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 この白い空間に一人だけで他には誰もいないのか。実は別空間で同じ境遇の人が沢山いるのでは? 
 ザー 滝のような音と同時に霧の中から、上空に大きな短い六角柱が現れた。半透明な銀色の球体が沢山並んでいる塊だ。見渡す限りの数だ。上下左右前後に綺麗に密に並んでいるが、格子状には並んでいない。箱の中にピンポン玉を流し込んだように、上から見るとハニカム構造状に並ぶ、六方最密充填構造で空間を効率的に使う並べ方だ。水平方向に6個、上下に3個ずつ隣り合っている。いくつあるのか数えてみた。側面の横の球数は1、2、5、10、20、50、100、200、500、約900。縦は1、2、5、10、20、約50。底面は六角形に並んでいるから正三角形が6個。正三角形の中にある数を6倍すれば良い。真ん中が1個で側面が900個だから450組掛ける901割る2でそれを6倍して・・・。面倒臭い。900として・・・。やっぱり面倒。ん~。平行四辺形が3つと考えれば、キューブが3つとして簡単だ。電卓で計算してみた。900x900x50で4050万個、これが3つで1億2150万個。そんなにあるのか。球体の中には一人ずつ入っていて身振り手振りで話している。老若男女、肌の色、服装もさまざまだ。スーツ姿もいれば水着の人もいる。中には役者なのか、東西は問わず時代劇に出てくるような恰好の人もたくさんいる。真っ白な服、金色や銀色のスウェットを着た人もいる。球の直径は約3m。底面の一番遠くにあるのは1800個目だから距離にして5.4kmだ。顔まで見えるのは不思議だ。そんなに遠くの人の顔の表情まで見えるわけがない。距離を超越している。どういう事なのだろう。とりあえず私はあの球体の中の一人なんだ。何も解決していないけど、私一人だけじゃない事でなんか安心した。他の人の会話が気になる。何をそんなに熱心に話しているのだろう。順に回ってみたい! 何気なく底面の一つの球をじっと見つめてみた。

 パシャ 突然、水の膜を頭からつま先へ通り抜けるような感覚がしたかと思うと、薄暗い大きな球体の中にいるが、中はすぐに明るくなった。光源は見当たらない。外から見た時は直径3m程で高さの半分から3分の2くらいを人間が占めていた。中に入ると直径はあるようでない。無限の空間が広がっている。最初にいた空間と同じだ。外と中で実際の大きさが違うのはなぜなのだろう。目の前に直径約1mの球体がいくつも浮かび、有史以来の人類の歴史が3D映像として流れている。戦争の映像を抜き出してきたようである。周りには動物界、植物界、菌界、細菌、古細菌など、それぞれの生存競争の戦いが流れている。生存する為に戦っている事は分かるが、人間との違いは、生まれ持った武器、または生存していく過程で身に着けた毒などの武器があるかないか。新しい武器を創造製造するかしないかの違いだけだ。娯楽で他の種属を殺生するのも人間だけだ。そんな話をしている。
 話しているのが英語だという事は分かるが内容は全く分からない。そもそも日本語以外は分からない。日常使う漢字でさえ書けなかったりするくらいだ。球体の映像を見ているから言えばそうなんだが、共食い、なわばり、戦争の違いを話している事など英語で話しているから内容が分かる訳がない。それなのに話している内容が伝わってくるのはなぜなんだろう。こちらの姿も見えていないようだ。外に出ていくつかの球体に入ってみよう。
 バシャ 球体の中への移動ではやっぱりこの感覚を味わうのか。次の球体では、核兵器、細菌兵器、有名なSF映画に出てくるデススターなど、何が最強兵器かの話をしている。話を聞いていると洗脳らしい。物理的に壊してしまっては勝利しても何も手に入らないのは確かだ。勝てないと分かった時の戦意喪失、何があってもついていこうと思う尊敬の念などを感じさせれば、無駄な破壊をしなくても人も施設も手に入る。奴隷まではいかなくても自ら働き貢献するように行動させれば、勝者は何もしなくてもあらゆるものが手に入る。催眠術や洗脳兵器はこれ以上ない危険なものかもしれない。まずは共通な概念と言葉が必要だ。そもそも戦争は必要かと言う話にもなる。欲しいものがあれば貿易でいいのではないかと思う。貿易ではなく戦争でなければいけない理由がない。戦争が起きるのはリーダーのわがままとしか思えない。過去の恨みや復讐など理由は様々だろうが、何世代にも渡って感情を引き継ぐ必要があるのだろうか。あの国の政府は嫌いだが今の国民には恨みはないなど、友人を今日から戦争になったからと言って殺しあえるかと言えばそれは難しいと思う。
 生存本能や戦争などの映画なら好きなのだが、当事者としてはなりたくないし、気が滅入ってきた。

 六角柱の外に出て側面の真ん中あたりの球体に入ってみた。
 こちらの球体では、正多面体の変換をやっている。思いっきり数学の話だ。頂点が面になったり、立体図形の辺から正三角錐、正四角錐などが出てきて他の多面体に変わったり、複合多面体や切頂多面体が変形していく。周りには数式がたくさん並んで目まぐるしく数字が動いている。立体の変換は見ていて面白いが、数式は何の事やらさっぱりだ。自然界はバランスや安定が好きなど、そんな話もしている。バケツの上の複数のシャボン玉や、空中の大きなシャボン玉にくっつく小さなシャボン玉が等間隔に並ぶなど。元素の周期表の話もしているようだ。原子核の周りの電子は多面体の頂点にいてそれが何重にも重なり、分子のつながりは多面体の頂点、辺、面でつながる構造式を立体模型で表し、増えたり減ったり変形しながら高速回転している。見ていると動くアートのようだ。デルタ多面体やジョンソンの立体の話もしている。多面体の作成ゲームで作りたかった形だ。定義はよくわからないが、面に正三角形だけでできた多角錐を付け、とげとげの立体を作りたかった。頂点がぶつかったら辺の中点の結ぶ半分の大きさの多角錐にしてくっつける。新しく出来た小さな正三角形の面にも三角錐をつける。そんなフラクタルな図形も作りたかった。 
 次の球体では、数字や計算式、数字の表が沢山浮いている。素数の話をしている。階段状になったグラフや渦巻や多角形に並べた絵の中に出現する素数が幾何学的に見えたりする。他にも乱数や無理数の話をしているが何の事やらさっぱり分からない。そもそも数式の中にギリシャ文字が出てくるとギブアップだ。ましてやギリシャ文字を囲むように周りに数字や複数のアルファベットが並びだすと、結果が大小どちらになるのさえ分からない。それは私にとって絵画の値段と同じくらい理解不能になる。数億円の絵画と幼児の描いた絵を並べ、どちらが数億円の絵かと聞かれるのと同じだ。高額である説明をされても理解できないし、絵画によっては4辺のどれが上なのかさえ分からない。もっとも幼児の親にとっては子供の絵はプライスレスだと思う。
 次の球体では、数式の横にたくさんの動く図形や絵が並んでいる。学校の先生だろうか。算数の基礎を図式化しているようだ。マイナスにマイナスを掛けるとプラスになる説明をしている。ポイントゲームを例にして説明している。自分のポイントは箱の中にあり、箱に入れる時はプラス、出す時はマイナス。得点のプラスカードと失点のマイナスカードが何枚か入っている。同じ数字カードが何枚かあれば掛け算し得点を計算する。当たり前と言えば当たり前なのだが、失点カードを箱から複数回取り出す時、失点が減るから、言い換えればマイナスをマイナスするから、得点が増える。つまりマイナスにマイナスを掛けるとプラスになるとはこういう事だと言っている。分数の割り算では、後ろの分数の分子と分母を入れ替えるのは、1より小さく分けるのは答えが1より大きくなるという事だと言っている。そんな事は当たり前だと思うのだが、小学生に説明するには難しい。割り算を掛け算に変換する意味を説明しなければならない。2つのパンを3分の1ずつに分けると6個になるのだが、計算式にすると2割る3分の1、2個のパンをそれぞれ3つにするから2掛ける3で6になる。割り算を掛け算で計算する時に3分の1が1分の3、つまり3になって掛けている。分母と分子を入れ替えるとはこういう事だと言っている。6以上の素数は 6で割って余りが1と5の時にしか出てこない説明もしている。余りが2又は4の時は2の倍数であり、余りが0又は3の時は3の倍数であるからだと言っている。2つの数列が縦に並んでいて、6で割った余りが1の7、13、19、25、31と続く数字と余りが5の5、11、17、23、29と続く数字が下から上へ縦に並んでいる。一番下の7と5の横には5、7、11、13、17と素数が並んでいる。余り1の塔の25の所には素数5の所に×、49の所には素数7の所に×、55の所には素数5と11の所に×が付いている。余り5の塔の35の所には素数5と7の所に×、65の所には素数5と13の所に×、77の所には素数7と11の所に×が付いている。素数5を縦に見ていくと余り1の7から始まる塔には25、55、85と5個おきに×が付いている。余り5の5から始まる塔には35,65、95とこちらも5個おきに×が付いている。同じように素数13を縦に見ていくと91、169、247と65、143、221に13個おきに×が付いている。×が付いているのは素数ではない。どの素数も縦に見ていくと19は19個おきに、23は23個おきに、29は29個おきに、その素数個おきに×が付いている。素数そのものの出現場所又は素数同士の掛け算でできた素数の出現場所から、その素数個おきに素数でない事が分かる。塔の高さを変えて10,000や1,000,000を見ると同じようにその素数個おきに×が付いていた。エラストテネスのふるいと同じ事をしているが、こちらの方が視覚的にも分かりやすいと言っている。見ていて感覚的にも分かりやすい。小学生の時にこの先生に教えられていたら、もう少し算数を勉強していたかもしれない。余り1の塔、余り5の塔は、どこかで見たような気もする。
 次の球体では、分母の中に分数が沢山ある数式を話している。連分数の話だ、ルート2や黄金比は同じ分母が並ぶ。ネイピア数は超越数であり、その連分数展開は循環しないものの一定の規則性を持つ。パイや4/パイは正則でない連分数で規則性を持つ。言っている事がほとんど理解できないが、数式の分母の中の数字が、1、2、3、4と順番に並んだり、素数の並びだったり、フィボナッチ数列だったりする。数字が綺麗に並ぶのが面白い。なぜそうなるのだろう。すぐには役には立たないが、そのうちに使い道が出てくるトリビアがいっぱい出てくる。ピタゴラスは自分の定理が、GPSの人工衛星で使われるなんて考えもしなかっただろう。数学って不思議だ。知的ゲームの最たるものだ。
 次の球体では、図形の拡大と縮小をしている。拡大しても元の形になるフラクタル図形の話だ。入れ子のようにどんどん小さくなったり外側にどんどん増えて行ったり、見ていて面白い。自然界の中にたくさん存在する例を挙げている。自然界は幾何学が好きなようだ。立体構造でも同じルールを繰り返すだけで、効率よく体積や表面積がどこまでも増えていく。等角らせんなど相似の追加と言えばそれまでだが、結晶から植物の育ち方まであらゆる所に現れる。自然の構造は素数、フィボナッチ数列からも成り立っている。植物の花、種、貝殻、骨の中の網構造など、数式を使って説明している。数式は全く分からないが構造は見ていて綺麗だ。補助線をつけて説明されると不思議なくらいシンプルなルールを、組み合わせただけで成り立っている事が分かる。まるで誰かが操作しているように幾何学的だ。自然界はこんなにアートになる事に驚きだ。
 次の球体では、クイズのような確率のような物の考え方みたいな話をしている。酒場で1対1の掛け勝負をしている。引き分け無しで先に3勝したら、掛け金12を貰える条件だ。今2勝1敗である。負けている方は掛け金が惜しくなり、ここでやめようと言い出し、勝負はなかった事にして半分ずつ6貰うと言う。勝っている方は途中放棄するなら全額12貰うと言う。観客は勝敗実績と同じ配分で8対4と言う。酔っ払いはこのまま続けた時の割合で分けるから9対3になると言う。勝敗確率は半分だから4回目の勝負で3勝するのは2分の1。負けたら2勝2敗になり、5回目の勝敗も2分の1、つまり全体で見れば残りは4分の1ずつになる。4分の3と4分の1で分ける事になると言う。負けている方は卑怯な考えだと思うが、勝っている方の考え方はもっとも妥当だと思う。しかし観客の過去重視の考え方もありだし、酔っ払いの未来重視の考え方の発想はなかった。数学的には酔っ払いの考え方が正しい。何が正しいかなんて、何を基準にするかでこんなに違ってくる。数学ってなんなんだって思うのは私だけか。
