天使໒꒱と悪魔Ψ-Angeli e Demoni-

黒水晶∴

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変化と予兆

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 朝食を摂る為に2人で部屋を出ると、そこには
ROZE໒꒱が居た。

「あっ、ROZE໒꒱姉さん…」

「やっぱり、こんな事だろうと思ったよ…
昨夜からARISA໒꒱の様子がおかしかったから
様子を見に来たら…」

流石はROZE໒꒱だ、ARISA໒꒱と
長い付き合いなだけあって僅かな変化も見逃さない…

「MORION∴Ψ、ARISA໒꒱の事、
どう思ってるんだい…!?」

凄い剣幕で詰め寄って来たROZE໒꒱…
その瞳は真剣で、微かな寂しさも感じ取れた。

「俺は…ARISA໒꒱が好きだ。」

そう俺が言うと、今度はARISA໒꒱に
その眼差しを向け、同じ質問をした。

「私も、同じ気持ちです。」

キッパリと言い切ったARISA໒꒱の瞳の力強さに
ROZE໒꒱は少し目に涙を浮かべつつも、

「全く…幸せになるんだよ、2人共…」

と笑顔でARISA໒꒱を抱き締めた。

「有難う御座います、ROZE໒꒱姉さん…」

優しく抱き締め返したARISA໒꒱の瞳にも、
光る物があった。

「あっ、これから朝食なんですけど、
ROZE໒꒱姉さんも一緒にどうです…?」

「有難いけど、折角2人で楽しめるんだ。
2人で行ってきなよ…?」

と断ったが俺は別に構わないのでその旨を伝えると
ROZE໒꒱は渋々受け入れた。

3人で食堂を兼ねた厨房へ向かい、用意を
始めようとした時、

「MORION∴Ψさんは座ってて下さい、
今回はMORION∴Ψさんのリクエスト
なんですから(笑)」

とARISA໒꒱にテーブルに無理矢理に着かされた。
続けてROZE໒꒱も同じ様に。

「リクエストって、どういう事だい…?」

俺はROZE໒꒱に事の顛末を話した。

「なるほど、だからあの子、
あんなに張り切ってるんだね…(笑)」

とROSE໒꒱はARISA໒꒱に視線を移した。
そこには必死に朝食を作るARISA໒꒱の姿があった。

「あの子の事、頼んだよ…」

珍しく塩らしい声でROSE໒꒱が俺に頼んで来た。

「あぁ、ARISA໒꒱は絶対に護る…」

そんな話をしている内に

「出来ました(笑)!」

という声と共に料理がテーブルに並べられていく。
今朝のメニューは

・だし巻き玉子
・ベビーリーフとクルトン、生ハムのシーザーサラダ
・塩鮭としそ昆布の大葉おにぎり
・ウインナー

である。

「ほう、美味そうだ。」

「それじゃあ、頂こうかね。」

「はい、頂きます。」

「頂きます。」

俺は早速、だし巻き玉子順に頂いた。

「お、程良く出汁が効いてて玉子の甘味との相性
も良いな。こっちのおにぎりも具材の塩加減を
考え、敢えておにぎりの塩は抑えてるんだな、
塩鮭もホロホロと柔らかな身と皮の脂身のバランスが
程良くて美味い。
ウインナーも丁寧に腸詰めされているから
肉汁が皮に閉じ込められ、
鼻に抜ける余韻が堪らない。」

と昨夜の様に語ると、ROSE໒꒱は呆れ顔で
こちらを見て、ARISA໒꒱は今にも吹き出しそうだ。

「急にどうしたの…?」

あまりにドライなROSE໒꒱の反応に、耳が痛い…

「まぁ、良いじゃないですか、ROSE໒꒱姉さん…(笑)」

とフォローしてくれたARISA໒꒱だったが、
目の奥は相変わらず笑っている。
俺は赤面しながら食事に戻った…

食事後、ROZE໒꒱がARISA໒꒱に質問を投げ掛けた。

「ARISA໒꒱、アンタそんなかんざし
持ってたかい…?」

不思議そうに尋ねるROZE໒꒱に、ARISA໒꒱は

「これは、MORION∴Ψさんから頂きました。
それも手作りです。」

と嬉しそうに答えていた。

「へぇ、器用なもんだね…」

と感心する様に横目で見て来たROZE໒꒱に対し、
俺は少し得意気な笑みを浮かべた。

 食堂を出ると、
この後どうするかという話になった。

「私は部屋に戻るけど、2人はどうするんだい…?」

「俺は部屋に戻るけど、ARISA໒꒱は?」

「私も取り敢えず部屋に戻ります。」

そう言いながら、
ARISA໒꒱は後ろ手に俺の服の裾を掴んでいた。

ROZE໒꒱と別れた後、一旦それぞれの部屋に
戻るフリをして再び合流し、今度はARISA໒꒱の部屋
へと向かった。
部屋の中は白やクリーム色の家具で統一され、
時折風でピンクの薔薇を象ったデザインの
カーテンがゆらゆらと揺れる。

「流石は天使の部屋、殺風景を絵に書いた様な
俺の部屋とはだいぶ違うな…」

そう感心したが、ARISA໒꒱は

「そうですか?私はMORION∴Ψさんの部屋は
新鮮で好きでしたよ(笑)」

と答えてくれた。
正直とても嬉しかったが、敢えて心の中で
小さくガッツポーズするに留めていると、
不穏な気配を俺は窓の遥か向こうから感じ取り、
咄嗟にARISA໒꒱を抱き締めた…

「MO、MORION∴Ψさん…!?」

困惑しているARISA໒꒱の唇に指を当て、
暫く静止させていると、不穏な空気は消えた。
そっと離すと、不思議そうにARISA໒꒱は

「あっ、あの…どうされたんですか…?」

と尋ねてきた。俺は

「あぁ、悪い。向こうで猟師の気配を感じてさ、
矢尻が俺らを狙ってるのかと勘違いして
咄嗟にARISA໒꒱をこのローブで隠したのさ。
でも、もう大丈夫だ。」

そう言うと俺は、自らの身に着けているローブの裾を
ヒラヒラされた。

「そうなんですね、有難う御座います。」

そのARISA໒꒱の安堵した表情を見つめ、
笑みを浮かべながらも俺は確信していた…
今のは俺を狙っていると、何より背中に走る
矢による痛みがその証だ…

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みんなの感想(1件)

ARISA
2023.02.12 ARISA

早く続きが見たいです…!
楽しみに待ってます!!

解除

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