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第5章 ホラムでの決戦
cys:100 ジークのグローブとレイの涙
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「ぐっ!」
思わずうめき声を漏らしたジーク。
引き裂かれた背中から、鮮血がポタポタとしたたり落ちる。
ジークが纏っているのはオリハルコンの鎧だが、フェンリルの鋭い爪での攻撃はそれ以上だったのだ。
それをハッと振り返ったレイは、悲壮な表情を浮かべ大きく目を見開いた。
「ジーク!!」
だが、キースはその隙を見逃さず、掲げた両手の中により強大なエネルギーを溜めた。
そして、レイに強烈な技を放つ。
「喰らえ! 全てを切り裂く光の牙を! ティターン・一乃牙『ドラゴン・フォース』!!」
キースの両手から放たれた光が、銀色に輝くドラゴンの姿になりレイに襲い掛かる。
「くっ……! なんて凄まじい技なの!」
レイは再びクリスタル・ミュールを輝かせたが、キースのドラゴンフォースはレイのクリスタル・ミュールを凄まじい輝きと勢いで押していく。
「ハァァァァッ……!」
「くっ……うぅっ……」
レイのクリスタル・ミュールにピシピシッ……っと亀裂が入っていく。
「そ、そんな……!」
「ハァァァァッ! 砕け散れ!!」
キースがその叫びと共により力を込めると、レイのクリスタル・ミュールは完全にパリンッ!! と破壊され、キラキラと光りながら砕け散ってしまった。
それと同時に、キースのドラゴンフォースがレイを直撃する。
「きゃあああああっ!!」
天に昇るドラゴンフォースの威力で、大きく上に吹き飛ばされたレイはセクシーな魔導服をボロボロに引き裂かれ、そのまま地面にズシャッ! と叩きつけられた。
「うっ……くっ……」
レイが這いつくばったまま苦しそうな顔で上を見上げると、そこにはキースがレイにトドメを刺しに、ゆっくり近寄ってくる姿が……!
その光景を見たジークは、フェンリル達に挟まれながらも悲壮な顔をレイに向ける。
「レーーーーーイっ!!」
ただ、そんな叫びも虚しく、キースはレイの側まで行くと冷酷な眼差しで見下ろした。
「終わりだ。いや、お前のような魔性の女、簡単に殺しては面白くないな……」
キースはそう呟きレイの頭をガシッ! と片手で掴んで吊り上げると、片手の中にワザと死なない程度のエネルギー弾を作り出し、レイをジッと見つめる。
「絶望と苦しみを味わってから、死ぬがいい」
「くっ……は、離して……」
苦しそうに顔をしかめるレイに、キースはエネルギー弾を連発で叩きつけていった。
その攻撃で、レイのセクシーな体が傷付けられていく。
「うっ!」
「くっ!」
「あぁっ!」
痛みに体を捻らせ悲鳴を上げるレイを見て、ジークの怒りが一気に膨れ上がる。
「テッメ―――――ッ!!」
けれどキースはそんなジークを意に介さず、さらにエネルギー弾を連発した。
その攻撃がレイをさらに傷付けていく。
「いやっ!」
「あっ!」
「きゃあ!」
全身をボロボロにされたレイ。
その姿をジッと見つめたキースは手を離し、レイをドサッと下に放り落とした。
そして、膝を折った姿勢のまま苦しそうに見上げてくるレイを、冷酷な瞳を向けたまま見下ろす。
「今、楽にしてやる……!」
「うぅっ……イ、イヤ……」
悲しく苦しい声を漏らすレイを見下ろしたまま、キースは両手を天に向けその掌の中に再び強力な光のエネルギー弾を作り出した。
「散れ。その偽りの美しさと共に」
その瞬間ジークは血管がはち切れる程怒ると、一瞬にしてフェンリル達の首をハルバードでバシュッバシュッ!! と切り落とした。
そして斧を置いたまま全速力でレイの前に駆け寄ると両腕をバッ! と広げ、レイに向けて放たれたエネルギー弾をその全身で受け止めた。
ドガァァァン!!