 次の球体では、1、2、3、4、5と順に無限に足していくと合計は、マイナス12分の1になると言う。しばらく見ていると解析接続の事らしい。解析接続がそもそも分からない。普通に考えたら無限大数になるのに、1より大きい数字を足しているのに1より小さくなるし、プラスしかしていないのにマイナスになるとは不思議な話だ。1+2+3+4+5と続く式をsとする。1-2+3-4+5と符号を交互に表す式をaとする。s-aは0+4+0+8+0+12・・・になり4でくくると4(1+2+3+4+5・・・)と言う式になり()の中は元の1+2+3+4+5が続く式sがまた出てくる。4倍になるという事は1+2+3+4+5と続く式sは1-2+3-4+5と続く式aのマイナス3分の1と言う事になる。つまりs-a=4sになり両辺からsを引くと-a=3sになり、sはマイナス3分の1aとなる。次に1-2+3-4+5と続く式から1-2+3-4+5と続く式をマイナス1倍したものを引く。つまり2倍にするのだが、項を一つずらせて計算すると1-1+1-1+1と符号が交互に続く式bが出てくる。1-1+1-1+1と続く式bから1-1+1-1+1と続く式bをマイナス1倍したものをまた引く。つまりまた2倍にするのだが、また項を一つずらせて計算すると今度は1になる。1-2+3-4+5と続く式aを4倍すると1になる。つまりa-(-a)=2a=bになりb-(-b)=2b=1になる。言い換えると4a=2b=1が成り立つ。4倍しなければ4分の1という事になり、最初にマイナス3分の1と出て来た結果から、1+2+3+4+5と続く式は、マイナス12分の1になる。さっぱり分からない。キツネにつままれたような話だ。そもそも1-2+3-4+5と続く式はどこからそんな数式が出てくるのか。4倍したり項をずらして計算したり、簡単な算数計算なのに結果を理解できない。そもそも1-2+3-4+5と続く式は、順番に足していくとマイナス、プラスと振り幅がどんどん大きくなっていく。2項目と3項目を足すと+1、4項目と5項目を足すと+1、続けて計算していくとプラスの無限大になる。しかし1項目と2項目を足すと-1、3項目と4項目を足すと-1、続けて計算していくと今度はマイナスの無限大になる。足し算は順番を変えても答えは変わらないはずなのに、途中経過だと最後の項の数値の半分くらいの数値でプラスマイナスの振り幅がある。単純な算数でさえ分からなくなってきた。
 次の球体では、歪んだ2本の波のような曲線がxyz方向にそれぞれありその間の計算をしている。何をしているのかさっぱり分からない。サインコサインタンジェントなど高校で習ったような文字やギリシャ文字が沢山計算式の中に出てくる。微分積分や賞金の出る何たら予想など、数学の問題でもしているようだ。説明されても分かりそうもない。コスプレの女の子の説明と同じレベルだ。女の子が可愛いのは分かるが、何たらアニメの何たら学園の何たらちゃんの姉妹と言うように、日本語としては分かるが、何の事やら全く想像すら出来ない。
 ここは諦めた。数学の話で頭が痛くなってきた。気を取り直して次へ行こう。

 また六角柱の外に出て右隣の側面の真ん中あたりの球体に入ってみた。
 こちらの球体では、縦横対角線の図形を使いながら、光速度は一定だが時間の進み方が違うのは間違っている。そんな話をしている。天動説 地動説と同じ過ちを犯している。天動説では惑星の見かけ上の逆行運動に周期がある事を発見し、軌道上の倒れた小さなリングの上を回るという摩訶不思議な動きを、計算して言い当てる。星座用の天球、惑星用のそれぞれの天球がありそれぞれの動きが予測できれば正しいとされてきた。光速になると縮んで見えるようにはならない。逆に薄く伸びると言っている。ゴムの様に伸びた状態で連続写真を何十枚も多重露光させたように見える。光速以上またはそれに近い速度で動く物が見えるのは、その場所での光の発光、又は反射を見ている事であり、光そのものが光速以上で飛ぶ事はない。例えば観測者とロケットが光速で1秒離れた場所にあり、同時に横へ1秒間光速平行移動し停止する動きをイメージする。部屋には点滅する明かりを上下前後左右の壁から等間隔になるように置き、壁に映る点滅の反射も観測する。移動前の観測者とロケットの距離を1秒の縦線、ロケットの移動前後の距離を1秒の横線、移動後の観測者と移動前のロケットを結ぶ距離、対角線はルート2で1.41秒は光の進む距離であり、移動後の観測者とロケットの距離は1秒の縦線である。観測者やロケットからから見る移動直後から1秒後に停止する世界は異様に見える。同時にスタートしたが観測者からもロケットからも相手の光が届く1秒では届かず、移動後停止した0.41秒後に相手が動き出す虚像が見え、0.59秒後つまりスタートしてから2秒後に移動直後の1秒前の相手が見える。お互いに相手は0.59秒で1秒分を移動した虚像が見える。どの壁にも映る点滅の反射は同時に見える。慣性系に関しては光速でも速度が加算される事になる。部屋の中央から出て上下前後左右の壁に当たる光の速度は変わらず、壁は同時に光っている。この観測者とロケットから光速で1秒離れた所、正三角形になるような場所から動かない第三者が観測すると、観測者とロケットは同時に光速で自分から横向きに離れていき1秒後停止する事になるが、1.41秒後に停止した映像を見る事になる。他にも半径が光速1秒の距離、円周2π、1秒で一周する光速ロケットから、一周ごとにカウントを表示させた場合、ロケットの速度は光速の6.28倍になり、それを円の中心から見ると一周ごとにカウントが上がっていくのが観察できる。縮んで針金人間になったり紙のように薄くなったりしない。半径の距離分1秒遅れた映像を見るが、見た目の形は変わらなく明るさが6.28分の1になる。乱暴な言い方をすると見た目は円周を描く帯に見える。ロケットから円の中心の観測者を見ると1秒間に1回転しているのが1秒遅れで見える。場所が変わらないから色が薄くはならない。地球と太陽の距離は光速で8分19秒。光速の16倍で移動するロケットで太陽を回って戻ってくる場合、1分後にロケットが戻ってくるから1分後にはロケットが目の前に現れる。加速減速はとりあえず考えない事にする。8分19秒後には実際には出発してから30秒後だった太陽を迂回しているロケット、明るさは16分の1で見た目の長さが16倍に引き伸ばされた帯のようなロケットの虚像が見える。実像と虚像に差があってもタイムマシンではない。見た目上のズレは単に距離と光の速度に比例しているだけである。何百万年もかかって届いた遠くの銀河の光を見ているのと同じである。基準座標なんてものはなく慣性系や加速系など数式でしきりに話している。興味津々であるが数式を使われると全く理解できない。次元時間のずれは計算で補正できるなど、水星の軌道、GPS、ミューオン、そんな言葉も出て来る。光速以上で動くものは「場」「ミューオン」以外にも宇宙には沢山ある。光速未満も光速以上も計算式は同じで、しきりにいくつかの数式を並べて話している。光速度不変の定理で、例えとしてロケットの直径が光速で1秒の大きさがあり天井の明かりが床を照らす縦の光の軌跡を考える話がよく出てくる。300万回反射させて長さ100mにする方が効率的ではあるがそれは横に置いておこう。ロケットが1秒間の光速横移動するのをロケットの外の離れた場所から見ると、光の縦の軌跡は横移動が加わり対角線になり1.41秒間を1秒で移動する必要が出てくる。対角線上の1秒地点は横移動では約0.7秒地点になり、時間を伸ばしたり時空を縮めたりしなければならなくなる。数字上成り立たないから存在しないと結論付けてしまうには残念である。光速移動の見え方は何となく分かった様な気がするが、それ以外はさっぱりだ。
 次の球体では、数式が沢山あり、あちこちで桁違いに重力が不足している。未知なる話をしている。それぞれの銀河の中心には巨大なブラックホールがあり数千億の恒星を重力で引き付けている。渦巻型銀河の腕の回転スピードが内側と外側で同じでは重力が釣り合わない。恒星系では恒星から離れる惑星ほど遅い周期で回っている。公転周期が遅いと恒星に落ち、早いと恒星系外へ出てしまう。銀河の場合、周期の内側にも沢山の恒星がありそのお互いに引っ張り合う重力が作用している。恒星以外にも重力の元となる物質として、恒星の寿命後の形態、太陽の8倍までの白色矮星、30倍までの中性子星、30倍以上のブラックホールがある。それらすべてを加味しても内側と同じスピードになるには重力が足りない。その足りない重力を補う物質がダークマターだと呼ばれている。それは何か全く分かっておらず全体の27%を占めている。銀河の集まりである銀河団はお互いに加速しながら離れていくのが常識となっている。宇宙を加速膨張させている力はダークエネルギーと呼ばれ同じく何か全く分かっていない力が宇宙の68%を占めている。人類は残りの5%の物質しか判明していない。宇宙の5%しか分かっていないなんて不思議な話だ。100点満点テストで5点しか取れなくても、宇宙と同じ理解度だと思えば、落ち込まなくてもいいかもしれない。
 次の球体では、場の力の話をしている。場とは3次元空間の土台の元をなす場の事だ。しばらく聞いているとエントロピーを最大にする力を持っている。物質を均一に存在させる力、反重力とも言っている。物質を構成する素粒子の引力は遠くまで影響作用があり 電磁気力、強い力 弱い力は表面にだけ影響作用する。物質が多量に集まると引力が強く発生し相互作用が働き近づけ合う。場は永遠ともいえる空間であり、その中にある物質を均一に広げていく。例えれば大きくなっていく球の上に砂をかけたようなもので、砂はまわりに広がっていく。球の表面には中心と言えるものは存在しない。球はあくまでイメージであり、そのまま進んで元の場所に戻ってくる事はない。場には地平線のようなものがあり地平線より先は光でも見ることが出来ない。場は力やエネルギーであるから形を変形させることが出来る。場に力やエネルギーがあると言うのならば、ワームホールは作れるという事なのだろうか。
 次の球体では、地球の周回速度は秒速約7.9km、脱出速度は秒速約11.2kmである。脱出速度は惑星の半径分の質量にルートを掛けた速度である。周回速度や脱出速度の話をしている。同じ質量でも半径が小さくなれば脱出速度が速くなる。同じ大きさでも質量が増えると重力も強くなるから脱出速度が速くしなければならないのは感覚的に理解できる。押し固めて小さくすれば脱出速度が上がるというのは理解しがたい。分母と分子の関係だから算数的には理解できるのだが感覚的に難しい。太陽の30倍以上の質量を持つ恒星が超新星爆発した時に、極端に半径が小さくなりブラックホールになる。事象の地平線を超えると、光でさえ出て来られないのはこの理論からである。密度が極端に上がると重力も極端に上がる。質量がないと言われる光をも曲げたり取り込んだりする重力は何者なのだろう。極端な重力は時空をも曲げてしまう。時空を曲げてしまうとはどう事なのだろう。重力レンズは理解しているつもりだが、地球上で地上と人工衛星の時間の進み具合が違うなど僅かな差が起きる事自体が理解できない。GPSなどは高低差による重力差の補正を行うから正しく使えていると説明されても、そもそも高度差で時間がずれる事自体が理解できていないから、何を説明しているのさえ分からない。高低差で時間がずれるのなら、銀河の腕の公転速度、地球の公転速度、自転速度の組合せると、銀河から見た地球の表と裏では時間のずれが発生しているのではないか。そんな事を考えてしまうが、重力は表面でしか強く作用しないから、銀河の中心との距離と太陽との距離、地球の直径の比率を加味すると時間のずれはあってないようなものかもしれない。
