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14 久しぶりの二人
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また何か夢を見た気がしたが全く覚えていなかった。いい夢ではないので目が覚めた瞬間身体が疲れていた。
上半身を起こし膝を立てぐったりと丸まる。
「シルヴィ!大丈夫?」
はっと顔をあげるとアランが立っていてベッドの上でうずくまっているシルヴィに声をかけた。
「アランおはよう」
「おはよう…じゃないよ。また変な夢見たの?」
「うん…」
目を擦り、身体を起こすために伸びをする。
「今日はみんなが来た時案内する場所の下見に行く予定だよね。大丈夫?」
「あっそうだった!急いで支度するね」
ベネットを呼んで急いで支度をする。
ローズたちが来たら楽しんでもらいたい!下見もかねて街外れの湖まで行くつもりだった。
朝食を急いで食べて出かける用意をし、馬車に乗り込んだ。歩いて行けなくもないが荷物もあって馬車で行くことにした。ベネットにもついてきてもらい、しっかりとランチを食べる用意も持ってきていた。
しばらく馬車に揺られていると街外れの湖が見えてきた。子供の頃はよく来ていたが久しぶりに来てみるとなんだか小さく感じた。
湖のほとりにアランと従者が簡易のテントを用意してベネットが座れるように敷物を広げてくれた。
実際ローズたちが来る時は人数多いのでもっと大きなテントが必要であるが今日はこの大きさで充分だった。
「気持ちいいね」
吹く風は心地よく気温が少し下がった気がする。
「ローズが日焼けしないように小さな傘もいるわね」
「はい」
アランが既に傘を広げてシルヴィが影の中に入るように持ってくれていた。
「シルヴィも日焼けしないようにね」
「ありがとう。アラン大好き」
ふっと何かを諦めたような笑顔でアランはシルヴィを見つめた。
湖のほとりから出た桟橋には舟が横付けされており、いつでも乗れるように整備されている。
「手漕ぎだけどリオネルは慣れているからローズ乗せても大丈夫よね。マルク様は…無理かな、アランが乗せてあげる?」
「僕が?えーそれは嫌かな」
「じゃあ私が漕ぐしかないか」
「僕がやるよ!」
ふふっと笑ってシルヴィはアランの手を引っ張る。
「久しぶりに二人で乗らない?」
「え?」
そのまま引っ張って舟の所まで行く。
舟を繋いでいたロープを解き先にアランが乗り込み手を伸ばしシルヴィが乗るのを助けた。
ゆっくりと漕ぎ始め湖の真ん中まで進む。
アランは手を止め目を閉じ風を受けて嬉しそうにしているシルヴィを見つめていた。不意にシルヴィが目を開けアランを見る。
「ごめんねアラン。久しぶりに二人でゆっくりしたかったから…今すごく嬉しいわ」
とびっきりの笑顔でまっすぐ言うのでアランは顔を赤くしながら下を向く。
──やっぱり君には驚かせれてばかりだな…
「僕も嬉しいよ」
アランも笑顔で答えた。
しばらく舟の上で二人で話を楽しんで戻ってきた。テントまで戻るとベネットがランチの用意をしてくれてみんなで食べる。
「外で食べると本当に美味しい」
「シルヴィ落ち着いて食べてね」
「お嬢様まだいっぱいありますからね」
ゆっくり過ぎてゆく時間を楽しみながらランチを終えた。下見には充分楽しんだので今日は帰る事にした。
「今日は持ってこなかったけど釣りもできるしここは外せないわね」
「あまり暑くないといいけどね」
ベネットがランチの片付けをしていて、従者が馬車まで荷物を運び、アランがテントを片付けはじめてシルヴィは一人湖のはたまで歩いて進む。
周りを見渡しているとほとりの奥に茂っている場所を見つけあっと思い出す。
「アラン!あの茂みの奥に隠れ場所みたいなのあったよね?小さい頃遊んだわよね」
少し離れていたので大きな声でアランに話かけた。
「ちょっと見てくるね」
「え?ちょっとシルヴィ!!」
アランが止めようとした時にはシルヴィは既にそちらに向かっていた。
手を止め目はシルヴィを見ながらついて行こうとしたアランと、片付けが終わりシルヴィの方を見たベネットが同時に叫ぶ。
「シルヴィ!!」「お嬢様!!」
