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41 ダンスパーティー
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アランと二人で教室へ戻るとマルクが駆け寄って来た。
「少し前に殿下を見かけたから大丈夫だとは思ったけど…良かった」
「なんとか解放してもらえたから良かったけど、この後のパーティーはどうするつもり?」
アランはずっと考え込んでいる。先程の事を考えればシルヴィは参加しない方がいいのだ。それは分かっていたが…
「シルヴィ…ここで参加せずに…」
「我儘なのは分かってるけど、ちょっとだけでいいから参加したいの」
アランとマルクは顔を見合わせ大きなため息を吐く。
「そう言うとは思ってたけど…」
「ちょっとだけでいいから!絶対にアランの側から離れないし殿下にも近づかないから!」
──ゲームじゃないけど、ローズの事も気になるし…アランとも…ちゃんと踊りたい!
「お願い!!」
「絶対に僕かリオネル達と一緒にいてよ」
「うん。ありがとうアラン」
「それでいいの?知らないよ僕は」
マルクはさらに盛大にため息吐いて言った。
ほとんどの催しが終わり、学園祭も終わりを迎えようとしていた。
実行委員での仕事も後はほぼない。
座って最後の書類確認をしていたリオネルは先程のアランやシルヴィが気になっているのか、考え込み手が止まる事が増えていた。
「リオネル様こちらはもう大丈夫です。アラン様やシルヴィの所に行きましょう」
「ローズ様…」
「私では力になれないかもしれませんが、リオネル様が悩んでいる姿は見たくありません!」
咄嗟に力の入った声になってしまい、慌てて口元を隠し少し頬を赤くしたローズは、顔を見られたくなくて向きを変えた。
リオネルは目を見開いてびっくりしたが、ローズの背中を見ているとふっと力の入っていた身体が軽くなる。
立ち上がりローズの横にたち顔を覗き込んだ。
「ありがとうございます。もうこちらは大丈夫なので一緒に行きましょう」
「…はい」
ローズは顔を上げられず下を向いたまま答えた。
リオネルとローズが教室に向かい、シルヴィ達がそちらに向かったのが同時だったのか、廊下で全員揃った。
「ローズ!!」
「シルヴィ大丈夫だったの?」
「うん。大丈夫」
「アラン…」
「ありがとうリオネル。もう大丈夫…だと思う」
「全く…普通に文化祭楽しむってできないもんだね」
「マルク様はほぼ劇の裏方でしたね」
「いや…君が騒動の真ん中にいるからでしょ」
少し呆れてマルクがシルヴィを睨む。肩を少し上げてマルクの視線から避けるようにアランの後ろに隠れる。
普段ならいいことだが、シルヴィが話かけると雰囲気が崩れるのでアランがひとつ咳払いをして話し出す。
「少し話をしていい?」
「ここじゃ人目もあるから中庭に出る?」
マルクとローズはわけが分からず何故中庭までとは思ったが、リオネルが率先して中庭に出ていくので着いて行く。
中庭にも人はいたが校舎内より距離がある為話しやすかった。
アランは二人に向き合い話をしようとしたが、事実を知った後変わってしまうこともあるかと思うと少し躊躇し口篭る。
シルヴィがそっと側に寄り添いアランの手を握る。アランがシルヴィの顔を見て微笑むとシルヴィも笑顔で答えた。
「ちょっと…二人の世界作るならここまで来なくてよかったでしょ」
「ごめん…実は僕…」
マルクが両手を腰にあて片眉を上げて呆れている。
「第三王子なんだ」
「は?」
「え?」
──あー二人ともすごい顔になってる…そりゃそうだよね…
「公にするつもりはなかったんだけど状況が変わってしまって…変に巻き込んでごめんね」
「ちょっと待ってよ。アランは男爵家の嫡男だよね?」
「詳しい説明は後でするよ。今はこれからあるパーティーなんだけど…」
いきなりの報告をまだ消化できていないマルクは口が開いたままであった。
「シルヴィは知っていたの?」
「私もさっき聞いたところなの」
「今それは本当にどうでもよくて…」
「どうでも良くはないけどな…アラン」
「ダンスパーティーで殿下がシルヴィに寄ってこないようにしたいから協力して欲しい」