 次の球体では、真空中は何もないわけではない。水中で光の速度が秒速22.5万kmになるように、宇宙空間を何年も長距離飛んでいる間に小さな屈折をL繰り返している。光は減速するという話をしている。光速を一定としているから宇宙が膨張しているように見えるのであって、光速も見かけ上減速していると考えれば宇宙の膨張率も違ってくるのではないか。実は収縮が始まっているのかもしれない。そもそも光や電磁波は発生してからエネルギーの損失変化はないのか。エネルギーが何かに変換された時、速度だけは変わらないというのは不自然ではないのか。宇宙の基礎となる部分が根底からひっくり返りそうな話だ。アインシュタインの相対性理論やE(エネルギー)=M(質量)掛けるC(高速)の2乗、ハップルの宇宙膨張、ビックバン、背景放射など何かがひっくり返りそうな話だ。
 次の球体では、4次元の世界は時間が加わるという説があるが、時間と場は0次元から存在する。そう言った次元の話をしている。0次元の点に色変化があれば時間が存在している事になる。点をも存在しない無次元では、変化する対象物がないから時間も場も存在しないという事はない。今は無次元でも過去、将来又は別の場に0次元が存在する事を考えれば、すでに時間も場も存在している事にはなる。無次元自体では時間も場も認識できないが、高次元から見た無次元では時間と場が存在する。話の中で出てくる場や次元は光速を超えて広がり、宇宙の端は現在、光速を超えて膨張している。宇宙の端から見れば、相対的に我々は光速を超えて移動する世界で活動している事になる。時間や場は当たり前すぎてコントロールできないが、コントロールできる高次元から見れば3次元世界は実は5次元世界である。そんな話もしている。時間、場、次元、光速を超えている世界の話など、なんか興味津々の話をしているが、完全に理解するには難しそうだ。
 次の球体では、核融合・核分裂の発電の仕組みの話のようだ。核融合は恒星の中で起きている現象で、水素からヘリウムへと融合していく。核分裂は現在の発電所で仕組みを説明している。ウランやプルトニウムの話もしている。230番台の数字が沢山出てくる。20億年前にガボンのオクロでウラン235Uの濃度が3%もあるウラン鉱床があり、水と反応し自然核分裂現象が起きていた。45億年前の地球が出来た頃、ウラン235Uの濃度は17%であったが、現在は0.7%である。23億年前はまだ酸素濃度が低くウラン鉱石が酸化されず核分裂ができる濃度であったと考えられている。酸素濃度が高く放射能がない世界でしか生きられない今の地球環境は大切にしたいものだ。過去にはチェルノブイリやスリーマイルで原発事故があった。また事故が起こるかもしれない。事故か起きた時の連絡方法、避難方法、避難場所、避難先の生活などの対策はあるのだろうか。原発の近くに住んでいないから何も知らないが、原発近くの住民は知っているのだろうか。停電になり、情報弱者でも車を持ってなくても遠方に親類がいない人でも余すことなく政府は助けてくれるのだろうか。気になるところだ。
 次の球体では、電子はマイナス、陽子はプラス、中性子はどちらでもない、アップダウン、ニュートリノそんな言葉が飛び交っている。素粒子の話だ。ニュートリノはニュー・トリノではなくニュート・リノと区切る場所を間違っていた事を最近知った。素粒子は十数種類発見されているが実は何十種類もある。未発見の素粒子は組合せによりまったく相互作用しない状態にある。銀河の衝突で惑星が衝突しないのと同じように、相互作用しない素粒子は重なり合い別次元の宇宙と多重になっている。元素の周期表から素粒子が考えられたように、素粒子もまたベースとなるものが存在する。それはたった一つの物質ではあるが順不同に3つの性質が入れ替わる。1つでも作用し、2つが接続した線状、3つが接続した三角形でも作用する。それぞれの性質として3、9、27パターンになる。線状態や三角形状態で、それぞれの物質の性質が全て同一になる時に、分裂や接続が起こる。1つ、線状態、三角形状態が互いに接続し、分裂や接続が行われ、新しい性質が生まれる。新しい理論の話か。自然は単純な作用の繰り返しで複雑性が生まれると考えられている。言っている事は単純で分かりやすいのだが、だからどうしたって感じだ。素粒子より小さいのが存在すると考えられていないのは、科学が未発達なのだろうか。 
 次の球体では、物質はどこから来てどこへ消えていくのかの話をしている。ビッグバンによって突然膨大な物質が現れた事になっているが、高次元から三次元世界へ移動してきただけの事である。また物質は常に変化し、状態により高次元と低次元を移動したり、ある次元に留まったりする。原子核の自転や電子の動きは誕生した時から減速しないのか。元素の劣化が起きる時、何を吸収するのか、何を放出するのか、何へと変わるのか。そういった話をしている。物を燃やしたらエネルギー変換で、熱や光を出す事は知られている。燃えカスを宇宙空間に数億年間放置しても何も変わらない。超新星爆発で放出された元素が、数億年間旅をしても何も変化しない。そんな事はありえないような気がしてきた。元素が持っていたエネルギーの事やダークエネルギーの事を言っているのだろうか。沢山の数式で議論しているが何の事やらさっぱりだ。
 次の球体では、電磁気学、量子力学、重力やら、電気やらなんちゃらの法則が図解や数式でいっぱいである。銀河の動きや電子の動きや集まり方が同じように見える。周期表に行や列が増えたり、いびつな円柱になったり、3次元に並べられ、何かの基準でそれぞれの高さが変わったりしている、統一場理論、大統一理論の話題か。強い力と弱い力は電磁気力を基準にして強弱を決めている。磁石、電気、重力、素粒子、別のものの話か。プラスマイナス、N極S極のように反発するものがくっついたら消えたり、同じものが集まったら、増えたり消えたり反対側の性質のものになったり、片方からもう片方へ流れたり、図解や数式であれこれ話し数字を書き換えている。何かを混ぜたら、光や音を当てたら、ふりかけ、うまく表現ができないがなんかやったら性質が反転したりしている。何の話をしているのだろう。これは全く分からないな。
 科学的な話は、不思議がいっぱいで見ていて面白い。少し疲れたから気運転換に他を回ってみる事にする。

 また六角柱の外に出て右隣の側面の真ん中あたりの球体に入ってみた。
 こちらの球体では、3年前windows95が出て、誰でもPCが持てるようになり、インターネットで知識の共有ができるようになった話をしている。今はAIの第2次ブームらしい。f分の1揺らぎ、ファジー、カオス、ナレッジ、小さな多数決の融合、そんな単語が飛び交っている。デジタルの0と1の世界から、アナログのこのあたりから向こうはあっち側という世界へと、認識させる方法論の話をしている。AIの仕組みの話だ。今はマークシートで線の有る無しなど、手書きの数字認識がやっと出来るレベルだ。19世紀後半に産業革命が起こり、製造業は一から十まで一人で作っていたのが、ベルトコンベアで分業になった。馬は自動車に代わり、馬乗りは運転手に、馬の世話人は工場労働者へ職種が変わった。今は自動化が進み、30年前より工場労働者は少なくなった。改札口の切符切りの駅員もいなくなった。銀行では現金の入出金や振り込みはATMになった。そこそこのAIが出来た時、手足が付いたロボットが動き回るようになると、お手伝いさんや警備員はいらなくなる。弁護士が言う第何条第何項は、電子化された六法全集などを文字検索すれば良くなり、法律をすべて覚える必要はなくなり、過去の判例も検索すれば出てくる。会計士の仕事は事務員が数字を打ち込めば、自動振り分けで完了する。お役所仕事は文字と写真だけだから、書類をweb形式にすれば自宅から申請して完了する。データをリンクしAIが扱うようになれば、人が行う仕事はかなり少なくなってしまう。視覚聴覚味覚などの錯覚の感覚と数値データの違いをAIに教える仕事やAIの扱いを教える仕事など、新しく生まれる職種で働くだけの事かもしれない。機械が発展してAIがAIに教えるような社会や、単純労働から知的産業まですべて機械が行う社会では、生活の為に働く必要が無くなり貧困の差は少なくなる。バブルがはじけてリストラされ職を探す心配もなくなる。自分の生活や家族の為に働く必要がなくなると、生きがいとは何かと言う新しい問題が出てきそうだ。趣味や芸術に生きる、何かを研究する、AIでは出来なくて人にしかできない発想など、新しい産業が生まれそうだ。生きている者にしかできない事で最後に残るのは愛かもしれない。困っている人が目の前にいたら、助けてあげようと思うのは自然な事だ。大富豪が慈善事業に行きつくのは自然の流れかもしれない。優しさと名誉が同一視されるような社会になっているかもしれない。未来は愛に溢れる社会になってほしいものだ。そもそも映画のように、機械が個人を認識し会話する世界がくるのだろうか。暇な時はおしゃべりしましょう。AIとデート。外見や性格はお好みに作りますよ。AIロボットまではいかなくても、照明、TV、ステレオなどを音声操作したり、質問したらインターネットで調べてくれたり、複数の検索結果の矛盾内容をまとめたり、SF映画のように機械と会話するなんて、私が生きているうちは実現しそうもない事は確かだ。
 次の球体では、飛行機、ヘリコプター、気球のように空気を使うものではなく、浮遊する方法の話をしている。水害、地震などの災害で地面が使えない時、浮遊して救助に向かう乗り物の話だ。まだ完成できない事に非常に悔しがっている。重力と磁場の反作用を利用する反重力エンジンみたいな話をしている。宇宙空間では恒星と巨大惑星、重力線と磁場線を利用して三角測量の要領で好きな方向へ移動できる。今の技術でも効率が悪いが実現できるらしい。が、地球人の精神文化では時期尚早だと言っている。ジャングルジムみたいな構造体に高電圧をかけたら浮遊するのはTVで見た事がある。ただ電圧が高すぎて人は乗せらないそうだ。どういう仕組みなのかは知らないが夢のような話だ。
 次の球体では、PCが普及してサンデープログラマーが増えると言う話をしている。プレイステーションでは攻撃ロボットを操縦するプログラミングゲームがある。プログラミングと言ってもプログラム言語で本格的に書くのではなく、進む方向、レーダー範囲の指定、武器の選択、撃つ、逃げるなどの指令タイルを繋げるだけである。感覚的にプログラミングするゲームだ。昭和中期に電子ブロックと言う、電子パーツのブロックを並べてラジオ、インターホン、トランシーバーなどを作るおもちゃがあった。それのソフトウェア版である。PCでサンデープログラマーが増えてくると、いたずらや悪用するものも出てくるが、中には新しい発想で新産業が出来るかもしれない。便利さや楽しさを求めて、時には意図せず法に触れる事もあるかもしれない。レコードレンタル業が立ち上がる時には著作権法が問題になった。新しい産業が生まれる時には必ず既存産業との問題が起きる。同じような事がソフト業界でも起きるだろう。その時に開発禁止や罰則は発展の阻害になる。既得権益が守られ過ぎない社会であってほしい。
 次の球体では、クイズの様な話をしている。地球上で作られた砂時計を、宇宙空間で遠心力を利用し重力の半分と2倍で動かした時、動作時間は2倍や半分になるのか、または動作しないのか。静電気の影響は、重力を何分の1にした場合にでてくるのか。地球と月の間で反射率100%の鏡で互いに反射させ合った時、光は永遠に反射するのか。地球の公転上に反射率100%の鏡を3つ置き、地球から光を送り3つの鏡をリレーして地球に戻ってくる時、光の性質はどのように変わっているか。その他の方法などで、光の性質の話をしている。数式や飛び交っている言葉の意味は分からないが、なんか面白そうな話だ。
