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エピソード002 転売ヤーには地獄への片道切符
第十章 国際密輸組織の影
しおりを挟む「ほほう、これを枚方ちゃんからねぇ」
「とにかく何が写ってるか確認してくれる?USBの規格が違うせいで私や宗吾のスマートフォンでは接続できないのよ」
とりあえず本社に戻った俺と社長。
すぐに枚方妹から託されたUSBメモリを牧野さんに手渡す。
牧野さんはすぐにパソコンの端子にそのUSBメモリを差し込む。
「どれどれ……出ました」
するとモニターに二人の男が何やら会話している映像が。
一人は俺と社長も見覚えがある。
間違いない、岩崎琉人だ。
となると問題はその岩崎と話しているもう一人の男。
こいつは一体何者なんだ?
「牧野さん」
「はい何でしょうか社長」
「すぐにこの男の画像データを国際指名手配データベースと照合してみて」
「了解です」
社長、何か思い当たる事があるのか牧野さんに国際指名手配データベースと問題の男と照合を願う。
もしデータベースの中にある誰かに引っかかったら相手は相当な奴だという事になるな。
「!?社長、該当人物が出てきました」
「本当?で、そいつはどうゆう奴なの」
牧野さんが国際指名手配データベースから照合した結果、男の正体が判明した。
男の名はチャン。
国際密輸組織”金の竜”の幹部でありかなりの犯罪経歴を持つ危険人物だ。
「おいおい、まさかあの有名な金の竜が黒幕だったとはな」
「しかもこのチャンに掛けられた賞金も日本円で三千万円よ。これは意外と大仕事になりそうだわ」
今回のSP5転売騒動の裏には巨大な国際密輸組織”金の竜”の影がありか。
「ちなみにその金の竜の首領である超陳平ですが……どうやら現在日本にいるみたいです」
牧野さんはメモリに入っていた別の画僧を俺と社長に見せる。
そこにはチャンとは別の人物と一緒にいる画像が。
チャンと一緒にいるのが金の竜首領・超陳平本人だ。
「うわぁ、あの超陳平って奴……賞金一億円超えてるわよ!これは間違いなく大仕事だわ。今月は間違いなく黒字ね」
社長、相変わらず賞金額しか見てないなぁ。
この連中は正直危険だと思いますよ。
何しろそんだけの高額賞金掛けられてるのだから絶対に強い筈ですよ。
さぞかし今まで沢山の賞金稼ぎが返り討ちにされたのは間違いないな。
「!?待ってください、枚方ちゃん……とんでもないのまで」
「えっ?」
あの枚方妹ちゃん……まだとんでもないスクープを撮ってたの?
俺と社長はすぐにモニターを観る事に。
そこには……とんでもないスキャンダルが写っていた!
「おいおい、冗談だろ」
「あれってアニー社社長とチャンよね。まさかあの社長、金の竜と繋がっていたの?」
「しかも互いに笑顔で……どこまで親密なんだよ」
これは驚いた。
なんとあのアニー社社長と金の竜の幹部チャンが一緒になって話している姿が。
仮にも天下のアニー社のトップが裏組織では有名な金の竜幹部と仲良くしているのが衝撃だ。
「宗吾、これであの不可解な記者会見の理由が繋がったわね」
「俺もです社長」
どうやら一連のSP5の転売騒動の裏にはアニー社社長を始めとする社長派による形を変えた密輸組織への横流し。
いわば会社トップが国際密輸組織と結託して企てた密輸ビジネス。
恐らく今までの悪質な買い占めは世間の目をそらす為の偽装工作だ。
そして範社長派が俺達三条財閥傘下の者と接触したから計画が悟られるのを恐れた社長派は以前から計画してたと思う海外移転計画を早めたって事か。
まっ、俺達が干渉したらこのように計画が暴かれるのを恐れての事だろうな。
但しもう計画は俺達に今バレたがな。
「牧野さん、このバカ社長のスキャンダル……整理してから金子さん達反社長派にリークしちゃいなさい」
「はい社長、すぐに映像データを整理して明日ぐらいに金子さんのメールに送信します」
「あっ、それから私からのメッセージも一緒にお願い」
社長はすぐに別のパソコンの前へ座り金子さん宛てのメッセージ作成を始めた。
ちなみにその内容はこうである。
金子さんへ。
敵の全貌が判明しました。
その敵は金の竜という国際密輸組織です。
しかもアニー社社長はその金の竜と繋がっており結託して私腹を肥やしていたようです。
一連の証拠映像を送付しておきますので金子さんは即反社長派と決起してください。
それから警察の捜査二課に通報して社長を始めとする重役達の金の流れも調べてもらったほうがいいと思います。
きっと叩けば凄い埃が出てくる筈ですよ。
最後にアニー社の再生を心より願っております。
三条スイーパーカンパニー代表取締役・三条司
それから色々と自分達にできる事をやって……次の日の午後四時頃。
「ううぅ、眠い」
「社長、やはり徹夜はきつかったみたいですね」
社長はあの徹夜の後で睡魔と戦いながら学校へ行き、今ようやく眠たそうに本社へ戻ってきた。
やはり睡眠不足なのか社長は何処か元気がない。
だけど問題は同じく学校から戻ってきたもう一人。
「お兄ちゃん……さっさとその”金の竜”って連中潰しに行こうよ!」
「さ、さもなちゃん……そんなに青筋立てなくても」
さもなちゃん、学校で社長から例の国際密輸組織「金の竜」の事を聞いたらしく完全に大激怒状態になっているみたい。
そりゃ今までSP5が購入できない最大の理由が判明したのだから無理もないなぁ。
「ふんがぁぁぁぁぁ~っ!ふんがぁぁぁぁぁ~っ!」
「おい、さもな!少しは落ち着かんか。こりゃ下手な悪党魔族よりも質が悪いのう」
先程からカヤちゃんが興奮してるさもなちゃんを宥めてるが落ち着く様子がない。
だが、さもなちゃんが半狂乱になっている以外はここ実務一課の事務所は嵐の前の静けさといえる雰囲気だ。
何しろ今回の仕置き対象が厄介にも国際密輸組織「金の竜」という大物だ。
残るは連中の本拠地を探り当てるだけだからな。
それに関しては現在、牧野さんと枚方兄妹が懸命に調査している。
「そういえばSP5の最終出荷が今日の二時……もう今頃は目的の港に到着してるでしょうか」
「そうね……もう運び終えて海外輸出の準備でもしてる頃かしら」
本来日本市場へ送られる筈のSP5の最終出荷。
だが仕置き対象の一人であるアニー社社長のせいで海外市場へ流される羽目になった訳であるが。
それにしてもあのアニー社社長……大の日本人嫌いの上に国際密輸組織と繋がって私腹を肥やしている最低野郎。
直接出合った事はないが悪事が判明した今でも謎が多い人物だと感じるな。
あくまでこれは俺の感だけど。
そこへ社長の机の上に青いカードは飛来して突き刺さる!
