…あれはペットに首輪つけているのと同じ感覚なんじゃないの?おもちゃか何かと勘違いしてるのよ。もうどうしたらいいのよ」
──それは自分の側に置いておきたいと言う殿下の願望なのでは?
と言いかけてやめておいた。バタバタと奥からラオスが出てきて
「ごめんごめん、先にこれ教室で配ってくれる?」
とクラス人数分の書類を渡された。休暇中の過ごし方と宿題一覧が書かれた書類で、宿題の多さにシルヴィが驚いた。
「こんなにあるの?遊べないじゃない…」
「シルヴィの家で一緒にやりましょう。すぐに終わるわ」
「ローズと一緒ならなんとか頑張るわ」
教室まで戻り書類を配っているとラオスが入ってきて説明をはじめた。ある程度説明が終わると
「質問あるか?なければこれで終了だ。休み明けに元気に出てきてくれ」
すぐに帰る生徒やまだ残る生徒とバラバラになった。
シルヴィとアランはすぐに帰るのでその日中に用意をして馬車に荷物を乗せた。
「ローズ待ってるからね!マルク様も気が向いたら来てくださいね」
「またねシルヴィ」
「うん」
手をブンブンと振って馬車に乗り込みシルヴィとアランは家へ向かった。
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