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ゆみ

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妊娠

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もしあの時選んでたのがあなただったらこんな想いはしなくてすんだかもしれない。


私は優美(ゆみ)19歳
どうして?
なんで?
あんなに幸せだったのに、、、

「翔紀、、、ゆみね赤ちゃんが出来た」

翔紀というのは2年2ヶ月付き合っている彼氏。
今は6月。19歳の誕生日を迎えてすぐだった。
月の生理がこなくて。
ママと病院に行き妊娠がわかった。

「嘘でしょ?」

やめて、やめて!!
涙が溢れて止まらなかった。

「こんなこと嘘で言うわけないでしょ!!」

お願い、

「もう泣くなよ。大丈夫。大丈夫だから、な?
一緒に頑張って行こ?な?」

翔紀わ優しく抱きしめてくれた。
その腕は震えてて
でもゆみを安心させてくれた。
言いたい事は沢山あったけど
今わ、、、今だけはぎゅってしてくれるだけでじゅうぶん。

7月1日
「今日病院だろ?俺仕事で行けないけど気を付けてな?」
っふふ?
わざわざ電話してくれた!
「うん!」

不安が消えたわけじゃない。
でも今わ考えない事にした。

1人で病院。
とてつもなく心ボソかった。
周りにはジロジロ見られて。
居心地が悪いったらありゃしなかった。

「上野さ~ん!ど~ぞ!」
あっゆみの事だ。
行かなきゃ。でも足取りは重くて。。

「心拍確認できましたよ。これからつわりが始まって今よりもっと妊娠の実感をする事になります。つわりが始まったら水分だけは取るよーにね?
それと役所で母子手帳をもらってね?」

「はい」

つわり、、、か。
ママわつわりなかったからな。。。
どんな感じなんだろ?

赤ちゃん。
このお腹の中に赤ちゃんがいるのか、、。

ヒール履くのもやめなきゃね!
タバコもやめなきゃ。。。

ようやく欲しかった赤ちゃんが出来た?

そんな呑気な事しか考えていなかった。


「ただいま~」

「おかえり、大丈夫だったの?」

「うん!次の診察はママも来てって」

「はいよ」

私のママは高校2年で私を産んだ。
いわゆる若ママってやつ。

結婚をしないで私を産んだ。
私が3歳くらいの時に私の父と別れた。
ママの話だとどうしようもないダメ男だったらしい。

私が小学校5年の時にママはできちゃった婚をした。
パパは頭がよくて背は男にして引くい方。
運送会社に勤めている。

ゆみぐらいだろ。親の結婚式に立ち会いが出来たの笑っ
私は妹が産まれる瞬間をこの目で見た。
5年生の私がママが死んじゃう!!
本気でそう思ったくらい出産と言うのは怖いものだと感じた。

私はママみたくなりたくないって。
本当の父親の顔すら私は知らない。
そんな人生を歩ませたくない。
本気でそう思ってた。
でも現実は違うね。

結局ゆみも同じく若ママになる。

妊娠を伝えた時。ママわ何も言わなかった。
言って欲しかったけど言って欲しくない。
私はそんな気持ちでいた。

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