 次の球体では、光速に近いスピードになると重くなる。光速は超えられない。時空、相対性理論、重力と光速の話をしている。ブラックホールの事象の地平線の向こう側とこちら側では時間の進み具合は異なるが、それぞれ観測者がいる時空内ではどちらも1秒は同じ1秒だ。ブラックホールの重力では光速でも出られなくなる。ブラックホールの外から中に落ちていく物体は、見かけ上だんだん遅くなり物体の先端と後ろ端の重力の差により引き延ばされ、ある時点で止まったように見え、その先は見えなくなる。物の見え方が違うだけで時間は変わらない。光と時間はどちらを基準にしているかで表現が違うだけである。為替レートのように時間レートが必要になるのではないか。目の前の砂時計と何万光年も先にある銀河は同時進行で時間は進む。望遠鏡で見ているのは数百万年前の銀河や恒星お姿である。光速の半分以上のスピードで移動できるロケットに乗った場合、真逆に遠ざかるロケット通しではお互いに見えない。お互いに近づくロケットでは突然現れ、後から軌跡が追いかけて来るように見える。ただそれだけの事でお互いのロケットの観測者も俯瞰している観測者も1秒は1秒で変わらない。どこかを基準にして相手が早く動くから、又は重力が強いから時間速度が変わる事はない。逆説な事を言えば、重力が強くなると光速も遅くなるなら、反重力なら光速は早くなる事になってしまう。光速移動は早いようで実は遅すぎる。隣の恒星まで数光年、小さな宇宙船の中に数年も閉じ込められるなんて気が滅入る。仮に大型の宇宙船を作り地球環境を中に作り1Gで加速すると、相対性理論では1年で光速の約77%、2年で約97%、3年で約99%になる。移動距離は順に0.37光年、1.85光年、4.22光年になる。時間経過は順に0.66年、0.87年、1.09年になる。宇宙船内の1年後では外世界は1.59年経過し、2年後は3.75年、3年後は7.09年になる。相対性理論では光速になるほど動きにくくなる。相対性理論を無視した単純計算では、1G加速を1年続けると光速の103%、移動距離は0.515光年になる。光速度と時間を無理やりリンクするからおかしな事になる。見える見えないで時間を計るからおかしな事になる。昼間、月が見えないからと言って、月の時間が止まっているわけではない。光速移動には莫大なエネルギーが必要になるが、それはまた別次元の話である。話を聞いていると分かったような分からないような、光速で宇宙旅行から帰って来た時、数世代後の子孫が迎えに来るというのは誤りなのかもしれない。
 次の球体では、タイムマシンパラドックスの話だ。よく話題になる話で、タイムマシンに乗り100年前の世界に行き、祖父を殺害したらどうなるかという話だ。過去は変えられない派は、殺害しようとしたら妨害が入り殺害できない。逆に言えば現世界の未来はすでに決まっている事になり変えられない。努力の有無に関係なく結果は決まっている事になる。過去を変えると未来が変わる派は、まずタイムマシンの発明の前後で動きが変わる。発明前の過去へのジャンプは片道切符でしか行けない。戻る機械がないから当然である。タイムマシンから降りなければ空中から観光して出発点へ戻れる。発明後は過去へも未来へも行けるが、起動した世界の時間軸の移動しかできない。殺害すると親のいる世界といない世界の二つの未来が存在するようになる。そのまま未来へ行くと、親のいない世界では自分が存在しないパラレルワールドになっている。無人島ならいいが、都会ではIDがなく元の生活に戻すのが難しいだろう。1週間前後のジャンプなら自分が複数になり社会が混乱する。過去や未来の自分に近づいたらジャンプしてきた方が消滅する事もなく、会話もハグもできる。未来の自分は、過去に未来の自分と出会った記憶が生まれるだけである。親のいる世界に行くには、親の生きている時間帯の未来に行き、親のいる別ワールドへタイムマシンをパラレルシフトさせる。親のいる世界といない世界のワールド間の差異は、時間と共に収束消滅しワールドはやがて一体化する。発明などは邪魔をすれば無かった事にする事ができ、同じ目的の発明が異なる時期、場所、発想、人物で実現される。ただし、小さな流れは変えられるが大きな流れは変えられない。同じ時刻帯のパラレルワールド間の移動は、未来を変える事象を起こした場合、バタフライエフェクトが発生し、そのままでは行く事が出来ない未来や過去の時間軸が増える。バタフライエフェクトは、やがてマルチワールドを一つにする力が働き、同期化する動きが始まり 最小エネルギーを使う形で一つに統合する。散らばった落ち葉が、風で吹き溜まりに一つにまとまるように差異が消えていく。タイムマシンのジャンプやパラレルワールドのシフトに必要なエネルギー消費量は、ジャンプの時間差やその時間帯のパラレルワールドの数、差異の大きさに対して対数的に増える。過去に行き10回戻りピラミッドを建てる場所を10回変えると、10個のパラレルワールドを作った事になる。ワールドの場にはマルチワールドを一つのワールドにする力があり、パラレルワールド間の矛盾を解消させる力が働き、自然災害などの形で9個のピラミッドは一気に破壊する。9個のピラミッドのないワールドは、ピラミッドのあるワールドの世界に近づくように街並みが発展し、差が無くなったワールドは一つずつ統合され、ピラミッドのあるワールドだけになる。自然はすべてのピラミッドと周辺を含む差異を一気に壊して、複数のパラレルワールドを一つのワールドにする方法を選ぶかもしれない。マルチワールドは大きく分けて2種類あり、分岐して作られたパラレルワールドと、もともと別のワールドだ。分岐していくつも作れるパラレルワールドは、メインのワールドから分離した小さな高次元地域バブルのようなものだ。宇宙の全てが複数作られるわけではない。差異が無くなるとメインに吸収される。もともと別の世界とは、0次元から始まる別の宇宙と考えてよい。タイムマシンは未来では発明されていて、すでに現在や過去に何度も来ている。パラレルワールドの認知や変化の差異を発見できないから、何度も分岐・統合している事に気が付かない。努力すれば未来は変わる世界であってほしい。マルチワールドが統合するって事は未来が決まっているのだろうか。統合の仕方を変えれば未来も変わると言う事なのだろうか。未来が現在を、現在が過去を変えるとはどういう事なのだろう。現状が気に入らないから過去に戻って変更してくるのだろうか。未来の情報を持っていれば、過去時点での判断も変わるのは確かだ。近い将来の災害や戦争の情報を知っていれば、そこに家を建てない。タイムマシンのない世界では無理な話だ。今は過去へ情報を渡す方法はない。未来予測や兆候を見つける事しかできない。ガラス窓へ飛んでいくボールやドミノ倒しなどの直近の未来は分かる。周りのすべての要素を組み込めばもう少し先の未来は分かるのだろうか。バーチャル世界を作り、そこにすべての情報を組み込み、時間を倍速にすれば未来を垣間見られるかもしれないが、全ての情報ってのが無理な話だ。そもそも移動時間先の場所を見つけるのも大変だ。地球は自転し太陽の周りを公転し銀河を周回しているから、1秒で数百kmも移動している。ましてや銀河団の移動速度を加味すれば数桁上がってしまう。映画のように何十年も移動してしまっては、移動先で最初にするミッションは、宇宙空間の中で地球を探す事と移動になるだろう。また分岐させてしまったパラレルワールドでは、どの時間軸の世界なのか、別の次元の問題も出てくる。
 次の球体では、タイムマシンの話だ。これは興味津々。話を聞いていると行くことはできないが見る事は出来る。ただ単位が宇宙規模だ。地球から見ている星々は数年前から数十億年前の姿を見ている。当たり前の事だ。その時差を利用するだけの事だ。10万年後の過去や未来を見るには、地球から10万光年の所に北と南の極方向と赤道から外方向に4つカメラを設置するだけだ。地球を見れば10万年前の地球が見え、反対側の宇宙を見れば10万年後の宇宙と現在の宇宙との時差から詳細な宇宙の動きが分かる。10万年後までの地球上で起こる宇宙レベルの事件を知る事が出来る。隕石衝突や太陽の異変が事前に分かるとそれに対応する事が可能になる。10万光年先にカメラを設置するとは銀河系の直径と同じ距離だ。他の知的文明との遭遇も終わっているかもしれない。ただそこに設置する方法など通信手段の話はもう終わっているようだ。その辺が一番気になり聞き逃したのが残念だ。地球で人類の農耕文明が始まったのは紀元前約11000年前、文字が使われるようになったのは紀元前3500年前。今後数千年文明が続いたとても2万年にも満たない。その6倍以上のスケールだ。はたして数千年後に人類はまだ存在しているのだろうか。今以上に文明が発達しているのだろうか。戦争して石器時代に戻っていないでほしい。来週の優勝馬を知りギャンブルで有利になる話などではなかったのも残念だ。映画のようにはいかないものだ。
 次の球体では、ペアを組んだ相手に情報が光速を超えて瞬時に伝わる。2通りの性質を持ち観測した瞬間に相手はもう片方の性質になる。量子もつれの話をしている。もう何が何だか分からない。素粒子が一番小さい物質だと思っていた。そもそも素粒子と量子は何が違うんだ。実験自体がナンセンスな事かもしれない。ペアの状態を作る時、すでに互いの性質が決まっていれば、いつ観測しても結果は変わらない。2つを地球の両端に隔離して置き、片方を変更した時に同時にもう片方の変化を確認出来たら証明できたことになると思う。
 技術的な話や空想的な話が続いた。夢があって面白い。六角柱の面によってカテゴリー分けされているようだ。

 また六角柱の外に出て右隣の側面の真ん中あたりの球体に入ってみた。
 こちらの球体では、薬で治癒力を高める話や外科手術の話をしている。失ったパーツを補う為、クローンからの移植、自己再生、機械と交換するなど、さまざまな方法を示している。近い将来の話か未来の話か分からないが医学の発展の話をしている。実現した場合は、オリンピックとパラリンピックとの区分けが難しくなりそうだ。機械と交換した方が圧倒的に有利だ。内臓まで交換できるようになれば、何歳まで生きていくことが出来るのだろう。脳を移植するようになれば肉体は服を着替えるのと変わらない感覚になるのだろうか。生きるという概念は今とかなり違う意義を持ちそうだ。
 次の球体では、高温の温泉の中や南極の永久凍土の中にいる微生物、深海の熱水噴出孔の周りに住む生物、中でも金属のうろこを持つ生物、過酷な環境でも生き返るクマムシなどの話をしている。極限環境の生物の話をしている。人間の生活環境からかけ離れた極限環境でも生きていける生物は、活動範囲は狭いが多数存在する。水星や金星、天王星や海王星には微生物が沢山いるかもしれない。
 次の球体では、ウィルスにかかったり寄生されたりして行動をコントロールされたり、麻薬などで幻覚を見たりする作用を、有効利用するウィルスと薬の話題だ。何かに興味をひくようなウィルスを作れば、それを知りたいという学習欲が高まる。勉強しなさいなんて言わなくても、知識を得ようとする本能が急激に活発になる、いわゆる頭のよくなる薬だ。そんな薬が出来たら、勉強で苦しむ事も無くなるだろう。
 次の球体では、生物の集団移住のような話をしている。原因はいろいろあるだろうが、核や生物兵器の世界戦争で一瞬にして環境が変わったのならともかく、太陽の変化などが数万年単位で事前に分かるなら、テラフォーミングで移住先の惑星の生活環境を作り替えることで対応できる。しかし食物連鎖や工業製品の材料等、全部を移動する方法という問題が発生する。移住人数を制限するにしても 人類存続に最低何人が必要で多様性をどこまで求めるかが問題になってくる。狭い空間の中で何十世代も生活し、一部は冷凍睡眠するにしても一定期間毎にはリフレッシュが必要であり、エネルギー問題も発生する。もう一つの解決策として、惑星型宇宙船に作り変える方法もある。地下に都市空間を作り、太陽の熱から地球のコアの熱へとエネルギー源を変更し、地面の氷から水を作り生命維持をする。しかし惑星を移動させると言うまた別の問題が発生する。そもそも現在の地球環境が維持されているかと言う問題もある。単独で移動する系外惑星は、もしかしたら地下に高度な知的生命文化があるかもしれない。そんな話をしている。スケールの大きな話だ。50億年後の太陽が赤色巨星になる頃の話か、地球と巨大隕石群の交差の話か、かなり未来の話だ。それとも別の惑星の話なのだろうか。