「なんだと!」
エネルギー弾を塞がれ、思わず声を上げたキース。
目を大きく見開いてジークを見つめている。
そんなキースに、ジークは全身に走る痛みに耐えながらもニヤッと笑った。
「へへっ……女相手にマジで怒ってんじゃねぇよ……テメェ……イケメンなのに、モテねぇだろ……」
そう告げると、そのままドサッと片膝をついたジーク。
背中はフェンリルの爪で引き裂かれ、胸にはキースの強烈なエネルギー弾を喰らったのだから当然だ。
レイはそんなジークの両肩を掴み、美しい瞳に涙を滲ませながら見つめる。
「ジーク、しっかりして! お願いだから死なないで!」
「……た、たりめーだろ……まだ、お前さんを……部屋に入れてねぇ……からな……」
「ジーク!!」
キースはそんなジークを見下ろしながら、冷たく言い放つ。
今のジークの行動に不可解なモノを感じながら。
「バカな男だ。お前程の速さと力があれば、両手で防げたハズ。なのにわざわざ身を挺するとは、余程死にたいのか……」
するとジークは、苦しみながらもググッと立ち上がり、キースに向かいニッと笑みを返した。
「分かってねぇな……んな事したら、このグローブが破けちまうだろうが」
その言葉を聞いて、瞳を潤ませながら両手で口を押さえたレイ。
「ジーク……!」
それを見たキースは、イラッと顔をしかめた。
不覚にもその姿に愛がある事を感じてしまったからだ。
キースにとって、それはあり得ない事であり、同時に許せない事だった。
───俺達をこれまで蹂躙し、偽りの光の中で生きている者にそんな事などありえん……!
キースは心でそう吐き捨て、スッと表情を落としてレイとジークを見下ろす。
「くだらん世迷い事を……まあ、どちらにしても次で終わりだ。2人まとめて葬ってやる……!」
キースは両手を天にかざし、再びドラゴンフォースの構えを取った。
思わずうめき声を漏らしたジーク。
引き裂かれた背中から、鮮血がポタポタとしたたり落ちる。
ジークが纏っているのはオリハルコンの鎧だが、フェンリルの鋭い爪での攻撃はそれ以上だったのだ。
それをハッと振り返ったレイは、悲壮な表情を浮かべ大きく目を見開いた。
「ジーク!!」
だが、キースはその隙を見逃さず、掲げた両手の中により強大なエネルギーを溜めた。
そして、レイに強烈な技を放つ。
「喰らえ! 全てを切り裂く光の牙を! ティターン・一乃牙『ドラゴン・フォース』!!」
キースの両手から放たれた光が、銀色に輝くドラゴンの姿になりレイに襲い掛かる。
「くっ……! なんて凄まじい技なの!」
レイは再びクリスタル・ミュールを輝かせたが、キースのドラゴンフォースはレイのクリスタル・ミュールを凄まじい輝きと勢いで押していく。
「ハァァァァッ……!」
「くっ……うぅっ……」
レイのクリスタル・ミュールにピシピシッ……っと亀裂が入っていく。
「そ、そんな……!」
「ハァァァァッ! 砕け散れ!!」
キースがその叫びと共により力を込めると、レイのクリスタル・ミュールは完全にパリンッ!! と破壊され、キラキラと光りながら砕け散ってしまった。
それと同時に、キースのドラゴンフォースがレイを直撃する。
「きゃあああああっ!!」
天に昇るドラゴンフォースの威力で、大きく上に吹き飛ばされたレイはセクシーな魔導服をボロボロに引き裂かれ、そのまま地面にズシャッ! と叩きつけられた。
「うっ……くっ……」
レイが這いつくばったまま苦しそうな顔で上を見上げると、そこにはキースがレイにトドメを刺しに、ゆっくり近寄ってくる姿が……!