茂みに向かっていたシルヴィのすぐ側に黒い塊が見え、手のような物が伸びて今にもシルヴィを掴みそうになっていた。
上半身を起こし膝を立てぐったりと丸まる。
「シルヴィ!大丈夫?」
はっと顔をあげるとアランが立っていてベッドの上でうずくまっているシルヴィに声をかけた。
「アランおはよう」
「おはよう…じゃないよ。また変な夢見たの?」
「うん…」
目を擦り、身体を起こすために伸びをする。
「今日はみんなが来た時案内する場所の下見に行く予定だよね。大丈夫?」
「あっそうだった!急いで支度するね」
ベネットを呼んで急いで支度をする。
ローズたちが来たら楽しんでもらいたい!下見もかねて街外れの湖まで行くつもりだった。
朝食を急いで食べて出かける用意をし、馬車に乗り込んだ。歩いて行けなくもないが荷物もあって馬車で行くことにした。ベネットにもついてきてもらい、しっかりとランチを食べる用意も持ってきていた。
しばらく馬車に揺られていると街外れの湖が見えてきた。子供の頃はよく来ていたが久しぶりに来てみるとなんだか小さく感じた。
湖のほとりにアランと従者が簡易のテントを用意してベネットが座れるように敷物を広げてくれた。
実際ローズたちが来る時は人数多いのでもっと大きなテントが必要であるが今日はこの大きさで充分だった。
「気持ちいいね」
吹く風は心地よく気温が少し下がった気がする。
「ローズが日焼けしないように小さな傘もいるわね」
「はい」
アランが既に傘を広げてシルヴィが影の中に入るように持ってくれていた。
「シルヴィも日焼けしないようにね」
「ありがとう。アラン大好き」
ふっと何かを諦めたような笑顔でアランはシルヴィを見つめた。
湖のほとりから出た桟橋には舟が横付けされており、いつでも乗れるように整備されている。
「手漕ぎだけどリオネルは慣れているからローズ乗せても大丈夫よね。マルク様は…無理かな、アランが乗せてあげる?」
「僕が?えーそれは嫌かな」
「じゃあ私が漕ぐしかないか」
「僕がやるよ!」
ふふっと笑ってシルヴィはアランの手を引っ張る。
「久しぶりに二人で乗らない?」
「え?」
そのまま引っ張って舟の所まで行く。
舟を繋いでいたロープを解き先にアランが乗り込み手を伸ばしシルヴィが乗るのを助けた。
ゆっくりと漕ぎ始め湖の真ん中まで進む。
アランは手を止め目を閉じ風を受けて嬉しそうにしているシルヴィを見つめていた。不意にシルヴィが目を開けアランを見る。
「ごめんねアラン。久しぶりに二人でゆっくりしたかったから…今すごく嬉しいわ」
とびっきりの笑顔でまっすぐ言うのでアランは顔を赤くしながら下を向く。
──やっぱり君には驚かせれてばかりだな…
「僕も嬉しいよ」
アランも笑顔で答えた。
しばらく舟の上で二人で話を楽しんで戻ってきた。テントまで戻るとベネットがランチの用意をしてくれてみんなで食べる。
「外で食べると本当に美味しい」
「シルヴィ落ち着いて食べてね」
「お嬢様まだいっぱいありますからね」
ゆっくり過ぎてゆく時間を楽しみながらランチを終えた。下見には充分楽しんだので今日は帰る事にした。
「今日は持ってこなかったけど釣りもできるしここは外せないわね」
「あまり暑くないといいけどね」
ベネットがランチの片付けをしていて、従者が馬車まで荷物を運び、アランがテントを片付けはじめてシルヴィは一人湖のはたまで歩いて進む。
周りを見渡しているとほとりの奥に茂っている場所を見つけあっと思い出す。
「アラン!あの茂みの奥に隠れ場所みたいなのあったよね?小さい頃遊んだわよね」
少し離れていたので大きな声でアランに話かけた。
「ちょっと見てくるね」
「え?ちょっとシルヴィ!!」
アランが止めようとした時にはシルヴィは既にそちらに向かっていた。
手を止め目はシルヴィを見ながらついて行こうとしたアランと、片付けが終わりシルヴィの方を見たベネットが同時に叫ぶ。
「シルヴィ!!」「お嬢様!!」
茂みに向かっていたシルヴィのすぐ側に黒い塊が見え、手のような物が伸びて今にもシルヴィを掴みそうになっていた。
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