間違いなく枚方兄妹からの緊急連絡だ。
「全く……いくら緊急連絡だからってスマホで連絡したほうが早いのに」
社長が青いカードを手に取り内容を読む。
「!?大変よ、今話題に上がったSP5の最終出荷なんだけど……一時間程前に何者かに襲撃されて奪われたそうよ」
「なんだって!」
「今、お兄さんの方が強奪犯のトレーラーを追っているみたい。私としてはこのまま敵の本拠が解ればいいんだけど」
そうか、奴等、最後の出荷分まで奪い取った訳か。
連中、ハイエナそのものだな。
すると……今度は社長のスマートフォン型魔具から着信音。
社長が応答するとなんと金子さんからだった。
(三条さん!今朝は重要な情報のリークありがとうございます)
「どうしたのかしら金子さん。何だか息が荒いみたいだけど」
(三条さんからリークしてもらった情報や映像を私の直接の上司に観てもらいました。そして遂に我々反社長派は決起を決意しました)
「本当?これは面白い事になったわね」
(そして今夜、緊急会議を開く事になりました。そしてあの社長派全員に総辞職を勧告するつもりです)
「ほう」
(しかも二時間程前からアニー社本社へ警察による緊急捜査を始めました。私達は必ずアニー社を我々日本人のものへ取り戻すつもりです)
「金子さん、頑張ってね」
(はい!では国際密輸組織のほうはよろしくお願いいたします)
どうやらアニー社では金子さんを始めとする反社長派が決起して立ち上がったみたいだな。
正直俺としてもこのクーデターは成功して欲しい。
「いよいよアニー社の大改革が始まりそうですね社長」
「これはこれで面白くなってきたわ……後は」
その時!
何処かから再び青いカードが飛来して社長の机に突き刺さる!
社長は無言でカードを手にして記されたメッセージを読み上げる。
敵の本拠が判明しました。
場所は新宿にある大手前大倉庫です。
詳しい場所はカードに張り付けておきます。
更に現在そこには「金の竜」の首領・超陳平もいますのでご注意を。
カードには詳しい地図と超陳平と幹部のチャン、そして巨体の魔族らしき男も一緒に写っていた。
「こいつが超陳平ね。いかにも悪そうな顔してるわね」
「どれどれ、我にも見せてみぃ」
「あっ、カヤちゃん」
やれやれ、カヤちゃんの好奇心にも困ったもんだな。
「!?この魔族は……まさかムサシ・ベアーか」
「カヤちゃん、この魔族知ってるの?}
「うむ、昔は魔界で有名な格闘家じゃったが道を誤って殺し屋に成り下がった困った奴じゃ」
どうやらカヤちゃん、あの魔族の事をご存じだったようで。
ムサシ・ベアーという元格闘家か。
「カヤちゃん、悪いけどあのムサシとかいう魔族……お願いできるかしら」
「うむ!我に任せておくがいい」
そして、社長は牧野さんに頼んで敵本拠である大手前大倉庫の見取り図を調べてもらう。
俺達はその見取り図を観て……社長は決断する!
「みんな……お掃除の時間よ。多分今夜中に駆除しないと逃げられる恐れがあるから急ぎましょう」
「「「ゲームスタート」」」
「…………確かに害虫駆除ゲームの始まりね!徹底的にやりましょう」
ヤる相手は……
国際密輸組織「金の竜」首領・超陳平
その部下であり幹部のチャン
アニー社の裏切り者・岩崎琉人
元格闘家の殺し屋魔族のムサシ・ベアー
そして……アニー社社長
それから時刻は午後十時ぐらい。
俺が。
社長が。
さもなちゃんとカヤちゃんが。
悪党どものいる大手前大倉庫へ向かっていく。
さぁ覚悟しやがれ。
これから貴様等の後悔と断末魔が響き渡る事になるだろう。
さぁ、お前達にとって最後の夜が始まるぞ。
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