 次の球体では、酸素濃度と全球凍結の話をしている。地球は過去に少なくとも3回は全球凍結があった。原因は大量の宇宙線や火山噴火の連続などで雲が発生しで陽が当たらなくなり凍結していった。当然の事ながら生物の大量絶滅も起こる。二酸化炭素を酸素に変える生物はなく、二酸化炭素の濃度が高まり地球温暖化により氷が解け始める。シアノバクテリアなどの生き残った生物が二酸化炭素から酸素を作り出す。生物の進化がまた始まり酸素を使用する生物が増える。ミトコンドリアは全ての生物に引き継がれ、シアノバクテリアは植物の葉緑素として引き継がれていく。上空にオゾン層ができ生物は陸上生活できるようになる。酸素を扱うたんぱく質複合体として動物ではヘモグロビン、植物ではクロロフィルがあり似たような構造をしている。経緯が違っても目的が同じなら同じ構造になるのは当然である。外見に現れる収れん進化が細胞レベルで起きている。生物は酸素濃度が高くなれば巨大化し、酸素濃度が低くなれば小さくなる。節足動物の大きさが酸素濃度と比例していて分かりやすい。恐竜は低酸素時代の生物ではあるが、体が巨大化出来たのは気のうを使う呼吸方法に進化したからである。哺乳類は吸った時のみ肺に空気を入れる。気のうを使う方式では肺の前後に二つ以上の気のうを使い、吸う時に一つ目の気のうに空気を入れ気のうにあった空気は肺へ流れ、吐く時は二つ目の気のうの空気を出し肺の空気が流れてくる。つまり吸入専用気のうと排出専用の気のうの間に肺があり、吸った時も吐いた時も常に酸素を含んだ新しい空気で肺は満たされている。この機能を引き継いだ鳥類は酸素濃度の低い上空でも効率的に呼吸している。進化の多様性は見た目だけでなく構造も変化させている。22億年前の地球の全球凍結の後、一時的に現在の酸素濃度の状態が1億年続き元の酸素のない世界に戻った。酸素濃度は5億年前から現在の21%になり、10億年後にはまた酸素のない世界に戻る。主な原因は太陽の光量増加で、地球温暖化が加速し植物をはじめ酸素を生成する生物が生息できず大量絶滅が起きる。生息しているのは酸素を必要としない嫌気性生物やメタン菌である。地球上で次の知的生命体は、嫌気性生物やメタン菌から進化して生まれる。進化の基準や生態系、食物連鎖は今の常識が通用しなくなり、新しく再構成される。地球誕生後、最初の20億年の間も酸素はなかった。嫌気性生物の細菌や古細菌は、熱水噴出孔から噴出する液体中の溶解した各種の化学物質を、有機物合成し現在も生存している。周辺には食物連鎖の上位にチューブワーム、貝、エビ、カニ、魚類等が現在もいる。嫌気性生物は多細胞生物にはなりにくいとされているが、現在の生物が進化の過程で、酸素をエネルギー変換するミトコンドリアや葉緑体を取り込んだように、食物連鎖の上位の生物が、嫌気性生物取り込めば新しい進化が生まれる。30億年前に知的生命体がいたとしても、地上にあった文明の痕跡はマントルの対流で地殻ごと全て地下に消えてしまった。もしも宇宙に進出する文明まで発展していたなら、月や火星等に痕跡が残っているかもしれない。話の途中で化学式などが出てきた時は次の球体へ行こうかと思ったが、鳥類が恐竜の子孫である根拠を知る事が出来た。人類文明は、地球が太陽に呑み込まれるまで40億年の猶予があると思っていたが、酸素が無くなる10億年以内に地球を脱出しなければならない。現在の環境が出来て5億年、人類が火を使い始めたて12.5万年、人類はまだ月しか行っていない。10億年待たずに地球環境を壊してしまう文明なんてナンセンスだ。
 次の球体では、地軸がずれているのはジャイアントインパクト説が有力とされ、現在は23.4度傾いている話をしている。地球の地軸は一定でなく傾斜は数万年かけてブレが一周する。止まりかけのコマがぶれるのと同じで歳差運動と言う。13000年後の北極星はこと座のベガになっている。8400万年前には月やマントルの動きで地球の重心がずれ12.5度以上傾き、ほぼ横倒しになりその後元に戻った。歳差運動でも両極の位置はほぼ変わらないが、多少のずれは発生する。高緯度の氷が解け、閉じ込められていた過去のウィルスやバクテリアが生き返る。新しい生物との共存または生存競争になり抵抗力がない生物は絶滅し別の進化が始まる。進化と絶滅はこんな形でも起きている。地球がほぼ横倒しになった時期があったなんて信じられない。何がどうなったら元に戻ったのかも不思議だ。インフルエンザの菌は解けた永久凍土から渡り鳥が世界へ運び、他の動物を経由して人間に移る。パンデミックは起きてほしくないし科学の力で何とか抑えてほしいものだ。
 次の球体では、地磁気は常に移動しているという話をしている。太陽にも磁気があるが直径が大き過ぎて、地球でいう赤道と極のあたりでは太陽内部の流体速度が異なる為、磁場のねじれが起こる。N極S極が複数になり表面方向にも中心方向にも磁場が傾き、裏表を返すように一つに繋がる。これを11年ごとに繰り返し上下逆の双極磁場に戻る。地球では中心にある鉄の塊が回転し磁気が発生する。地磁気が移動したらGPSの計算式を修正し オーロラが低緯度で見られるようにもなる。地球の地磁気逆転の周期、つまりN極とS極が入れ替わる周期は数十万年から数百万年かかるとされている。極が存在したまま移動するのは問題ない。問題なのは極が存在しない又は弱くなる時期がある事である。磁場が弱まると宇宙線が降り注ぎRNA、DNAが傷つけられ突然変異が多くなり進化が加速する。長期化すれば、宇宙線が分厚い雲を作る原因になり地球凍結が起きて大量絶滅になる。地球上の生物は何とも不安定な環境に住んでいるのかと思う。進化は偶然の重なりだと改めて驚かされる。
 次の球体では、ウィルスは生物である。生物ではないという定義が変わる話をしている。生物の定義として自己複製があるが、その機能を持っていなくても寄生した生物の機能を代用できれば生物として認めるという話題だ。RNAやDNAの様な設計図を持ち、設計図を宿主に移植し宿主を変形させ、世代交代なしで強制進化させる。例えば両生類の様に海洋生物から地上生物に変形させる。数億年かかる進化を数週間で行う。自分の体を惑星の環境に合わせるのではなく、すでに惑星にいる生物に寄生し、環境や食物連鎖を維持したまま自分の体に適合させる。現存する種から自分にとって都合のいい新種に変形するウィルスは生物と言えるのではないか。地球外生命探査で単細胞生物を発見した時、進化に数億年かかると思っていた生命体が寄生性物の場合、とても恐ろしい事になる。完全な環境分離など100%出来る技術が無い時は、宇宙へ出るべきではないと言っている。今の宇宙船ではドアで中間部屋を仕切り気圧の変化だけである。空気、チリ、水滴、宇宙服に付いたものはそのまま別環境へ移動してしまう。2つの環境の接合部分は、前の環境を完全に焼却処理するなどして完全に消し去り、新しい環境へ作り直す。環境間移動する度に毎回行う。環境間移動する物体は環境再作成の処理に耐えられるのだろうか。なんともNASAが好みそうな話題だ。
 次の球体では、ゲノム編集、分子・原子構造編集の話をしている。出来る出来ないの技術的な話と倫理的な話をしている。ゲノム編集された生物で自然環境や食物連鎖が変わるように、分子・原子構造編集でも自然環境が変わる。今まで当たり前に使っていた道具が、突然意味をなさなくなるなど、そんな話をしている。例えば、石油を溶かす物質が発明された時、単独で使えていればいいが、何かのはずみで自己増殖を始め、何かと連鎖反応して制御できなくなった場合、石油だけでなくプラスチックなどの派生製品も溶かし始めたら、今の文明生活が成り立たなくなり石器時代に戻ってしまう。ゲノム解析で赤ちゃんの生態異常、発達異常を発見出来たり、生まれてくる前に治療出来たりするのは有意義だと思うが、肌、髪、目の色まで好みに作り替えるのは行きすぎだと思う。生まれてきた子供の欠点を補う為に、弟や妹を作る救生児やクローンなどは絶対反対だ。優生学も反対だ。多様性が無くなるし、ファッションの流行にように基準が変化する事も考えられる。行き過ぎるとかつてのナチスのように、人種を抹殺しようなんて事が起こりかねない。優生学まで行かなくても人種間の戦争は今でも続いている。悲しい事だ。
 次の球体では、生物と宇宙は同じ構成要素で構造が変化しているだけであり、死とは何かを話している。呼吸が止まれば生物としての死ではあるが、記憶から消えるのは二度目の死である。哲学的な話をしているようでもあるが、構成要素の変化が止まった時は宇宙の死であるとも話している。生物が死ぬとバクテリアに分解され素材になるか、他の生物の餌になる。前世があるとすれば一部は素材であると言える。恒星で元素合成され超新星爆発により宇宙へばらまかれる。バクテリアの話やら宇宙の話やら、なんともスケールの大小の幅が大きすぎる話だ。
 次の球体では、隕石衝突、巨大噴火、恒星異変、そういった自然現象以外で起こる種属の滅亡の話をしている。病気治療での人口ウィルスや遺伝子操作など、文明がもたらす自然介入の失敗で起こる危機の話だ。兵器にも治療にも使える技術は、ひとたび自然界に漏れ制御不能になると、食物連鎖の途切れ、生態系の破壊が起こりかねない。映画などでは地球外生物の侵略は文明の差があり過ぎ勝てなかったが、古くからあるバクテリアが侵略から守ったというのがある。将来ナノボット、ピコボットが出来た時の自然界に漏れ出して暴走した時を考えると恐ろしい。
 次の球体では、染色体や環境ホルモンの話をしている。Y染色体はどんどん短くなり数万年から500万年後には人間のオスとしての機能が消えてしまう。また環境ホルモンの影響で精子の働きが弱くなってきている。自然界ではメスの魚の集団からオスに性転換して子孫を残したりする。Y染色体だけが持つ機能として「胎盤を作れ」と言う命令機能がある。進化してX染色体が肩代わりするようになるかもしれない。又は医学が発展しX染色体に埋め込むように遺伝子操作する事になるのかもしれない。もしかしたら未来人は両性機能を持つようになっているかもしれない。逆な発想をすれば体外受精出産が当たり前で、女性は出産の苦しみから解放されているかもしれない。
 次の球体では、地球温暖化 海洋の酸性化 酸性雨などの言葉が飛び交っている。地球環境破壊の話だ。文明が発展すると必ず起きる弊害だ。自然環境を少しずつ壊し絶滅種が増え、限界値を超えバクテリアやプランクトンが生存できなくなっている事に気が付く。食物連鎖が崩壊し食糧危機に陥る。人類滅亡の危機だ。人口肉、人工野菜を作るのだろうか。開発製造する時間があるのだろうか。昆虫食になるのだろうか。昆虫はまだ存在しているのだろうか。世界的に食べるものがない。足元を見ない文明発展は自滅する。怖い話だ。
 次の球体では、生物的進化は文明進化が止めている。極端な言い方をすれば退化している。そんな内容の進化と退化の話をしている。社会文明が進み衛生的になった事で、川の水を直接飲めなくなった。途上国の人はそのまま川の水を直接飲める能力が残っている。先進国の人がその水を飲んだらお腹を壊してしまう。免疫能力がかなり落ちてしまっている。PCを使うようになって漢字が書けなくなった。毎日食事ができるようになって栄養素を体にとどめておく必要が無くなったのに、過剰摂取して肥満体になった。いわゆる成人病や現代病にかかっている。本能が文明についていっていない。分かっているのにやめられない。数百年後、人類の文化と体はどうなっているのだろう。人口爆発での食糧危機、人口制御で食糧配給、自然破壊で限られた場所での生活空間。どれを選ぶか、どんな未来にするかは、今考えなければならない。そういう事なのだろうか。
 次の球体では、争いで勝つためには強い武器が必要で、戦争の度に科学は発展してきた。人を殺す技術よりも、生かす技術の方を重要視すれば、医学はもっと発展する。そんな話をしている。確かにその通りだが動物の縄張り争いの様に殺し合いまで発展しなければ、別の選択肢も出て来たかもしれない。人類の戦争は恐怖の感情がある為か、将来の反撃にあわない為にも女性や子供まで殺してしまう。動物の縄張り争いの様にけがをした時点でやめるような戦い方なら、治療の医学が発展したかもしれない。
