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第8章 反逆の狼煙
cys:180 レイとアンリの瞬間移動
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「こ、これは……!」
アネーシャの周りに、ヒラヒラと漂ってくる無数のクリスタルの青薔薇。
それにハッとし剣を構え直した時、アネーシャの瞳に映った。
青薔薇の向こうから、妖しい微笑みを浮かべ自分を見つめているレイの姿が。
「フフッ♪」
レイは、スラっとした両足を交叉させ、スッと上に伸ばした両手の先からその薔薇を放っている。
「アネーシャ、今度は私がプロデュースしてあげるわ」
「えっ、貴方が? アンリならともかく、貴女には少し荷が重いと思うけど♪」
アネーシャは皮肉を込めて挑発したが、レイの瞳は揺るがない。
絶対的な自信に満ちた瞳を妖しく輝かせ、アネーシャを見据えている。
「言うわね。けど、覚えておきなさい。私の薔薇は、貴女のサクラと違って棘があるの」
その言葉と態度が、アネーシャの警戒心を高めた。
レイを見つめたまま、体に思わずギュッと力がこもる。
───へぇ、本気なんだ……!
アネーシャは悟った。
レイがこの挑発に乗らないという事は、それだけこの技に絶対的な自信がある事を。
けれどアネーシャは、余裕の笑みは絶やさず軽く口角を上げた。
「そう……レイ、貴女はどんなプロデュースをしてくれるのかしら」
「フフッ♪ 大した余裕ね。でも、そんな貴女にピッタリのプロデュースよ。喰らいなさい!」
レイは咆哮を上げると同時に、胸をグッと張り技を放つ。
「醒めない夢の世界に逝きなさい! 『エファルディス・コーディネーションβ』!!」
クリスタルの輝きを放つ無数の青薔薇が、アネーシャに向かい一斉にザザァッ!! っと襲い掛かった。
アネーシャの視界が一瞬で青薔薇で覆われる。
だが、アネーシャは動じる事なく、キッ! と、瞳に力を込め剣を片手で頭上に突き立てた。
「ムダよレイ! その技は以前に見せてもらったわ! 『桜華包身』!!」
その咆哮と共に剣から放たれた白桜のオーラで、全身を包み込んだアネーシャ。
向かってくる薔薇を全て弾き返していく。
そして、レイの青薔薇を全て防ぎきると技を解き、周りに落ちた薔薇が消えてゆく中で、フッと溜め息を零した。
「レイ、残念だったわね。以前見たモノより多少エネルギーは強かったけど、この程度じゃ私を……」
そこまで言った時、アネーシャはハッとして左右を見渡した。
レイの姿が消えていたからだ。
「えっ?!」
不可思議な想いから眉間にシワを寄せ声を零した時、アンリがアネーシャを見据えたたまニヤリと微笑んだ。
───まさかっ……!
その笑みにハッとしてバッと振り向いた瞬間、レイがニヤッと微笑む姿が瞳に映る。
───しまった!
聡明なアネーシャはその時全てを悟ったが遅かった。
その瞬間、レイが凄まじい速さでシュンッ!! と、駆けてきたのだ。
そしてレイは、人差し指を腕と一緒に前にピンッと伸ばしアネーシャの額に送り込む。
醒めない夢へと旅立たせる、一筋の閃光を。
「うっ……!」
「夢へ、逝きなさい……!」
レイがそのポーズを取ったままそう呟くと、アネーシャはドシャッ! と、膝をついた。
その光景を見て、ニッと笑みを浮かべたアンリ。
エキゾチックで魅力的な瞳が光で揺らめく。
「さすがレイじゃの。やりおるニャ♪」
「フフッ♪ アンリ、貴女が瞬間移動の魔法を使ってくれたお陰よ」
「ニャニャッ♪ だが、レイの薔薇があってこそじゃからの」
レイとアンリがそう話しを交えた僅かの間に、アネーシャは夢の世界を旅していた……!
