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28 実行委員二人
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変更しました。2021.1.7
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制服も半袖から長袖になり、そろそろジャケットもと言うほど季節が進んだ頃学園では一大イベントである文化祭の準備に取りかかる。
クラス毎の催しもあるし、生徒会の催し、寮から、学年毎…小さな集まりも含めるとかなりのイベントになる。
それぞれの実行委員が選ばれることになってクラスで話し合いが行われる。
シルヴィたちのクラスはローズとアランに決まった。
マルクが生徒会への参加が決まっているので除外されほかは誰がしても…と言う状況だったが、ふと名前が上がったのがアランだった。
シルヴィとマルクのいざこざを宥めたり、シルヴィが何かするのを全てフォローしたり、シルヴィの勉強を見て成績をあげたり……シルヴィ絡みでアランの評価は高かった。
二人が教壇の前で並んでるのを見て
──並んでいると美男美女だな…アランも攻略対象者でもおかしくない美形だものね…
トクッ
──ん?
何か突っかかるものを感じながらも軽く咳払いして姿勢を正す。
「じゃあ打ち合わせ行ってくるけど、シルヴィ寄り道せずに寮に帰ってね」
「なるべく早く戻るわね」
「うん」
二人が廊下を並んで歩いている後ろ姿を見ながら手を振る。
──行っちゃった…
頭をペシっと叩かれて振り返るとシルヴィの頭に落とした紙の束を持って立っているマルクがいた。
「なんて顔してるの。似合わない」
「マルク様、痛いです」
「とりあえず…言われた通り帰った方がいいよ」
マルクも生徒会の集まりに行ってしまった。
一人寮に向かい歩き出すと、隣のクラスからリオネルと女生徒が出てきた。
「リオネルどこか行くの?」
「実行委員になったから打ち合わせ」
「ローズとアランもよ」
「ローズも?それは…」
リオネルが嬉しそうに声をあげた時隣にいた女生徒がグイっと腕を引っ張った。
「早く行きますわよ。リオネル様」
「あ…ああ。またなシルヴィ」
引きずられるように廊下を歩いて行った。
──みんな行っちゃった…やっぱり主要メンバーは選ばれるのね…
──寂しいな…
それから放課後になるとシルヴィはクラスメイトとクラス催しの準備をして、ローズ達は実行委員として忙しくあまり一緒にいることはなかった。
寮に帰ってきても実行委員の仕事以外の勉強もあるのでゆっくりする事もなく、日々はすぎていく。
授業終わりの休み時間も忙しそうだったが、そこは少し気を抜ける時間だったみたいでローズとマルク、アランはシルヴィとたわいのない話をする時間となっていた。
「残りも後少しだね。みんな委員お疲れ様。大丈夫?疲れてない?」
「生徒会でも下っ端としているから雑用ばかりで動き回ってるだけだからね。もうほとんど終わりだけど」
マルクは肩に手を置き首を回し答えた。
「クラスの実行委員もあとは当日までの日程管理とかだけだし打ち合わせもあまりないかな。だよね?」
アランがローズに聞くが聞こえてないようでぼーと座っている。
「ローズ!疲れているの?大丈夫?」
「え?あっ大丈夫よ。少し…考え事をしていただけで…」
ローズは慌てて答えるが、何故か寂しそうな表情だった。
「ローズ?」
「本当に大丈夫よ」
ニコッといつものように微笑むがやはり全体に醸し出す雰囲気は落ち込んでいる。
──これはちゃんと調べないと!!
キラッと目が光ったのかアランがシルヴィの袖を引っ張る。
「ちょっと…」
「何?」
少しマルクやローズから離れてアランが教えてくれた。
「リオネルと一緒に委員やっている子がリオネルにベタベタなの」
「は?」
「リオネルがローズに話しかけるのも腕引っ張って止めたり、間に入ったりね。あからさますぎて引くレベル」
──私のローズになんて事!!リオネルも何やっているの!!
はじめて見た時もリオネルの腕を引っ張っていた子を思い出し、怒りの顔のまま飛び出そうとするのをアランが止める。
「今日の打ち合わせで僕が様子見て注意するから、シルヴィは食堂で待ってて!まだ何もしないでよ」
「わかったわよ」
納得はいっていないが今はアランに任せることにして、ローズの元にかけより元気になるように喋り続けた。
「ローズはやっぱりなんでもできちゃうからすごいわ。実行委員でも評判は高いのよね?」
「生徒会とのつなぎも完璧だったよ。会長や殿下もベタ褒めだったしね」
「学年代表もすれば良かったのに辞退したのはもったいない。リオネルだと頼りないけど、ローズ様の実力なら誰も文句も言わないし」
「皆様買いかぶりすぎです。必死ですから私…マルク様やアラン様の完璧なサポートの方が素晴らしいです」
「僕は当然としてアランは本当にもっと目立ってもいいと思う」
「マルク様…僕は目立ちたくないので…」
「いえ本当にアラン様はもっと活躍して頂きたいです。シルヴィもそう思うよね?」
「え?」
「あっうん。そうね!」
「聞いてなかったの?シルヴィしっかりして」
「大丈夫?シルヴィ」
「うん」
「いや本当に今の実行委員は…」
三人が盛り上がっている中、一人取り残されたシルヴィは複雑な心境でその場にいた。
──なんだろ……ローズが褒められるのは嬉しいし、アランもマルク様もそうだけど…
──あんなに嬉しそうに話しなくてもいいじゃない…アランの馬鹿
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制服も半袖から長袖になり、そろそろジャケットもと言うほど季節が進んだ頃学園では一大イベントである文化祭の準備に取りかかる。
クラス毎の催しもあるし、生徒会の催し、寮から、学年毎…小さな集まりも含めるとかなりのイベントになる。
それぞれの実行委員が選ばれることになってクラスで話し合いが行われる。
シルヴィたちのクラスはローズとアランに決まった。
マルクが生徒会への参加が決まっているので除外されほかは誰がしても…と言う状況だったが、ふと名前が上がったのがアランだった。
シルヴィとマルクのいざこざを宥めたり、シルヴィが何かするのを全てフォローしたり、シルヴィの勉強を見て成績をあげたり……シルヴィ絡みでアランの評価は高かった。
二人が教壇の前で並んでるのを見て
──並んでいると美男美女だな…アランも攻略対象者でもおかしくない美形だものね…
トクッ
──ん?
