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夜の出会いと秘密事!
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しおりを挟む伊達メガネをかけ、ハットをかぶってマスクもつけて準備完了。
本日の目玉である目的の店は表の道からすこしなかに入った場所にある。
普通の人にとったらそのお店はちょっとコアな作品を扱うレンタルショップなんだけど…
「はい、会員カード。注文してた商品取りにきたんだけど、いいかな?」
「はい、届いていますので奥にどうぞ」
奥に行くと、色々おためしできる会員限定の部屋があるんだよね。
ちなみにそのさらに奥…
っていうかレンタルショップの反対側は普通のアダルトショップになってる。
深夜しか営業してないから今は開いてないけどね。
奥にいけば、案内用の店員さんがいて、雅ちゃんが朗らかに声をかけた。
「こんにちは、商品とりにきたんだけど」
「いらっしゃいませ、加茂様。今ご用意してきますので少々お待ちください」
そうすれば店員さんは、俺たちをパーテーションで区切られた場所にあるソファーに案内したあと部屋から出ていく。
ソレをソファーに座りながら見おくって、俺はワクワクした気持ちを抑えきれずに雅ちゃんに話しかける。
「ねぇねぇ、雅ちゃん。どんなの頼んだの?」
「それはあとでのお楽しみ♪」
雅ちゃんはナイショだよって唇に人差し指を当ててイタズラっぽく笑った。
けど、すぐにその笑顔が妖しいものに変わって、俺にピッタリ身体を寄せて耳元に吐息まじりの声で囁いてきた。
「ねぇ、みつ……みつは試したい? それとも…試されたい?」
「っ、それは──」
俺が雅ちゃんを攻めるのか、雅ちゃんに攻められるのかってコトだよね?
だったらゼヒとも!
「俺、雅ちゃんでためし──「まぁ、俺でって言われてもみつで試すのは決まってるんだけどね」
「えぇ~っ、なにソレ!」
「俺の後ろは操さん専用なんで♪」
だったら最初っから聞かないでよ!
タチな気分になっちゃったじゃんっ!
「ならふたりで店員さん攻めようよ」
「あの人はタチ専だからダーメ。店員とふたりでみつを攻めることしかできませーん」
「くっそ~!」
せっかく啼かせられるとおもったのに~!
「まぁまぁ…気持ちよくしてあげるから、な?」
雅ちゃんは耳に息を吹きこむように囁いたあと唇でいやらしく耳を食みながら、服ごしに俺の後ろを爪先でじらすように軽くカリ、カリって引っかいて刺激した。
そのしぐさがすげぇエロくて、タチに傾いてた心も一気にネコな気分に変わる。
でも拍子抜けさせられたのはね…
「んっ…めっちゃ気持ちよくしてくんないと許さないからね」
「ふふっ、まかせといて」
雅ちゃんはそういって艶っぽく笑う。
そしたら、ソレと同時に店員さんが箱を恭しく持ってなかに入ってきた。
「お待たせいたしました」
めっちゃタイミングいいじゃないっすか、店員さん。
さすが会員制のお店なだけはあるね。
「こちら、ご注文の商品でございます。お試しになる場合は専用のルームにご案内いたしますが、いかがなさいますか?」
「ルームに案内してくれるかな」
「かしこまりました。ではご案内させていただきます」
「みつ、行くよ」
「はぁ~い♪」
そうして連れてかれたのは磔台とか大きな鏡台とかがあるSМ用の部屋だった。
「あ…」
「うわぁお…」
まさかこんな部屋に案内されるとは思わなくてつい声がもれる。
店員さんが部屋から出てったのを確認して、俺は隣で気まずげな顔をした雅ちゃんに話しかけた。
「雅ちゃん、コレって──「いや、これはみつを調教しようとかそんなんじゃなくてな! えと、いつも使ってる部屋がここってだけで…!」
「あぁ…パ──父さん、男にはドSだもんね…」
だから当然買うオモチャもソッチ系になって、案内される部屋がこうなるわけね。
もー、雅ちゃんに調教されるんじゃないかってちょっとビビっちゃったじゃん。
「あー…これじゃあヤり難いだろうし、部屋変えてもらうか」
「面倒くさいしいいよ。それよりも──」
気まずさに負けた雅ちゃんをそう言って押しとどめて、その首に腕を回して抱きつきながらそっと顔を寄せる。
「約束どおり、気持ちよくしてね?」
「…嫌ってほど、気持ちよくしてあげるよ」
唇が触れそうな距離でそう囁けば、返ってきたのは肯定の言葉と甘いキス。
すこしづつ深くなるソレにこたえながら、俺はうっとり目を閉じた。
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