 次の球体では、節足動物の中で空を飛べるのは六脚類の昆虫だけである。進化の途中でどうやって翅を手に入れたかを話している。ミッシングリンクの話のようだ。昆虫の翅は完成した形で突然、体に追加されて現れた。進化は突然変異や多様性の中で環境の変化に適した者、つまり、色、形、大きさなど環境に適切な部位を持つ者が世代をかけて自然淘汰されていく。翅に進化する前の部位が別の機能として存在するか、背中側に二対の何らかの兆候があったはずである。昆虫の成長の仕方として脱皮を繰り返すタイプと、さなぎになり幼虫から成虫へ変態するタイプがある。昆虫は外骨格だから脱皮するのは卵の殻から出るようなもので何となく想像できるが、変態タイプはさなぎになって体も食べ物も生活環境も全く違う別な生き物になる仕組みは、大きな卵になって作り直しの様な物である。オタマジャクシからカエルになる両生類の様に徐々に変化させず、さなぎ方式の能力はどうやって獲得したのか不思議である。
 次の球体では、動物性プランクトンは捕食、植物性プランクトンは光合成を行うと単細胞生物の話をしている。単細胞生物には動物性と植物性の両方の機能を持つハイブリッド生物までいる。単細胞生物に脳はないが、捕食、分裂または交配で数を増やしている。同じように脳のない普通の植物やコケやシダ類も光合成で数を増やしている。食虫植物には脳はないが虫を採取する機能を持っている。単細胞生物の体には機能別な器官を持っており、多細胞生物は機能別の器官を多細胞で形成している。節足動物は脳と翅や手足を動かす神経の塊をそれぞれの部位の近くに持っているが、単細胞生物には神経に当たる器官もない。脳を持つ多細胞動物は脳がないと何もできない。食べる事、ましてや交尾する事さえできない。これはどういう事なのだろう。何かを失い脳が生まれたのだろうか。周りの状況を把握するために目、鼻が創造され、それを処理する脳が同時に創造され、効率よく捕食し捕食されないように逃げる。バクテリアやプランクトンは闇雲に動いて捕食しているのだろうか。顕微鏡で見ると明らかに意思を持って近付いているように見える。逆に抗菌作用のある所には菌は近付かない。どうやって生き延びているのだ。脳の代わりをするセンサーを持っているのだろうか。そのセンサーの結果判断はどうしているのか。センサーと筋肉のようなものが一体化しているのだろうか。センサーが反応すると好き嫌いを感じるなど進化とは何か。もっとも基本的な事だが解明されていない事が多い。環境に適応した者だけが生き残ると考えられているが、同じ環境に単細胞生物と多細胞生物が同時に存在するから優劣が付けられない。種を超えた多様瀬があり、食物連鎖の生活環境、コロニー、そんな言葉では片付けられない。この人の話はどこまで続くのだろう。生物の進化や環境の話をしている事は理解できるのだが。とりあえず地球は生物の宝庫で素晴らしいって事で終わりにしよう。
 医学や生物環境の話が続いた。気分を変えて他を見てみよう。

 また六角柱の外に出て右隣の面の真ん中あたりを選んでみた。
 こちらの球体では、異文化の交流、言葉が通じない時のゼスチャーの話をしている。イエス/ノーで首を縦に振るか横に振るかが逆の文化がある。アフリカの一部の文化では親愛な挨拶で唾を掛け合う行為があるが、他文化では侮辱した事になり、まったく逆の解釈になる。日本では日光の三猿が代表するように「見ざる言わざる聞かざる」でトラブル回避の方法としているが、欧米では「見ろ言え聞け」で主張をはっきりさせ誤解を無くす文化である。のこぎりやドアも「引く」と「押す」で逆である。救助を求める時、離れた場所にいる人に「ここにいるよ」と言う意味の、両手を上にあげたり横へ水平に伸ばしたり飛び上がったりするゼスチャーは、自然界の動物の基準では体を大きく見せる威嚇行動と変わらなくなる。もしも地球外生物とファーストコンタクトした時、どんな行動をしたらいいのだろう。まずは身を隠してそっと覗き見るだろう、しばらく観察して大丈夫そうだと思ったら、手には「何も持っていないよ」と両手を挙げて「やぁ」って笑顔で声をかけ近づいて行く。熊が襲ってくる時と同じ動作だ。そしたらいきなり光線銃を浴びせられ、ビビビビ、漫画の様に白黒のガイコツの反転映像が何度か見え丸焼けになる。なんて事は避けたい。
 次の球体では、生物だけでなく、思想、倫理観は違うからこそ、意見交換し発見や発展につながる。そんな多様性の話をしている。宗教が違えば埋葬の仕方も考え方も違う。例えば喪中期間中に祝い事がある時、おめでとうを言えず質素に祝うなど、故人が生きていれば誰よりも喜んでいるから一緒に盛大に祝うなど、行動が真逆になる事が多い。常識や習慣は場所や時代で変わる。集団と集団、個人と個人、意見が違うのが当たり前であり、お互いに尊重すればいいだけの事。55億人がアイデアを出し合い、身の回りの事でも社会の事でも話し合えば、世の中はもっとよくなるはずだ。でもそれには二つの条件が必要だ。一つ目は皆が教育を受けられる事、二つ目は意見が合わないからと言って殺しあわない事だ。二つ目は相当難しい。今日は世界のどこを見ても戦争や紛争がないって、聞いた事がない。
 次の球体では、文明の定義や文明と文化の違いを話している。文明の定義は都市国家が存在する事。狩猟採集に加え農耕があり安定的に食料の受給、都市機能を保つ分担職業、公共施設や住居を立てる科学技術、文化を発展させる文字や学問がある事である。文明は数学、科学、社会制度などの物理的経済的公共要素を指し、文化は文明の中の宗教や哲学、道徳などの精神的生活要素を指す。人類文明の歴史は700万年前に直立二足歩行するようになり、260万年前に石器の使用開始し、180万年前にアフリカから出て、150万年前に野火から火の使用を始め、12.5万年前に火を起こせるようになり、日常的に火を使うようになる。10万年前に象徴表現をするようになり貝殻のビーズ、線刻のある石片、アワビに付いていた化粧の粉などが発掘されている。64000年前に洞窟壁画を残し、20000年前に氷期が終わり、11000年前に農耕が始まり、6000年前に文字の使用が始まる。生活様式で分けると、人類は旧石器時代に道具を使い狩猟採集生活を始め、新石器時代に土器を作り農耕や家畜を行う定住生活を始め、古代時代には都市を形成し文字を使い始めている。文字を使い始めた6000年前を文明の始まりとすればユーラシア大陸、南北アメリカ大陸で、時期はずれるが多発的に独立した文明が始まっている。メソポタミア文明では太陰太陽暦、60進数を使用。エジプト文明では天文観測、測量、幾何学などが発展。インダス文明では青銅器が使用され、建物は決まった規格のレンガで作られていたが文字は解読されていない。エーゲ文明では線文字を使い大理石で作られた女性の像が多く発掘されている。文字はまだ使用していないが、絵や単純なシンボルを使い住居を建て農耕や牧畜を行う11000年前を、文明の始まりとすれば文明発祥の地域はもっと増える。アンデス文明は文字を持たず縄の結び目を利用し数字や情報を表していた。長江文明では16000年前に稲作が始まっていた。最初の人類からホモサピエンスまで生物の分化・進化し、現在の文明まで発展した。文字を使い始めてまだ6000年くらいで文明の発展は加速している。親子の世代差でも道具が進化している事が分かる。20年前にインターネットや携帯電話は存在していなかった。重いダイヤル式の黒電話から電話を持ち歩く時代が来るなんて想像もしなかった。人間が月へ行くなんて明治時代はサイレント映画の世界だった。100年後の2100年頃の世界はどうなっているのだろう。
 次の球体では、通貨は、文明交流の物々交換から始まり、貝や石、貴金属、紙幣と変わってきた。情報は長老の口伝や占星術から始まり、石板や本で情報伝達するようになった。通貨、占い、情報などの話をしている。情報の信頼性や詐欺の話もしている。情報は権力者のプロバガンダにより誘導される事もある。欠如した情報により善悪正誤真贋の判断が逆になる事も多い。見た目や権威者の発言に惑わされることも多い。同じ内容でも手書き文字より、ワープロやPCで印刷された活字文書の方が信用度は高くなる傾向がある。過激な発言をするコメンテーターやTV番組でこの食材は○○でXXだから健康に良いなどと放送されると、夕食はその食材を使った料理が出て来たり、翌日はスーパーからその食材が品薄になる。情報をそのまま受け入れる思考停止は危険だ。マスコミの表現は母数か変化の数の片方しか言わない事が多く、放送局の思想が混ざっている事が多い。2倍になったという情報でも、10万人中10人が20人になるのと1万人が2万人になるのでは、意味合いがまったく違う。選挙結果で50%に届きません、50%を超えてしまいましたと言う表現がある。その放送局が、超えてほしかったのか、超えてほしくなかったのか、どちらの思想を持っていたのかが分かる。時間を空けて連呼されるとその思想が、世間の声の様に勘違いしてしまう。インターネット検索では、検索した情報しか出てこないし、自分が気に入る情報しか見ない傾向がある。反対意見や違う見方をする意見は、別の検索をしないと出てこない。一方向の検索だけでは非常に危険だ。世間が自分の意見に賛成しているように誤解してしまう。AIが出来た時、AIだから正しいなんて、何の疑いを持たない人が出てくるのではないだろうか。例えば、占いを信じる人は、あらゆる占いから作成されたAIだからとますます信じ込んでしまう。統計情報に違和感がある時は、情報の欠如などの疑いを持つようにしておきたい。例えば乗り物の安全性は、飛行機、電車、車、自転車に分けた場合、利用時間、移動距離、利用人数、前回の事故発生からの経過時間などを、事故件数で割ると結果は違ってくる。発言者の意思や結果を出すまでの経緯や計算式を理解しないと思考操作されてしまう。情報化社会で思考停止は非常に危険だ。
 次の球体では、ユーラシア大陸の河川地域に限定した世界四大文明という通俗的表現は、中国と日本でしか使用していないという話をしている。国際的には文明のゆりかごと表現され、文明の数を規定していない。ユーラシア大陸の大河川地域以外、南北アメリカ大陸を含めると10以上の文明があり、分類方法で地域、言語、文字、文化などの時期に重なりや差異が出てくるからである。例えばメソポタミア文明、エジプト文明は、まとめてオリエント文明や肥沃な三日月地帯と表現する。旧石器時代から続く定住した日本の縄文文化は最古の文明の一つではないかと思う。文字こそなかったが世界では旧石器時代に、土器、磨製石器を使う定住生活し、部分的に新石器時代レベルの文明に発展した。日本人として誇りを持ちたい。氷期が終わり海に囲まれ他の文明と争いが頻繁に起こらなかったのは幸運だった。明治維新で漢字、ひらがな、カタカナを整理し他の文化を受け入れて発展した文化は素晴らしい。今では仏教や神道の正月、イスラム教の断食、ケルト属のハロウィン、キリスト教のクリスマス等の多宗教の文化も受け入れている。しかも古くからある四季を愛でる日本の文化も残っている。しかし、他国を侵略した過去は残念である。半世紀もの間、戦争を行わず他国を尊重した平和国家を、今後も続けてほしい。
 次の球体では、古代文明が滅亡した理由はほとんどが気候変動である。中にはアンデス文明やインカ文明の様に中世の大航海時代に滅亡したのもある。黄河文明の様に現在の中国まで続いているのは珍しい。いろいろな話をしているが、シュメル人の話が中心のようだ。世界最古のシュメル文明は都市国家連合でメソポタミア文明の基礎になった。くさび型文字の発明、高い建築技術、灌漑農業技術、数学は60進法を使用し後のバビロニア数学へと発展する。文字で知識を共有し一斉に発明合戦が起こり一気に文明開化した。時期は1000年くらいずれるが世界各地でその土地での文字が発明され、同じように建築や数学が発展する。今まで何の痕跡も兆候もなく土台となった文化もなく260万年以上続いた石器時代から、いきなり文明開化したのには何があったのだろう。最後の氷期が10万年続いたから農耕できないし天文学も数学も必要なかったと言えばそれまでだが、まるで誰かに教えられたかのように感じるのは不思議でならない。