何か突っかかるものを感じながらも軽く咳払いして姿勢を正す。
「じゃあ打ち合わせ行ってくるけど、シルヴィ寄り道せずに寮に帰ってね」
「なるべく早く戻るわね」
「うん」
二人が廊下を並んで歩いている後ろ姿を見ながら手を振る。
──行っちゃった…
頭をペシっと叩かれて振り返るとシルヴィの頭に落とした紙の束を持って立っているマルクがいた。
「なんて顔してるの。似合わない」
「マルク様、痛いです」
「とりあえず…言われた通り帰った方がいいよ」
マルクも生徒会の集まりに行ってしまった。
一人寮に向かい歩き出すと、隣のクラスからリオネルと女生徒が出てきた。
「リオネルどこか行くの?」
「実行委員になったから打ち合わせ」
「ローズとアランもよ」
「ローズも?それは…」
リオネルが嬉しそうに声をあげた時隣にいた女生徒がグイっと腕を引っ張った。
「早く行きますわよ。リオネル様」
「あ…ああ。またなシルヴィ」
引きずられるように廊下を歩いて行った。
──みんな行っちゃった…やっぱり主要メンバーは選ばれるのね…
──寂しいな…
それから放課後になるとシルヴィはクラスメイトとクラス催しの準備をして、ローズ達は実行委員として忙しくあまり一緒にいることはなかった。
寮に帰ってきても実行委員の仕事以外の勉強もあるのでゆっくりする事もなく、日々はすぎていく。
授業終わりの休み時間も忙しそうだったが、そこは少し気を抜ける時間だったみたいでローズとマルク、アランはシルヴィとたわいのない話をする時間となっていた。
「残りも後少しだね。みんな委員お疲れ様。大丈夫?疲れてない?」
「生徒会でも下っ端としているから雑用ばかりで動き回ってるだけだからね。もうほとんど終わりだけど」
マルクは肩に手を置き首を回し答えた。
「クラスの実行委員もあとは当日までの日程管理とかだけだし打ち合わせもあまりないかな。だよね?」
アランがローズに聞くが聞こえてないようでぼーと座っている。
「ローズ!疲れているの?大丈夫?」
「え?あっ大丈夫よ。少し…考え事をしていただけで…」
ローズは慌てて答えるが、何故か寂しそうな表情だった。
「ローズ?」
「本当に大丈夫よ」
ニコッといつものように微笑むがやはり全体に醸し出す雰囲気は落ち込んでいる。
──これはちゃんと調べないと!!
キラッと目が光ったのかアランがシルヴィの袖を引っ張る。
「ちょっと…」
「何?」
少しマルクやローズから離れてアランが教えてくれた。
「リオネルと一緒に委員やっている子がリオネルにベタベタなの」
「は?」
「リオネルがローズに話しかけるのも腕引っ張って止めたり、間に入ったりね。あからさますぎて引くレベル」
──私のローズになんて事!!リオネルも何やっているの!!
はじめて見た時もリオネルの腕を引っ張っていた子を思い出し、怒りの顔のまま飛び出そうとするのをアランが止める。
「今日の打ち合わせで僕が様子見て注意するから、シルヴィは食堂で待ってて!まだ何もしないでよ」
「わかったわよ」
納得はいっていないが今はアランに任せることにして、ローズの元にかけより元気になるように喋り続けた。
「ローズはやっぱりなんでもできちゃうからすごいわ。実行委員でも評判は高いのよね?」
「生徒会とのつなぎも完璧だったよ。会長や殿下もベタ褒めだったしね」
「学年代表もすれば良かったのに辞退したのはもったいない。リオネルだと頼りないけど、ローズ様の実力なら誰も文句も言わないし」
「皆様買いかぶりすぎです。必死ですから私…マルク様やアラン様の完璧なサポートの方が素晴らしいです」
「僕は当然としてアランは本当にもっと目立ってもいいと思う」
「マルク様…僕は目立ちたくないので…」
「いえ本当にアラン様はもっと活躍して頂きたいです。シルヴィもそう思うよね?」
「え?」
「あっうん。そうね!」
「聞いてなかったの?シルヴィしっかりして」
「大丈夫?シルヴィ」
「うん」
「いや本当に今の実行委員は…」
三人が盛り上がっている中、一人取り残されたシルヴィは複雑な心境でその場にいた。
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