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13 噂
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昨日とは違い夢は見ないほどに深く寝ていたシルヴィはベネットに起こされた。
「起きてくださいお嬢様」
「んー…もう朝?」
「今日は体調大丈夫そうですね。よかったです」
背伸びをしてベッドから起きる。ベネットに手伝ってくれて朝の支度も着替えも早く終わる。
食堂まで行くと1番遅かったようでみんな揃っていた。
「おはようございます。遅くなりました」
「今日は体調大丈夫?」
「今日は絶好調です!」
食事を終えてトリスタンは仕事の為出かけた。アランも用事があると出ていった為シルヴィはフィナと食後のお茶を飲んでいた。
「お母様私今日はエリーの店に行ってくるわ」
「あらいいわね。用事なければ私も行くのに」
「お土産買ってきますね」
フィナの出発を見送り自分もそのまま歩いて出かける。ベネットがついて来てはいるが護衛などはつけていない。
「ベネット何食べる?」
「お嬢様先程朝食召し上がられたばかりですよ?」
「ケーキは別!!」
嬉しそうにしているシルヴィを見て微笑むが、歩きながらベネットが尋ねる。
「この頃変な噂があるんです」
「噂?」
「ぼやーとした人みたいな塊がウロウロしてるらしいのです」
「ちょっと怖い!私その手の話苦手なの」
シルヴィは両手で自分を抱きしめるようにクロスさせ腕を掴む。
「近づいては来ないみたいなので被害はないのですが…」
「何?」
「目撃情報から段々人里に近づいて来てるらしいのです」
シルヴィが苦手と知って少し怖がらせるような話し方で声も震わせてベネットは喋る。
「あーもう聞かない!怖いのダメ」
耳を塞ぎ真っ青になっているシルヴィを見てやりすぎたと思ったベネットがニコッと微笑んで
「あくまでも噂です。私は見たことありませんしね」
──お化けとか本当にダメなの私…お化け…?何か引っかかるな…なんだったかな?
怖い話を聞いて少し早足になったのもあってエリーの店にはすぐに着いた。
カランと鐘を鳴らしドアを開け店の中に入ると、先日とは違って種々さまざまなケーキが並んでいた。
「シルヴィ様いらっしゃいませ」
「おはようエリー」
「シルヴィ様だ!」
可愛らしい声で駆け寄ってきたのはエリーの娘、コレットだった。
シルヴィは駆け寄ってきたコレットを抱っこして笑う。
「コレット今日も可愛いわ。お店の手伝いをしてたの?」
「うん。シルヴィ様今日は何食べるの?」
「コレット!」
エリーは慌てて娘を戻そうとするがシルヴィはコレットを抱っこしたままケーキを選ぶ。
「コレットのお勧めを食べさせてもらえる?」
「うん。じゃああっちの席で座って待ってて」
コレットが店内奥に数席あるテーブルを指さすので、一旦下ろして席まで行く。
そっーと落とさないように慎重に、カタカタ音を鳴らしながらケーキを見すぎでより目になりながらコレットが持ってきてくれた。
「ありがとう。コレット」
一緒に飲むお茶を運んで来たエリーはすみませんと頭を下げたが、一人っ子のシルヴィはコレットが可愛くて仕方がない。
ベネットにもケーキを運んでくれてケーキをゆっくりと楽しんでいるとエリーがシルヴィに尋ねる。
「シルヴィ様はあの噂は聞きました?」
「え?」
「人のような物が何かを探してズルズルと歩いているけど、誰かに見つかると煙のように消えるみたいなんです」
──またお化けの話。私本当にダメ!