 次の球体では、農耕が始まったのは17000年前、世界各地で農耕を始めた8000年前から中世まで、あまり発展していない天文学や数学の歴史の話をしている。数学は徐々に発展していった。学校で教えている数学レベルは、大雑把に言うと石器時代の知識は小学校、古代の知識は中学高校、中世・近代の知識は高校大学で教えている。数学を使用する天文学は宗教が邪魔をしていた。地動説・天動説や医学等、宗教の教えと異なる現実は布教では害でしかなかった。数式が沢山並び、トリビアも沢山出てくるが、殆ど分からない。計算式の表記で掛ける意味のXより、ルートの表記が先だったのは驚きだ。割り算の表記は国によって÷、/、:が使われ ÷は日本、アメリカ、イギリスの3ヶ国しか使っていないのにも驚いた。
 次の球体では、人類は180万年前にアフリカを出て地球上に散らばった。移住先では何から始めるか。そんな話をしている。集落はある程度の人数を超えると食量不足になる。動物の世界でも子は親離れして新しいなわばりを持つようになる。人類は移動しながら水や食料の確保、道具の手入れをしながら新天地を探した。石器時代では道具はそんなに持っていなかったから移住先では、まず住居を探す事から始めた。洞窟の岩場で石器を磨き狩りに勤しんだ。農耕が始まる時代では移住先に住居を建て季節を計るようになる。人口が増えれば灌漑用水を敷き集会用建築を作るようになる。現在の人類が片道切符で他の惑星で生活する事になれば何を持って行くのか。当然、移住先の惑星には人類が食用できる水、動植物がなければならない。なければ持って行くとしても、食物連鎖は維持できる量と種類は膨大になる。移住先で文明を維持できるのだろうか。知識は存続できても道具はいつか壊れる。代用品を作るのか。修理できるのか。ICチップが壊れる等、移住先で手に入らない物はどうするか。数世代も経つと持って行った文明物は全て使えなくなる。使えなくなった道具は使用方法も伝授されなくなり風化し朽ち果てていく。金属カバーなどは解体されナイフとして使われるようになるかもしれない。本来とは違う使われ方をする道具が沢山出てきそうだ。高度文明の知識は伝説となり、やがて神話となる。そう考えると古代からある神話は高度文明の名残かもしれない。シュメル人は宇宙人説なんてくだらないと思っていたが、SFの世界感から見るとロマンがあって面白い。
 次の球体では、神話、伝説、世界中の童話や昔話は、子供に話せるように話が丸くなったという話をしている。伝承された元の話の内容は下ネタ、社会風刺から始まったと考えられている。特に社会風刺は絶好の酒の肴である。伝説は事実に基づくと言われるが古くなりすぎると神話と区別がつきにくく、神話は宗教と結びつける事が多い。神話は必ずと行っていいほど星座と結び付き、古代文明にはそれぞれの神話がある。神は人間をはるかに超越しているのに、神話に出てくる神はどれも人間的すぎる性格をしている。元は実話だったがやがて伝説になりいつのまにか神話になったと考えれば辻津が合うが、元が人間だとすると変身したり自然を動かしたり人間にはできない事が多すぎる。話半分として楽しめはそれでいいのだが、古代文明の人は発想が豊かすぎる。もしも実現できる技術があったとしたら、その高度文明の技術はどこからきたのであろうか。
 次の球体では、壁画、石板、紙、写真、CD、DVDと情報伝達媒体の歴史や、未来へ情報を伝える方法が話題だ。消えてしまった言語の話もしている。書物は古くからあるが保存状態が悪いとすぐに朽ち果ててしまう。写真、CD等も紫外線に弱くパリパリになって砕けてしまう。インダス文明の文字などはいまだに解読されていない。放射能廃棄物や今後発生する長期保管物質は数百年から数万年もの間、管理する必要がある。数万年後も文明が継続していればいいが、途中で切れた場合、ここは危険だから近付くな。このメッセージを伝える方法を模索している。石板の文字は数万年ほど残りそうだが、風化して読みにくくなったり地表に埋もれたりする。インダス文明の文字の様に発見されても解読されないかもしれない。ピクトグラムも考えられるが、郵便ポストマークの様に文化が違うと通じなくなる。いろいろな図案を出しているが、どれも違った見方をすれば、マークがある事によりかえって興味を引き近づき地面を掘り返す行動をさせてしまう。ドクロマークなら、お墓だと思い何か一緒に埋まっているかもと、掘り返してしまう。厳重な箱に入れ中が見えるようにしてもしなくても、興味津々で開けてしまう。周りに死体の石像をたくさん並べておくと、かえって注意を引いてしまい原因を突き止めようと近づいてしまう。いっその事、海底からマントルまで穴を開けて混ぜて溶かして、穴を埋めて蓋をして、何もなかったように見せかけるか。いろいろな方法案が出るが決め手がないようだ。なんとしたものか。再利用する方法を探るしかないのだろうか。文明の発達と供に、いくつもの言語が消えてしまったのも残念だ。日本でも方言が無くなりつつある。方言は感情表現が豊かでニュアンスが伝わりやすい。多言語でも豊かな特徴があったはずだ。なんか寂しい。
 次の球体では、古代遺跡では必ずと言っていいほど巨石を使用している。神殿の大きな柱もある。どの遺跡もわざわざ遠くからそこまで運んでいる。どうやって加工したか、どうやって運んだか、どうやって積み上げたか。そんな話をしている。単純に人数と日数を掛ければ出来るという話ではなさそうだ。坂道を作り石柱や木材でレールやコロを作りその上に乗せて移動させる説があるが、裏付ける壁画も石板もない。何十トンもある巨石を数百人で引っぱったのであろうか、レールやコロは重さに耐えたのであろうか、埋まって使い物ならないなど、現実的には考えにくい。中世ではレンガなどのブロックを積み上げる事で、巨石を使う技術が消えてしまったのは残念だ。サクラダ・ファミリアは100年以上かけても未完成だ。スペイン内戦で資料が散逸しガウディの弟子や職人の口伝、残った僅かな資料から思想を引き継ぎ作業されている。古代遺跡は何十年にもわたって口伝だけで構築できたのだろうか。設計図、建築技術、数学無くして作られたとは考えにくい。古代遺跡のある文化には農耕の知識があり、その為に天文学が発達した事は理解できるが、紀元前5000年の建築技術や数学が中世と同等レベルに見えるのは不思議だ。不思議ついでに世の中にはオーパーツと言われる物がある。壁画やヒエログリフの中にUFOやヘリコプターが描かれているなどの発言はナンセンスだ。浮世絵の中の人物が手に持った紙を見ているのを見て、携帯電話を使っていると言っているようなものだ。ただオーパーツの中にはその時代にそれをどんな道具を使い加工して作ったのか不明な物がある。殆どが巧妙な模造品であるのが残念だ。巨石遺跡のモニュメントの並びが30進法の表現の並びとなんとなく似ているのも気になる。順番にたどると何か新しい発見が、なんて考え始めるとロマンにあふれ眠れなくなりそうだ。
 次の球体では、アイデアに行き詰まった時は、自然を観察する。そんな話題だ。物理学、医学、化学など、48億年の歴史が物語っている。動植物の形や機能は効率的に進化し無駄がない。沢山の例を挙げて会話しているが、どこもこれも数式が絡んできてさっぱり分からない。例を挙げて説明している結論だけは分かるが、途中経過が全く理解不能だ。
 次の球体では、愛、優しさ、絆、仲間、家庭といった単語が沢山出てくる。文化、社会の歴史、発展の話をしている。アリや蜂は集団で教育や育児を行っている、教育の半分くらいは本能が占めるかもしれないが、コロニー毎に少しずつ異なる。役割分担があり、コロニーを守る為にすぐに戦闘態勢に持って行けるように、サボっているように見える兵隊役や救護役が何割かいる。一夫多妻制、多夫一婦制、一夫一婦制で子育ての仕方は変わってくるが、人間の場合、圧倒的に一夫一婦制が多いのは確かだ。離婚という問題もあるが、教育は学校の集団環境で行い、性格形成や育児は家庭が担当するのが基本だ。社会が発展してくると、一人であれもこれも教えるのは難しい。そもそも親が全て知っているなんて事はありえなくなった。文明社会では専門性が必要になり役割分担が発生してくる。だからこそ協力体制が重要であり絆が生まれる。愛や優しさだけでは生きていけないが持っていないと社会からはみ出してしまう。誰かを守るために背伸びして頑張るからこそ、個人も成長する。社会の発展も個人の発展も、結局は同じ事だと思えてくる。
 次の球体では、錯覚が題材か、視覚、聴覚、味覚など。だまし絵から始まり長さ、色、遠近。大小や大きさ、高さ、映画などの効果音。これは見ているだけで面白い。暇な時にインターネットでよく見に行く分野だ。ずっと見ていたい。後でまた来よう。
 次の球体では、クイズをやっている。赤い帽子が3つ、白い帽子が2つ、3人が暗室に入ってそれぞれ帽子をかぶり出てくる。自分の帽子の色は見えないが、それぞれの他の二人の帽子の色は見えている。自分がかぶっている帽子が何色か聞かれた時、一人目二人目が分からないと答え、3人目が何色と答えるかの問題だ。確率ではなく論理的に考える問題だ。分からないと答える理由を考えるクイズだ。一人目二人目が残りの二人の帽子を見た時に、両方とも白でないから分からない事に気が付けば良い。3人目が白い帽子をかぶっていたら、2人目が赤と答えてしまう事になる。3人がかぶる帽子のパターンを書き出し、順に消していくと3人目は赤しかない4パターンが残る。次のクイズは3枚のカードの中から当たりを選ぶクイズだ。3枚の中から1つ選び、主催者が残りの2枚の中からハズレカードを1枚だけ表にする。その時、最初のカードから裏返っているカードへ変更するか。という問題である。確率から言えば3分の1が2分の1になる。変更した方がいいのかそのままでよいのかどっちでもいいような気がする。考え方を変えれば、10億円宝くじを1000万枚の中から1枚選ぶと考えればよい。主催者は選ばれたカード以外のハズレを1枚だけ表向ける。これをずっと繰り返し最後2枚になった時、最初に選んだ1枚が当たりとは思えない。確率は関係なく感覚的に変更するだろう。次のクイズは5人の証言から誰が嘘をつき真実を導き出す問題だ。もういい。頭が痛くなる。
 文化的な話が続いた。次は何があるのだろう。

 また六角柱の外に出て右隣の面の真ん中あたりを選んでみた。
 この球体では、理性、感情、本能に関する言葉が飛び交っている。極端に一言でいえば、理性は善悪、感情は好き嫌い、本能は肉体的行動である。理性では分かっているが感情に流されて失敗する事が多い。喜怒哀楽を動物の本能に例えると、喜は食事、怒はなわばりを守るための威嚇、哀は求愛行動の失敗、楽は狩りやその学習とも言える。感情がなくても本能だけで子孫繁栄は出来る事になる。他にも恐怖や驚きは逃げると言う生存本能そのものである。愛情の裏返してある嫉妬や憎悪は相手がいるからこその本能だ。単独行動では発生しない。ここは感情の必要性の話題だ。人間だから本能から発展して集団社会を円滑に進める為、相手の感情を読み取り音で複雑な意思疎通を図るようになり、言語や文字が生まれた。言葉を話す人間と霊長類と他の動物の違いとして片付けていいのか。犬や猫はペットとして飼われているから感情は分かるが、海洋生物、虫、植物はどうコミュニケーションを取るのか。将来、人型ロボットができた時に感情は必要か。出かける時に寂しがったり、家事を渋ったり、部屋を散らかしたら怒ったりする事は必要か。軍用ロボットなら感情が不要なのは確かだ。軍人は仕事として割り切って感情を殺していても、トラウマやストレスからPTSDに悩む軍人が多い。逆に軍用ロボットに殺人の快楽感情を与えるなんて恐ろしい。そもそも機械に感情を与える事なんてできるのか。感情からくる単語や言葉使いの出現回数から過去の回数と比べて今日の感情をくみ取り、心地よい単語でリラックスの表情、不快な単語で怒りの表情、ほめる単語でうれしい表情などは、作れるかもしれない。作られた表情の意味を理解させる事は難しそうだ。もっとも理解していなくてもロボットが人間の表情や感情を読み取り、ロボットが演技する事でコミュニケーションが取り易くなることは確かだ。物事の判断は理論的、感情的どちらを優先するのが正しいのか。善悪、正義、損得は立場が違えば逆転する。幼児や子供の教育用ロボットなら難しい言葉を並べて説得するより、感情をあらわにした方が伝わりやすい事は確かだ。人型ロボットへの感情搭載の有無はケースバイケースって事だろうか。
