転生した先は乙女ゲーム?私は登場しないモブだったので従兄弟をヒロインとくっつける為に奔走します!!

Hkei

文字の大きさ
28 / 44

28 実行委員二人

しおりを挟む
変更しました。2021.1.7

******************



制服も半袖から長袖になり、そろそろジャケットもと言うほど季節が進んだ頃学園では一大イベントである文化祭の準備に取りかかる。

クラス毎の催しもあるし、生徒会の催し、寮から、学年毎…小さな集まりも含めるとかなりのイベントになる。

それぞれの実行委員が選ばれることになってクラスで話し合いが行われる。
シルヴィたちのクラスはローズとアランに決まった。

マルクが生徒会への参加が決まっているので除外されほかは誰がしても…と言う状況だったが、ふと名前が上がったのがアランだった。

シルヴィとマルクのいざこざを宥めたり、シルヴィが何かするのを全てフォローしたり、シルヴィの勉強を見て成績をあげたり……シルヴィ絡みでアランの評価は高かった。

二人が教壇の前で並んでるのを見て

──並んでいると美男美女だな…アランも攻略対象者でもおかしくない美形だものね…





トクッ





──ん?

何か突っかかるものを感じながらも軽く咳払いして姿勢を正す。




「じゃあ打ち合わせ行ってくるけど、シルヴィ寄り道せずに寮に帰ってね」
「なるべく早く戻るわね」


「うん」

二人が廊下を並んで歩いている後ろ姿を見ながら手を振る。



──行っちゃった…


頭をペシっと叩かれて振り返るとシルヴィの頭に落とした紙の束を持って立っているマルクがいた。

「なんて顔してるの。似合わない」
「マルク様、痛いです」

「とりあえず…言われた通り帰った方がいいよ」

マルクも生徒会の集まりに行ってしまった。

一人寮に向かい歩き出すと、隣のクラスからリオネルと女生徒が出てきた。

「リオネルどこか行くの?」
「実行委員になったから打ち合わせ」
「ローズとアランもよ」
「ローズも?それは…」

リオネルが嬉しそうに声をあげた時隣にいた女生徒がグイっと腕を引っ張った。

「早く行きますわよ。リオネル様」
「あ…ああ。またなシルヴィ」

引きずられるように廊下を歩いて行った。





──みんな行っちゃった…やっぱり主要メンバーは選ばれるのね…





──寂しいな…







それから放課後になるとシルヴィはクラスメイトとクラス催しの準備をして、ローズ達は実行委員として忙しくあまり一緒にいることはなかった。
寮に帰ってきても実行委員の仕事以外の勉強もあるのでゆっくりする事もなく、日々はすぎていく。

授業終わりの休み時間も忙しそうだったが、そこは少し気を抜ける時間だったみたいでローズとマルク、アランはシルヴィとたわいのない話をする時間となっていた。

「残りも後少しだね。みんな委員お疲れ様。大丈夫?疲れてない?」
「生徒会でも下っ端としているから雑用ばかりで動き回ってるだけだからね。もうほとんど終わりだけど」

マルクは肩に手を置き首を回し答えた。

「クラスの実行委員もあとは当日までの日程管理とかだけだし打ち合わせもあまりないかな。だよね?」

アランがローズに聞くが聞こえてないようでぼーと座っている。

「ローズ!疲れているの?大丈夫?」
「え?あっ大丈夫よ。少し…考え事をしていただけで…」

ローズは慌てて答えるが、何故か寂しそうな表情だった。

「ローズ?」
「本当に大丈夫よ」

ニコッといつものように微笑むがやはり全体に醸し出す雰囲気は落ち込んでいる。

──これはちゃんと調べないと!!

キラッと目が光ったのかアランがシルヴィの袖を引っ張る。

「ちょっと…」
「何?」


少しマルクやローズから離れてアランが教えてくれた。

「リオネルと一緒に委員やっている子がリオネルにベタベタなの」
「は?」
「リオネルがローズに話しかけるのも腕引っ張って止めたり、間に入ったりね。あからさますぎて引くレベル」


──私のローズになんて事!!リオネルも何やっているの!!

はじめて見た時もリオネルの腕を引っ張っていた子を思い出し、怒りの顔のまま飛び出そうとするのをアランが止める。

「今日の打ち合わせで僕が様子見て注意するから、シルヴィは食堂で待ってて!まだ何もしないでよ」
「わかったわよ」

納得はいっていないが今はアランに任せることにして、ローズの元にかけより元気になるように喋り続けた。

「ローズはやっぱりなんでもできちゃうからすごいわ。実行委員でも評判は高いのよね?」

「生徒会とのつなぎも完璧だったよ。会長や殿下もベタ褒めだったしね」

「学年代表もすれば良かったのに辞退したのはもったいない。リオネルだと頼りないけど、ローズ様の実力なら誰も文句も言わないし」

「皆様買いかぶりすぎです。必死ですから私…マルク様やアラン様の完璧なサポートの方が素晴らしいです」

「僕は当然としてアランは本当にもっと目立ってもいいと思う」

「マルク様…僕は目立ちたくないので…」

「いえ本当にアラン様はもっと活躍して頂きたいです。シルヴィもそう思うよね?」





「え?」

 「あっうん。そうね!」

「聞いてなかったの?シルヴィしっかりして」

「大丈夫?シルヴィ」
「うん」

「いや本当に今の実行委員は…」




三人が盛り上がっている中、一人取り残されたシルヴィは複雑な心境でその場にいた。


──なんだろ……ローズが褒められるのは嬉しいし、アランもマルク様もそうだけど…


──あんなに嬉しそうに話しなくてもいいじゃない…アランの馬鹿







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました

iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

【本編完結】王子の寝た子を起こしたら、夢見る少女では居られなくなりました!

こさか りね
恋愛
私、フェアリエル・クリーヴランドは、ひょんな事から前世を思い出した。 そして、気付いたのだ。婚約者が私の事を良く思っていないという事に・・・。 婚約者の態度は前世を思い出した私には、とても耐え難いものだった。 ・・・だったら、婚約解消すれば良くない? それに、前世の私の夢は『のんびりと田舎暮らしがしたい!』と常々思っていたのだ。 結婚しないで済むのなら、それに越したことはない。 「ウィルフォード様、覚悟する事ね!婚約やめます。って言わせてみせるわ!!」 これは、婚約解消をする為に奮闘する少女と、本当は好きなのに、好きと気付いていない王子との攻防戦だ。 そして、覚醒した王子によって、嫌でも成長しなくてはいけなくなるヒロインのコメディ要素強めな恋愛サクセスストーリーが始まる。 ※序盤は恋愛要素が少なめです。王子が覚醒してからになりますので、気長にお読みいただければ嬉しいです。 ※本編完結しました。

転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜

具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、 前世の記憶を取り戻す。 前世は日本の女子学生。 家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、 息苦しい毎日を過ごしていた。 ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。 転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。 女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。 だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、 横暴さを誇るのが「普通」だった。 けれどベアトリーチェは違う。 前世で身につけた「空気を読む力」と、 本を愛する静かな心を持っていた。 そんな彼女には二人の婚約者がいる。 ――父違いの、血を分けた兄たち。 彼らは溺愛どころではなく、 「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。 ベアトリーチェは戸惑いながらも、 この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。 ※表紙はAI画像です

ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です

山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」 ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

あっ、追放されちゃった…。

satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。 母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。 ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。 そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。 精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。

処理中です...