アランが頭を下げる。
「ちょっとアラン頭下げないでよ」
「そうですわ。アラン様」
マルクとローズが慌ててアランに元に戻るように促す。
「私達でできることならなんでもします」
「ありがとう」
ちょうどその時パーティーの始まりを告げる鐘がなる。響き渡る音を聞きながら作戦をたてる
「少し前に殿下を見かけたから大丈夫だとは思ったけど…良かった」
「なんとか解放してもらえたから良かったけど、この後のパーティーはどうするつもり?」
アランはずっと考え込んでいる。先程の事を考えればシルヴィは参加しない方がいいのだ。それは分かっていたが…
「シルヴィ…ここで参加せずに…」
「我儘なのは分かってるけど、ちょっとだけでいいから参加したいの」
アランとマルクは顔を見合わせ大きなため息を吐く。
「そう言うとは思ってたけど…」
「ちょっとだけでいいから!絶対にアランの側から離れないし殿下にも近づかないから!」
──ゲームじゃないけど、ローズの事も気になるし…アランとも…ちゃんと踊りたい!
「お願い!!」
「絶対に僕かリオネル達と一緒にいてよ」
「うん。ありがとうアラン」
「それでいいの?知らないよ僕は」
マルクはさらに盛大にため息吐いて言った。
ほとんどの催しが終わり、学園祭も終わりを迎えようとしていた。
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「リオネル様こちらはもう大丈夫です。アラン様やシルヴィの所に行きましょう」
「ローズ様…」
「私では力になれないかもしれませんが、リオネル様が悩んでいる姿は見たくありません!」
咄嗟に力の入った声になってしまい、慌てて口元を隠し少し頬を赤くしたローズは、顔を見られたくなくて向きを変えた。
リオネルは目を見開いてびっくりしたが、ローズの背中を見ているとふっと力の入っていた身体が軽くなる。
立ち上がりローズの横にたち顔を覗き込んだ。
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「…はい」
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リオネルとローズが教室に向かい、シルヴィ達がそちらに向かったのが同時だったのか、廊下で全員揃った。
「ローズ!!」
「シルヴィ大丈夫だったの?」
「うん。大丈夫」
「アラン…」
「ありがとうリオネル。もう大丈夫…だと思う」
「全く…普通に文化祭楽しむってできないもんだね」
「マルク様はほぼ劇の裏方でしたね」
「いや…君が騒動の真ん中にいるからでしょ」
少し呆れてマルクがシルヴィを睨む。肩を少し上げてマルクの視線から避けるようにアランの後ろに隠れる。
普段ならいいことだが、シルヴィが話かけると雰囲気が崩れるのでアランがひとつ咳払いをして話し出す。
「少し話をしていい?」
「ここじゃ人目もあるから中庭に出る?」
マルクとローズはわけが分からず何故中庭までとは思ったが、リオネルが率先して中庭に出ていくので着いて行く。
中庭にも人はいたが校舎内より距離がある為話しやすかった。
アランは二人に向き合い話をしようとしたが、事実を知った後変わってしまうこともあるかと思うと少し躊躇し口篭る。
シルヴィがそっと側に寄り添いアランの手を握る。アランがシルヴィの顔を見て微笑むとシルヴィも笑顔で答えた。
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「は?」
「え?」
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「今それは本当にどうでもよくて…」
「どうでも良くはないけどな…アラン」
「ダンスパーティーで殿下がシルヴィに寄ってこないようにしたいから協力して欲しい」
アランが頭を下げる。
「ちょっとアラン頭下げないでよ」
「そうですわ。アラン様」
マルクとローズが慌ててアランに元に戻るように促す。
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