アネーシャの周りに、ヒラヒラと漂ってくる無数のクリスタルの青薔薇。
それにハッとし剣を構え直した時、アネーシャの瞳に映った。
青薔薇の向こうから、妖しい微笑みを浮かべ自分を見つめているレイの姿が。
「フフッ♪」
レイは、スラっとした両足を交叉させ、スッと上に伸ばした両手の先からその薔薇を放っている。
「アネーシャ、今度は私がプロデュースしてあげるわ」
「えっ、貴方が? アンリならともかく、貴女には少し荷が重いと思うけど♪」
アネーシャは皮肉を込めて挑発したが、レイの瞳は揺るがない。
絶対的な自信に満ちた瞳を妖しく輝かせ、アネーシャを見据えている。
「言うわね。けど、覚えておきなさい。私の薔薇は、貴女のサクラと違って棘があるの」
その言葉と態度が、アネーシャの警戒心を高めた。
レイを見つめたまま、体に思わずギュッと力がこもる。
───へぇ、本気なんだ……!
アネーシャは悟った。
レイがこの挑発に乗らないという事は、それだけこの技に絶対的な自信がある事を。
けれどアネーシャは、余裕の笑みは絶やさず軽く口角を上げた。
「そう……レイ、貴女はどんなプロデュースをしてくれるのかしら」
「フフッ♪ 大した余裕ね。でも、そんな貴女にピッタリのプロデュースよ。喰らいなさい!」
レイは咆哮を上げると同時に、胸をグッと張り技を放つ。
「醒めない夢の世界に逝きなさい! 『エファルディス・コーディネーションβ』!!」
クリスタルの輝きを放つ無数の青薔薇が、アネーシャに向かい一斉にザザァッ!! っと襲い掛かった。
アネーシャの視界が一瞬で青薔薇で覆われる。
だが、アネーシャは動じる事なく、キッ! と、瞳に力を込め剣を片手で頭上に突き立てた。
「ムダよレイ! その技は以前に見せてもらったわ! 『桜華包身』!!」
その咆哮と共に剣から放たれた白桜のオーラで、全身を包み込んだアネーシャ。
向かってくる薔薇を全て弾き返していく。
そして、レイの青薔薇を全て防ぎきると技を解き、周りに落ちた薔薇が消えてゆく中で、フッと溜め息を零した。
「レイ、残念だったわね。以前見たモノより多少エネルギーは強かったけど、この程度じゃ私を……」
そこまで言った時、アネーシャはハッとして左右を見渡した。
レイの姿が消えていたからだ。
「えっ?!」
不可思議な想いから眉間にシワを寄せ声を零した時、アンリがアネーシャを見据えたたまニヤリと微笑んだ。
───まさかっ……!
その笑みにハッとしてバッと振り向いた瞬間、レイがニヤッと微笑む姿が瞳に映る。
───しまった!
聡明なアネーシャはその時全てを悟ったが遅かった。
その瞬間、レイが凄まじい速さでシュンッ!! と、駆けてきたのだ。
そしてレイは、人差し指を腕と一緒に前にピンッと伸ばしアネーシャの額に送り込む。
醒めない夢へと旅立たせる、一筋の閃光を。
「うっ……!」
「夢へ、逝きなさい……!」
レイがそのポーズを取ったままそう呟くと、アネーシャはドシャッ! と、膝をついた。
その光景を見て、ニッと笑みを浮かべたアンリ。
エキゾチックで魅力的な瞳が光で揺らめく。
「さすがレイじゃの。やりおるニャ♪」
「フフッ♪ アンリ、貴女が瞬間移動の魔法を使ってくれたお陰よ」
「ニャニャッ♪ だが、レイの薔薇があってこそじゃからの」
レイとアンリがそう話しを交えた僅かの間に、アネーシャは夢の世界を旅していた……!
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