のろし

けろけろ

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ただ宇宙の寄越すのは

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欠け始めの月が 北と東の間
やや頭上近くに上がっている

月の大地に反射した白い光が
僕の掌へと届き
白く浮かび上がらせている
まるで月の粉を浴びているように

いままさに 月は雲に囲まれ
巨躯の獣の眼となっている

僕の踊るのを警戒して
田に座っていた鴨が 一斉に羽撃く
闇に 更に黒いふたつの影が
羽撃きと共に流れて行った

僕のサンクチュアリは車止めが目印だ
そこから先は神聖なる領域
足を踏み入れると 身体が光るのを見ることができる

神さまは僕を愛してくれている
(こんなところじゃない)
僕を愛してくれている
(誰にも間違いなんてない)
僕が何を望もうと
どこへ向かおうと
神さまの愛のなか
どこへでも行くことができる

世界は狂っていく
(良いわけない)
(良いわけない)

だけれと誰もが神さまに愛されている
裁かれるはずない
止まることはない

僕が愛されているから
どんなものも愛されていて

詰まらない理由で作られたものも
愛されていることを僕は憶えていなくてはいけない

そうして 誰もが神さまに愛されていることを
尊ぶ

僕らはただ そのことでだけ
相手のことを計ることを憶えよう

神さまに愛されていることを尊ぶ
そのことを深く知るものこそを
真に尊い

それは僕たちの次元での
愛するということ

ああ そうだね

世界は何度だって
終わりと始まりを繰り返してる
何も人間だけじゃない

ついていけない種族が滅びるだけ
(でも 本当についていけていないのは
自然とともにありたいものたちの方なのか)
この大地のほとんどの種族との絆を断ち切って
偽りの神殿 狂った饗宴を続ける人間たち

いったいあの平坦な創られた星明りの銀河の内で
何を得て 何を進めるのだろう

あそこには何があるだろう
何もないから
僕は夜毎に抜け出すというのに

みなが神さまに愛されている
もし 何かが滅ぶのだとしても
それが 僕や蛙や
鳶や樹々でも
あの重力檻に澱した銀河でも

間違いなどありはしないのだ

もし すべてを滅ぼし 太陽のように
燃え盛る後悔が人々を曝露しても

ただ宇宙が寄越すのは
あなたはそこにいるよ というサインだけ

木の葉 流れ星 突然の雨
良いと思われること 嫌なこと
どれも僕がいるからそれを感じる
 
だから この宇宙すべてが
僕がここにいるという証で
それが神さまの愛なのです
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