シルヴィが目に涙を溜めて首を振る。
「夜にしか目撃情報ありませんし、複数人いると出てこないみたいなので害はないですけどね」
「さすが情報通。私が聞いたのより具体的ですね」
屋敷の中では噂好きで情報通のベネットも、街の中心で人の集まるお店をやっているエリーには敵わないらしい。
「噂と言えば、アラン様が…」
エリーが思いついたように話かけたがすぐに口を押さえた。カランと鐘が鳴り入口にアランが入ってきたのが見えたからだった。
「アラン、どうしたの?」
「お付はベネットだけ?出かけるなら声かけてね」
アランが朝すぐ出かけたから…とは言えずお茶を飲んだ。
シルヴィはお土産用にケーキをいくつか選び屋敷まで持ってきてもらうことにした。
エリーの店を出て本屋と刺繍糸を購入して屋敷に戻った。
ソファに座って一息ついているとアランが小さな袋を出しシルヴィに手渡す。
「これだと見た目変わらないと思う」
中からブレスレットを出してシルヴィに見せた。
「殿下にもらったのとほぼ一緒ね。ありがとうアラン」
笑顔のシルヴィを見て口元が緩むアランはシルヴィの横に座り左手にそのブレスレットをつけた。
フレデリックが渡した物と一緒だったが鎖の先に小さなチャームが1つ付いていて動かす度に揺れていた。
「起きてくださいお嬢様」
「んー…もう朝?」
「今日は体調大丈夫そうですね。よかったです」
背伸びをしてベッドから起きる。ベネットに手伝ってくれて朝の支度も着替えも早く終わる。
食堂まで行くと1番遅かったようでみんな揃っていた。
「おはようございます。遅くなりました」
「今日は体調大丈夫?」
「今日は絶好調です!」
食事を終えてトリスタンは仕事の為出かけた。アランも用事があると出ていった為シルヴィはフィナと食後のお茶を飲んでいた。
「お母様私今日はエリーの店に行ってくるわ」
「あらいいわね。用事なければ私も行くのに」
「お土産買ってきますね」
フィナの出発を見送り自分もそのまま歩いて出かける。ベネットがついて来てはいるが護衛などはつけていない。
「ベネット何食べる?」
「お嬢様先程朝食召し上がられたばかりですよ?」
「ケーキは別!!」
嬉しそうにしているシルヴィを見て微笑むが、歩きながらベネットが尋ねる。
「この頃変な噂があるんです」
「噂?」
「ぼやーとした人みたいな塊がウロウロしてるらしいのです」
「ちょっと怖い!私その手の話苦手なの」
シルヴィは両手で自分を抱きしめるようにクロスさせ腕を掴む。
「近づいては来ないみたいなので被害はないのですが…」
「何?」
「目撃情報から段々人里に近づいて来てるらしいのです」
シルヴィが苦手と知って少し怖がらせるような話し方で声も震わせてベネットは喋る。
「あーもう聞かない!怖いのダメ」
耳を塞ぎ真っ青になっているシルヴィを見てやりすぎたと思ったベネットがニコッと微笑んで
「あくまでも噂です。私は見たことありませんしね」
──お化けとか本当にダメなの私…お化け…?何か引っかかるな…なんだったかな?
怖い話を聞いて少し早足になったのもあってエリーの店にはすぐに着いた。
カランと鐘を鳴らしドアを開け店の中に入ると、先日とは違って種々さまざまなケーキが並んでいた。
「シルヴィ様いらっしゃいませ」
「おはようエリー」
「シルヴィ様だ!」
可愛らしい声で駆け寄ってきたのはエリーの娘、コレットだった。
シルヴィは駆け寄ってきたコレットを抱っこして笑う。
「コレット今日も可愛いわ。お店の手伝いをしてたの?」
「うん。シルヴィ様今日は何食べるの?」
「コレット!」
エリーは慌てて娘を戻そうとするがシルヴィはコレットを抱っこしたままケーキを選ぶ。
「コレットのお勧めを食べさせてもらえる?」
「うん。じゃああっちの席で座って待ってて」
コレットが店内奥に数席あるテーブルを指さすので、一旦下ろして席まで行く。
そっーと落とさないように慎重に、カタカタ音を鳴らしながらケーキを見すぎでより目になりながらコレットが持ってきてくれた。
「ありがとう。コレット」
一緒に飲むお茶を運んで来たエリーはすみませんと頭を下げたが、一人っ子のシルヴィはコレットが可愛くて仕方がない。
ベネットにもケーキを運んでくれてケーキをゆっくりと楽しんでいるとエリーがシルヴィに尋ねる。
「シルヴィ様はあの噂は聞きました?」
「え?」
「人のような物が何かを探してズルズルと歩いているけど、誰かに見つかると煙のように消えるみたいなんです」
──またお化けの話。私本当にダメ!
シルヴィが目に涙を溜めて首を振る。
「夜にしか目撃情報ありませんし、複数人いると出てこないみたいなので害はないですけどね」
「さすが情報通。私が聞いたのより具体的ですね」
屋敷の中では噂好きで情報通のベネットも、街の中心で人の集まるお店をやっているエリーには敵わないらしい。
「噂と言えば、アラン様が…」
エリーが思いついたように話かけたがすぐに口を押さえた。カランと鐘が鳴り入口にアランが入ってきたのが見えたからだった。
「アラン、どうしたの?」
「お付はベネットだけ?出かけるなら声かけてね」
アランが朝すぐ出かけたから…とは言えずお茶を飲んだ。
シルヴィはお土産用にケーキをいくつか選び屋敷まで持ってきてもらうことにした。
エリーの店を出て本屋と刺繍糸を購入して屋敷に戻った。
ソファに座って一息ついているとアランが小さな袋を出しシルヴィに手渡す。
「これだと見た目変わらないと思う」
中からブレスレットを出してシルヴィに見せた。
「殿下にもらったのとほぼ一緒ね。ありがとうアラン」
笑顔のシルヴィを見て口元が緩むアランはシルヴィの横に座り左手にそのブレスレットをつけた。
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