その光景を見たジークは、フェンリル達に挟まれながらも悲壮な顔をレイに向ける。
「レーーーーーイっ!!」
ただ、そんな叫びも虚しく、キースはレイの側まで行くと冷酷な眼差しで見下ろした。
「終わりだ。いや、お前のような魔性の女、簡単に殺しては面白くないな……」
キースはそう呟きレイの頭をガシッ! と片手で掴んで吊り上げると、片手の中にワザと死なない程度のエネルギー弾を作り出し、レイをジッと見つめる。
「絶望と苦しみを味わってから、死ぬがいい」
「くっ……は、離して……」
苦しそうに顔をしかめるレイに、キースはエネルギー弾を連発で叩きつけていった。
その攻撃で、レイのセクシーな体が傷付けられていく。
「うっ!」
「くっ!」
「あぁっ!」
痛みに体を捻らせ悲鳴を上げるレイを見て、ジークの怒りが一気に膨れ上がる。
「テッメ―――――ッ!!」
けれどキースはそんなジークを意に介さず、さらにエネルギー弾を連発した。
その攻撃がレイをさらに傷付けていく。
「いやっ!」
「あっ!」
「きゃあ!」
全身をボロボロにされたレイ。
その姿をジッと見つめたキースは手を離し、レイをドサッと下に放り落とした。
そして、膝を折った姿勢のまま苦しそうに見上げてくるレイを、冷酷な瞳を向けたまま見下ろす。
「今、楽にしてやる……!」
「うぅっ……イ、イヤ……」
悲しく苦しい声を漏らすレイを見下ろしたまま、キースは両手を天に向けその掌の中に再び強力な光のエネルギー弾を作り出した。
「散れ。その偽りの美しさと共に」
その瞬間ジークは血管がはち切れる程怒ると、一瞬にしてフェンリル達の首をハルバードでバシュッバシュッ!! と切り落とした。
そして斧を置いたまま全速力でレイの前に駆け寄ると両腕をバッ! と広げ、レイに向けて放たれたエネルギー弾をその全身で受け止めた。
ドガァァァン!!
「なんだと!」
エネルギー弾を塞がれ、思わず声を上げたキース。
目を大きく見開いてジークを見つめている。
そんなキースに、ジークは全身に走る痛みに耐えながらもニヤッと笑った。
「へへっ……女相手にマジで怒ってんじゃねぇよ……テメェ……イケメンなのに、モテねぇだろ……」
そう告げると、そのままドサッと片膝をついたジーク。
背中はフェンリルの爪で引き裂かれ、胸にはキースの強烈なエネルギー弾を喰らったのだから当然だ。
レイはそんなジークの両肩を掴み、美しい瞳に涙を滲ませながら見つめる。
「ジーク、しっかりして! お願いだから死なないで!」
「……た、たりめーだろ……まだ、お前さんを……部屋に入れてねぇ……からな……」
「ジーク!!」
キースはそんなジークを見下ろしながら、冷たく言い放つ。
今のジークの行動に不可解なモノを感じながら。
「バカな男だ。お前程の速さと力があれば、両手で防げたハズ。なのにわざわざ身を挺するとは、余程死にたいのか……」
するとジークは、苦しみながらもググッと立ち上がり、キースに向かいニッと笑みを返した。
「分かってねぇな……んな事したら、このグローブが破けちまうだろうが」
その言葉を聞いて、瞳を潤ませながら両手で口を押さえたレイ。
「ジーク……!」
それを見たキースは、イラッと顔をしかめた。
不覚にもその姿に愛がある事を感じてしまったからだ。
キースにとって、それはあり得ない事であり、同時に許せない事だった。
───俺達をこれまで蹂躙し、偽りの光の中で生きている者にそんな事などありえん……!
キースは心でそう吐き捨て、スッと表情を落としてレイとジークを見下ろす。
「くだらん世迷い事を……まあ、どちらにしても次で終わりだ。2人まとめて葬ってやる……!」
キースは両手を天にかざし、再びドラゴンフォースの構えを取った。
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