 次の球体では、科学の為に人間を実験や娯楽のための狩りの対象にしないなら、動物も同じようにするべきである。動物実験や娯楽としての狩りの話をしている。動物に感情がないわけではないし、痛みも感じる。最近は動物愛護団体活動で、なくなってきているがゼロではない。科学が発展させシミュレーションで済むようになってほしい。 
 次の球体では、科学と宗教は互いに反発し、ある時は利用し発展してきた。科学技術が発展したら宗教は消えてしまうのか。愛、不安、恐れ、悲しみなど、精神面は科学では補えない。そんな話をしている。将来AIができた時にAIが言う事だからって黙って従うのか。そもそも人間が作ったもので完璧な物なんて有り得ない。神が作ったとされる人間でさえ、この有様である。人それぞれ価値観が違うのだから、AIが出す結論も設計者の数だけ出てくる。統合されたAIができた時に問いてみたい。一番偉い神様は誰かと。誰と答えるのだろうか。想像的な創造物は比較する事に意味がないとでも答えるのだろうか、それとも全く別の答えが返ってくるのだろうか。気になるところだ。
 次の球体では、資本主義、社会主義、王国など、最終的にはどの制度が国民にとって幸せなのか、社会と哲学の話をしている。資本主義では貧富の差が存在し、弱者を救う為には社会主義的になる。今か未来か、現世代か次世代の子供たちか、どちらの世界を優先するか、選挙ではいつも話題になる。意見が分かれて決断まで時間のかかる民主主義。トップダウンで何事もすぐ決まる独裁主義は、暴走したり反対意見は抹殺される。権力は自己保身に走りがちになる。何が正義かずっと争ってきた話だ。国民の生活を第一に考える国王や独裁者が存在し、全国民が幸せな国家がするのも現実だ。忖度なしで心底幸せだと言う国民がいる国家もあれば、幸せ発言を強制される国民がいる国家もある。自己防衛や他者防衛で起こした犯罪の罰はどの程度か、自分が起こした暴力を倍返しの罰として受けさせるのは残酷で野蛮か。法律や倫理観は時代で変わるし、変わるべきだ。ただ多数決はある意味恐ろしい。反対意見はなかった事になるし、感情に流され易く社会の分断、内戦、戦争に発展する。国民投票や武力を使わないクーデターがいいとも言い切れない。最悪、無政府状態になり収拾がつかなくなる。たぶん複合体でアクセルとブレーキが同時に働き国民第一主義が正解なのだろう。何も決まらないのも困る。要はバランスの問題だが価値観は育ちで違ってくるから、永久に結論は出ないだろう。
 次の球体では、グローバル化とローカル化 理想主義と現実主義。そんな言葉が飛び交っている。目的と手段の切り分けの話のようにも聞こえる。互いに真逆の事を言っているが、目指している方向は同じで手段は一緒だ。そんな話をしている。アプローチの順番、作業の順番が違うだけで最終的には同じ作業をしている。優先順位の付け方の違いである。戦争か会社経営の話か分からないが戦略、戦術の話をしている。優先順位が低いから無駄、価値が低いと言う事ではない。輸出する工業製品でいえば、共通部分はグローバル化、国別の差異はローカル化と両方必要である。理想と現実も目標と手順と言い換えれば、両方必要である。複雑な問題も細かく分けて単純化すれば解決しやすい。分かってはいるが、実社会ではしがらみが沢山あって、思い通り行かないのが現状だ。
 哲学的な話が続いた。永遠に解決できそうもない問題ばかりのような気がした。

 また六角柱の外に出た。側面6つ回ったから今度は上の面に回ってみた。この面は今までの底面や側面と違って凸凹している。とりあえず真ん中あたりを選んでみた。
 この球体では、素材として有機物の存在、ハビタブルゾーンの中は当たり前なのだが、有機物の混ざった液体が混ざり合わないといけない。そういう生命誕生の話をしている。惑星起源説では、惑星の長楕円運動や衛星との重力変化で起こる潮汐や、地軸の傾きによる季節の変化で有機物を含んだ液体をかき混ぜるなど、そういう要素が必要だ。穏やかな海では有機物の合体は起こりにくく生命の誕生という奇跡は起こらない。惑星外起源説では、生命の元に当たる物または原生生物を含む隕石が惑星に漂着し環境が合えば進化していく。アミノ酸の構成物だけを集めさまざまな環境を作り無限に振っていれば、やがてアミノ酸が構成されそのうちにたんぱく質ができるなんてありえない。例えば縦横高さが5個の125ピースの立体ジグゾーパズルを永遠に振っていれば、いつかは完成すると言っているようなものだ。どちらにせよ最初の生物はどうやって発生したかが問題だ。SF小説では、高次元宇宙から高次元文明の高次元生命体が、低次元の3次元宇宙を作り、将来の為の冗長性、環境に対応できる汎用性、環境変化に対応できる自己改造機能を持つ、多種類の生命基礎の種をばらまいて実験していると言う話を読んだことがある。生命の共通起源であるLUCAの話もしている。そこから古細菌、細菌、真核生物へと分化し進化していった。生命のエネルギー源として酸素、水素、メタン、アンモニア、硫黄などがあり、それぞれに進化して今も生きている。そもそもの話として生物の定義の話もしている。外部と膜で仕切られている事、代謝する事、自己複製する事の3要素だ。そうなると鉄錆とカビの違いも難しい。もしかしたら鉄錆が進化したら金属生物になるのかもしれない。とりあえず言える事は地球上の生物の誕生は、ありえないくらいの偶然に偶然が重ならないと実現しない確率という事だ。
 次の球体では、他の文明との接触する条件や時期を話している。無線が発明され商用ラジオが始まったのが1920年頃だから約80年前、実験を含めると宇宙へ電波が飛び出したのは100年前になる。SETIが人工的な電波を探している。100光年以内に電波を受信送信する文明があれば、向こうからの何かしらの信号が届くのは100年以内になる。まだ受信できないと言う事は、往復100年の50光年以内には文明がない事になる。受信しても発信していないだけなのかもしれない。100光年以上離れていても、100年以上前から電波を出していれば現在でも受信することが出来る。電波の発信方向は分かるが、発信時期は太陽周回の視差から割り出した距離から判断するのだろうか。PCにSETIソフトを走らせ、1件当たり1週間から10日ほど処理時間がかかっているが、これで見つけられると思うとワクワクする。知的生命文化の痕跡を見つけたい。気になるのは高度文明が無防備に宇宙へ電波を垂れ流しするのだろうか。自然界の動物世界では捕食されないように自分の存在を隠している。ここにいるよって気安く発信していいのだろうか。侵略的な文明に見つかったらと思うと不安になる。
 次の球体では、宇宙の年齢の話をしている。天の川銀河はビッグバン後、数億年から10回以上の合体を繰り返して直径10万光年の今の形になった。銀河のディスク方向以外に10本以上の帯を持ち過去に合体があった事を示している。渦巻が壊れない程度の小さな合体を繰り返し今の形になった。40億年後には直径22万光年の渦巻型アンドロメダ銀河に呑み込まれ合体し、60億年後には一つの大きな楕円銀河になる。どの銀河も合体を繰り返し大きくなってきた。ビッグバン後から時間がたつほど合体の頻度は下がるが合体する規模は大きくなる。宇宙の年齢は138億年で天の川銀河もアンドロメダ銀河も10回から20回の合体を繰り返し大きくなってきた。平均して5から10億年に一度の間隔で合体している。最大の銀河は10億光年離れたIC1101で直径がハローを含めると500万光年もある。銀河系の50倍もある。銀河間の密度の高いところにいたのだろうか、一桁大きい。天の川銀河の合体形成と同じだとすれば10億年間隔で合体を繰り返し直径500万光年の大きさになるには、IC1101は100回以上合体を繰り返してきた事になる。直径2000光年の小さな銀河が毎回綺麗に2倍になる合体を繰り返したと考えれば十数回で500万光年にはなるがそんな偶然は考えにくい。宇宙は膨張して現在の実質直径は約940億光年である。実際に観測できるのが150億年ほどだから、940億光年先は光でも届かない距離だ。膨張を続ける宇宙は1000億年後にはそれぞれの銀河団は合体して一つの楕円銀河になると考えられている。IC1011は一足先に小さな銀河団が一つになったのだろうか。ビッグバン説の138億年では1桁足りない。中心のブラックホールは合体を繰り返して大きくなっただけなのだろうか。最初のブラックホールが出来るまでの経過時間が必要になるのではないか。桁違いの銀河があるなら桁違いのブラックホールも単体で存在するのではないか。宇宙年齢は1380億年であり現在の実質直径は9400億光年になっているのではないか。どう考えても距離と時間が合わない。どういう事なのだろう。
 次の球体では、ブラックホールの中心は、押し固められ何物も動く事が出来ず、割れやすい絶対0度の個体である。あんなに小さくなる事が出来るのは、物質の隙間が単に無くなったからであり、重力をも寄せ付けない冷エネルギーが微動だにする事を許さない。冷エネルギーの周りに張り付いた重力エネルギーの一部は、180度反転し反重力エネルギーとして放出される。重力は距離に比例して急激に小さくなるが、反重力は非常に微弱な力であるが重力よりも遠くまで影響する。重力により銀河は構成され合体を繰り返すが同時に反重力も働いている。しかし重力の影響する距離では圧倒的に反重力は弱く、銀河内程度の距離ではそれぞれの反重力は相殺されて消えてしまう。銀河団程度の大きさになれば、銀河団間の反重力の向きがそろいお互いに離れていく。この力が宇宙を膨張させている。また冷エネルギーは重力エネルギーがある限り、わずかではあるが反重力エネルギーに変換される。時間をかければブラックホールは消えてしまう。物質の直径と距離の比率は、銀河団間も銀河間も惑星間も元素間も素粒子間も同じように1対13桁前後もある。約40億年後に天の川銀河とアンドロメダ銀河が衝突する時も惑星の衝突はほぼ起こらない。ブラックホールの衝突、冷エネルギーの合体は、押し固められた2つの物質も一つに一瞬で質量順に並べ替えられる。その時、周りに重力の乱れを多少起こすくらいだ。冷エネルギーの表面では、重力と遠心力でバランスを取っているが、回転する最大円周部と極部の重力バランスが壊れ、表面の熱エネルギーが冷エネルギーと接触すると、十数桁以上の温度差により巨大な反重力状態になり、宇宙構造のボイドになる。これはホワイトホールの話かもしれない。超新星爆発で元素を宇宙に放出するのとは違い、ボイドを作りその周りに素粒子レベルの物質を並べた状態にする。反重力で押しのけられた物質通しは、近づいたら重力が働き合体する。宇宙は部分的に絶えず破壊と創造を繰り返している。重力と反重力は、磁石のN極とS極に似ているが、力の大きさに大きな差がある。大きさが違うからこそ毎回結果が異なり、アンバランスだからこそ絶えず変化が起こり多様性を産むという事なのだろうか。
 もう私自身、何を言っているのか分からなくなってきた。少し頭を冷やそう 六角柱から外に出よう。

 何年か前に世界の人口が55億人を超えたというのをニュースで見た。球の数からすれば約45人に1人が連れてこられた事になる。文明の網球をみれば、古今東西、時代劇に出てくるような服装の人もいたから5000年前、文明らしきものが出来てからだと15000年以上前から来ている事になる。過去の地球上に人類以外の文明あれば、その文明の網球も作られているのだろうか。進化の樹木球を見れば40億年以上前から来ている事にもなる。そもそも中に入っているのは人間だけなのか。動物、植物、虫等あらゆる生物が入っているとすれば、これはノアの箱舟か。いや、ノアの箱舟なら私が選ばれる事はないから違うな。イルカ、クジラ、タコ、イカ、蜂、アリとも会話しているのだろうか。そもそも目的は何なんだろう。
 六角柱に並んだ半透明の黒い球体の塊は、濃霧の中に消えていき、白い空間だけになった。
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